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雨の日に読みたい絵本

雨の日にこそ、読みたい絵本。

雨の日は外で遊ぶこともできず、子どもはストレスがたまり、散らかった部屋を見て親もイライラ。
家の中で遊ぶとなると、どうしても子どもをテレビやネット漬けにしてしまいがちになっていることも・・・。
ですが、そんな時こそ、お子さんの意識を絵本に向けさせる最大のチャンスです。普段、外遊びが大好きなお子さんを絵本に振り向かせるのに、この時期ほど最適なシーズンはおそらくないのではないでしょうか。
今回は、「雨の日」だからこそのワクワクしてしまう絵本をたくさん集めてみましたので、ぜひ、雨の日を狙って、お子さんに読み聞かせをしてあげてください。
じめじめで、うんざりだった「雨の日」が、お子さんにとって、きっと「特別な日」になるのではないでしょうか。

雨の日に読み聞かせたい絵本13選

雨は楽しむもの!

『どしゃぶり』おーなり 由子/作・はた こうしろう/絵 講談社

こちらは、リズミカルに雨が降る音や、まるでバケツをひっくり返したような、どしゃぶりな雨の様子が、はしゃぐ子供と共に臨場感たっぷりに表現されている絵本です。
大人になった今では、雨が降ると本当にうんざりしてしまいますが、この絵本は、雨が降った時に感じていた、幼い頃の心躍る感覚を思い起こさせてくれます。読んでいると、日常の中で、あれもダメ、これもダメと、つい、子どもに言いがちな自分に気づいて反省・・・。どしゃぶりの雨の中、ずぶぬれになって遊ぶ思い出の一つや二つ、私にもあったなあと、思わず物思いにふけってしまいました。
子どもにとって、雨の日は憂鬱なものではないのだと、むしろ、喜ばしいことですらあるのだと、改めて感じられた一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごく気持ちよさそう!ぼくも頭からびしょぬれになりたい~!

 

5才むすめ
5才むすめ

雨降ったら、水着を着て遊びたいっ!

 

雨の日はひっちゃかめっちゃか!

『あめふりのおおさわぎ』デイビッド・シャノン/作・絵 小川 仁央/訳 評論社

こちらは、雨が降ったことにより始まった町中大パニックの連鎖を面白おかしくコミカルに描いた作品です。
読み手のテンションで面白いか否かが左右される絵本なので、寝る前にしっとり読み聞かせというよりは、物語のドタバタに合わせてテンションをアゲアゲで読んだ方がこの絵本の良さが出るように思います。
タイトル通りの「おおさわぎ」。どんどんエスカレートしていく「おおさわぎ」に引き込まれ、子どもたちは終始クスクスと笑っていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

警察の人の車が邪魔になってる!みんなイライラしてるね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

続きがどうなるのか気になって、面白かった。

 

「ふってくる」のは雨だけじゃない?!

『ふってきました』もとした いづみ/作・石井 聖岳/絵 講談社

なにやら雲行きが怪しくなってきて、今にも「ふってきそう」な空の下、お母さんにあげるお花を摘んでいる、つゆこちゃん。これは絶対、雨が降ってくるなと思って読み進めていたら、思わぬ展開に子どもたちはニヤリ。
この絵本の面白いところは、想定外が起きることです。「そんな、ばかな~!」と言いながらも、降ってくるものたちの表情が何とも言えない感じで笑えます。絵のタッチがゆるい感じなのも物語とピッタリで、たくさん子どもたちの笑顔が見られました。
「ふってきそうな空」を見ながら、「何が降りそうかなあ、」と聞くと、子どもは必ず「雨でしょ。」と答えます。そんな前振りたっぷりで、ぜひ、読み聞かせてあげてください。
 

小3むすこ
小3むすこ

まさかまさか~。笑
最後は意外過ぎた。想像の遥か上を越えてきたな。

 

5才むすめ
5才むすめ

・・・雨は?

 

あまやどりしていたブタ君は、なぜ濡れてしまったのか?

『すてきなあまやどり』バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 なかがわ ちひろ/訳 徳間書店

大きな木の下であまやどりしていたはずの、ぶたくん。やぎさんに、どうして濡れてしまったのかと尋ねられ、その理由を話し始めます。
ぶたくんがあまやどりしていた大きな木の下に、同じくあまやどりをしようとやってきた、たくさんの動物たち・・・。段々とスケールが大きくなる、ぶた君の話を聞いていて思い起こされるのは、ウクライナの民話『てぶくろ』。おじいさんがてぶくろを落としてしまい、動物が次々にやってきて、その手袋の中に入ってしまう、あの、感じによく似ています。
ただし、その流れからオチを想像していると、最後にいい意味で裏切られるので、壮大な前振りに思わず笑ってしまいます。こちらも、動物たちの表情が、物語の面白さに拍車をかけていますよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

これも意外なオチで、笑えたね~。笑
かわいい話。

 

5才むすめ
5才むすめ

迫力があって面白かった!

 

昆虫好きに読んであげたい絵本。

『はっぱのおうち』征矢 清/作・林 明子/絵 福音館書店

『あさえとちいさいいもうと』や『こんとあき』など、林明子さんの絵本は、子どもが優しいタッチでとても愛らしく描かれていて、読んでいて癒されます。
こちらの作品は、小さな虫たちと一緒にあまやどりをする女の子のお話で、ページごとに虫たちの動きに変化が見られます。読んでいると、「かたつむりが進んでる!」、「この虫、前のページにいた!」と子どもは虫たちの動きにいろいろな発見をして楽しんでいました。
小さな秘密基地のような木の葉のおうちや、女の子と虫たちの触れ合いが、外遊びの楽しさを子どもたちに伝えてくれる、じんわりと暖かくなる一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

妹ちゃんに似てない?

 

5才むすめ
5才むすめ

自分でも読みやすかったよ。この絵本、気に入った ♪

 

絵本でファンタジーを楽しもう!

『わんぱくだんのてるてるぼうず』ゆきの ゆみこ 上野与志/作・末崎 茂樹/絵 ひさかたチャイルド

こちらは我が子も大好きな「わんぱくだんシリーズ」です。このブログでも幾度となく、このシリーズをご紹介してきましたが、春夏秋冬どの季節にもピッタリ合うお話があるので、絵本選びに困った時に大助かりなシリーズです。
『わんぱくだんのてるてるぼうず』は、けん、ひろし、くみの三人が作ったてるてるぼうずが「おてんんきのくに」へ案内してくれるお話で、雲の上へ行ける夢のような展開に想像を膨らませ、我が子は嬉しそうに聞き入っていました。
梅雨の時期だからこそ、手作りてるてるぼうずを一緒に作って、じめじめとした空気を吹き飛ばしたいですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

わんぱくだんシリーズだ!!
昔よく借りて読んだな~。てるてるぼうずたちが嬉しそうで可愛いよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

わんぱくだん大好き~!
私も空を飛んでみたい!!いいな~。

 

使いたくない気持ち、わかりますが・・・。

『おじさんのかさ』佐野 洋子/作・絵 講談社

こちらは、何とも言えないおじさんの表情がたまらなく癖になる絵本です。
おじさんは自分の傘をたいそう大事にしていて、大事にしすぎるあまり、雨が降っても開くことがなく、誰かに貸してあげるなんてことは絶対にしませんでした。
ところが、ある日、小さな女の子がやってきて、「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン。」と歌い出して・・・。
まるで、初めて傘を買ってもらった子どものようなおじさんの様子がとてもチャーミングに描かれています。きっと、おじさんと同じ大人よりも、子どもたちの方が、この感情に心当たりがあり、おじさんの気持ちに共感できるのではないでしょうか。
 

小3むすこ
小3むすこ

おじさん、傘の本当の良さがわかってよかったな。
使わないと傘がかわいそうだし。

 

5才むすめ
5才むすめ

おじさんのお気に入りなんだね。
私も雨の音って大好きだよ。

 

想像するって、こんなにも楽しい!

『キムのふしぎなかさのたび』ホーカンイェンソン/作・カーリン・スレーン/絵 徳間書店

ざあざあぶりの雨の日。キムはお店の外でママの買い物が終わるのを待っていました。
やがて、傘をひっくり返して船のようにすると、それにとびのり、大冒険に出発です。ジャングルに行ったり、海に出たりと、子どもがわくわくすること間違いなしのお話ですが、最後まで読めば、子供の頃の自分を思い出して「こんなこと自分も考えてたな」とどこか懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。
子どもの想像力ってすごいですよね!
 

