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【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本 15選

目次

今年の干支を絵本で読もう。

十二支の中の”丑(うし)”

2021年の干支は、丑(うし)年です。
十二支の中で順番は二番目ですが、ねずみのように姑息な手を使っていない分、実質、一番早く神様の御殿に到着したと言ってもいいウシ。
中国では、昔から方位をこの十二支の並びで表していて、牛と寅の場所は鬼門にあたる「北東」になります。
そのため、鬼の姿は昔から、寅模様のパンツを履いていて、頭にはウシのツノがあるそうですよ。
鬼のツノが干支と関係していたなんて、面白いですね。

人とウシとのかかわり

ウシは、ことわざや慣用句に多く使われていることからも分かるように、ねずみ同様、昔から人間との関わりが濃い動物です。
しかし、家畜として人間の生活に役立ち、人間が生きていく上でとても大切な存在であったことから、人間の意図しないところで関わってきたねずみとは、当然、その価値は大きく違っていたようです。

絵本においても、悪く描かれている印象の少ないウシ。今回は、そんなウシさんが出てくるお話を15冊選りすぐって集めてみましたので、ぜひ、この機会に、お子さんに読み聞かせてあげてください。

ウシが出てくるおすすめの絵本 15選

 

絵も、詩も、インパクト大!

『うし』内田 麟太郎/詩 高畠 純/絵 教育画劇

うしの後ろにうしがいて、そのまた後ろにもうしがいて、最後は・・・という、文にすると何とも単純なお話ですが、この内田麟太郎さんのシンプルな詩に、高畠純さんの個性的な絵が旨い具合に合わさって、素敵な一つの作品になっています。高畠さんの描くうしは表情が面白くて、これが淡々とした詩と合わさると無性に笑えてくるのです。
この絵本は私が読むより、絵本を読みなれていない人に淡々と読んでもらった方が、絶対子どもにウケる!と思い、主人に読んでもらったところ、子どもたちは大笑い。
その後も、子ども二人で何度も読み返していました。
 

小2むすこ
小2むすこ

うししか出てこないのに、なんでこんなに面白いの~。

 

5才むすめ
5才むすめ

またお父さんに読んでほしいっ!

 

『うし』は、他の記事でも紹介しています。
3,4歳児におすすめの絵本20冊

 
 

タイトル通りの、のんびり感。

『うしのもーさん』風木 一人/作 西村 敏雄/絵 教育画劇

大きくて力持ちの、うしのもーさんは、「せなかに のっけてよ」と言われれば、すぐに誰でも背中にのせてあげます。
もーさんの背中は沢山の動物たちでいっぱいになりますが、そんな中、もーさんはある願いをぼそっとつぶやくのです。
「ぼくも……のってみたいなあ」

見たことある絵だな~と思っていたら、我が家にある絵本『うんこ!』(サトシン/作 文溪堂)の絵を担当されていた西村さんが絵を描かれていました。
最初に紹介した『うし』(内田 麟太郎/詩 教育画劇)や、『おおきなかぶ』(A・トルストイ/再話 福音館書店)や『てぶくろ』(エウゲーニー・M・ラチョフ/絵 福音館書店)などにも見られる、”繰り返し”が子どもたちは大好きですよね。決して、続きが気になってページを捲る手が止まらないわけでも、大きなオチがあるわけでもなく、終始のんびりと続いていくお話ですが、最後はどうなるのかというわくわくした気持ちや、ちょっぴり予想外の展開に思わずニヤッと笑ってしまうぐらいが、子どもたちにちょうど良い安心感を与え、飽きずに何度も読まれていくのではないでしょうか。
 

小2むすこ
小2むすこ

必死な表情の動物たちがかわいかった!

 

5才むすめ
5才むすめ

もーさんの背中に乗ってみたい。まだ乗れるかな・・・。

 
 

独特な世界観!

『ウシバス』スズキコージ/作・絵 あかね書房

人々がウシバス停で待っていると、定刻にウシバスがやってきて乗車しますが、このウシバス、なかなか一筋縄ではいかないようで、乗っている人は振り飛ばされそうになるやら、海に沈むやら、踏んだり蹴ったり。
説明書きは一切なく、「グルグル」や「バシバシ」など理解しがたいセリフが続くので、読み聞かせにはけっこう難易度高めです。例えば読み聞かせを始める前に、「何人がウシバスにずっと乗っていることができるかな?」なんてクイズを出してお子さんを引き付けておくのも一つの手かもしれませんね。
色使いがアーティスティックで、現代アートを思わせるような、不思議な世界に触れられる作品です。
 

小2むすこ
小2むすこ

乗ってる人おかまいなしのウシが面白い。
必死につかまっている人たちは、ウシバスの恐ろしさを知ってて乗ってきたのかな。笑

 

5才むすめ
5才むすめ

ウシバスこわい。ぜったい乗りたくない。

 
 

うちの娘は「こたつうし」ならぬ、「ふとんむし」!

『こたつうし』かわまた ねね/さく 長谷川 善史/絵 世界文化社

寒くてこたつから出なくなったうし。その名も”こたつ”と”うし”で、”こたつうし”となったうしのお話です。
こたつうし母さんの温かいこたつを求めて、子どもたちが一人、また一人と入ってきて、こたつはぎゅうぎゅう。
そのうちケンカが始まって、こたつうしは立ち上がり・・・。

この絵本を読んでいて、思い浮かぶのは、布団の中で起きるのを渋る娘の顔。
お兄ちゃんは6時ピッタリに目覚ましで起きれるのに、妹ちゃんは布団をはぎ取ってもはぎ取っても、引っ張って潜り込む。眠り姫というか、ふとん虫。
本作を読みながら、「こたつうしは妹ちゃんみたいだね~」と、お兄ちゃんと笑いました。
 

小2むすこ
小2むすこ

このこたつうしのように、こたつに入ったまま動けたら、
どんなに幸せか・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

こたつうしに、なりたい。

 
 

こんなウシがいてもいい。

『まめうし』あきやま ただし/作・絵 PHP研究所

こちらは、まめうしくんの一日を絵本にした作品です。
豆粒ほどの小さい子うしですが、冒険が好きだったり、ぶたさんの背中をかいてあげたりと何かと頼もしい、まめうしくん。読んでいると、心がほっこりとしてきます。
とりさんやありさんを助けてあげる、優しいまめうしくんに子どもたちはニコニコして聞いていましたが、物語後半に出てくる、まめうしくんの夢には、声を出して笑っていました。
子どもたちは、まめうしに興味津々です。
 

小2むすこ
小2むすこ

小さくても毎日が楽しそう。
途中に迷路みたいなページがあって、面白かった。

 

5才むすめ
5才むすめ

まめうしくん、かわいいっ!!(ハート)

 
 

わがままで、くいしんぼうな牛の話。

『くいしんぼうのはなこさん』石井 桃子/作 中谷 千代子/絵 福音館

おひゃくしょうの家の牛、はなこは、食いしん坊でわがままな牛です。干し草をあげれば「ほしくさは いや」、とうもろこしの粉をやれば「それはいや、あおい クローバーが ほしい」と言います。そんなはなこも大きくなり、春がやって来ると牧場へ連れていかれるのですが、牧場生活でわがままが直るどころか、ますますやりたい放題で、その風貌はまるで大きなアドバルーンのようになってしまいました。そしてとうとう、獣医さんがやってきて・・・。

このお話は、牛の話には珍しく、どうしようもなくわがままな牛が出てくるお話です。
この牛のわがままっぷりときたら、読み聞かせをしていると、横から「ほかの牛がかわいそうだね・・・。」と、はなこ以外の牛を同情する言葉が聞こえてくるくらい、酷いもの。
このわがままな牛がどうなっていくのか、子どもたちは最後まで真剣に耳を傾けてくれました。
 

小2むすこ
小2むすこ

自分の事しか考えないで、わがままばっかり言ってると、いいことない。

 

5才むすめ
5才むすめ

このうし、いじわるでイヤ。

 
 

私たちの手元に牛乳が届くまで。

『おかあさん牛からのおくりもの』松岩 達/文 冨田 美穂/絵 北海道新聞社

 
 
こちらは酪農家の一日を通して、私たちの手元に牛乳などの乳製品が届くまでの流れを知ることが出来る絵本です。
とても詳しく教えてくれているので、物語の絵本しか読んでもらったことのないお子さんには少し難しいと感じられるかもしれませんが、わかりやすい絵で描かれた解説があるのでそちらを見ながら読み聞かせてあげると理解を深めることが出来るのではないでしょうか。
牛のお乳やお肉が私たちの手元に届くまでには、酪農家さん、獣医さん、授精師さん、酪農ヘルパーさん、牛乳を運ぶローリーの運転手さん、牛乳工場やお肉の工場で働く方々、ほかにも多くの皆さんが関わっていることがこの絵本を読めばわかります。この後に紹介させていただく『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』(坂本 義喜/原案 講談社)と合わせて読めば、牛と関わる仕事をしている方が普段どういう気持ちで牛と関わっているのかも良くわかって感慨深いです。
 

小2むすこ
小2むすこ

うしが草を食べてウンチをして、そのウンチを肥料にして草が生えてうしがその草を食べて、ウンチをして・・・。
なんか、すごいな~!ムダがない!

 

5才むすめ
5才むすめ

牛におっぱいが4つもあるって!
ねこには8つっ!!!

 
 

「いただきます。」の意味がわかる絵本。

『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』坂本 義喜/原案 内田 美智子/作 講談社

前半は、食肉センターに勤める坂本さんの息子さんの参観日エピソードが中心となっていて、坂本さんの「牛を解く(牛を殺す)」仕事への葛藤が描かれています。後半は、牛農家の女の子と、大切に育てられたみいちゃん(牛)のエピソードから、「この牛だけは解きたくない」と坂本さんが葛藤する気持ちが描かれています。
どちらも「牛を解く」食肉センターでの仕事への葛藤がメインに描かれていますが、この絵本を読んでいると、ご飯を食べる前にこれまで形式的に言っていた「いただきます。」という言葉の意味が、改めて心に響きます。子どもたちに「命をいただいて、命を繋いでいる」ということを知ってもらえる良い機会なのではないでしょうか。
 

小2むすこ
小2むすこ

これからはもっと、「いただきます」をちゃんと言おう!
残さず食べよう!

 

5才むすめ
5才むすめ

うしも泣くんだね・・・。

 
 

あんなものにも牛が!

『きみの家にも牛がいる』小森 香折/著 中川 洋典/絵 解放出版社

まず表紙の絵を見ただけで、子どもたちに読む前から質問の嵐だったこの絵本。
私たちの身の回りにある、牛が原料となっているものにはどんなものがあるか、それらを作る為には牛から命をもらっているのだというメッセージがたくさん詰まっていて、子どもたちは興味津々で最後まで聞いてくれました。
ページ配分としては、牛を解体する、食肉市場での作業についての説明がやや多めなので、乳牛というより肉牛の話が中心です。
最後のページには、家族で朝ごはんを食べている2・3ページの絵に、牛が原料のものがどれだけあったかがわかる絵が載っているので、子どもにクイズを出すことも出来そうですね。
食べ物以外にも身近なものに牛が使われていることが、子どもたちには衝撃だったようです。
 

小2むすこ
小2むすこ

グミにも牛が使われていることに驚いた。接着剤にも・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

知らないことばかりだった!

 
 

夢のようなうし!

『うしさんおっぱいしぼりましょ』穂高 順也/作 竹内 通雅/絵 ポプラ社

現実的な絵本の紹介が続いたので、次は思いっきりメルヘンな絵本の紹介をしたいと思います。

こちらは、とびきり美味しい牛乳を搾ってくれる、ちょっと不思議な「まきばのぎゅうにゅうやさん」の物語です。
「まきばのぎゅうにゅうやさん」の、牛のお乳が飲みたい人は、お金を払わなくていい代わりに牛になにか食べ物をあげることが条件です。みんなは、イチゴをあげたり、バナナをあげたり、豆をあげたり、いろいろなものを牛に食べさせるのですが、ついにはあんなもの、こんなものまで食べだして・・・。
お次はなにを??と、次に牛が食べるものを想像しながら読み進めていける一冊です。
それを食べた牛のお乳から何が出てくるのかを、親子で当てっこするのが楽しいですね。
♪うしさん おっぱい しぼりましょ♪」のフレーズに子どもたちはすっかりハマったようです。
 

小2むすこ
小2むすこ

うしさん おっぱい しぼりましょ~♪
ぼくなら氷を食べさせるわ~。

 

5才むすめ
5才むすめ

うしさん おっぱい しぼりましょ~♪
わたしならイチゴと氷~。

 
 

スコットランドの昔話

『ノロウェイの黒牛』中川 千尋/文 さとう ゆうすけ/絵 BL出版

こちらは、ノロウェイの黒牛に魅入られた娘の物語です。
身の毛もよだつ怪物と言われるノロウェイの黒牛と結婚してもいいと姉たちに語っていた娘の前に、ある朝、その発言通り、本当にノロウェイの黒牛が娘を迎えにやってきてしまいました。娘は黒牛の背に乗り、果てしない旅に出ることになりますが、やがて、黒牛にかけられた呪いを知ってしまい・・・。

さとうゆうすけさんの絵がとても美しいので、子どもたちはすぐにこの絵本を気に入ったようです。特に下の娘は、この絵本を読んでからと言うもの、髪をくくる時にはこの絵本を持ってきて、「このお姫様と一緒の髪型がいい~。」と言うようになりました。「恐ろしい黒牛は、実は呪いをかけられている・・・」というよくある設定も乙女心をくすぐったようで、保育園児が読むには字も小さく、ページ数も多いにも関わらず、一生懸命自分で読んでいました。
 

小2むすこ
小2むすこ

日本以外のほかの国にも、いろんな昔話があるんだ~。
もっといろんな国の昔話が聞いて見たくなった!

 

5才むすめ
5才むすめ

お姫様が可愛かった~。
最後がよかったねぇ!

 
 

みんなちがって、みんないい!