小3むすこ
小3むすこ

これって女の子の想像?
それともニルス(ニルスの不思議な旅)みたいに、本当に小さくなってたのかなあ?
やっぱ、想像かな~。

 

わたし
わたし

どっちともはっきりとは書いてないよね。
どっちであってほしい?

 

小3むすこ
小3むすこ

本当に小さくなって、傘に乗って旅してきたんだったら面白い!

 

5才むすめ
5才むすめ

私も!!

 

こんな傘がほしかった!

『ちいさなきいろいかさ』にしまき かやこ/イラスト・森 比左志/シナリオ 金の星社

なっちゃんがお母さんに買ってもらった小さな黄色い傘は、とても不思議な傘。なにが不思議か具体的に言うことは避けます(表紙の絵を見れば大体わかると思います)が、大きなばくさんも、背高のっぽのきりんさんも、難なく入れてしまう、とっても不思議な傘なのです。
この絵本を読んでいて、子どもが「あのね、あのね、いいことがあったの」と話しかけてきた時に、この物語のお母さんのように「いいことって、どんなこと」と問いかけてあげられる、子どもに寄り添ってあげられるお母さんって素敵だな~と思いました。
どんな内容であれ、「ふんふん、そうなんだね。」と子供の目を見て話を聞いてあげられるお母さんでいたいものです。
 

5才むすめ
5才むすめ

絵がかわいい!

 

小3むすこ
小3むすこ

こんな傘があれば、学校行くときも絶対濡れないじゃん!!

 

雨の日を楽しみたい気持ちが詰まった絵本。

『あめあめふれふれもっとふれ』シャーリー・モーガン/作・エドワード・アーディゾーニ/絵 のら書店

こちらは、何日も続く雨の日を悶々とした気持ちで過ごす男の子と女の子のお話です。
二人は窓から外を眺め、雨の日に自由に外出できる者たちを見ては羨み、彼らになれたらどんなにいいかと想像します。二人の様子を見ていると、雨の中で遊びたくて遊びたくてたまらない、今にも雨の中へ飛び出していきたい子どもたちの気持ちがよく分かり、なんだか微笑ましいです。
雨の日だからこそ、できる遊びってありますよね・・・。
 

小3むすこ
小3むすこ

これは気持ち、もの凄いわかるなあ~。
ずっと雨だと退屈で退屈でたまらなくなるもん。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨の日しか長靴はけないから、雨が降ると外に出たくなるよ。
二人とも出れて良かったね!

 

雨の日の過ごし方は人それぞれ♪

『くすのきだんちのあめのひ』武鹿 悦子/作・末崎 茂樹/絵 ひかりのくに

こちらは、10階建てのくすのき団地に住む動物たちの様子が、読んでいて楽しいシリーズです。
雨の日も、思い思いに過ごす「くすのき団地」の住人たち。動物それぞれの過ごし方があって、どの窓からも小さなドラマを感じられます。
子どもたちは、6階のレストランでの、りすのコックさんとおくさんの会話が面白かったようで顔を見合わせていました。「何がそんなに面白いの?」と聞くと、「だって、グリーンピースって言ってる。」と。
ああ、なるほど。グリーンピースが嫌いな父さんのことを思い出して笑ったのか、と納得。
どの部屋に遊びに行きたいか、なんて言い合いながら、親子楽しく読み聞かせが出来る一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

木の家なんて、秘密基地みたいで楽しそう。
しかもレストランまであるとか・・・。
ここに住めば、雨が降っても退屈しなさそうだよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

かえるさんが羨ましくなっちゃった。
雨が「いいてんき」なのか~。

 

ばばばあちゃんは、雨にも負けない!

『あめふり』さとう わきこ/作・絵 福音館書店

こちらは、パワフルで優しいばばばあちゃんのシリーズです。
雨の日にうんざりなばばばあちゃんは、空に向かって大声で言いました。
なんて いじわるな やつらだい。ようし。そんなに いじわるをするんなら、こっちにも かんがえが あるよ
いらないものを暖炉にくべて、燃やし始めたばばばあちゃんは、仕上げにストーブと暖炉の中にこしょうと唐辛子を入れて、なにやら画策中。ばばばあちゃんの作戦は功を成すか、ぜひ、お子さんと語り合いながら読んでください。
最後のページの絵を見て、うちの子は「すご~い!ほんとはこんなこと出来ないよねえ?」と目を輝かせていました。
ばばばあちゃんのシリーズは、子どもたちに外遊びの楽しさを教えてくれたり、お菓子などの作り方を教えてくれるシリーズも楽しいですが、こういった「ありえないけれど、あったらいいな」が詰まったファンタジーも読んでいてわくわくしますよね。
 

小3むすこ
小3むすこ

ばばばあちゃんに、怖いものなんてないのかも。
ふかふかの雲に寝転がってみたくなった!

 

5才むすめ
5才むすめ

ばばばあちゃん大好き~。
雨って、鬼が降らしているの?!

 

虫好き、動物好き、外遊び好きに読んでほしい!

『雨がふったら、どこへいく?』ゲルダ・ミューラー/作・いとう なおこ/訳 評論社

こちらは、双子のきょうだい、リュックとマリオンが、仲良しのステフと一緒にぬまに出かけるお話です。
道中で様々な動物や虫たちと出会ったり、ぬま到着後も楽しい発見があったりと、生き物たちとの触れ合いは尽きませんが、急に雲行きが怪しくなって、あっという間に大きな雨のしずくが落ちてきました。
この作品の素晴らしいところは、雨が降った時の生き物たちの様子が、絵で丁寧に描かれているところです。チョウやコバエなどの虫から、ガチョウ、ウシ、ブタなど、いろいろな動物が雨の日にどこにいるのか、どうしているのかが、わかりやすくまとめられているので、沢山の気づきを得ることが出来ます。
物語の最後に、雨がふるメカニズムのプチ情報が載っていたり、鳥や花、虫の情報が載っていたりするのも、子どもたちにとっては嬉しいおまけのようですよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

最後にいろんな豆知識が載ってて面白かった。
ぼくも外でいろいろ見つけたくなったよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨が降っても、虫さんたちの隠れる場所がちゃんとあるんだね。
今度さがしてみよ~。

 

 

雨の日には雨の日の楽しみ方がある。

いかがでしたか?
傘に雨粒が落ちた時のパラパラという楽しい音、雨が降っただけで日常が別世界になる不思議、そんな、雨の日にしか味わえないワクワクとした感情を絵本を通して知ってもらえたら素敵ですね。

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中学生におすすめ!名作・純文学

純文学のすすめ

皆さんは「純文学」と言うと、どういった印象を持ちますか?
堅苦しい、小難しい、眠くなる・・・以前勤めていた学校の生徒さんは、私の力量不足ということもあって、どうやらそんな感想を抱いていたようです。
そもそも、「純文学とは何ぞや」から説明が必要な人もいるかも知れません。
今回は、中学生が敬遠しがちな純文学作品について、「何ぞや」から出来るだけ嚙み砕いて説明して、皆さんに興味を持ってもらえるように司書として頑張りたいと思います。
また、後半は、そんな純文学の中から中学生の皆さんにおすすめの作品を紹介したり、純文学に限らず、昔から名作と言われている海外の作品からも数冊おすすめを紹介しているので、ぜひ、本選びの参考にしてみてください。

純文学と対象となる文学として、「大衆文学」というものがありますが、実はこの二つの境界線はとても曖昧で主観に委ねられるところも多く、現代のものは特に「これは純文学?それとも大衆文学?」と判断が難しい作品があったりします。
一般的に言われている純文学とは次のようなものです。

【1】純文学とは

人を楽しませたり、感動させたりすることを目的とした大衆文学に対して、純文学は、文章の美しさなどの芸術性に重きを置いています。
例えば、大衆文学と純文学を声に出して読んでみてください。どちらが読んでいて心地良いか、文の調子が良いか、一目瞭然だと思います。芥川龍之介や夏目漱石など、日本の文豪といわれている作家の作品は、音読した時のリズムがとても心地良いものです。これは、ストーリー展開よりも文章の美しさそのものに磨きをかけたが故の結果です。
最近では、自分で読む読書以外にもオーディブルなど、耳で聞く読書アプリもありますから、活字が苦手な人は、こういったアプリで純文学の美しい文章を聞くのも良いかもしれませんね。
大衆文学のようなハラハラドキドキのストーリー展開はありませんが、その分、登場人物の心情や、情景が丁寧に描かれているので、落ち着いて物事を考えたい人に純文学はピッタリです。