『はなのすきなうし』マンロー・リーフ/さく ロバート・ローソン/絵 岩波書店

こちらは、花の匂いを嗅いでいるのが大好きな、フェルジナンドという子牛のお話です。
他の牛たちのように飛んだり跳ねたりするよりも、草の上に座って静かに花の匂いを嗅いでいるほうが好きなフェルジナンドは、大きくなっても、他の牛たちのように角でつつき合ったり、頭をぶつけあったりせず、変わらず花の匂いを嗅ぐのが好きでした。
そんなある日、闘牛に出す一番大きな気性の荒い牛を探しに牛飼いたちがやってくるのですが、ひょんなことからフェルジナンドが牛飼いたちの目に留まってしまい・・・。

本来ならカタカナ表記であるべき、国の名前や牛の名前がひらがなで書かれていたり、文の並びが独特で、読む側は少し読みづらさを感じるかも知れませんが、子どもたちは最後まで楽しんで聞いてくれました。
闘牛場へ連れていかれるフェルジナンドを見て、「かわいそうだね・・・。」としんみりしている我が子に、こういう気持ちがわかるようになったのかと、親としてしんみり。
花が好きな牛がいてもいいし、仮面ライダーが好きな女の子がいてもいい、ラブパトリーナが好きな男の子がいてもいいよね~なんて読んだ後、親子で話しました。
 

小2むすこ
小2むすこ

最後のページの「大闘牛フェルジナンド」と書かれたポスターの絵が面白かった。
本当はあんなのじゃないのにね。笑

 

5才むすめ
5才むすめ

フェルジナンドが、もとの場所に帰れてよかったね~。
よかったぁ・・・。

 
 

ウクライナの昔話

『わらのうし』ワレンチン・ゴルディチューク/作 内田 莉莎子/訳 福音館

こちらは、貧乏なおじいさんとおばあさんの、ウクライナ版わらしべ長者のようなお話です。
タールづくりと糸を紡いでなんとか生計を立てていた貧乏な老夫婦は、ある日、おばあさんの提案でわらの牛を作ることにしました。わらで体を作り、横っ腹にたっぷりとタールを塗った、わらの牛です。
翌朝、おばあさんは、このわらの牛と丘に登りますが、おばあさんが居眠りをしているすきにクマがやってきて・・・。

この絵本を読んでいると、「タールってなに?」と子どもからの質問。
そうですよね。大人の私もよくわかっていないのだから、子どもがイメージできるわけがありませんよね。絵によると、なにやら黒く、くっつくものらしいことはわかるのですが・・・。よく見ると、絵本のページの右下の方にちゃんと説明して下さっていました。この説明から、さらにイメージしやすくなったようで、無事に物語に入り込むことが出来たようです。
ストーリーの面白さはもちろんのこと、『おおきなかぶ』や『てぶくろ』などの名訳で知られる内田莉莎子さんが翻訳を担当され、ウクライナの代表的な画家であるワレンチン・ゴルディチュークさんが長い時間を費やして丁寧に作品にしていった絵本なので、子どもたちに媚びない昔話の面白さがこの絵本には詰まっています。
 

小2むすこ
小2むすこ

動物たちがおじいさんを裏切るんじゃないかと思ったけど、
そうじゃなくてホッとしたよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

キツネだけ、なんかかわいそうだった。(←この発言の真意は不明。)
でも最後はみんなよかったね。

 
 

話のオチが面白い。

『おばあさんのひっこし』エドナ・ベッカー/作・絵 神沢 利子/訳 福音館

ある日、おばあさんは古くなった自分の家を引っ越すことを決心します。
そうと決まれば、二匹のねこと、ろばと、牝牛を引き連れて、さっそく、すてきな新居探しに出かけました。
「わたしゃ、ここに すみたいね」すぐにすてきな空き家が見つかりましたが、ここで少々困ったことが・・・。
動物たちの意見もしっかりと聞き入れる、おばあさんの新居探しが気になって仕方がない物語です。

読んだ後に、「意味わかった?」と子どもたちに聞いてみたところ、上のお兄ちゃんはすぐにわかったようでニヤニヤ笑っていました。下の子は、お兄ちゃんの説明を聞いて「そういうことか!」とようやく納得。意味がわかるとこの話の面白さに気づいたようで、その後、何回も自分で読んでいましたよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

ちょっとした旅行だ!笑
この話、面白かったね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

この話大好き!

 
 

優しさに包まれた絵本。

『おりこうなアニカ』エルサ・ベスコフ/作・絵 福音館

ある日、アニカは、壊れた牧場の柵から牝牛のマイロスが逃げ出してしまわないように、牧場でマイロスの見張りをすることになりました。ところが、見張っていた甲斐もなく、マイロスはあっという間に壊れた柵から抜け出してクローバー畑へ飛び出して行ってしまい・・・。

いぬに協力してもらったり、小人たちの手を借りたり、みんなに助けてもらいながら困難を潜り抜けるこのお話は、誰かを思う温もりに溢れ、優しさに包まれています。エルサ・ベスコフさんの描く絵からも温かみが伝わってくるようで、子どもたちは描き込まれた絵に釘付けになってみていました。特に、しっかり者のアニカが小人の子どもたちに囲まれて、「パンケーキを一緒に食べよう」と誘われて困っているシーンを微笑ましそうに眺めていましたよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

別の話にも出てきたけど、うしがクローバー好物だって、今回はじめて知ったよ!

 

5才むすめ
5才むすめ

アニカには友達がたくさんいるね!

 

 

ウシが出てくる絵本

いかがでしたか?
ウシが出てくるお話は、大胆な絵柄でインパクトのあるものが多く、お子さんの好奇心をくすぐりますが、中には、『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』『きみの家にも牛がいる』のように、大事なことに気づかせてくれたり、『ノロウェイの黒牛』『わらのうし』のように、昔話として人々の心に残り、愛され続けた名作もあり、読み聞かせにはピッタリです。

この機会に、ぜひ、お子さんにウシが出てくるお話を読み聞かせてあげてください。

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ペットを飼っている人なら、ハマる!動物が出てくるおすすめ本特集

本の中でも癒し系の動物たち

家族の一員として受け入れたその日から、我が子のように可愛がってきたペット。
愛くるしいその姿に毎日癒されて、励まされている人も少なくないのではないでしょうか。
わが家もネコを一匹飼っていますが、母性であったり、生命の尊さであったり、いろいろなことを日々、彼から学ばせてもらっています。子どもたちも沢山の刺激を受けているようです。
今回は、そんなペットと共に過ごしている人だからこそ、心動かされる物語を6冊ご紹介したいと思います。
ペットを飼っている方だけでなく、飼いたくても飼えない事情をお持ちの動物好きの方も、きっと、グッとくる6作品です。本の中の動物たちに癒されたり、感動をもらったり、物語を通して、ペットをもっと身近な存在に感じられるといいですね。
 

動物が出てくるおすすめ本 6選

 

主人公は、ネコ!登場人物も、ネコ、ネコ、ネコ!

『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤 洋/著 講談社

こちらは、飼いネコだったネコのルドルフが、ひょんなことから、家から遥か遠い地でノラネコとして生きることになり、多くを学び、成長を遂げていく物語です。
ノラネコであるイッパイアッテナとの出会いによって、字が読めるようになり、知性を身に付け、ノラネコとしての生き方を学んでいくルドルフの姿は、まるで独り立ちしていく我が子を見ている様です。
ルドルフやイッパイアッテナが語る、別れた飼い主への強い想いを読んでいると、すぐ隣で気持ちよさそうに寝ているうちの子(飼いネコ)を思わず抱きしめたくなります。

この物語の影響で、飼うネコが黒ネコなら「ルドルフ」、トラ模様なら「イッパイアッテナ」なんて、子どもたちと話していましたが、飼ったネコはグレイと白のウシ模様。結局別の名前になりましたが、この本はわが家にとって、そんな飼い始めの頃を思い出す、思い出のシリーズでもあるのです。

『ルドルフとイッパイアッテナ』は、他の記事でも紹介しています。
◆小学3、4年生◆ 中学年に司書がおすすめする、児童書10選

 

この旅は、ネコと主人公の気持ちを思うと切なすぎます。

『旅猫リポート』有川 浩/著 村上 勉 講談社

こちらは、5年間を一緒に過ごしてきた、カギしっぽのナナとサトル青年の最後の旅を描いた物語です。
ナナを飼うことが出来なくなったサトルは、ナナと共に次なる飼い主候補を探す旅に出るのですが、これが、サトルのこれまで生きてきた過去を辿る旅にもなっており、読んでいて感じることが多くある作品です。

おかしい・・・以前読んだ時は、あまり感情が揺さぶられなかったはずなのに、ネコを飼うようになってから、改めて読んでみると涙腺が崩壊しました。ネコって、媚びることなく、自分のしたいようにするという感じで、一緒に過ごしていると、「私なんて、おいしいものをくれる人間くらいにしか思っていないんだろうな」と感じる時が多々あるので、例え嘘でも、こういうネコの思考に触れられる話は心に沁みますね。

犬が語る物語。

『ティンブクトゥ』ポール・オースター/著 柴田 元幸/訳 新潮社

こちらは、犬であるミスター・ボーンが、最初の主人への思いを胸に抱いたまま、生きるために更なる主人を探し歩く物語で、『旅猫リポート』がネコ目線なら、こちらは犬目線で書かれた作品です。
語りが犬という斬新さに、読み始めはいささか気が引けますが、読み進めるに連れ、ひたむきに飼い主を思う犬の姿に引き込まれていきます。忠誠心は犬そのものですが、こうありたいと考えながら動く、その意志ある様は、犬ながら人間味に溢れており、思わず感情移入してしまいます。
犬を飼っている方は、ミスター・ボーンの忠誠心と(犬だけれど)人間味溢れるところを、きっと、愛犬と重ねて読んでしまうのではないでしょうか。愛犬家にはぜひ、読んでいただきたい作品の一つです。

大事に思う気持ちは、どんな生き物も一緒。

『遠い海から来たCOO(クー)』景山 民夫/著 KADOKAWA

こちらは、赤ちゃんの頃から育てて自分に懐いてくれる、という、動物好きの願望を惜しげもなく詰め込んだ作品です。
海洋生物学者の父とフィジー島に住む12歳の少年、洋助は、絶滅したはずのプレシオザウルスの赤ちゃんクーと出会い、こっそり育てる決意をします。今では、恐竜を育てることはもちろん、恐竜そのものが、すっかりファンタジーとなってしまいましたが、この小説での描かれ方は、あくまでも動物の赤ちゃんです。主人公の少年が、悩みながら育てていく様子がまるで動物の赤ちゃんを育てているようにリアルで、動物好きの心はわし掴みにされてしまいます。
物語前半は、そんな子育て奮闘記や島での穏やかな生活が綴られていて想像力が掻き立てられますが、後半は、軍隊や自然保護団体が登場し、クーをめぐる攻防戦が主に描かれています。
思い返せば、小説を読み、場面を想像して鳥肌が立った作品は、後にも先にもこれだけのような気がします。この物語の全ては、そんな最後のあの情景、圧巻のラストのためにある、と言っても過言ではないです。

 

この約束は、ペットを飼う上での十か条でもある!

『犬と私の10の約束』川口 瞳/著 文藝春秋

こちらは、子犬と交わした10の約束を胸に刻み、家族の一員として大切に育てることを誓った少女のお話です。
やがて少女は初恋を経験し、将来の目標に夢中になるにつれ、愛犬ソックスの存在を疎ましく思うようになってしまいます。その反面、犬はどこまでも一途に飼い主を思い、健気で、読んでいると何とも言えない気持ちになります。
10の約束。これは、どんなペットを飼っているお家にも言えることなのではないでしょうか。中でも、『あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません』という言葉に、いつも尻尾をふりふり愛想を振りまいてくれる、姉のワンちゃんを思い出し、ギュッと胸が締め付けられました。ペットを飼うということは、命に責任を持つということ。家族の一員として迎え、変わらぬ愛情を与え続け、最後までちゃんと見取ってあげるということ。そんな命を預かる責任の重たさについて、改めて気づかせてくれる作品です。
ペットと過ごせる、今この時を大切に、後悔ないように存分に愛してあげたいですね。

最愛のペットとの別れは悲しいけれど・・・。

『デューク』江國 香織/著 山本 容子/絵 講談社

こちらは、江國香織さんの短編集『つめたいよるに』の中に収録されていた短編小説「デューク」が、絵本として出版された作品です。
愛犬デュークが死んでしまい、悲しみでいっぱいになっている女性が知り合ったハンサムな男の子。彼と過ごした少しの時間は、悲しみで濡れていた彼女の心を癒し、満たしてくれるのでした。
なぜ、男の子は女性の前に姿を現したのか、デュークにとって女性はどのような存在だったのか、そんなことを考え始めると、胸の奥が熱くなります。
愛犬と死別した女性の元に訪れる、奇跡の物語に、短い文ながらも、じわりじわりと目頭が熱くなるのは、年の功か、ペットを思う気持ちからか・・・。
やがては訪れる別れの日を思うと、こんな奇跡が起きないかと願わずにはいられません。
 

ペットを飼うと、感情移入してしまうのが動物の出てくる本

いかがでしたか?
これは紹介しながら思ったことなのですが、動物が出てくる本は、可愛い表紙のものが多くて癒されますね。
ペットを飼い始める前に読んだことがあった作品も、飼い始めてから、こうして改めて読むと、また違った捉え方ができ、新たな発見がありました。
動物が出てくる本を読むと、ついつい、飼っているペットを思い出して感情移入してしまうのが、飼い主あるあるなのかも知れないですね・・・。

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中学生・高校生必見!司書が選ぶ、10代が読むと心に響く本 10選

「10代のうちに読んでおけば良かった~!」と思う、大人の読書

大人になると、家事や仕事が一日の大半を占めてしまう為、なかなか読書の時間が持てませんが、だからこそ、読書をしている時間が貴重な息抜きの時間であり、楽しみであったりします。
そんな、気ままな読書人生を送っている大人から、10代である皆さんに言っておきたいことがあります。
それは、10代の今だからこそ、心に響く、心を揺さぶられる本があるのだということです。児童文学でも大人が楽しめる本は沢山ありますが、同じ本でも、多感な時期に読むのと、ある程度を経験した大人になってから読むのとでは、読んだ印象が全く違います。私自身、「この本、10代のうちに出会っておきたかったな~。」と思う本の多いこと多いこと。
日中はまだまだ温かく、冬がそこまで来ていることを忘れがちですが、暦の上ではすっかり秋になりました。
普段読書をしない人でも、ふらっと書店に立ち寄り、カフェや自宅で読書を楽しんでしまうのが、この季節の凄いところ。

この機会に、ぜひ、10代だからこそ、楽しめる読書をしてほしいと思います。

10代が読むと、心に響く本 10選

 

社会の荒波に揉まれる前に、読んでほしい!