そもそも、英語に「純文学」という言葉はありませんから、これは日本だけの独自なジャンルです。よって、「反抗精神を歌っているから、これはロックだ!」というような、誰もが納得できる明確な目印がなく、芸術という主観的でどこか曖昧なジャッチのみで分けられているのが、冒頭でも言った、素人目で見て判断が難しい理由となっているのかも知れませんね。

【2】現代にも純文学はある

普段小説をあまり読まない人の中には、純文学というものは、ひと昔前の作品で、作者はすでに死んでいて・・・なんて思っている人がひょっとしたらいるかも知れません。
ところがそれは大きな間違いです。
おそらくその考え方は、「近代文学」と「純文学」という言葉が、ごちゃ混ぜになってしまったが故の誤りだと思います。近代文学は、近代(日本に限定すれば明治維新以後)に成立して発達してきた文学のことを言うので、ひと昔前という考え方は間違いではありませんが、純文学にこういった時代の括りは一切ありません。
近代であろうと、現代であろうと、芸術性に重きを置いている作品は、全て「純文学」と呼んで良いのです。
近代文学は、現代の小説を読み慣れている人からしてみれば、難しく感じる言い回しがあるかと思いますが、現代の文体で現代の作家が書いているのであれば、それだけで、取っ付きにくさは大分無くなるのではないでしょうか。

現代文学における、純文学作家といえば、まず頭に思い浮かぶのが村上春樹さんです。
ノーベル文学賞の時期になると「今年は授賞なるか?!」と、毎度、騒がれているあの作家さんですよ。
純文学入門としては、とても読みやすい作家さんだと思いますので、ぜひ、挑戦してみてください。
セリフ回しが少しキザに感じたり、文章からその場面がありありと思い描けたり、大衆文学とは一味違う文体に気づけたら、ぜひ、自分を褒めてあげてくださいね。

【3】中学生に純文学を進める理由

私が純文学を中学生の皆さんにおすすめする理由は、大きく分けて二つあります。

➀味わい深い人になれる

最近はどこの学校も、朝の10分間読書なるものがあって、普段本を読む習慣のある生徒さんも、そうでない生徒さんもこぞってその10分間は読書タイムを取ります。子どもたちの読書離れを止める策として、司書としてとても良い習慣だと思ってはいるのですが、普段本を読まないものからしてみれば、この10分は残念ながら苦痛でしかなく、生徒さんは何とかその10分間を乗り切るために、短い時間でどんでん返しが気楽に楽しめる本を血眼になって探しに図書館へやってきます。
そんな生徒さんが決まって言うセリフが、
「短い話でストーリーが分かりやすくて、どんでん返しがあるようなやつ!」
です。
残念なことに10分間という、短い読書タイムにすっかり慣れてしまっているのです。
本来、読書は時間を忘れてのびのびと読むことが醍醐味の一つであったはず。この10分間の読書タイムがきっかけとなって、本来の楽しみ方までたどり着けた生徒さんは良いですが、これを読書の楽しみ方と思って常に「起承転結」、「どんでん返し」だけが読書の面白さであると、はき違えてしまうのは、とても残念でなりません。
純文学は、物語を読む側に衝撃や感動を与えることが目的ではないために、ストーリー展開は至って緩やかです。緩やかな中に、主人公の思考が丁寧に描かれていたり、情景が美しく描かれていたりというような味わい深さがあります。
直ぐに結論が出てしまう本が良くないとは言いませんが、短い時間で結論を求めがちな中学生にこそ、こういった結論を急がない読書に挑戦して小説の味わい深さに触れてほしいと思います。
その経験を重ねることで、物事にある奥行きに気づき、知的で味わい深い人になれるのです。

➁受験や社会に出る上で役立つ

何度も言いますが、純文学は文章の美しさが特徴の一つとしてあります。それ故に、沢山の作品を読んでいくうちに、自ずと自分自身の文章能力も身についていくのが嬉しいおまけかも知れません。
例えば極端な話ですが、巷で人気の携帯小説ばかりを読んでいる生徒さんの文章は、文体がおかしなことになっていて、作文の文章の末尾に平気で「♡(ハート)」を付けるのだと国語科の先生が頭を抱えていたことがありました。
これは少し極端すぎたかもしれませんが、早い話がそういうことなのです。美しくないものを見たり聞いたりして育った人は、それを素晴らしいものだと認識するしかありませんが、長く本物に触れていれば、何が本物か目利き出来るようになり、自ずと自分自身も影響を受けるというわけです。
どのような文章が美しいと言えるのかを知っておくことは、今後、小論文などを書く際にも大いに役に立つことでしょう。
また、受験対策として純文学作品を読むこともおすすめしたいです。受験で初めて純文学に触れて、その分かりづらさに「意味が分からない」と頭を抱えることがないように、普段から「純文学とはこういうもの」と理解して、起承転結が緩やかな純文学の持つ曖昧さに事前に触れておけば、当日になって「なんだこれは」と慌てる心配がありませんね。

中学生におすすめ!名作・純文学

それでは、ここからはいよいよ中学生の皆さんにおすすめしたい名作・純文学について紹介していきたいと思います。
冒頭でも述べた様に、純文学に限らず、昔から名作と言われ、世界中の人たちに読み継がれてきた作品も紹介していますので、ぜひ、この機会に挑戦してみてくださいね。

【純文学のおすすめ】

人の心の内を丁寧に描き切った作品。

『こころ』夏目 漱石/著 新潮社

こちらは、「先生と私」、「両親と私」、「先生と遺書」の三部構成からなる、人の心の内を丁寧に描いた夏目漱石の代表作の一つです。タイトルにもなっている「こころ」が、「いったい誰の心なんだろう?」と読む前から読み手の心をくすぐります。
この物語の核となっているのは、主人公である「私」が「先生」と呼ぶ男の過去であり、「先生」は、過去の出来事に長い間囚われ続け、やがて、「私」に書いた遺書で、全てを告白します。友情ではなく、恋を取って友人を出し抜いたことにより、起こってしまった最悪の結末。それをずっと内に秘めてきた「先生」の寂しさが文章からは垣間見えます。その「先生と遺書」の中で描かれた細かい心理描写がこの小説の旨みの一つであり、タイトルの所以となっているのではないでしょうか。読んでいると、人間の弱さや寂しさが深く心に染み渡ります。
人の心の内を丁寧に描き切っているので、感受性が高い時期に、ぜひ一度読んでほしい作品です。

 

まるで寓話集のようなわかりやすさ。

『蜘蛛の糸・杜子春』芥川 龍之介/著 新潮社

「年少者向け」とあとがきにもある通り、こちらは芥川龍之介の作品の中でも比較的読みやすい10作品を集めた短編集です。「名前は聞いたことがあるけど、難しそう」。そんな風に思って、これまで遠ざけてきた人にこそ、読んでほしいと思います。
古典、宗教、寓話など、様々な要素が物語の中に感じられ、未就学児にすら読み聞かせ出来そうな「わかりやすさ」や「読みやすさ」があります。文章がとても美しいので、(私の中で)声に出して読みたい小説ナンバー1と言っても過言ではありません。芥川龍之介と言えば、洗練された高雅な文体。美しい言葉で語られる情景に、ぜひ、酔いしれてみてください。

★『蜘蛛の糸・杜子春』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

人間の心理やエゴイズムが描かれた表題作。

『羅生門・鼻』芥川 龍之介/著 新潮社

お次も芥川龍之介の短編集です。表題作である『羅生門』は、文章から醸し出されるおどろおどろしさが何とも不気味で惹きつけられる作品です。『鼻』は、『今昔物語集』の「池尾禅珍内供鼻語」や、『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材としていて、コンプレックスによる人間の心理やエゴイズムなどが掘り下げて書かれている芥川龍之介の出世作です。芥川は学生時代、夏目漱石にこの作品を評価されて作家デビューしたらしいですよ。
先にご紹介した『蜘蛛の糸・杜子春』よりは、人間のねたみや非情さが目立つ作品が多く、少し小難しく感じる人もいるかもしれません。後の三好行雄さんの解説までじっくりと読むことで、納得できることも多くあるかと思いますので、『蜘蛛の糸・杜子春』の次に腰を据えて読む芥川作品として、ぜひチャレンジしてもらいたいです。

 

虎となってしまった男の話。

『李陵・山月記』中島 敦/著 新潮社

こちらは、『山月記』、『名人伝』、『弟子』、『李陵』の4作品が収まった短編集です。
『山月記』は教科書にも載っているので知っている人も多いのではないでしょうか。自尊心や羞恥心が心の奥底で膨らんで虎となってしまった男の話ですが、中国の古典を元に書かれているので、難しい言い回しが多かったり、物語の途中に漢詩が出てくることもあり、普段、漢詩に触れることがない私たち日本人は少し身構えてしまうところもある作品かも知れません。ただ、それでも、高校生の頃にこの話を読んだ私は、難解な文章以上に、虎になった男の話が衝撃的過ぎて、最後までどうなるものかと読み進めることが出来たのです。まるで、カフカの『変身』の舞台を中国に置き換えたような変身譚で、ぐいぐいと読者を引き込んでくれる作品です。

★『李陵・山月記』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

雪国の風景が目に浮かぶ。

『雪国』川端 康成/著 新潮社

物語冒頭の、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という一文が有名すぎて、『雪国』を読んだことがなくてもこの一文を知っている人は多いのではないでしょうか。
この一文からもわかるように、この作品は、これぞ純文学と思わずため息をついてしまうほどに自然描写が美しい作品です。内容は大人の恋愛物語なので、学生の皆さんに合うかどうかは正直何とも言えませんが、まるで一つの映画を見ているように情景が鮮明でとにかく素晴らしいので、ぜひ、そんな文章表現の美しさに酔いしれていただきたいです。

 

二人の主人公の物語。

『海辺のカフカ』村上 春樹/著 新潮社

こちらは、村上春樹の小説には珍しく10代の少年が主人公となっている作品なので、春樹作品の中でも中高生の皆さんにとって、特に読みやすい作品なのではないでしょうか。他の純文学作品に比べて、難解な文体というわけでもないので、初めて純文学に挑戦する人も比較的読みやすい作品だと思います。
この作品の面白いところは、家出をした15歳の少年、田村カフカが主人公である話と、知的障害の老人、ナカタサトルが主人公である話、この二つの物語が同時進行で進んでいくところです。読み進めていくうちに、この二つの物語が実は無関係ではないのかも?と感じ始めると、ページをめくる手がもう止まりません。
読み進めながらいろいろな気づきを得ていただきたいので、詳しいあらすじについては触れませんが、沢山の仕掛けが散りばめられている作品です。噛めば噛むほど味が出るといったような、一度ならず何度も読むことで深みを増していく小説なので、ぜひ、結末を焦らずじっくりと読んでほしいと思います。

【海外名作のおすすめ】

年老いても現役を貫く男の生きざま。

『老人と海』ヘミングウェイ/著 新潮社

こちらは、老漁師と大物マカジキとの二日間もの死闘を描いたヘミングウェイの作品です。
静かに、ただ静かに、大海原でひとり格闘する老人サンチャゴを見ていると、老いや自然の力に屈することなく、今の自分が持つ全力でマカジキに挑む姿に心を持っていかれます。死闘後の話を読んでいると心にぽっかりと穴が開いたような虚無感に襲われそうになりますが、何事もなかったかのように淡々とまた漁へ出る老人に精神力の強さを感じて救われたような気持ちになる人も多いのではないでしょか。老人と少年との関係性も素敵で、海の上での孤独な戦いの最中に何度も「あの子がいてくれたら」と思う老人の様子から、きっと少年が思っている以上に少年の存在は老人にとって大きなものであったように思います。
ヘミングウェイはこの作品で、ピューリッツア賞を受賞し、1954年にはノーベル文学賞も受賞しました。ヘミングウェイの代表作の一つなので、ぜひ一度読んでみてください。

『老人と海』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

 

物事の不条理さを描いた名作。

『変身』カフカ/著 新潮社

こちらは、主人公の青年が、ある朝起きたら巨大な害虫になっているという物語で、虫嫌いの私はぞわぞわしながら読み進めていった記憶がありますが、読めば読むほど、この害虫があまりにも哀れで、なんとか最後は人間に戻らせてあげたいと、いつしかこの害虫に感情移入している自分がいました。
青年が害虫となってしまったことで、青年に対する家族の接し方がそれまでと違うものとなってしまった理不尽さが読んでいて胸に突き刺さる作品です。
自分の家族が、もし、これまでの家族とは違うものになってしまったら、自分だったらどう行動するか・・・。ありえない物語を現実世界と照らし合わせながら読んでみるのも面白いかもしれませんね。

 

多種多様な人々が紡ぐ、暖かい物語。

『種をまく人』ポール・フライシュマン/著 あすなろ書房

物語は、ごみ溜めのようになってしまった土地に、一人の少女が豆の種を植えるところから始まります。
やがて、年齢や人種も違う、多種多様な人々がそこに種をまくようになり、いつしかごみ溜めは立派な菜園となっていきました。菜園を通して紡がれていく13人それぞれの物語がそこにはあり、最初の少女のひと植えが、幸せの連鎖に繋がっていく過程が読んでいて何ともハートフルで心を動かされる作品です。
とても短く、読みやすい小説なので、何かの合間や就寝前などに、ぜひ、手に取って読んでもらいたいと思います。

 

短編の名手が届ける、極上の短編集。

『最後のひと葉』オー・ヘンリー/著 岩波書店

オー・ヘンリーを知らずとも、どこかしらでオー・ヘンリーの作品に触れている人は少なくないのではないでしょうか。
クリスマスに互いのことを思い、プレゼントを選び合う夫婦の物語『賢者の贈物』、病気の女画家と老画家の心温まる物語『最後のひと葉』などは絵本にもなっている有名な作品です。
14編が収録された短編集ですが、どの話もただオチがあるだけの作品ではない、深い感動やしみじみとした余韻の残る話ばかりであり、英米で短編の名手と呼ばれていたオー・ヘンリーの手腕を感じられます。
朝のわずか10分間の読書に、このような深みある短編集に挑戦してみるのもおすすめですよ。

★株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫には、「賢者の贈りもの」「最後の一葉」「警官と聖歌」など、よりすぐりの10編が収録されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

まとめ ~就寝前の読書に。~

「なかなか読む時間がない」と、日頃から読書に消極的な人は、まずは、就寝前の1時間を読書の時間にしてみてはいかがでしょうか。
布団に入って、本を開く。誰にも邪魔されないその1時間にピッタリなのが、今回紹介した純文学であったり、海外の名作であったりします。想像力掻き立てられるファンタジーや、ハラハラドキドキのストーリー展開の冒険物も良いですが、就寝前に読むには少し目が覚めてしまいそうですよね。就寝前だからこそ、美しい日本語から登場人物の心情や情景を思い浮かべながら、「起承転結」に囚われない読書をぜひ楽しんでみてください。

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花の絵本特集♪

春にぴったり、花の絵本

近所の桜は全て葉桜となりましたが、チューリップ、ラベンダーにクレマチス・・・春はまだまだ沢山の花を咲かせてくれる季節です。
我が家でも黄色のモッコウバラが色鮮やかに咲き乱れて楽しませてくれていますが、花には人の気持ちを朗らかにする不思議な力がありますよね。今回は、この季節に合わせた素敵な花の絵本を集めてみましたので、ぜひ、春の陽気に身を任せ、ご家族で絵本を眺めてみてください。

花の絵本15選

春の読み聞かせには欠かせない!

『さくら』長谷川 摂子/作 矢間 芳子/絵 福音館書店

こちらは桜の木(ソメイヨシノ)の一年を通した様子がよくわかる一冊です。
桜と言えば、満開に咲いている春の様子だけに注目しがちですが、夏、秋、冬の桜も表情が違い、それぞれの良さがあってとても素敵です。四季折々の桜が美しい絵と文章で一つの物語としてまとまっているので、春の読み聞かせにピッタリですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごい絵がリアル!
見てると花見に行きたくなるんだよね~。

 

じいじとちびすけの関係にジーンとくる!