『裏庭』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、「バーンズ屋敷」の秘密の裏庭に迷い込んでしまった少女の物語です。
後でご紹介する『西の魔女が死んだ』が、悩める少女の成長を描いたヒューマンドラマ的な作品なら、こちらの作品は、少女が抱える現実世界の問題とファンタジーの世界が交錯しながら、少女の成長を描き上げた、冒険ファンタジーの要素が強い作品です。
ファンタジーですが、13歳の主人公が抱える悩みや葛藤する姿が丁寧に描かれていたり、現実世界と裏庭世界との繋がりが物語に奥行きを与えていたりと、美しいだけではない重厚感のある話になっています。
『はてしない物語』『ナルニア国物語』など、外国のファンタジー文学が好きな人は、読み進めやすいでしょうし、物語後半、この作品で著者が伝えたいことが見え隠れするようになった頃には、すっかり梨木ワールドに引き込まれてしまっているのではないでしょうか。
同年代なら、きっと、読んでいて辛くもありますが、だからこそ、ずっと心に残る作品となるはずです。

せいとさんの声
せいとさんの声

がっつり「ファンタジーもの」で思ってた話と違ったけど、裏庭世界が現実とちゃんと関りを持つ部分があって面白かった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

ただ、わくわくするだけの冒険ファンタジーではないところが良かった。

 

悩める少女の再生物語

『西の魔女が死んだ』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、学校を不登校になってしまった少女が、自然に囲まれた祖母の家で、「魔女修行」として、ひと月余りを過ごすお話です。
自然と共存したり、規則正しい生活を送ることは、日々丁寧に過ごすことと直結しています。少女は「西の魔女」こと祖母とそうやって過ごしていく中で、生きるヒントを沢山学んでいくのです。
この物語の中には、精神的に張りつめている時に、心の支えとなる言葉が沢山散りばめられているので、ぜひ、悩み多き10代の皆さんに読んでもらって、それらの言葉を、忙しない世の中を生きていく上でのお守りにしてほしいと思います。

せいとさんの声
せいとさんの声

すごく、ためになることがたくさん書いてある話だった。
おばあさんとの別れは、読んでいて切ない・・・。

 

『西の魔女が死んだ』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

風のように過ぎ去るからこそ、全力疾走!

『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子/著 講談社

こちらは、長年サッカー部に所属していた新二が、幼馴染みであり天才的スプリンターの一ノ瀬と一緒に陸上部に入ってインターハイを目指していく物語です。
スポーツものは苦手という人も、読まず嫌いはやめて、ぜひ、一度読んでみてください。どの登場人物もキャラが立っていて、読み進めていくうちに、まるで少年漫画を見ているようにサクサクと読め、どんどん面白くなっていきますよ。
たくさんある「中高生の部活もの」の中でも、この物語は、特に主人公の思いが前面に出ていて、読んでいると、まるで、新二がすぐそばにいるような感覚になります。一文一文が短い文章で構成されていることも、新二の独り言を聴いているようです。
社会人になると、学生の頃と同じような仲間を作るのはなかなか難しいものです。苦楽を共にして、同じ高みを目指して打ちこんできたからこその、友情なんですよね。
社会人になるとなかなか手に入らないからこそ、学生のうちに読んでほしい作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

せっかく部活に入っているから、心を入れ替えて頑張りたい!

 

せいとさんの声
せいとさんの声

とても読みやすく、3巻ともあっという間に読めた。

 

読むとわかる、「いちご同盟」の意味。

『いちご同盟』三田 誠広/著 集英社

こちらは、生きることを悩んでいた主人公・良一が、野球部のエースである徹也を通して、余命幾ばくもない少女・直美と知り合うことで生と死について深く考えるようになる作品です。
「可能性がある人がうらやましい。自殺のことを考えるなんて、贅沢だわ」読んでいると、直美のセリフが胸に突き刺さります。3人の若者たちが互いに「生きること」について一生懸命考え、関わり合う様子から、15歳の危うさであったり、煌めきを感じずにはいられません。
大人になると、どうしても親目線になって読んでしまうので、一度は10代のうちに読んでおいてほしいです。主人公たちと同じ10代だからこその、読んでいて溜め息が出るあの感じを、ぜひ、味わってください。
そして大人になって再読すると、きっとまた違った印象を抱くのではないでしょうか。
悲しくもあるけれど心が洗われる、そんな小説です。

せいとさんの声
せいとさんの声

とても考えさせられた話だった。
生きることを自分から投げてはいけない。

 

この物語に、桐島という人物は登場しません。

『桐島、部活やめるってよ』朝井 リョウ/著 集英社

こちらは、バレー部のキャプテンである桐島が部活を辞めたことをきっかけに、同じ高校の生徒たちへ静かに波紋が広がっていく様子を描いた作品です。ですので、桐島君は名前だけの登場であり、物語上では姿を現しません。
学校という狭い世界でのお話なので、大人が読むと、「懐かしいな~」で終わってしまうところ、現役10代が読めば、きっと感じることは多いはず。細かい心理描写が多く、スクールカースト的なものだったり、それぞれが抱く悩みであったりと、著者の視点が高校生そのものです。著者が10代の時に書いただけあって、高校生たちの心の内がとてもリアルに描かれているあたり、さすがだな~と思いました。
10代だからこその面白さがある作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

まるで、どこかの学校の日常を盗み見ているようなリアリティーだった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

高校生が書いた話と聴いて、驚いた。
でも、「だからかっ!」とも思った。

 

スポーツって、いいですね!

『バッテリー』あさの あつこ/著 角川書店

父親の転勤を機に、天才ピッチャーの巧は、祖父のいる田舎に引っ越すことになります。そこで心優しいキャッチャー豪と出会い、互いに認め合った二人はバッテリーを組むことに。
一巻には、自らの才能に対する自信に満ち溢れている、大人びた少年・巧と、優しさが溢れている少年・豪、この二人の出会いが描かれています。シリーズはまだまだ続くので、この一巻は物語のほんの序章に過ぎません。
物語を通して、巧の心が少しずつ変わっていく様子や、巧の周りにいるとにかく温かい人たちが、読んでいて心地よさを感じます。野球のことはさっぱりわかりませんし、学生時代にスポーツに魂を燃やした経験は一切ありませんが、それでも、「スポーツを通した友情ってなんかいいな~」と思う自分がいました。前の本の紹介でも言いましたが、やはり、苦楽を共にした友情は揺るぎないですね。

せいとさんの声
せいとさんの声

スポーツものは気が向かなかったけど、読むと、たちまちハマってしまった。
豪のような友達が欲しい。

 

杉原、あなたの青春はかっこいい!

『GO』金城 一紀/著 角川書店

こちらは、在日三世である主人公・杉原の青春を描いた作品です。
差別にもやもやしながらも、恋愛に悩み、仲間と青春を謳歌する様子がテンポよく描かれているので、読んでいて重過ぎず、爽快感すら覚えます。「暗闇を知らない奴に光の明るさは語れない」など、喧嘩が得意で、小賢しい主人公から繰り出される熱いセリフは、どれもはっとさせられるものばかりです。
メディアやSNSばかりに踊らされず、杉原の目や心を通して、10代のうちから広い世界を見てほしいと思います。
ちなみに、映画化もしていて、こちらも小説の世界観を崩すことのない良作なので、おすすめですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

この話をきっかけに、金城一紀さんの本を読破!
この爽快感は、クセになる!

 

剣道がしてみたくなる!

『武士道シックスティーン』誉田 哲也/著 文藝春秋 

勝ちにこだわる香織と、マイペースな早苗。こちらは、そんな、剣道に対する姿勢が正反対の二人が織りなす青春物語です。
剣道をやったことのない人が読んでも、出てくる登場人物や展開の面白さで、あっという間に武士道の世界へ引き込まれてしまいます。ライバル関係であった二人が、互いの思いを知ってわかり合っていく中で、心身ともに成長していく様は、とても爽やかに読むことができ、読後感も心地よいです。
大人になると、こういう青春がとにかく羨ましいので、まだ可能性のあるうちに、10代の皆さんには、ぜひ、わくわくしながら読んでいただきたいです。

せいとさんの声
せいとさんの声

二人の関係だけじゃなく、二人を取り巻く、周りの人たちのキャラも好き。

 

今、この時の友情を大切に。

『スタンド・バイ・ミー』スティーブン・キング/著 山田 順子/訳 新潮社

こちらは、12歳の少年たちが、それぞれの思いを胸に、死体探しの冒険に繰り出す物語です。
親から虐待を受けていたり、世間からの風当たりが強い境遇にあったり、実に重い悩みを抱える少年たちが、悪友の前ではただの馬鹿になれるのを見ていると、彼らにとってこの仲間は、とても貴重な存在なんだな、と思わずにはいられません。特に、主人公にとってのクリスの存在は大きかったのだろうと思います。主人公の小説を書く才能を褒め、自分たちと同じ職業訓練コースへ行くべきではないとクリスが説得するシーンは何度見ても心打たれます。
汽車に追われて線路を走る映像であったり、ベン・E・キングのテーマ曲であったり、今は亡きリバーフェニックスの熱演であったり・・・映画の印象がなにかと強すぎるこちらの作品ですが、小説は少年たちの心情が細かく描かれているので、また別の良さがあっていいですね。
わたしはこの十二歳のときの仲間たちのような友人は、その後ひとりももてなかった。」大人になった主人公の言葉がとても印象深いです。振り返ると、確かに、この時期の友達は特別であり、必ずしもずっと続いていくものではないのかも知れません。
歩む進路が違うだけで、休みが合わせずらくなり、そのうち疎遠になってしまうなんていうことは、よくあることです。
だからこそ、人は、戻れないあの頃に思いを馳せ、ノスタルジックに浸るのではないでしょうか。

せいとさんの声
せいとさんの声

こういう友情に憧れる。自分も友達と旅に出たい・・・。

 

張り巡らされた伏線を回収する時の、爽快感を味わって!

『穴HOLES』ルイス・サッカー/著 幸田 敦子/訳 講談社

こちらは、無実の罪で、強制収容所のような施設に放り込まれ、毎日ひたすらに穴掘りをさせられている少年スタンリーの物語です。穴を掘っている理由や、明らかになって行く過去など、物語が進むにつれてわかってきた頃には、もうページをめくる手が止まりません。様々なことが絡み合って伏線が張り巡らされているので、この場で多くは語れませんが、10代のうちに読めば、この小説が読書好きのきっかけになるなんてことも、あるかも・・・と思える秀逸な作品です。
後半の伏線回収のたたみかけが素晴らしいですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

と、とにかく凄いっ!読んだ後の読後感が半端なく爽快!

 

 

10代だからこそ、本を読もう

いかがでしたか?
どの本も、思春期の不安定に揺れ動く感情や、がむしゃらに走る10代を丁寧に描いているので、主人公に共感しやすく、大人が読むより感情移入出来るかと思います。
言葉にできない胸の高鳴りを、これらの本を通して感じて頂けたら嬉しいです。

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月を愛でながらの読み聞かせに、ピッタリな絵本 10選

秋は月が綺麗に見える季節。

秋は、一年の中で、月が最も美しく見える季節です。
特に、中秋の名月と呼ばれる十五夜は美しく、ススキや、月に見立てた丸い団子を飾ったりと、この時期に月を愛でることは、古くから日本の文化として根付いてきました。
十五夜は、旧暦8月頃の満月の夜を指していて、現在の暦に置き換えると9月頭ぐらいから10月頭ぐらいの間の満月の夜にあたりますが、実は、この十五夜以外にも、あまり知られてはいませんが、十三夜(じゅうさんや)十日夜(とうかんや)など、名月と呼ばれる時期が秋にはいくつかあるようです。
また、月にはスピリチュアルな力があるとも言われていて、占星術では、命や母性の象徴として捉えられています。月が綺麗な夜に、窓から夜空を眺めて、なぜかほっと安らかな気持ちになるのは、ひょっとすると、そんな月の不思議な力が働いているのかも知れませんね。
今回は、そんな月の美しい夜にピッタリの絵本を10冊選んでみました。
月に魅せられながら、ぜひ、穏やかな気持ちで絵本をお子さんに読み聞かせてあげてください。
 

 

月を愛でながらの読み聞かせに、ピッタリな絵本10選

 

どうして月にうさぎがいるの?

『つきのうさぎ』いもと ようこ/文・絵 金の星社

「どうして、月にはうさぎがいるの?」と、お子さんに訊ねられたら、ぜひ、こちらの絵本を読み聞かせてあげてください。
道端でたおれて今にも死にそうな老人に、動物たちは、それぞれ自分の特技を生かして取ってきた食べ物を分け与えますが、何の特技も持たないうさぎだけ、食べ物を見つけることが出来ません。そこで、うさぎがとった驚きの行動が、なんとも切なく、読んでいて衝撃的なお話です。
尊い心を持つ、このうさぎの物語を知れば、きっと、眺める月の印象もこれまでとは少し違ったものになるかも知れませんね。
 

小2むすこ
小2むすこ

うさぎは、月で生きているんだね。

 

5才むすめ
5才むすめ

でもやっぱり、うさぎがかわいそう。

 

絵本ならこんなことも出来ちゃいます。

『カロリーヌつきへいく』ピエール・プロブスト/作・やました はるお/訳 BL出版

こちらは、「カロリーヌとゆかいな8ひき」シリーズの4作品目です。しっかり者のお姉ちゃんカロリーヌと、愛らしい動物たちの冒険も、舞台はいよいよ宇宙となります。有名なエクリプス博士のロケットに乗って、カロリーヌと動物たちは、宇宙で無重力を体験し、月で博士が命じた任務を遂行します。そんな時、どこからともなく宇宙人が現れて・・・。
主人公カロリーヌのモデルは、作者であるプロブストさんの愛娘さんだそうです。動物と話が出来たり、いろんな場所へ行ったり、現実世界ではなかなか出来ない体験を、カロリーヌを通してたくさん味わうことの出来るシリーズです。
 

小2むすこ
小2むすこ

子どもがロケットを運転できたり、月へ行けたり、動物と話が出来たり、ありえないことだらけだけど、そこが面白い。

 

5才むすめ
5才むすめ

カロリーヌみたいな友達がいい!

 

なるほど、月はそうやって丸くなっていたのか!

『おつきさまはまあるくなくっちゃ!』ふくだ じゅんこ/文・絵 大日本図書

夜空に細いお月さまを見つけたおばあさん。「おつきさまは まあるく なくっちゃ」と、スープを作ったり、ピザを焼いたり、せっせとお月さまに料理を作って食べさせます。そのかいあって、お月さまは見る度まあるくなっていくのですが・・・。
どこか外国の絵本を思わせるような絵柄で、子どもたちをあっという間に引き込んでしまう、こちらの絵本。読むところは少なめで、とにかく絵にインパクトがあります。個性的な絵と秀逸なオチで、読み方次第では、子どもたち爆笑間違いなしの一冊です。
 

小2むすこ
小2むすこ

この本、面白いよね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

うん。大好き。
短いから、私でも読める。

 

小2むすこ
小2むすこ

おばあさんと月の表情が面白いよな。
最後の月の絵が、何回見ても笑える。ぷぷっ。

 

これぞ、日本版ハロウィン。

『おつきみどろぼう』ねぎし れいこ/作・花之内 雅吉/絵 世界文化社

十五夜に、おばあさんがお月見だんごを作ってお供えをしました。「さあて、みんなの おだんごは どんなかな」おばあさんは、他の家のお月見だんごが気になって出かけていきます。そして、こっそりこっそりお月見どろぼうをするのです。
この絵本で描かれている「おつきみどろぼう」は、日本の年中行事であり、現在でもこのように家々を回り、お菓子をもらう風習が各地に残っているようです。まるで、ハロウィンのようですね。
お恥ずかしながら、この本を読むまで私は、こういった風習が日本にあることを知りませんでした。知っている方はどのくらいいるのでしょうか。秋と言えば、日本はハロウィンに沸いていて、渋谷の街をコスプレした若者たちが闊歩したり、ハロウィンパーティーをしている家(うちもそう。)なども多くありますが、このような日本の年中行事も大切にしたいな~と読んでいて思いました。
 

小2むすこ
小2むすこ

ぼくも、お月見どろぼうしてみたい。
お月見、家でもやったらいいのに・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

楽しそう!
ねずみさんの家のお月見がいいな。
あの大きさなら、パクパク食べれちゃう!

 

10ぴきのかえるシリーズ、安定の面白さ。

『10ぴきのかえるのおつきみ』間所 ひさこ/作・仲川 道子/絵 PHP研究所

10ぴきのかえるたちは、お客さんをお迎えしてお月見をするために、すすきを取りに行ったり、お月見だんごを作ったり、せっせと準備を始めます。途中にちょっとしたトラブルが起きるのが10ぴきのかえるたちのお馴染みパターンですが、今回もそのようで・・・。
季節の本を探したい時に、「10ぴきのかえる」シリーズは大助かりです。夏祭りをしたり、冬ごもりをしたり、お正月をしたり、10ぴきのかえるたちは、いつもその季節の行事を自分たちなりの楽しみ方で楽しんでいるので、子どもたちも絵本を通して、その行事の楽しみ方を知ることが出来ますよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

このシリーズ、大好き!

 

わたし
わたし

図書館で、よく借りたよねぇ。

 

小2むすこ
小2むすこ

「ひっくりかえる」とか、「かんがえる」とか、
みんな、名前どおりの性格なんだよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

どのかえるも、かわいい!!

 

お月さまにプレゼントをあげるには?

『おつきさまにぼうしを』シュールト・コイパー/作・ヤン・ユッテ/絵 文溪堂

サルとワニとメンドリが空を見上げると、空の高い所に、お月さまがいました。3びきは寒そうなお月さまを心配して、それぞれ、ぼうしと手袋とマフラーをプレゼントしようと考えますが、どうすればお月さまの元へ届けられるのかがわかりません。そこへ、雲がお月さまの方へ流れてきて・・・。
自分たちの事だけではなく、他人を思いやれる優しさがこのお話の軸となっているので、読むと優しい気持ちになれる作品です。お月さまにプレゼントを贈る方法を一生懸命考える動物たちが健気で可愛らしいですよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

動物たち、優しいね。

 

5才むすめ
5才むすめ

お月さまも寒いのかな・・・。

 

月を見つめて誰かを思う素敵さ。

『おつきみピクニック』いちかわ なつこ/作・絵 ほるぷ出版

お月さまがまるくてきれいな夜に、森のかめの親子はお月見ピクニックに出かけました。途中、いろいろな動物と出会ったり、少しドキリとすることもありますが、苦労のあとの月の美しさはやはり格別なようです。
月を眺めながら、かめのお母さんが、遠くの砂漠にすむかめさんに思いを馳せるところが何とも素敵なお話です。月を眺めて誰かを思うなんて、まるで平安時代の和歌の世界のようですね。
 

5才むすめ
5才むすめ

夜のピクニックとか、おもしろそう!

 

小2むすこ
小2むすこ

・・・でも、ちょっとこわいな。

 

5才むすめ
5才むすめ

カメさんみたいに、お父さんとお母さんと行けば、きっとこわくないよぉ。

 

独特な質感で、温かい絵が印象的な絵本。

『お月さまってどんなあじ?』ミヒャエル・グレイニェク/文・絵セーラー出版 あかね書房

「お月さまってどんなあじなんだろう。」ある日、気になったカメは、一番高い山に登ってお月さまをかじってみることにしましたが、小さなカメには届きません。そこでカメはゾウを呼びました。お月さまがひょいっと逃げるものだから、またまた届かず、ゾウはキリンを呼んできて・・・。
どこか、ロシアの昔話『おおきなかぶ』を思わせる流れに、子どもたちはわくわくするようです。
何の材質で描かれているのか、少し和紙のような、ざらついたタッチの絵が、物語の優しい雰囲気にピッタリ合っています。
読み聞かせの後に、お月さまがどんな味かお子さんに聞いてみると、面白い答えが返ってくる可能性大ですよ。
 

5才むすめ
5才むすめ

この絵本、保育園にもある!
先生が読んでくれたよ!

 

わたし
わたし

妹ちゃんは、お月さん、どんな味だと思う?

 

5才むすめ
5才むすめ

ばあばが作ってくれたスウィートポテトの味か、
塩のかかった手羽先の味かな。

 

わたし
わたし

・・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

この絵は、チップ〇ターのポテトチップスみたいだよね。

 

わたし
わたし

ほんとだ!
ザラザラしてそうな質感、確かにポテトチップスみたいだね。
じゃあ、やっぱり塩味かコンソメ味・・・?

 

受け継がれていく技術と情熱の物語。

『満月をまって』メアリー・リン・レイ/文・バーバラ・クーニー/絵 あすなろ書房

”ぼく”のお父さんは、満月の日にハドソンへ行って、手作りのかごを売っています。ぼくはいつも、一緒に連れて行ってほしいと頼みますが、お父さんは「もっと大きくなったらな」と言って、ひとりだけで売りに行ってしまいます。そんなある日のこと、9歳の誕生日を迎えたぼくに、お父さんが一緒にハドソンへ行くことを許してくれるのですが・・・。
こちらは、今から100年以上前にアメリカのコロンビア群の山間で、かごを作って暮らしていた人たちのことを描いた絵本です。月と直接の関係はありませんが、物語を読んでいると、かご作りへの静かな情熱と、儚げな月明かりとがリンクしているように感じられ、月と共に、伝統工芸の素晴らしさに気づける絵本ということで、今回10冊の中に加えさせて頂きました。
物語の題材が実在していた人たちであり、伝統工芸ということで、読んでいて、ずっしりと重く心に響く作品です。
高学年くらいのお子さんに読み聞かせると、いろいろな感想を持ってくれるのではないでしょうか。
 

5才むすめ
5才むすめ

かご作り、楽しそう!

 

小2むすこ
小2むすこ

途中で怒鳴ってきた男の人に、腹が立った!
なんで、あんなひどいことを言うの?

 

わたし
わたし

人って、自分のよく知らないものは、気味悪く思ったりして、受け入れがたかったりするんだよ。
残念だけど、どこにでも、あんな人はいるよ。

 

小2むすこ
小2むすこ

・・・ひどいなあ。

 

しっとりお月見も、いただきバスとネズミたちがすればこうなります。

『おつきみバス』藤本 ともひこ/作・文 すずき出版

こちらは、軽快なテンポが特徴的な「いただきバス」シリーズの第五弾です。
赤い空に、白い月と、色使いが何とも斬新で、作者さんのコメントによれば、「花札」を意識して描かれたのだそうです。言われてみれば、色合いの他にも、山やススキの絵が、花札らしい雰囲気で描かれているように感じられます。
内容は、大人から見ればいささかハチャメチャ過ぎるようにも思えますが、子どもは案外このテンポがお好みらしく、「そんなバカな~」と終始笑ってみていました。
絵本選びは、大人が子どもに読ませたいと思うものを選ぶのも良いですが、いくら大人がピンと来なくとも、子どもが自ら手に取って「面白い」と思えるものを、一緒に選んであげることも大事なような気がします。
 

小2むすこ
小2むすこ

しゃりんの長さに笑った!

 

5才むすめ
5才むすめ

バスとねずみたち、いつも仲がいいなあ。

 

 

まとめ:寝る前に読み聞かせをする習慣

 
いかがでしたか?月を食べたり、月へ行ったり、月のうさぎの由来であったり、月にはいろいろな楽しいお話がありますよね。
家事や共働きなどで、お子さんとなかなかゆっくりと触れ合う時間が取れないご家庭は、ぜひ、寝る前の5分を絵本の読み聞かせに使うことから始めてみてください。
絵本の読み聞かせは、月同様に、読む者と聴く者の心を癒し、落ち着かせてくれる効果があると言われています。月の出る夜、寝る前に絵本を読み聞かせてあげることで、一日を穏やかな心持で締めくくることができ、次の日のモチベーションにも、きっと、繋げていけるのではないでしょうか。

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夏に読み聞かせたい絵本15選

目次

絵本で夏を感じよう。

7月になり、我が家の庭でも蝉たちの大合唱が聞こえるようになりました。
いよいよ、夏本番といったところでしょうか。
大人になれば、仕事が忙しかったり、子育てに追われていたりで、季節に浸る暇などないという方もおられるかも知れません。私自身、年々、一年が過ぎるのが早くなっている気がしています。

蝉の鳴き声や、風鈴の音、真っ青な空に浮かぶ入道雲、誰かと通った夏のあぜ道・・・。
誰しもが、きっと子どもの頃に感じたことのある、夏だけに聞こえる音や、見える景色。
絵本は、そんな、耳や目で感じるキラキラとした夏を、私たち大人に思い出させてくれます。
絵本を開けば、瞬く間に、心はあの頃の夏に戻っていくのです。
お子さんにとっても、やはり夏は特別で、大好きな季節。
今回は、そういった夏の音や景色を感じられる、夏に読み聞かせたい絵本を15冊選んでいます。
ぜひ、新たな季節の訪れを感じながら、読み聞かせをしてあげてください。

 

 

夏に読み聞かせたい絵本 15選

 

子ども心がくすぐられる絵本!

『ぼくのかえりみち』ひがし ちから/さく BL出版

「きょうは、このしろいせんのうえをあるいてかえろう」
そら君は、学校の帰り道、自分ルールを一つ作りました。それは、白線の上を歩いて帰るというもの。
白線が途中で途切れようが、無くなろうが、自分で決めたルールは絶対に守らなければなりません。
この絵本を読んでいると、自分がまだ小学生の頃、夏休みに学校の図書館へ本を借りに行った帰り道、姉と白線の上を裸足で歩いて帰ったことを思い出します。
私も、そら君と同じことをしていたからか、この絵本を読み聞かせていると、あの頃の夏の日差しや、いろいろな音、得体の知れない開放感が蘇ってくるのです。
そら君が自分自身に課したルールが、いかに「絶対」であるかがわかる描かれ方が秀逸で、読んでいるこちらまでドキドキハラハラとする作品です。

『ぼくのかえりみち』は、他の記事でも紹介しています。
5、6歳児におすすめの絵本20冊

 

小2むすこ
小2むすこ

横断歩道を渡るところの絵が、すごい!

 

4才むすめ
4才むすめ

お母さんに抱きつくところがいいね!

 

どこか懐かしい、田舎の夏休み。

『まほうの夏』藤原 一枝・はた こうしろう/さく・はた こうしろう/え 岩崎書店

こちらは、夏本来の楽しみ方をたくさん知ることが出来る絵本です。
ぐーたらな夏休みを送っていた都会暮らしの兄弟が、田舎のおじさんからの一声で、田舎の夏を満喫しに行くことになりました。
田舎には、都会では味わうことの出来ないワクワクがいっぱい。最初は戸惑っていた兄弟ですが、すぐに順応し始めるところはさすが子どもの力ですね。
いつかは覚めてしまうから「まほう」なのだろうと思うと、少しノスタルジックな気持ちになりますが、だからこそ、この夏をキラキラした思い出として、留めておくことが出来るのですよね。
田舎に暮らすうちの子からしてみると、「まほうの夏」というか、「ふだんの夏」ですが・・・。

小2むすこ
小2むすこ

この絵本を読んでいると、夏休みが楽しみで楽しみで、たまらなくなる。

 

4才むすめ
4才むすめ

ばあばの家みたい!

 

美しい夏の風景。

『夏がきた』羽尻 利門/さく・え あすなろ書房

こちらは、表紙の絵からして、夏の音や、香りが漂ってきそうな絵本です。
思わず、「わかるっ!」と言ってしまいそうな、扇風機、麦茶、花火、入道雲、通り雨・・・これら、夏の風物詩が、この絵本にはギュギュっと詰まっています。
子どもたちの生き生きとした表情や、真っ青な空に浮かぶ入道雲がとても気持ち良く描かれていて、引き込まれる一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

これぞ夏っ!っていう感じ。

 

4才むすめ
4才むすめ

もくもくの雲がおいしそうだった。

 

かわいいかえるたちも夏を楽しんでいます!