『じいじのさくら山』松成 真理子/作・絵 白泉社

天気が晴れた日、じいじに誘われて、よく、さくら山を登ったちびすけ。それは、じいじが嬉しいことがあるたびに、こっそりと植えてきたじいじの大事なさくらの木々からなる山でした。
「ちょうしのわるいところはないかいな」
「ぐあいのわるい木はおらんかな」
じいじは、ひとつひとつの木に触って木の具合を確かめます。ちびすけも真似をして触ってみますが木は何も答えてはくれません。やがて、じいじは病気になり、ちびすけは一人で山に行き、じいじの回復を願います。

よく、子どもは親の背中を見て育つと言いますが、この物語は
じいじとちびすけの関係がとても素敵で、ちびすけは、きっと、じいじの生き方を見て、じいじとの思い出を胸にこの先成長していくのだろうなあ…と読んでいて暖かい気持ちに包まれました。じいじの「なんも なんも」という口癖に、すべてのことを受け入れてくれるような安心感を覚えるのは私だけではないはずです…。
 

小3むすこ
小3むすこ

このじいじ、うちのじいじによく似てるよね。

 

わたし
わたし

確かに。

 

5才むすめ
5才むすめ

じいじだ、じいじだぁ~♡(ハート)

 

知らなかった!菜の花の秘密がわかる絵本。

『なのはなみつけた』ごんもり なつこ/作・絵 福音館書店

我が家の庭に植えた葉牡丹から、するすると茎が伸び、ちょうどこの本の裏表紙の絵のような、見事な菜の花が咲きました。菜の花って、白菜やキャベツ、小松菜などの葉野菜からも咲くんですね。恥ずかしながら、この絵本を読むまで全く知りませんでした。
菜の花に最大限のスポットを当てて、菜の花についてのあれこれを丁寧な言葉で紹介してくれているので、未就学児でも興味深く楽しめる絵本です。我が家では新小学3年生も「へ~。知らんかった~。」と新しい発見があったようで、興味深げに絵本を眺めていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

え!菜の花って、野菜からも咲くん?
知らんかった~!

 

たんぽぽに詳しくなれる、どこかお洒落な一冊。

『たんぽぽ』荒井 真紀/文・絵 金の星社

たんぽぽを主役とした作品は他にも数冊思い浮かびますが、私はこの上から見たような構図で描かれているたんぽぽや、色遣いが好きで、荒井真紀さんの絵本をチョイスしがちです。
荒井真紀さんの作品は、どれも丁寧にそのものを捉えていて、それでいてお洒落。『まどのむこうの くだもの なあに?』(2019年月刊絵本「こどものとも年中向き」7月号)では、その魅力が爆発していますので、ぜひ、そちらも合わせてみていただきたいのですが、どの作品も、書店や図書館で他の沢山の本と一緒に並んでいても、荒井さんの絵本は
表紙からグッと引き寄せられる魅力があります。
こちらは、たんぽぽの観察に役立つ情報がこの一冊に沢山詰まっているので、科学絵本としても申し分ありません。
 

小3むすこ
小3むすこ

絵がすごくきれいだと思う。
どうやったらこんなに本物そっくりに描けるんだ!

 

身近な果物、バナナの全てがわかる絵本。

『バナナのはなし』井沢 尚子/作 おいかわ けんじ/絵 福音館書店

こちらは、この一冊でバナナのことがまるっと全てわかってしまう絵本です。
バナナはスーパーなどで簡単に手に入る果物ですが、この絵本を読むと案外バナナのことを知らなかった自分にきっと気づくはずです。
バナナを冷蔵庫に入れるとどうして黒くなるの?
バナナはどうやってなっているの?
そんな疑問に丁寧に答えてくれているのがこの絵本です。
今回、花の絵本を特集するにあたって、なぜかこの絵本が頭をよぎりました。なぜだろう?と、久しぶりにページを開いてみると、そこにはこんな一文が。

「これが、はな?」
つぼみのようにみえるけれど、はなではない。(中略)しろい はなびらが みえた!これが はなだ。

どう見てもバナナの花のように思われるものは、花ではなくて、本当の花はその花のようなものの内側にびっしりと並んでいるのだという驚き。これが、ずっと私の中に残っていて、花の絵本を思い浮かべた時に頭の中にこの絵本がよぎったのでしょう。
普段食べているバナナへのリスペクトが感じられる絵本なので、バナナ好きにも嫌いなお子さんにも読んでほしい一冊です。
 

5才むすめ
5才むすめ

バナナって私だいすき!

 

小3むすこ
小3むすこ

バナナの生り方がよくわかって面白いよね。
知ってるようで何も知らなかったんだな~。

 

表紙の秘密を裏表紙でこっそり種明かし!

『さいた さいた』とりごえ まり/作・絵 金の星社

こちらは「わくわく」や「ひゅーひゅるる~」など、絵に添えられた短い文章が楽しい作品なので、0歳さんから楽しめる絵本です。絵は全て朱色に近い、鮮やかなオレンジ色で縁どられているので赤ちゃんも目を引くかもしれません。
絵本のカバーで作者のとりごえまりさんがこの作品が出来たエピソードを語っておられますが、日常の中でふと見た光景からこんな楽しい絵本を作ってしまう絵本作家さんってやっぱり素敵だなぁと思わずにはいられませんでした。
また、ここでの小ネタが表紙と裏表紙の仕掛けに気づかせてくれるきっかけとなり、物語が一層深いものとなったようで子どもたちは嬉しそうでした。
 

小3むすこ
小3むすこ

子供向けかと思ったけど、意外に楽しめた。

 

わたし
わたし

あんたも子供や。

 

5才むすめ
5才むすめ

待って待って!これって、もしかして、ぞうさんがいた場所って・・・。

 

わたし
わたし

おおっ!娘ちゃんも気づいたか~。

 

とにかく全てが美しい絵本!

『花のうた』シャンナ・オーテルダール/作 エルサ・ベスコフ/絵 文化出版局

エルサ・ベスコフさんの絵本が個人的に大好きなので、花の本を特集するにあたって一番に飛びついたのがこちらの絵本。やはり、エルサ・ベスコフさんの絵は、美しくて心に優しいですね。
この絵本は、詩人であり作家でもある、シャンナ・オーデルダールの詩にエルサさんが絵を付けたものです。当時は新しさがあることで受け入れられたようですが、現在は古典的で、そこがまた趣があって美しい詩であると親しまれています。
読み聞かせには少し難易度高めな作品ですが、それでも子どもの横で、そっと声に出して読みたい絵本です。
布団に入った子どもに寄り添って、こんな美しい詩を読んであげられる母親になるのが理想です。

エルサ・ベスコフさんの描いた絵本は、他の記事でも紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選
 
芸術の秋‼ 絵が美しい絵本10冊

 

5才むすめ
5才むすめ

絵はかわいいけど、よくわかんない・・・。

 

小3むすこ
小3むすこ

タイトルどおり、花の歌が絵本になってるんだよ。
ね。そうだよね?

 

わたし
わたし

そうそう。そんな感じ。
素敵な絵本だけど、ちょっと読み聞かせ向きではないかもねえ。

 
 

母を思う、けろの願い。

『はなのしずく』椿 宗介/作 高畠 純/絵 フレーベル館

けろのお母さんが病気になって、けろは、お母さんの病気に効く薬を探す旅に出ることを決心します。
ところが誰に聞いてもなかなか有力な情報は得られないまま。ようやく、ふくろうおじいさんから「夜の間につゆ草のしずくを集めて飲む」という方法を教えてもらいますが、いくら探してもつゆ草の花は見つかりません。そんな時、野原の向こうに真ん丸な月が登ってきて・・・。

高畠純さんの絵が大好きで、知らず知らずのうちに手に取っている自分がいます。こちらは『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)とはまた一味違ったタッチのゆるさで、見ていて和みますね。
作者のあとがきを読んで、「青い月の光」は、真っ暗な夜を照らしてくれる唯一の希望であるような気がしてなりませんでした。

『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)は、他の記事で紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選

 

小3むすこ
小3むすこ

この絵本、話的にも面白いけど、なんてったって、かえるの表情が面白いよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

つゆ草の青いしずくって、ほんとうにあるん?

 

わたし
わたし

娘ちゃん見つけたら、お母さんの花粉症を治してね。

 

あったらいいなが形となった物語。

『サナのゆめのにわ』なりた まさこ/作・絵 ポプラ社

タイトルに「ゆめのにわ」とある通り、こちらは、現実には到底あり得ない、けれどもこんなことがあったらいいなを形にした、子どもたちのワクワクが詰まったファンタジーな作品です。
もしも、自分だけの庭があって、好きなお花を植えられて、そこで自由に遊ぶことが出来たら?
大きく伸びたお花の茎のトンネルをくぐったり、お花の妖精と知り合って一緒に遊んだり、きっと子どもたちの想像する世界はこの絵本のような楽しいことばかりのはずです。
ぜひ、想像を膨らませて、お子さんと一緒に「ゆめのにわ」で、沢山遊んでください。
 

5才むすめ
5才むすめ

楽しそう~!!こんな庭があったら、ぜったいぜったい水やりする~!!