『10ぴきのかえるのなつまつり』間所 ひさこ/さく・仲川 道子/え PHP研究所

10ぴきのかえるたちの住むひょうたんぬまで、年に一度の夏祭りが始まろうとしていました。このお祭りに欠かせないのが笛名人のどじょうじいさん。ところが、このどじょうじいさんが囚われの身になったから、さあ大変です!このままでは夏祭りが出来ません。そこで、10ぴきのかえるたちは・・・。
夏祭りメインと言うよりは、どじょうじいさん救出をメインに描いた物語ではありますが、このシリーズはこのドタバタ劇が持ち味だから、それでいいのです。一筋縄でいかないところがこのシリーズの面白さであり、このシリーズが大好きな子たちは、むしろ、このドタバタ劇を求めています。
あの手この手で、10ぴきの個性豊かなかえるたちが協力し合って切り抜けていく様子は、頼もしくも、可愛らしくもあり、子どもの心をつかんで離しません。

小2むすこ
小2むすこ

このシリーズ大好き!この話も、どうなるか先が気になって面白かった~。

 

4才むすめ
4才むすめ

かえるたちの名前が面白い!

 

キャンプに行く予定なら、読んであげたい一冊!

『10ぴきのかえる はじめてのキャンプ』間所 ひさこ/さく・仲川 道子/え PHP研究所

キャンプ好きのお子さんはもちろんのこと、これから初キャンプに行く予定のお子さんや、まだキャンプに行ったことのないお子さんにも、ぜひ、読んでいただきたいのがこちら。
先ほど紹介した「10ぴきかえるシリーズ」ですが、お騒がせな彼ら、実は、キャンプまで楽しんじゃっています。
10ぴきのかえるたちがキャンプなんて、何も起こらないはずがありません。
手作りカレーや、キャンプファイヤーなど、キャンプの王道も賑やかにこなし、かえるたちと一緒に、見ているこちらもキャンプ気分を楽しめてしまう一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

10ぴきのかえるたちが楽しそうで、またキャンプに行きたくなった~。

 

4才むすめ
4才むすめ

キャンプでカレー、わたしも食べたい!

 

真っ赤に熟したスイカが食べたくなる!

『ありとすいか』たむら しげる/さく・え ポプラ社

夏と言えば、スイカですよね。こちらは、私が小学校に勤務していた頃、1年生だったか、2年生だったかの必読図書にもなっていた絵本です。
アリが見つけた大きなスイカ。美味しそうなスイカを巣穴に持って帰ろうと奮闘するアリたちのお話ですが、お話の中で何度も登場するスイカの、なんとも美味しそうなこと。真っ赤に熟れている大きなスイカと、真っ黒で小さなアリたちの対比も良くて、思わず絵を見入ってしまう作品です。

小2むすこ
小2むすこ

ぼくも、こんなに大きなスイカにかぶりつきたいっ!

 

4才むすめ
4才むすめ

わたしもっ!!

 

ダジャレ好きには外せない!

『なつやさいのなつやすみ』林 木林/さく・柿田 ゆかり/え ひかりのくに

夏野菜たちが夏休みを満喫する、こちらの絵本。
野菜たちが喋るたびにダジャレがさく裂しているので、ダジャレ好きの息子は、新たなダジャレが出てくるたびに声に出してそのダジャレを堪能していました。物語の内容そのものよりは、言葉あそびを楽しむタイプの絵本です。
ここで覚えたダジャレを言いながら野菜を食べると、苦手な野菜が克服できるかも知れませんね。とにかくダジャレが多い絵本なので、ダジャレがわかる年齢からが読み頃です。

小2むすこ
小2むすこ

野菜に関係したダジャレが、たくさん出てきて楽しかった。ぼくも使おうと思う。

 

4才むすめ
4才むすめ

お兄ちゃん、ダジャレばっかり言ってるもんね。ふふっ。

 

小2むすこ
小2むすこ

ダジャレは頭使うからな~。頭にいいんだ。

 

夏の主役といえば彼!

『セミくんいよいよこんやです』工藤 ノリコ/さく・え 教育画劇 

タイトルからワクワクするこちらの作品。内容は、まさしく、タイトル通りで、ずっと土の中にいたセミ君が、いよいよ地上に上がるその日が描かれています。
同じ作者の『ノラネコぐんだんシリーズ』が大好きな息子。こちらも気に入ったようで、何度も読み返しています。
工藤エリコさんの作品は、絵がとても愛らしくて素敵です。今回、擬人化(?)されているセミや、他の虫たちも、表情にどこか愛嬌があって、読んでいて笑みがこぼれますよ。

小2むすこ
小2むすこ

とにかくセミ君が可愛くて、応援したくなる。

 

4才むすめ
4才むすめ

セミの抜け殻って、こうやって出来るんだ!知らなかった!

 

暑い日に読んで涼しくなれる!

『ばばばあちゃんのアイスパーティー』さとう わきこ/さく・え 福音館書店

『ばばばあちゃんシリーズ』の中でも、お菓子作りをする内容のものは、作り方の簡単な手順が紹介されているので、読んでいると「作ってみようかな~。」という気にさせてくれます。
今回も、いろいろなものを凍らして(そんなものまで凍らすのか!というものまで)アイスパーティーを楽しんでいるので、「これを家でやったら、子どもは大喜びだろうな」と、思わずにはいられません。ばばばあちゃんの手にかかれば、暑い夏ですら涼しくなってしまうのですから凄いですよね。その行動力、見習いたいです。

小2むすこ
小2むすこ

こんなに簡単にアイスが作れるとは、思わなかった!やってみたい!

 

4才むすめ
4才むすめ

冷たくて、美味しそう!

 

夏の日常の中に見える「生」。

『生きる』谷川 俊太郎/詩・岡本 よしろう/え 福音館書店

こちらは、谷川俊太郎さんの詩「生きる」に、ありふれた夏の日常の一コマが挿絵となって描かれている作品です。
誰しもが、普段は無意識に生きていて、そのありがたさを忘れているけれど、ありふれた何でもない日常を送れることの大切さは、非常時になってみて初めて気づけたりしますよね。特に、これまで通りには生きられないコロナ禍の今読むと、詩も、絵も、なんだか痛いほど沁みてしまいます。
非常時だからこそ、ありふれた毎日を幸せに思えたり、
死を前にして初めて、生きることの素晴らしさに気づけたり、
そんなかけがえのない「生」が、この絵本の中にはたくさん隠れています。

小2むすこ
小2むすこ

絵を見て、道路にセミが死んでいたのを思い出したよ。

 

ゆる~い絵がクセになる!

『おばけのアイスクリームやさん』安西 永丸/さく・え 教育画劇

おばけの「ぼんちゃん」は、森のアイスクリーム屋さんです。いろいろなお客さんがアイスクリームを求めてやってきますが、ぼんちゃんは、お客さんそれぞれが喜ぶアイスクリームをちゃんとわかっているのです・・・。
特に大きな出来事が起こるわけではありませんが、話を進めていくうちに、次にぼんちゃんが作るアイスがどんな形なのかが気になってくる、どこかクセになる絵本です。ゆるいタッチで描かれた絵も、これまたクセになります。
暑い夏に、おばけと、アイスクリームと、極限まで無駄を削り取られたがゆえの、ゆる~い絵で、涼しくなってみませんか?
次にどんなアイスクリームが出来上がるのか、アイスをもらいに来たお客さんから想像して、お子さんと当てっこしても楽しいですね。

小2むすこ
小2むすこ

こんなアイスクリーム屋さんが本当にあればいいのに。ぼくなら絶対、カービィの形。

 

4才むすめ
4才むすめ

わたしは、ファントミラージュの形。

 

小2むすこ
小2むすこ

・・・それは難しいだろ。たぶん、キティちゃんぐらいじゃない?

 

4才むすめ
4才むすめ

ぼんちゃんなら、作ってくれると思う。ファントミラージュ。

 

爽快な夏のスタート!

『なつのおとずれ』かがくい ひろし/さく・え PHP研究所

気象予報士のかたつむりによって、梅雨明けが告げられました。そこで太陽が立ち上がり、「みんなに知らせますか」と一言。これにより、メロン、スイカ、セミ、カブトムシ、かきごおり、ソフトクリーム、せんぷうき、ひまわり、蚊取り線香、とうもろこし等々・・・夏の風物詩たちが、夏の始まりに向けて猛ダッシュ!最後は太陽の口が開き・・・。
もしも、夏の始まりが目で見てわかるなら、この絵本のような、爽快で楽しい感じがいいですね。
我が子には、「夏休み」と言われてたくさんの宿題をイメージするのではなく、こういった夏に出来る楽しいことをたくさん思い浮かべてほしいです。
かがくいひろしさんの絵は、ふんわりしていて温かいので、私も、うちの子たちも大好きです。

小2むすこ
小2むすこ

夏に関係する食べ物たちが、楽しそうで可愛い。最後は、そうなるのかっ!と、少し驚いた。

 

4才むすめ
4才むすめ

太陽の口の中は、熱くないのかな?

 


最後に、うちの子も愛してやまない「わんぱくだんシリーズ」を3本立てでご紹介します。
2019年9月に発売された『わんぱくだんのてんぐのすむやま』まで、シリーズは23作品となり、累計95万部を超える人気です。
3人の子どもたちが不思議な世界に迷い込み、冒険をする物語が、子どもたちは好奇心をくすぐられ、わくわくできるようです。23作品ともなると、クリスマスだったり、夏祭りだったり、季節感のあるお話がたくさんあり、読み手側も季節に合ったお話を選んで、手に取りやすいですね。
23作品の中に、夏に読みたい、ピッタリのお話がたくさんありました。

暑い夏に、少しゾクッと!

『わんぱくだんのおばけやしき』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

けん、ひろし、くみ、3人そろってわんぱくだん。
シリーズいつもの流れと少し違うのが、こちら。
いつもなら、3人が不思議な世界に迷い込んでしまうところですが、今回は、空き家でお化け屋敷ごっこをして終わりです。
ただ、お化け屋敷だけに、3人が怖~い体験をしちゃうので、怖がりさんの心臓はバクバクになるかも知れません。うちの怖がりさんは、「最後、怖かった~。」と言いつつも笑っていましたが・・・。
これくらいの程よい怖さが、怖がりさんには、ちょうど良いのかも知れませんね。

小2むすこ
小2むすこ

本物が出てくるとは思っていなかったので、ドキッとした。
最後の方に出てきた、後ろ姿の子どもたちの仕業だったのかな?

 

4才むすめ
4才むすめ

ちょっと・・・怖かった。

 

ちょっと不思議な夏祭り。

『わんぱくだんのなつまつり』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

表紙の絵が、とっても楽しそうなこちらの絵本。
わんぱくだんの3人は、お面を付けて、夏祭りを楽しむ準備万端。
楽しそうな太鼓の音色に誘われて、いつのまにやら不思議な夏祭りに迷い込んでしまいました・・・。
これぞ、わんぱくだんといった話の流れに、このシリーズ大好きのうちの子は、途中からニヤニヤが止まりません。
夏祭りの雰囲気もたっぷり味わえるので、このシーズンに読み聞かせてあげるのがピッタリな一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

動物たちのお祭りなんて、ありえない話だけど、だからこそワクワクした~。

 

4才むすめ
4才むすめ

わたしも動物と友達になりたい。

 

プール遊びがいつのまにやら、海底探検に!

『わんぱくだんのかいていたんけん』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

小さなプールで潜って遊んでいたはずのわんぱくだんが、さらに潜って潜って、気づけば、そこは海!
この回も期待を裏切らない、夢のようなお話です。その上、海底にイルカの町があるだなんて、子どもの目がキラキラしないはずがありません。「いいな~。」と、終始、目を輝かせながら、物語に耳を傾けてくれることでしょう。
そして、わんぱくだんシリーズですっかりお馴染みなのは、最後に味わえるドキドキです。
夢オチで「なあ~んだ。そういうことか。」とがっかりさせておいてからの、くみのセリフ、「夢じゃないわ!ほらっ!」で、また、子どもの目はキラキラ。子ども心を最後までグッと話しません。
それにしても、イルカと一緒に泳ぐとは、なんて素敵なシチュエーションなのでしょう♪

小2むすこ
小2むすこ

小さなプールが海と繋がっているなんて、夢みたい!
こんなことが本当に起きればいいのに~。

 

4才むすめ
4才むすめ

イルカの国(町)に、わたしも行ってみたい!楽しそう!

 

 

夏は、なにか楽しいことが起こる季節。

いかがでしたか?
夏をテーマにした絵本は、探せばたくさんあります。
暑苦しくて、うっとうしい季節ではなく、なにか楽しいことが起こる季節。
お子さんが、わくわく、キラキラできる、そんな夏を絵本で一緒に感じることができると良いですね。

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中学生に利用してほしい、使える年鑑7選

調べ学習で積極的に年鑑を活用しましょう。

皆さんは、調べ学習をする時、どういった資料を活用していますか?
最近ではインターネットの普及により、学校でもiPadを使った調べ学習が盛んに行われ、紙媒体の資料の使い方に慣れていない生徒さんが多く見受けられます。調べ学習の時こそ、学校の図書室を利用してほしいと思うのが司書の性ですが、調べ学習にかける時間や、先生たちの都合上、残念なことに、なかなかそうは行かないようです。
以前書いた記事「小・中学生職業調べにおすすめ20選」の中でも言いましたが、ネットはあくまでもは本であり図書館です。本は、ネットとは違い、私たちの手元に渡るまで、色々な人の目を通して誤りがないか確認をし、より正確な情報を私たちに発信してくれます。
そして、そんな紙媒体の資料の中で、特に信頼おける資料が「年鑑」です。
あまり、聴きなれない人もいるかも知れませんが、年鑑は、調べている事柄を、信頼度の高い統計データで裏付け出来る救世主と言っても過言ではありません。
ぜひ、この機会に、だまされたと思って、色々な年鑑を手に取ってみてください。
その時間は、きっと充実したものとなるに違いありません。

 

 

「年鑑」とは?

そもそも、年鑑という言葉を初めて聞いたという人も、中にはいるかも知れませんね。 そんな人のために、年鑑についてどういうものなのかを、少し説明をしておこうと思います。 私が愛してやまない『新明解国語辞典 第四版』よると、「年鑑」とは、

[一定範囲の事柄について]一年間の動きを図や表を使って解説した、年刊の本。

とだけ、説明が載っていました。これだけでは少し分かりづらいので他もいろいろ見てみると・・・『大辞林 第三版』と『日本大百科全書』(小学館)に、丁寧な解説を発見しました。

ある分野の一年間の出来事・統計などを収録・解説した、年刊の刊行物。イヤーブック。(『大辞林 第三版』)

ある国を中心として、政治、経済、社会、文化などを網羅する「総合年鑑」と、理科年表など特定の分野についての「専門年鑑」がある。(『日本大百科全書』)

つまり、簡潔に言えば、年鑑とは、「ある分野や組織、国や自治体などの、一年間の様々な出来事や統計をまとめた紙媒体の資料集のようなもの」と捉えてもらえれば良いかと思います。
年鑑を、調べ学習に取り入れることで、調べている事柄の裏付けとして根拠あるものとなり、信頼度の高いものになるのです。

 

中学生に利用してほしい年鑑7選

それでは、ここからは実際に、中学生に調べ学習等で利用してほしい年鑑をご紹介していきたいと思います。使い方によっては、大活躍する年鑑ばかりなので、ぜひ、参考にしてみてください。

 

平和学習に使える年鑑

『沖縄年鑑』 日本図書センター

こちらの年鑑の特徴は、写真と詳細な統計資料が豊富で、沖縄基地・返還問題など、沖縄戦後史を正確に知るための資料といった側面をもっていることです。 出版社のHPには、著名人から推薦の言葉が次のように並べられています。

ジャーナリストの筑紫哲也さん→「当時の様々な状況を知る上で極めて貴重な資料」
明治大学助教授の山田朗さん→「時代の臨場感を伝える「読める」データ集成である」
沖縄大学教授の新崎盛暉さん→「今では珍しくなった写真とともに、米軍支配当時の沖縄の時代的雰囲気を伝えてくれる

この年鑑が、いかに資料として価値の高いものであるかがわかっていただけるのではないでしょうか。

★この年鑑の使い道
写真や統計資料から、沖縄の基地問題について学ぶことができ、平和学習の授業に役立てることが出来ます。

 

受験対策に使える年鑑

『朝日ジュニア学習年鑑』 朝日新聞出版

こちらは、様々な分野の統計や資料を網羅した、小中学生向けに出版された年鑑です。 特徴としては、年鑑を見慣れていない人でも、写真やカラー、かみ砕いた説明により、わかりやすく情報を得られるという点が挙げられるでしょう。

★この年鑑の使い道
統計や資料から、その年のニュースをわかりやすく学ぶことが出来るので、受験対策に役立てられる年鑑です。今さら聞けない、あのニュースのあれやこれやを、この年鑑で理解することも出来ます。

 

各都道府県の統計を調べたいのなら、この年鑑

『〇〇県統計年鑑』 

どの都道府県も、それぞれの都道府県の土地や人口、経済、教育、文化などのあらゆる分野にわたり、データ収集をして統計を出している年鑑が存在しています。一つの県について、多方面から詳しいデータが必要な場合に、これらを利用するのも一つの手です。

★この年鑑の使い道
都道府県の詳しい情報を統計から得られる他に、それぞれの全国的地位などが載っている場合もあるので、例えば、その県の交通事故件数が都道府県内で何位であるかなど、自分が住んでいる自治体のことを客観的に知ることが出来ます。

 

福祉について学ぶなら、この年鑑

『世界の社会福祉年鑑』 宇佐見耕一/小谷眞男 旬報社

毎年特集テーマが組まれ、社会福祉や社会保障について、国際機関の実践や、様々な基本データから世界基準の福祉を学ぶことが出来ます。また、経済、政治、社会、保健衛生など、いろいろな分野で活躍されている専門家が、社会福祉を分析・考察しているページもあり、読み物としても興味深く読める年鑑です。

★この年鑑の使い道
福祉について、世界に視野を広げて理解を深められるので、福祉サービスやユニバーサルデザインなどの調べ学習に活用することが出来ます。

 

子ども関連の統計なら、この年鑑

『日本子ども資料年鑑』 母子愛育会愛育研究所 KTC中央出版

こちらは、人口動態と子どもに関するデータや、子どもの生活に関するデータなど、子どもが関わる様々なデータを収録した年鑑です。特徴としては、子どもに関する巻頭特集が一年ごとに組まれていて、基本データ以外の情報も充実しています。例えば、2020年の巻頭特集は、「子どもとメディア」。
子どものインターネット依存や、ゲーム障害に関する概説などが掲載されていました。

★この年鑑の使い道
子どもに関する統計を探しているのであれば、一度は開いてみることをお勧めしたい年鑑です。こういった、関係省庁や関係団体などから収集してきたデータを集めた年鑑を客観的に見て、身の回りの情報だけに縛られず、調べ学習に取り組むことはとても大切です。

 

国際情勢を調べたいなら、この年鑑

『世界年鑑』 一般社団法人共同通信社 共同通信社

こちらは、共同通信社の海外全支局、編集局外信部などの記者が取材してきた情報から、一年の世界各国の情勢をまとめあげた年鑑です。

★この年鑑の使い道
様々な国別データを見ることが出来るので、国際問題の理解を深める基礎資料として、調べ学習に活用することが出来ます。

 

星の位置や動きを調べるなら、この年鑑

『天文年鑑』 天文年鑑 編集委員会 誠文堂新光社

こちらは、一年間の主な天文現象、太陽と月の出没時刻、太陽系の星の位置や動きなどのデータが収録されている、天文に関する年鑑です。

★この年鑑の使い道
その年の注目すべき天文現象は、こちらの年鑑を見れば一目瞭然。過去の観測結果と、これから起こるであろう天文現象の予報が解説されているので、主な天文イベントを事前に知っておきたい時に役立ちます。

 

【おまけ!】マニアックな年鑑

最後に、おまけとして、マニアックな年鑑をこっそりご紹介します。
これまでご紹介してきたような、自治体主体のものや、記者が取材を重ねてまとめ上げた、一般的な統計データが載った年鑑ではなく、ある一つの分野だけに焦点を当てた専門的な年鑑は、とことん奥が深いです・・・。

 

ひたすらキノコな年鑑

『きのこ年鑑』 日本図書センター

こちらは、キノコに関する一年ごとの統計・資料の他に、キノコ生産と流通動向、生産に関する制度からキノコそのものの成分に関するデータまで、あらゆるキノコ情報が収集されています。 キノコのことを調べる境遇にある方は、きっと、はずせない年鑑でしょう。
作ったキノコを売る勢いで、本格的にキノコ作りをされる際は、ぜひ、ご参考になさってみては??

調べれば調べるほどに、世の中には、本当にいろいろな年鑑があるのだと痛感させられました。
使い道はご自分でお考え下さい。

 

 

年鑑に慣れることから始めてみよう。

いかがでしたか? この記事を読んで、少しでも年鑑に興味を持っていただけたら、司書として、とても嬉しいです。
まずは、気になる年鑑を実際に手に取ってみて、目次を参考に、特に気になる項目のページだけを眺めてみると良いかも知れません。データがただひたすらに羅列しているタイプの年鑑よりは、ランキング形式で載っていたり、読み物として楽しめるタイプの年鑑の方が慣れるまでは見やすいかも知れませんね。
見ることに慣れさえすれば、年鑑は、調べ学習の心強い味方になってくれること間違いありません。

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七夕が近づいたら読み聞かせしたい絵本7選

七月七日を前に、七夕を題材にした絵本を読み聞かせよう。

 

七月の行事と言えば七夕ですが、七夕祭りなどが行われる、七夕に馴染みの深い地域にお住まいの方以外は、特に何をするでもなくスルーしてしまうご家庭も意外と多い行事なのではないでしょうか。
笹の葉を飾って、短冊に願い事を書いたり、夜空を見上げて天の川を探す・・・私が思い浮かぶのも精々その程度。七夕の日の過ごし方を熟知出来ている人って、実は、それほどいないのかも知れませんね。
七夕の起源もこれに然りで、もしも、お子さんに「どうして七夕があるの?」なんて聞かれた時、皆さんは答えることが出来るでしょうか。
実は、七夕にまつわるお話は沢山あって、由来も諸説あるようですが、そのどれもが、とても面白いストーリーのものばかりなのです。七夕が題材となっている絵本の中には、七夕そのものの起源が描かれた昔話風のものが沢山存在していて、今のお子さんには、それらが逆に新鮮に感じられるかも知れません。また、七夕が背景にある物語は、どれも温かな雰囲気で、読んでいてほっこりするものが多くあるので、この機会に、優しい親御さんの声で、ぜひ、お子さんに読み聞かせしてあげてください。

七夕が近づいたら読み聞かせたい絵本、6選

 

 

七夕の由来がわかる絵本!

『たなばたものがたり』舟崎 克彦/さく・二俣 英五郎/え 教育画劇

七夕の由来をお子さんに聴かれたら、まず、こちらの絵本を開いて見られることをお勧めします。
いろいろある由来の中でも、こちらは中国の民話を起源とした物語が描かれていて、興味深く読み進めることが出来ます。
七夕にはカササギの群れが織姫彦星を助け、天の川を渡らせてくれるようですよ。
星や星座に興味を持つきっかけにもなる一冊です。
 

オシャレなタッチで描かれた七夕!

『たなばたウキウキねがいごとの日!』ますだ ゆうこ/さく・たちもと みちこ/え 文溪堂

とにかく、絵が可愛すぎるこちらの絵本。ストーリーも可愛らしく、読んでいて笑顔になれる絵本です。
タヌキのポコくんが一生懸命書いた短冊は、隣の狐村まで飛んでいき、きつねのキコちゃんの元まで届きます。ポコくんが書いた願い事は「いっしょにあそべる ともだちがほしい」というもの。可愛い二匹がこの後どうなっていくのか、子どもも大人も可愛すぎて目が離せない物語です。
中国民話に描かれているカササギが登場したり、祭りの由来や七夕飾りの作り方なども載っているので、この一冊で七夕を知ることができ、七夕という行事をかなり堪能できますよ。
 

人気絵本作家の七夕絵本!

『ねがいぼしかなえぼし』内田 麟太郎/さく・山本 考/え 岩崎書店

こちらも絵が素敵な七夕の絵本です。
織姫と彦星が出会って、お互いを好きになり、仕事をかまけて遊んでばかり・・といった、こちらもやはり中国の民話が描かれています。低学年には少し話が長く、聴きづらいかもしれませんが、カササギが出てくる辺りでどの子も食いつくように思います。何と言っても、絵が素敵です。遠くからでも生える絵なので、複数の読み聞かせにも最適な絵本ですよ。
 

七夕が天女の物語だって知っていましたか?

『天人にょうぼう 七月・七夕のはなし』谷 真介/さく・赤坂 三好/え 佼成出版社

こちらはこれまでの中国民話ではなく、日本人なら昔話として一度は耳にしたことがあるのではないかと思われる「天女の羽衣」のお話が七夕の物語として描かれている絵本です。
元々、天女の羽衣の物語として広まっていた話があって、それに後付けで七夕の物語がくっついて七夕の由来として語られたのか、古くから七夕の起源として語られてきた物語の一つとして確立しているのか、謎が多い『天人にょうぼう』ですが、物語は元来、語られるうちに少しずつ、いろいろな物語が離れ、くっつきして形を変えてきたものであると考えれば、とても興味深いですよね。
「こんな由来もあるんだよ。」などと言いながら、どの由来が好きか、お子さんと話し合ってみるのも楽しいですね。
 

七夕祭りが描かれた絵本!

『たなばたまつり』松成 真理子/さく・え 講談社

話にこれといった大きな展開はありませんが、その分、七夕の夜が丁寧に描かれているのがこちらの絵本です。
願い事が叶う時、星が瞬いて合図を送ってくれるなんて、ロマンチックの何者でもありません。特に笹の葉を飾るわけでもなく、普段とあまり変わらず、七夕祭りとは無縁の、七夕の夜を過ごされているご家庭に、絵本で七夕を味わってもらうにはちょうど良い絵本かも知れません。
幻想的で、七夕の素敵な雰囲気を味わえる絵もとっても素敵です。
 

季節の行事絵本を探すなら、10ぴきのかえるシリーズが大助かり!

『10ぴきのかえるのたなばたまつり』間所 ひさこ/さく・仲川 道子/え PHP研究所

こちらも七夕祭りのことを描いている絵本ですが、登場するのは人ではなく、10ぴきのかえるや虫たち。七夕祭りには欠かすことの出来ない笹を探しに10ぴきのかえるたちが奮闘する物語です。このシリーズは、ひっくりかえるや、かんがえるなど、かえるたちのネーミングも愉快で、それぞれのかえるたちにもネーミング通りの個性があり、読んでいてクスッと笑えます。今回は、ザリガニが物語の良いスパイスになっていますよ。
 

子どもが好きなシリーズです!

『たなばたバス』藤本 ともひこ/さく・え 鈴木出版

シリーズもののこちら。以前は、確か、お正月の時に『まめまきバス』をご紹介させていただきましたが、『いただきバス』、『いもほりバス』に続いて三作目として出版されたのがこちらの『たなばたバス』です。どのシリーズも、愛らしいネズミとバスが大活躍していますが、このシリーズが子どもに喜ばれる点は、やはり、読む側も楽しく読める「ことば遊び」や飽きない「テンポの良さ」にあるように思います。七夕と、ネズミたちとバスが、どのように絡んでいくお話なのかは、ぜひ、読んでお確かめください。読み方次第で、子ども心をギュッとつかめる絵本であることは間違いありません。
 

七夕の夜に、絵本の読み聞かせ

 

いかがでしたか?
七夕の由来がわかる物語から、七夕の夜にちなんだ物語まで、七夕の絵本は大人も興味深く読める面白いものが多いように思います。
天の川で離れ離れになってしまった織姫と彦星が、七月七日に再び会う・・・そんな七夕の夜を彩る、素敵な絵本をお子さんに読み聞かせてあげてください。

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自粛中に、親子で暇つぶしになる本 10選+番外編5選

目次

暇を持て余した時は、本を手に取ろう。

長い休みが続いて、しかも、家から出られない・・・。そんな時こそ、本と子どもを近づけるチャンスです。
普段、共働きなどで、子どもとゆっくり触れ合う時間がなかなか持てないお父さん、お母さんは、こんな時だからこそ、絵本を通したスキンシップを、ぜひ、お子さんと沢山とってみてはいかがでしょうか。

しかし、「絵本はすぐに読み終わってしまうし、この時期、図書館に借りに行くのは抵抗がある。」そうお思いの方もいることかと思います。そこで、今回は、一方的に親が読み聞かせをする絵本ではなく、親子で一緒になって暇つぶしできる本を10冊集めてみました。小学生低学年ぐらいまでのお子さんには、ひとりでするには少し難しい工作の本だったり、誰かと見ることでより一層楽しめる絵本だったりと、親子で一緒になって楽しめる本を中心に集めてみましたので、この機会に、お子さんと一緒に本で暇つぶしをして楽しんでみてください。
記事の後半には、番外編として、大人が暇つぶし出来る本もこそっと載せています。こちらもぜひ、ご参考になさってみてくださいね。

自粛中に、親子で暇つぶしになる本 10選

 

人気絵本作家、夢の共演!