 

正直な心が一番。

『皇帝にもらった花のたね』デミ/作 武本 佳奈絵/絵 徳間書店

皇帝がおよつぎを選ぶことになって、くにの子どもたちに少し変わったおふれを出しました。
それは、皇帝が渡す花の種を大切に育てて、一年後、再び皇帝に見せに来るようにというものでした。花を育てるのが大好きなピンもこのおふれ通り、皇帝からいただいた花の種を大切に育てるのですが、いっこうに目が出てきません。そうこうしているうちに、とうとう約束の一年後がやってきてしまいました。困ってしまったピンは・・・。

目先の利益に囚われ、嘘をつくことを選んだ大多数の子どもたちの目に、誠実でいることを選んだピンの勇気はどう映ったのでしょうか。嘘を平気でつく子にはなってほしくないな~と思い、子どもに読み聞かせた絵本ですが、何度も読んでいるところを見ると、子どもの心にちゃんと響いたようです。
 

小3むすこ
小3むすこ

最初は「どうして?」って、意味が分からなかったけど、そういうことだったのか~!
この話、おもしろーい!!

 

5才むすめ
5才むすめ

また読んで、読んで~!
お父さんにも読んであげようよ。

 

「春の種」という発想が素敵。

『はるねこ』かんの ゆうこ/作 松成 真理子/絵 講談社

〈春の種〉がつまった、きんちゃくぶくろを落としてしまった〈はるねこ〉の話を聞いて、あやのは折り紙で春を作ろうと提案します。花や、ちょうちょや小鳥・・・折り紙で作った沢山の〈春〉は、やがて本物の春のように心を温かくしてくれます。
折り紙大好きな娘なら絶対よろこぶに違いない。そんなよこしま(?)な考えから読み聞かせした絵本ですが、案の定、この絵本は、娘の好奇心をくすぐりまくったようでした。折り紙で〈春の種〉を作っては、私にプレゼントしてくれ、自分なりに絵本の世界を楽しんでいました。このお話には他にも、『なつねこ』、『あきねこ』、『ふゆねこ』もあるようなので、季節を通して読んでみるのもいいですね。
 

5才むすめ
5才むすめ

お母さん、これ。

 

わたし
わたし

ん?なあに、この折り紙のグシャッとなったやつ?

 

5才むすめ
5才むすめ

はるの、た、ね♪

 

わたし
わたし

いただきます。
もう10年分ぐらいは、春の種に困らないです。

 

ふんわりとした雰囲気の不思議なお話。

『なかないで なかないで』あまんきみこ/作 黒井 健/絵 ひさかたチャイルド

えっちゃんと猫のミュウは、よもぎのはらでちょうちょを追いかけました。
二匹のちょうちょが上になったり下になったりしている様子が笑っているように見えたので、えっちゃんとミュウは、ついちょうちょに夢中になってしまい、どっちから来たのかわからなくなってしまいました。
堪え切れなくなったえっちゃんが涙を流した、その時、
「なかないで なかないで」
やさしい声が聞こえてきて・・・。

こちらの作品は決して花が主役な訳ではありませんが、たんぽぽの花や、白い花が咲き誇っているよもぎのはらが印象的だったり、紫色の花が咲いた木々が風に揺れる様子で、迷子になった不安な気持ちを表現していたりと、殆どのページに花が描かれています。ふんわりとした絵は温かみがありますが、えっちゃんが迷子になった時には、これが不思議と、霧に包まれたような、ぼんやりとした印象に変わり、不安な気持ちを掻き立てられます。
自分が小さい頃、迷子になった時もこんな感じだったよなあ…と遠い昔に思いを馳せることができた一冊でした。
 

5才むすめ
5才むすめ

ねえ。えっちゃん、ほんとうに私に似てるかなあ?

 

わたし
わたし

似てる似てる。クリソツ。

 

5才むすめ
5才むすめ

え~、ほんとに?

 

小3むすこ
小3むすこ

似てる似てる。モデルになってんじゃない?

 

その辺を散策したくなる!

『野の花えほん 春と夏の花』前田 まゆみ/作・絵 あすなろ書房

こちらは春と夏の野原に咲いている花を紹介した絵本ですが、まず、持った正直な感想は、「あの雑草、食べられるのか!」、「あの雑草、役に立つのか~!」という驚きでした。特に、庭の手入れを怠るとすぐに生えてくる忌々しい雑草の名前がわかり、実は銅などのさび掃除に役立つと知った時は目からうろこでした。
一ページごとに一つの花の詳しい情報が載っているのですが、どの花も道端に咲いているものばかりの上、描かれている絵が可愛らして、それぞれの豆知識も楽しくて、終始興味をそそられた、収穫の多い一冊でした。
食べられるものは料理方法まで載っているので、子どもと一緒に野草取りに出かけたくなります。
 

小3むすこ
小3むすこ

見たことある花がたくさん載ってた!
庭にもいっぱい咲いてるよね~。

 

わたし
わたし

抜いても抜いても生えてくるからねえ。
決して好きで植えてる訳ではないよ。

アサガオの全てが丸裸に!

『アサガオ たねからたねまで』佐藤 有恒/写真 中山 周平/文 あかね書房

こちらはアサガオの写真絵本です。種をまいてから花が咲き、しぼんで再び種が取れるまでの様子を普通の観察では見えない土の中まで写真で丁寧に紹介してくれているので、大人でも沢山の気づきを得ることが出来ます。
肉眼では動かないように見える花も、実は土の中でぐんぐん根を伸ばして一生懸命生きているその様を目の当たりにすると、どこか別の生き物の成長過程を見ているようで、アサガオに愛着すら芽生えます。
種をまいた日付けや、花が咲いて枯れ、種になった日付も刻まれているので、大体の時期を知ることが出来るのもいいですね。本の最後にはアサガオの植え方も載っているので、自由研究や、お子さんと一緒に観察するのにも楽しめる絵本です。
 

小3むすこ
小3むすこ

アサガオ、学校で植えたことあるから(読んでて)面白かった!
また育ててみたくなった~。

 

5才むすめ
5才むすめ

いいなあ~。私も植えてみたい・・・。

 

花の色って奥深い!

『花の色のふしぎ』佐藤 有恒/写真 あかね書房

こちらは、花自体が持つ役目や仕組みの話から始まり、花の色に関するいろいろな知識を得ることが出来る写真絵本
です。
特に、花の色と関わる虫たちの話が面白くて、思わず誰かに話したくなります。紫外線を感じ取る目を持ち、花にやってくる虫たちの見ている花の色に合わせて体の色を変えるクモがいたり、紫外線が見える虫と見えない人間とでは花の色が全く違って見えたりと、その内容は大人が読んでも楽しめますよ。
未就学児のお子さんにはまだ少し難しいかもしれませんが、昆虫写真家である著者が撮った、美しいカラー写真がたくさん載っているので見ているだけで良い刺激になるかも知れません。
 

小3むすこ
小3むすこ

虫と人間、花の色が違って見えるなんて知らなかった。
人間には見えないものが虫には見えているんだね。

 

花の絵本から新たな発見

いかがでしたか?
一冊の絵本で一つの花の様々な知識が身に付くものから、物語の中で花を美しく描いたものまで、花の絵本は本当にいろいろな作品がありますね。
絵本を子どもに読み聞かせていると様々な気づきがありますが、特に、作者が実際に一つの花をよく観察して描かれているのではないかと思われる、繊細なタッチで花の細部まで描き上げているような絵本を読んでいると、そこには沢山の情報が詰まっており、子どもだけでなく、大人ですら、(大人だからこそ?)普段見慣れている花に新たな気付きを得ることが出来ます。
たんぽぽって、さくらって、近くで見るとこんな感じだったっけ、
そんな新たな発見を楽しみながら、読み聞かせをするのもいいですね。

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【番外編】胸キュン必至!少女漫画のおすすめはコレだっ!

胸キュンするなら、小説より漫画?!