『おえかきしりとり』新井 洋行・鈴木 のりたけ・高畠 那生・よしなが こうたく/作 講談社

こちらは、絵本好きなら著者名を見ただけで、ワクワクするに違いない夢のような絵本です。
絵本作家である新井 洋行さん(『れいぞうこ』)、鈴木 のりたけさん(『ぼくのおふろ』)、高畠 那生さん(『バナナじけん』)、よしなが こうたくさん(『給食番長』)が、絵でしりとりをただただしているのが一冊の絵本になったのがこちら。見ているだけで楽しいので、何の絵を描いているのか、お子さんと見ながら当てっこするのも良いですし、この絵本を参考にして、広告の裏などに、お子さんと「絵しりとり」を書いて遊ぶのも楽しいですね。
この休業中に、絵の腕が上がるかも?!

小2むすこ
小2むすこ

何の絵を描いているのか当てっこするのが、盛り上がった!(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

おもしろい絵がいっぱい!(娘談)

 

工作好きには、たまらないシリーズ!

『小学館の図鑑 NEOのクラフトぶっくシリーズ』小学館

こちらは、工作好きなお子さんにピッタリな一冊です。切り取り線が入っているので、ハサミをほぼ使わずに作ることが出来ます。完成後は、遊ぶことも出来ますし、台紙に張って立体図鑑を作るなど、自主勉や自由研究にもお勧めです。
この『りったい恐竜館』は、18種類の恐竜がペーパークラフトで作ることが出来ますが、この他にも「昆虫」や「乗り物」、「花」など、沢山シリーズが出ているので、お子さんの「好き」に合わせて選ぶと、飽きずに楽しめますよ。うちの息子は、シリーズの「昆虫」を黙々と一人で作り、完成したものは、額縁に入れて、標本のようにして部屋に飾っています。

小2むすこ
小2むすこ

めちゃくちゃ楽しくて、時間があっと言う間に過ぎた!
次は、恐竜に挑戦!(息子談)

 

これを見れば、しかけ絵本が作れる!

『実物で学ぶしかけ絵本の基礎知識ポップアップ』デビッド・A・カーター,ジェームス・ダイアズ/著 大日本絵画

こちらは、仕掛け絵本の仕組みがとてもわかりやすく説明されているので、この本を参考にしてオリジナルの仕掛け絵本を簡単に作ることが出来ます。ただ、仕掛けによっては細かな作業が必要になって来るので、未就学児や低学年のお子さんは、親子で取り組まれることをおすすめします。
ストーリーと絵はお子さん担当で、親は仕掛け作りを担当するなどして、役割分担をして楽しむと良いかも知れませんね。

小2むすこ
小2むすこ

ひとりで仕掛けを作るのは難しいけれど、
ボクが書いた物語に仕掛けをつけて、動いた時には感動した!
また、やりたい!(息子談)

 

1ページ1ページ、指示を受けてこなしていく心地よさ。

『NHKノージーのひらめき工房 ノージーのひまつぶしブック』NHK「ノージーのひらめき工房」制作チーム,ツペラツペラ/著 金の星社

NHKの番組「ノージーのひらめき工房」から、暇な時に最適な一冊が誕生しました。
こちらは、雨で自宅から出られない時や、レストランの待ち時間など、ちょっとした暇な時間に、退屈せずに過ごせる優れものです。それぞれのページに色々な指示が書かれてあり、その指示通りに線を描いたり、色を塗ったり、落書きをしたり・・・子ども心を擽る内容です。我が子もすっかりハマってしまいましたよ。

4才むすめ
4才むすめ

いろんな絵が書けて、楽しかった!(娘談)

 

1ページをじっくり楽しめる迷路の絵本。

『お化けの迷路 ―幽霊の学校をぬけて地獄の迷宮へ―』香川 元太郎/作 PHP研究所

ビビりさんの我が子。迷路は大好きですが、これはどうか・・・。表紙を見るからには、なかなか怖そう。
そんな不安を抱きながら試しに見せてみた所、意外にも長時間じっくり眺めて、今ではすっかりお気に入りの仲間入りになってしまいました。
どのページも隅々まで細かに描きこまれていて、迷路はもちろんのこと、それ以外の絵に大人も釘付けになってしまう一冊です。

 

全て折り紙だけで作れちゃう!

『遊ぶ!飾る!かわいい!折り紙ドールハウス』山口 真/著 PHP研究所

こちらは、家も家具も、全てを折り紙だけで作ってしまおうという、折り紙の本です。
沢山の折り紙を使うので、百均等で買い足しをして、途中で枚数が足らなくならないように事前準備をしておきましょう。家具や小物が作れたら、好きなように家に配置をして、お子さんとお人形ごっこをして遊べますよ。
まるで、シルバニアファミリーのようなお家も、折り紙を何枚も使って作れるので、ぜひ、お子さんと一緒にチャレンジしてみてください。

4才むすめ
4才むすめ

お母さんと頑張って作ったよ!一緒に遊べてうれしかった!(娘談)

 

お店屋さんごっこを楽しめる本!

『おりがみ ごっこあそび ―おみせおしゃれあそび―』いまい みさ/著 小学館 

こちらは、お店屋さんごっこ好きのお子さんなら、目が輝くこと間違いなしの一冊です。
いろいろな料理を折り紙で再現することが出来、先にご紹介した『遊ぶ!飾る!かわいい!折り紙ドールハウス』同様、作っている間はもちろんのこと、完成してからも遊んで楽しめます。
料理の他にも、女の子が喜びそうなお化粧グッツの作り方も載っているので、ただ折り紙で作って終わりではなく、その後のごっこ遊びの小道具として折り紙がボロボロになるまで遊べます。

4才むすめ
4才むすめ

わたし専用、お化粧セットが出来ちゃった。(娘談)

 

親子でマジックにハマろう!

『【図書館版】超ウケキッズマジック(全3巻セット)』藤原 邦恭 /著 いかだ社

こちらは、小学生中学年くらいからであれば、一人でも楽しめるマジックの本です。低学年や未就学児のお子さんは、まだ少し一人で取り組むには難しいかも知れませんが、家族でわいわい盛り上がるには、期待できる一冊です。
お楽しみ会やお誕生日会などのパーティー向きなマジックから、学校の休み時間に披露できる簡単なものまで幅広く、全部で3巻あるので、どのようなマジックをマスターしたいかによって、読む巻を選んでみてはいかがでしょうか。
長いお休みに、マジックを沢山習得してみるのも良いかも知れませんね。

 

身近なもので、おもしろ実験!

『キッチンとお風呂でできる! 小学生のおもしろ科学実験』甲谷 保和 /著 実業之日本社

こちらは、小学生用に出版された、自宅で簡単にできる実験の本です。使う材料も身近なものばかりなので、気軽に取り掛かることが出来ます。
中身は、わかりやすい解説に加え、写真や絵で視覚的に理解しやすくなっていて、どの実験も興味深く読めます。水と空気編、酸とアルカリ編、うれしい・楽しい編、しんじられない!編、音と光編、磁石と電気編と、章ごとに沢山の実験が載っているので、お子さんの年齢に合わせて無理のないものを選び、ぜひ、この機会に親子で挑戦してみてください。

 

作った後に遊べる工作が沢山!

『お父さんもお母さんもわくわくさんになれる!―10分間で作って遊べる工作レシピ21 (NHK「つくってあそぼ」) 』久保田 雅人/著 現代書林

NHK教育テレビの人気番組だった『つくってあそぼ』から、10分間程度で簡単に作ることの出来る、工作レシピ本が誕生しました。
番組を見たことのある方は、ご存じの通り、『つくってあそぼ』の魅力は、おっとりしたゴロリと、楽しそうに作品を作るわくわくさん、それから、少ない材料で短時間に作成でき、誰もがマネできる工程の少なさ、その上、その完成品で遊ぶことが出来ることです。本作は、こういった番組の魅力がギュッと詰まっていて、簡単な工作を気軽にお子さんと楽しむことが出来ますよ。
お父さんお母さんがわくわくさんになって、お子さんがゴロリになって、『つくってあそぼ』のような工作教室をお家で開いて楽しんでみてはいかがですか?

【番外編】大人が自粛中に、暇つぶしになる本 5選

 

一生懸命ふざけた大人に、思わず笑っちゃう本。

『超暇つぶし図鑑』ARuFa/著 宝島社

この本の著者である、ARuFaさんのブログ日記が楽し過ぎて、夜な夜な読んでは声を出して笑っている私。
ある日、ふっとARuFaさんが「バリアを張った」日の日記(※詳しくは本をご覧ください。)を息子に見せたところ、息子は大爆笑どころか目を輝かせて興味津々に「ぼくも同じの、作りたい!」と一言。それからと言うもの、息子もあっという間にARuFaさんのファンになってしまいました。
そんな、息子も大好きARuFaさんのあれやこれやが一冊の本になっていると知り、買わないわけにはいきません。
本書でも、相変わらず、真剣にバカなことをしているARuFaさんが溢れていて、申し分のない内容になっています。
この本に載っているような、ARuFaさんの作品(?)の中には、様々な試行錯誤があった上で完成したものがあり、そちらのプロセスをARuFaさんの日記で確認しながら読むと、本書の面白さが2倍になると思います。気になる方はぜひそちらも一緒に、ご覧になってみてくださいね。

小2むすこ
小2むすこ

ARuFaさん、大好き!(息子談)

 

自分と向き合える本。

『PICK ME UP ―書くたびに自分がもっと好きになる―』アダム・J・カーツ/著 ワニブックス

こちらは、自分自身の心の声を聴き、使い方によっては、自分が向かうべき道への指針となりうる一冊です。
ワークシートに書き込んでいくことによって、自分の中でごちゃごちゃしている感情や、自分の本心以外の他からの雑音が取り払われていき、気持ちの整理が出来ていきます。
書き込みながら、改めて自分という人間を知るも良し、悩んだり、挫けそうな時に読み返して、一度、原点に帰ってみるも良し。
本書の使い方は、人それぞれです。
たくさん書き込んで、ぜひ、自分だけの一冊に仕上げてみてください。

時間を忘れて、没頭できる本。

『ぬりえBOOK ちいさな女の子の不思議な旅』杉山 美奈子/著 コスミック出版

暇な時に、楽しみながら時間を有意義に使う方法はいろいろありますが、中でも、ぬりえは、大人になっても私の中で没頭できることの代表格です。どんなに腹立たしい気持ちになっていたとしても、無心になって色鉛筆を細かく動かせば、おのずと心も穏やかになってきます。
こちらは、可愛らしい女の子がいろいろな土地を旅してまわる様子が描かれているぬりえBOOKで、どのページもオシャレなタッチで、ポストカードになりそうな愛らしさです。この他にも、大人向けに様々なぬりえBOOKがありますので、自分の好みに合った絵柄のものをこの機会に探してみてはどうでしょうか。
その行動が、思いがけない、あなたの新しい趣味に繋がるかも知れませんね。

時間を埋めるにも、知識を深めるのにも、持って来いな一冊。

『きほんを学ぶ 世界遺産100 世界遺産検定3級公式テキスト<第2版>』世界遺産検定事務局/著・編集 マイナビ出版

暇な時にこそ、教養を身に付けてみてはどうでしょうか。
こちらは、世界と日本の世界遺産の基礎を学ぶには、最適な一冊です。この一冊で世界遺産検定3級までの基礎知識を得ることが可能なので、興味のある方は、ぜひ、チャレンジしてみてください。写真が豊富に掲載されているので、こんな時だからこそ、世界旅行に行ったつもりになって、眺めてみるのも良いかも知れませんね。

「へ~。」が止まらなくなる本。

『時間を忘れるほど面白い雑学の本』竹内 均/編集 三笠書房

こちらは、目次を眺めるだけで、もう気になって仕方がない、そんな雑学がたくさん載っている、そわそわが止まらない雑学本です。
何となくは知っていたけれど真相が気になる雑学から、目からうろこの驚きの雑学まで、思わず誰かに語りたくなる雑学が218ギュギュっと詰まっています。インスタントコーヒーを作ったのが日本人だったとか、どうして、人間にはしっぽがないのかなど、「へ~。」が止まらなくなること間違いなしの一冊ですよ。
こちらを読んで、何となく頭が良くなった気分になるのは、たぶん私だけではないのではないでしょうか・・・。

本は暇つぶしに最適

いかがだったでしょうか。
暇な時だからこそ、親子で楽しめる本を10冊+おまけで大人向けに番外編5冊をご紹介しましたが、この中に気になる本はありましたか?
お子さんの性格によっても、興味が出る本、出ない本は違ってくると思いますので、お子さんの好みに合ったものをお子さんと一緒になって選んでみてはいかがでしょうか。きっと、「これ、やってみたい!」、「見てみたい!」というお子さんのキラキラした声が聞けるはずです。
楽しみながら教養を得られたり、家族団らんでお子さんが安心感を得られたりする点で、やはり、本は暇つぶしに最適です。
この機会に、家でひとり、だらだらとゲームをさせるより、親子で本を眺めて、お子さんにとっても親御さんにとっても、有意義なひと時を過ごしてはみませんか?