いつもは小説や絵本の紹介をしているこのサイトですが、今回はバレンタイン(過ぎましたが)ということで、番外編として少女漫画の紹介記事を書いています。
小説でも恋愛小説と言った括りはありますが、私は「ときめき」だけを求めるのであれば、どちらかというと恋愛小説より少女漫画の方が向いているような気がします。思わず、「ふふふ・・・」と微笑んでしまうような漫画を集めてみましたので、勉強の息抜きに、良ければときめいてください。

胸キュン必至!おすすめ少女漫画 10選

 

とにかく甘すぎる恋物語!

『なのに、千輝くんが甘すぎる』亜南くじら/著 講談社

こちらは、ずっと片思いをしていた相手にフラれた上にバカにされた女の子が、「好きにならないこと」を条件に、学校一のイケメンとひょんなことから「片思いごっこ」をすることになってしまうお話です。
巻が進むごとに、イケメンの心情がなんとなく透けて見えてくるので、思わず「はやく告白しろよ~^^*」とニヤニヤしますよ。

 

「好き」が駄々洩れている!

『お嬢と番犬くん』はつはる/著 講談社

こちらは、こわ~い裏稼業を生業とする家のお嬢(高校生)と、その家の若頭(26歳イケメン)のお話です。
お嬢の高校生活が心配でならない若頭は、年齢を偽ってお嬢と同じ高校に入学して学園ライフを送りますが、美人でほっとけないタイプのほんわかしたお嬢だけに、近づいてくる男子はたくさんいます。普段は冷静で落ち着いた物腰柔らかめの若頭ですが、そんな男子たちには容赦ありません。
お嬢への気持ちを我慢している若頭(ダダ洩れだけれど)や、若頭への気持ちが恋だと気づいたお嬢・・・これもまた、両想いのくせに互いの気持ちを口に出せないもどかしさがたまらない作品です。
 

爽やかでこれぞ青春!

『恋のはじまり』蒼井まもる/著 講談社

「あいつは好きなのか、どうなのか~?」というキラキラした期間、恋の始まりを丁寧に描いている作品です。
読んでいると学生時代に戻りたくなりますね・・・。
こういう恋愛は学校ならではで、うらやましいです。
主人公の性格が愛嬌があって、表情もどこか小動物を思わせるので、見ていて「ふふ・・・」と笑えて癒されますよ。
 

作品の空気感がとにかく良い!

『マイ・ボーイフレンド』蒼井まもる/著 講談社

上の作品と同じく、友達から恋に変わっていく様子がきゅんきゅんに描かれています。
いいですね~。癒されます。笑
私は蒼井まもるさんの作品がどうやら好きなようです。蒼井さんの作品は、どれも雰囲気が優しくて、どの作品もほんわかとしています。登場人物のふとした表情がとても良いです。こういう漫画を読んでいると、こういうところが恋愛小説には無い少女漫画の良さだよな~と思わずにはいられません。(もちろん、恋愛小説には恋愛小説の良さがあるとは思いますが。)
 

健気な主人公が応援したくなる!

『さくらと先生』蒼井まもる/著 講談社

またまた蒼井さんの作品ですが、こちらは生徒と先生ものです。
ぎりぎりまで先生の気持ちがよくわかりませんが、最後の方できゅんならぬ、ズドンと雷が落ちる感じ、「おおっ!」と思わず心の中で叫んでしまいます。健気なさくらを応援したくなる作品です。
 

男子の切ない片思いがグッとくる!

『シンデレラ クロゼット』柳井わかな/著 集英社

男勝りな女子、春香が、女装趣味の男子と知り合い、友達になり、どんどんきれいになっていくお話ですが、真っ直ぐな主人公を次第に好きになっていく女装趣味男子の気持ちがなんとも切ないです。
この作品は女装男子が可愛らしいのですが、時折見せるカッコイイ男性バージョンにきゅんと来ない人はいないのではないでしょうか。なかなか実らない男性の片思いが読んでいて「胸キュン」です。
 

懐っこ男子と奥手女子の恋愛模様!

『1センチよりも近く』石沢うみ/著 講談社

こちらは、お互いのことを知っていくうちに、自分の中で相手の存在が特別なものになっているということに気づいていく過程が丁寧に描かれている作品です。ついつい距離が近くなってしまう男子と、それに戸惑う女子は、見ているこっちがくすぐったくなります。
恋に一生懸命な女子と、屈託のない笑顔が素敵な男子のきゅんきゅんなラブストーリーです。
 

先生を好きになった女の子の奮闘が良い!

『I Love Her』いくえみ陵/著 集英社

こちらは、人当たりのいい愛されキャラな女の子・花が、アパートの隣に住む学校の先生「しんちゃん」を好きになってしまうお話です。
誰とでも仲良くなってしまう花のことを、先生としてリスペクトするしんちゃんですが、花は、先生への好きが隠し通せなくなくなってしまいます。
この話は、女の子の性格がさっぱりしていてドロドロうだうだしていないところがよく、先生も大人としての分別をわきまえているのが現実的でいいです。
しんちゃんは自分の気持ちを見せることなく、ずっと「先生」を貫きますが、最後の巻では、「なんだよ~。やっぱり、そうだったのかよ~。」と思わずニヤニヤが止まりません。
先生の告白の仕方に、読んでいてきゅんと来ない人はいないでしょう。
 

鈍感アラサー女子と、素直になれない高校生男子の年の差ラブコメ!

『プロミス・シンデレラ』橘 オレコ/著 小学館

最初は退屈しのぎで、面白半分に早梅にちょっかいを出していた壱成ですが、早梅の真っ直ぐな言葉や態度に知らず知らずのうちに魅かれている自分に気づいてからは、素直になれない性格が災いしてなかなか思うようにいきません。恋愛に鈍感な早梅と、素直になれない壱成の恋愛模様は、時に笑え、時にこっぱずかしく、くっつきそうで、くっつかない二人は読んでいてドキドキします。
思うより先に行動してしまう壱成に、度々、「胸キュン」させられてしまう作品です。
 

王子の色気が!

『うるわしの宵の月』やまもり 三香/著 講談社

こちらは、2021年2月17日現在、まだ一巻までしか出ていないので、これからどんどん話が膨らんでいくと予想される作品ですが、一巻ですでに市村先輩の色気(?)が駄々洩れとなっていて、今後の展開が期待されます。
市村先輩に女子として扱われた宵の表情もとても可愛らしくて、女子ながら「胸キュン」しました。
おそらく、話数が進むごとに、市村先輩の宵が「気になる」気持ちが「好き」に変化していき、これからもっともっと宵と読者をときめかせてくれるのかな~と踏んで、今回おすすめ作品に加えさせていただきました。
 

 

中高生から大人まで楽しめる、少女漫画

小説にさまざまなジャンルがあるように、少女漫画にも、部活もの、ファンタジーもの、年の差ものなど、いろいろなパターンがあり、好みや気分によって楽しむことが出来ますよね。現実とのギャップは多少(結構?)ありますが、このような少女漫画が高校生活への期待であったり、活力になることだってあることを思えば、漫画だって、捨てたものではありません。
何歳になっても、少女漫画から、ときめきを、癒しをもらいたいものです☆彡

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ペットを飼っている人なら、ハマる!動物が出てくるおすすめ本特集

本の中でも癒し系の動物たち

家族の一員として受け入れたその日から、我が子のように可愛がってきたペット。
愛くるしいその姿に毎日癒されて、励まされている人も少なくないのではないでしょうか。
わが家もネコを一匹飼っていますが、母性であったり、生命の尊さであったり、いろいろなことを日々、彼から学ばせてもらっています。子どもたちも沢山の刺激を受けているようです。
今回は、そんなペットと共に過ごしている人だからこそ、心動かされる物語を6冊ご紹介したいと思います。
ペットを飼っている方だけでなく、飼いたくても飼えない事情をお持ちの動物好きの方も、きっと、グッとくる6作品です。本の中の動物たちに癒されたり、感動をもらったり、物語を通して、ペットをもっと身近な存在に感じられるといいですね。
 

動物が出てくるおすすめ本 6選

 

主人公は、ネコ!登場人物も、ネコ、ネコ、ネコ!