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春の陽だまりのように、心が温かくなる絵本

「絵本」を身近に感じられる喜び

皆さんは、春を感じる瞬間ってありますか?
大きな窓に振り込む日差しが、心地よくて、ほっとしたり、蝶が庭をひらひらと横切れば、「春だな~」と呟いたり・・・。
お天気の良い昼過ぎ、私は、ふっと「春」を感じる瞬間があります。
朝も夜もまだまだ寒くて、ジャケットを羽織らないと凍えてしまいますが、一日の中でたまに顔を出してくれる春を、今は楽しみにして過ごしています。

冬、ストーブの近くに腰かけて、肩寄せ合って読み聞かせていた絵本を、春には、庭のベンチに腰かけて、気持ち良い空気を吸いながら、読み聞かせられるという、贅沢。
せっかくだから、そんな時に読んであげる絵本は、春の陽だまりのように、心が温かくなれるものがいいですよね。

春本番はまだまだですが、心がほっこりとする絵本を集めてみましたので、ぜひ、優しい声で、お子さんに読み聞かせてあげてください。

春の陽だまりのように、心が温かくなる絵本

 

ラブラブな二匹の好き好き比べ。

『どんなにきみがすきだか あててごらん』 サム・マクブラッドニィ/さく アニタ・ジェラーム/え 小川 仁央/やく 評論社

こちらは、チビウサギとデカウサギのやり取りが微笑ましいお話です。
タイトルの通り、お互いがお互いを大好き過ぎて、「どれだけ相手のことを好きか」言い合い合戦が始まるのです。そのやり取りが何とも愛らしくて、読んでいてくすぐったくなります。
チビウサギとデカウサギの関係性は、物語の中には描かれていませんが、おそらく、親子ではないでしょうか。
優しい気持ちで満たされて、読み聞かせ後は、親子でラブラブになれる作品です。
 

小1むすこ
小1むすこ

とってもいい話。デカウサギが優しいところがいいね。チビウサギはかわいらしかった。(息子談)

 

母の深い愛を感じる絵本。

『いいこってどんなこ?』 ジーン・モデシット/さく ロビン・スポワート/え もき かずこ/やく 冨山房

「いいこってどんなこ?」ウサギのぼうやがお母さんに訊ねます。
それに対するお母さんの受け答えが、愛に溢れすぎていて、思わず、わが身を顧みてしまいました。
ついつい、我が子に多くを求めすぎてしまい、イライラ言いがちの私。本当は、ありのままの我が子が大好きなのに怒ってばかり。この絵本のお母さんのようになれたら・・・とは思っても、なかなか現実は思うようにいきません。
だからこそ、絵本を読む時間はたっぷり甘えさせてあげたいものです。

ド直球な質問を投げかけてくるウサギのぼうやを見ていると、子どもは親のことをよく見ているな~と思わずにはいられません。きっとウサギのぼうやは、この返しを待っていたんだろうな、なんて思いながら、ぼうやのお母さんの秀逸な受け答えに感心すらしてしまいます。
 

小1むすこ
小1むすこ

絵が暗いから、最初はこわい話かと思ったけど、いいお話だった!(息子談)

 

名曲が絵本になりました。

『はじまりの日』 ボブ・ディラン/さく ポール・ロジャース/え アーサー・ビナード/やく 岩崎書店

ボブ・ディランの曲は聞いたことがありませんが、この絵本を読んだことで、とても聞いてみたくなりました。
こちらは、ボブが息子に宛てて書いた「Forever Young」という歌の歌詞が絵本になったものです。絵を描いたポール・ロジャースも彼の大ファンということで、絵の中にボブ・ディランゆかりの人物や、ゆかりのものが沢山描きこまれているので、元々詳しい人はテンションが上がるのではないでしょうか。
日本語訳は、アーサー・ビナードさんで、以前、彼の書いたエッセイのようなものを読んだことがあった私は、「こんな素敵な訳詩をされる方だったのか!」と正直驚きました。
歌で言うサビの部分の詩も素敵ですが、「ひとりをたのしめ」とか、「星空へのぼる はしごをみつけますように」とか、親の思いが詰まっていて、声に出して何度も読みたい、むしろ、覚えて朗読したいと思える絵本です。
 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白い。
ボブ・ディランという人は、優しいお父さんということがわかった。(息子談)

 

無性にハグがしたくなる。

『しゅくだい』 いもと ようこ/ぶん・え 宗正 美子/原案 岩崎書店

今日の学校の宿題は、なんと、おうちの人に、だっこされてくること。
モグの家では、モグが一生懸命だっこをしてもらおうとしますが、小さな赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんはなかなか気づいてくれません。読んでいると、モグに同情してしまいますが、最後の笑顔に全て持っていかれます。
読んだ後で、息子に、「こんな宿題、出てほしい?」と訊ねると、元気のいい「うん!」を頂きました。そして思わず、息子をギュッとはぐ。息子は「ふふふ~。」と、とても嬉しそうに微笑んでいました。
そんな、スキンシップが出来る素敵な絵本です。
 

小1むすこ
小1むすこ

たまには、こんな宿題がいい。ほかの宿題が出なくてこれだけなら、すごく嬉しいのに。(息子談)

 

故人を思う気持ちが温かい。

『わすれられない おくりもの』 スーザン・バーレイ/さく・え 小川 仁央/やく

ある日、アナグマは、動物たちに「長いトンネルの むこうに行く」とだけ手紙を残し、死んでしまいました。
残された動物たちは、冬の間中、悲しみますが、やがて、春が来てアナグマからの「おくりもの」に気づくのです・・・。

大切な人の死の乗り越え方という、子どもが読む絵本には、いささか重いテーマの絵本ですが、子どもなりにいろいろ考えるようで、とても真剣な表情で聞いてくれました。
今回、この「春の陽だまりのように・・・」のテーマで本を紹介しようと思った時、一番に思い浮かんだのが、実はこちらの絵本。
春の温かな日差しを思い浮かべた時、ふっと、このアナグマのことを思い出したのです。
故人の思い出を語ることで動物たちの「悲しみ」が溶けたと同時に、訪れた春。
いろいろなことを優しく教えてくれたアナグマは、動物たちにとって、まさしく、春の日差しのような存在だったのではないでしょうか。
 

小1むすこ
小1むすこ

かわいそうな話。アナグマは優しいな~と思った。
動物たちを、かわいそうだと思ったけど、春になってアナグマのことを思い出すところが良かった。(息子談)

 
 

 

読書に適した、春の気候

いかがでしたか?ご紹介した絵本の中で、気になる絵本があった方は、ぜひ一度、書店や近隣の図書館で現物に触れてみてください。
読書=秋だと思いがちですが、最も読書に適した気候が、本当は春であると、私は確信しています。
一番丁度良い気候で、何をするにも過ごしやすい季節なのですから、読書だって、当然、春が一番気持ちが良いのです。
ストーブで温まって、クーラーをガンガンに効かせて、
そんなことをしなくても、のほほんと読書の出来る春。

本当に、待ち遠しいですね!

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家を建てる時に参考になる、おすすめ本

この記事では、家を建てる際に参考になる本をご紹介していますが、あくまでも、新居のイメージが膨らむ、インテリア系の雑誌の紹介であり、家づくりの流れがわかる本や、建築会社の選び方などの<家づくりのノウハウ>が載っている本を載せている記事ではありません。
そういったノウハウ本を知りたい方は、また後日、別の記事でご紹介するつもりですので、そちらをご覧ください。

 

イメージを伝えることの大切さ

家づくりをするにあたって、まず、一番重要なことは何だと思いますか?
資金面で無理をしないこと、それとも、施工業者選びでしょうか?
私は、これらは、どれも間違いではないけれど、一番ではないと思っています。
なぜなら、施工担当者の方に自分たちの持っている建てたい家のイメージを伝えることこそが、最も重要なことであると、身に染みて感じているからです。イメージが上手く伝わらなければ、せっかくのマイホームが、妥協しまくりという結果になってしまうことだってあります。
とは言え、これがなかなか難しく、我が家も、家を建てる時には本当に苦労しました・・・。

本の紹介の前に、我が家が、家づくりを始めた初期に、陥ってしまった失敗談を一つご紹介します。
比較的安価で、それなりにオシャレな家を建ててくれるハウスメーカーで、施工をお願いすることにした私たちは、「こんな家を建てたいんです。」と、頭の中にある家のイメージを担当の方に伝えました。
「なるほど、なるほど!わかります。いいですね!」
担当の方は、そう言って、後日、外観イメージを図面におこしたものを持ってきてくれたのですが・・・。

これが、まるで、コーポのよう!!

私たちのイメージしていたマイホームとは、かけ離れたものでした。
あれだけ、私たちが語るイメージに同調してくれていたのに・・・と、心底がっかりしました。
頭の中のぼんやりとしたイメージを、人に伝えるのは本当に難しいですよね。
そこで、沢山のインテリア雑誌をかき集め、「これだ!」と、イメージに近いものが載っているページに付箋をつけて担当者の方に見せたり、イメージを絵で描いて知らせたりと、とにかく視覚で伝えまくりました。
この頃には、かなり明確なビジョンが頭の中に出来ていたので、これを実現してくれるところはハウスメーカーにはないことに気づき、得意そうな工務店さんを見つけてイメージのすり合わせをしていました。

あの時の苦労から私たちが学んだこと、それは、家づくりにおいて、イメージを明確に施工業者さんに伝えることがとても重要であるということです。
そこで今回、あの頃の私たちのように、家づくりをお考えの方々が頭の中のイメージを形に変える上で、助けとなるであろう、インテリアの雑誌を厳選してみましたので、少しでもお役に立てれば、幸いです。

イメージに近い雑誌がこの中にあることを願います・・・。

家を建てる時に参考になる、おすすめ本

 

自然と調和する家をイメージするなら・・・。

『私のカントリー』 主婦と生活社

1991年創刊のこちら。「ナチュラルで気持ちのいい暮らし」をコンセプトに、温かみのある空間を提案してくれています。以前はもっと、アメリカ開拓時代の家庭を思わせるようなアメリカンスタイルのカントリーが多く特集されていたように思いますが、最近は、イギリスやフランススタイルの落ち着いたインテリアが沢山掲載されています。
ログハウスやカントリーインテリアに興味がある方は見て損はない雑誌です。

〇こんな方にピッタリ〇

・ログハウスを検討している方
・フレンチカントリーに興味がある方
・アンティークスタイルが好きな方

 

北欧テイストの家をイメージするなら・・・。

『北欧テイストで楽しむ100人の家づくり(NEKO MOOK)』 ネコ・パブリッシング

『北欧テイストで楽しむ部屋づくり』は、10組程度の部屋づくり事例が掲載されているインテリア雑誌ですが、こちらは、そのこれまで取材をしてきた多くのお宅の中から、特に反響の良かった100組の実例が、再編集の上、掲載されている特別版です。
どのお宅もハイクオリティーなセンスで見ごたえがあり、北欧風のインテリアが載った書籍を数冊購入するよりもこちらを一冊購入する方が断然お得です。

〇こんな方にピッタリ〇

・色を意識した家づくりに興味がある方
・北欧テイストをインテリアに取り入れたい方
・北欧雑貨が好きな方

 

生活しやすい家をイメージするなら・・・。

『&home』 エフジー武蔵

こちらは、「暮らし上手なひとのための家づくり」をテーマにおいている雑誌です。
毎回、家づくりに関することから特集が組まれていて、家事に実用的な家であったり、収納スペースがしっかりと考えられた家であったりと、暮らしやすさを重視した実例がとても参考になります。
様々なインテリアが紹介されているので、住みやすさをベースにした実用的なマイホームを希望されている方にピッタリです。

〇こんな方にピッタリ〇

・とにかく住みやすさ重視の方
・空間を賢く使いたい方
・いろいろなタイプのインテリアを参考にしたい方

 

モダンな家をイメージするなら・・・。

『モダンリビング』 ハースト婦人画報社

1951年創刊のこちらの雑誌のテーマは、「幸せを実感できる暮らしと空間」で、高級感のある、ゆったりとくつろげる「空間」のある暮らし方が提案されています。
全ページ、和モダンの特集が組まれている号もある(『ML BOOKSシリーズ 21 和モダンの邸宅12』 2019.1.11発売)ので、和風建築をお考えの方にもお勧めです。

建築家による、大人なモダンスタイルの実例が沢山楽しめる雑誌ですよ。

〇こんな方にピッタリ〇

・おちつける空間づくりをしたい方
・スタイリッシュモダンに憧れている方
・和のテイストを取り入れたい方

 

南欧風デザインの家をイメージするなら・・・。

『憧れのプロヴァンス流インテリアスタイル』 安田 薫子/著 講談社

こちらは、現地のマルシェ情報なども載っているので、まるっとインテリアの本ではありませんが、施工業者へ南欧風イメージを伝えるのには大助かりな一冊です。
よく日本で見るような、えせプロヴァンス住宅ではない、本場、パリで大人気のシャンブル・ドット(宿)の南欧インテリアスタイルが丁寧に紹介されています。
日本のインテリアショップガイドもついているので、ぜひ、参考にしてみてください。

〇こんな方にピッタリ〇

・クロスより、漆喰などの塗壁に憧れている方
・アーチ開口のある家にしたい方
・フランス田舎町のような風景が好きな方
・フレンチテイストの雑貨が好きな方

 

ナチュラルテイストな家をイメージするなら・・・。

『ナチュラルインテリアの家に暮らしたい』 主婦の友社

フレンチスタイル、ナチュラルモダン、ナチュラルシンプルなど、いろいろなタイプの家の事例が沢山載っているので、まだはっきりしたテイストは決まっていないが洋風でナチュラルな家をイメージされている方にお勧めです。
材料選びのノウハウや、インテリアショップのデータも載っているので、家づくりの知識も深まるシリーズです。

〇こんな方にピッタリ〇

・カフェのような家に憧れている方
・アンティーク家具が好きな方
・どんな家にしたいか、イメージがまだ固まっていない方

 

施工業者にイメージをしっかり伝えよう

いかがでしたか?
どのような家を建てるかまだ決まっていない方も、これらの本を見ていく中で、段々とイメージが定まっていくのではないでしょうか。イメージが固まったら、気に入った本のページに付箋を付けて、施工業者さんに、ぜひ、見せてください。
施工業者さんにあなたの思いが伝わって、きっと、素敵なマイホームが建つことと思います。