『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤 洋/著 講談社

こちらは、飼いネコだったネコのルドルフが、ひょんなことから、家から遥か遠い地でノラネコとして生きることになり、多くを学び、成長を遂げていく物語です。
ノラネコであるイッパイアッテナとの出会いによって、字が読めるようになり、知性を身に付け、ノラネコとしての生き方を学んでいくルドルフの姿は、まるで独り立ちしていく我が子を見ている様です。
ルドルフやイッパイアッテナが語る、別れた飼い主への強い想いを読んでいると、すぐ隣で気持ちよさそうに寝ているうちの子(飼いネコ)を思わず抱きしめたくなります。

この物語の影響で、飼うネコが黒ネコなら「ルドルフ」、トラ模様なら「イッパイアッテナ」なんて、子どもたちと話していましたが、飼ったネコはグレイと白のウシ模様。結局別の名前になりましたが、この本はわが家にとって、そんな飼い始めの頃を思い出す、思い出のシリーズでもあるのです。

『ルドルフとイッパイアッテナ』は、他の記事でも紹介しています。
◆小学3、4年生◆ 中学年に司書がおすすめする、児童書10選

 

この旅は、ネコと主人公の気持ちを思うと切なすぎます。

『旅猫リポート』有川 浩/著 村上 勉 講談社

こちらは、5年間を一緒に過ごしてきた、カギしっぽのナナとサトル青年の最後の旅を描いた物語です。
ナナを飼うことが出来なくなったサトルは、ナナと共に次なる飼い主候補を探す旅に出るのですが、これが、サトルのこれまで生きてきた過去を辿る旅にもなっており、読んでいて感じることが多くある作品です。

おかしい・・・以前読んだ時は、あまり感情が揺さぶられなかったはずなのに、ネコを飼うようになってから、改めて読んでみると涙腺が崩壊しました。ネコって、媚びることなく、自分のしたいようにするという感じで、一緒に過ごしていると、「私なんて、おいしいものをくれる人間くらいにしか思っていないんだろうな」と感じる時が多々あるので、例え嘘でも、こういうネコの思考に触れられる話は心に沁みますね。

犬が語る物語。

『ティンブクトゥ』ポール・オースター/著 柴田 元幸/訳 新潮社

こちらは、犬であるミスター・ボーンが、最初の主人への思いを胸に抱いたまま、生きるために更なる主人を探し歩く物語で、『旅猫リポート』がネコ目線なら、こちらは犬目線で書かれた作品です。
語りが犬という斬新さに、読み始めはいささか気が引けますが、読み進めるに連れ、ひたむきに飼い主を思う犬の姿に引き込まれていきます。忠誠心は犬そのものですが、こうありたいと考えながら動く、その意志ある様は、犬ながら人間味に溢れており、思わず感情移入してしまいます。
犬を飼っている方は、ミスター・ボーンの忠誠心と(犬だけれど)人間味溢れるところを、きっと、愛犬と重ねて読んでしまうのではないでしょうか。愛犬家にはぜひ、読んでいただきたい作品の一つです。

大事に思う気持ちは、どんな生き物も一緒。

『遠い海から来たCOO(クー)』景山 民夫/著 KADOKAWA

こちらは、赤ちゃんの頃から育てて自分に懐いてくれる、という、動物好きの願望を惜しげもなく詰め込んだ作品です。
海洋生物学者の父とフィジー島に住む12歳の少年、洋助は、絶滅したはずのプレシオザウルスの赤ちゃんクーと出会い、こっそり育てる決意をします。今では、恐竜を育てることはもちろん、恐竜そのものが、すっかりファンタジーとなってしまいましたが、この小説での描かれ方は、あくまでも動物の赤ちゃんです。主人公の少年が、悩みながら育てていく様子がまるで動物の赤ちゃんを育てているようにリアルで、動物好きの心はわし掴みにされてしまいます。
物語前半は、そんな子育て奮闘記や島での穏やかな生活が綴られていて想像力が掻き立てられますが、後半は、軍隊や自然保護団体が登場し、クーをめぐる攻防戦が主に描かれています。
思い返せば、小説を読み、場面を想像して鳥肌が立った作品は、後にも先にもこれだけのような気がします。この物語の全ては、そんな最後のあの情景、圧巻のラストのためにある、と言っても過言ではないです。

 

この約束は、ペットを飼う上での十か条でもある!

『犬と私の10の約束』川口 瞳/著 文藝春秋

こちらは、子犬と交わした10の約束を胸に刻み、家族の一員として大切に育てることを誓った少女のお話です。
やがて少女は初恋を経験し、将来の目標に夢中になるにつれ、愛犬ソックスの存在を疎ましく思うようになってしまいます。その反面、犬はどこまでも一途に飼い主を思い、健気で、読んでいると何とも言えない気持ちになります。
10の約束。これは、どんなペットを飼っているお家にも言えることなのではないでしょうか。中でも、『あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません』という言葉に、いつも尻尾をふりふり愛想を振りまいてくれる、姉のワンちゃんを思い出し、ギュッと胸が締め付けられました。ペットを飼うということは、命に責任を持つということ。家族の一員として迎え、変わらぬ愛情を与え続け、最後までちゃんと見取ってあげるということ。そんな命を預かる責任の重たさについて、改めて気づかせてくれる作品です。
ペットと過ごせる、今この時を大切に、後悔ないように存分に愛してあげたいですね。

最愛のペットとの別れは悲しいけれど・・・。

『デューク』江國 香織/著 山本 容子/絵 講談社

こちらは、江國香織さんの短編集『つめたいよるに』の中に収録されていた短編小説「デューク」が、絵本として出版された作品です。
愛犬デュークが死んでしまい、悲しみでいっぱいになっている女性が知り合ったハンサムな男の子。彼と過ごした少しの時間は、悲しみで濡れていた彼女の心を癒し、満たしてくれるのでした。
なぜ、男の子は女性の前に姿を現したのか、デュークにとって女性はどのような存在だったのか、そんなことを考え始めると、胸の奥が熱くなります。
愛犬と死別した女性の元に訪れる、奇跡の物語に、短い文ながらも、じわりじわりと目頭が熱くなるのは、年の功か、ペットを思う気持ちからか・・・。
やがては訪れる別れの日を思うと、こんな奇跡が起きないかと願わずにはいられません。
 

ペットを飼うと、感情移入してしまうのが動物の出てくる本

いかがでしたか?
これは紹介しながら思ったことなのですが、動物が出てくる本は、可愛い表紙のものが多くて癒されますね。
ペットを飼い始める前に読んだことがあった作品も、飼い始めてから、こうして改めて読むと、また違った捉え方ができ、新たな発見がありました。
動物が出てくる本を読むと、ついつい、飼っているペットを思い出して感情移入してしまうのが、飼い主あるあるなのかも知れないですね・・・。

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中学生・高校生必見!司書が選ぶ、10代が読むと心に響く本 10選

「10代のうちに読んでおけば良かった~!」と思う、大人の読書

大人になると、家事や仕事が一日の大半を占めてしまう為、なかなか読書の時間が持てませんが、だからこそ、読書をしている時間が貴重な息抜きの時間であり、楽しみであったりします。
そんな、気ままな読書人生を送っている大人から、10代である皆さんに言っておきたいことがあります。
それは、10代の今だからこそ、心に響く、心を揺さぶられる本があるのだということです。児童文学でも大人が楽しめる本は沢山ありますが、同じ本でも、多感な時期に読むのと、ある程度を経験した大人になってから読むのとでは、読んだ印象が全く違います。私自身、「この本、10代のうちに出会っておきたかったな~。」と思う本の多いこと多いこと。
日中はまだまだ温かく、冬がそこまで来ていることを忘れがちですが、暦の上ではすっかり秋になりました。
普段読書をしない人でも、ふらっと書店に立ち寄り、カフェや自宅で読書を楽しんでしまうのが、この季節の凄いところ。

この機会に、ぜひ、10代だからこそ、楽しめる読書をしてほしいと思います。

10代が読むと、心に響く本 10選

 

社会の荒波に揉まれる前に、読んでほしい!

『裏庭』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、「バーンズ屋敷」の秘密の裏庭に迷い込んでしまった少女の物語です。
後でご紹介する『西の魔女が死んだ』が、悩める少女の成長を描いたヒューマンドラマ的な作品なら、こちらの作品は、少女が抱える現実世界の問題とファンタジーの世界が交錯しながら、少女の成長を描き上げた、冒険ファンタジーの要素が強い作品です。
ファンタジーですが、13歳の主人公が抱える悩みや葛藤する姿が丁寧に描かれていたり、現実世界と裏庭世界との繋がりが物語に奥行きを与えていたりと、美しいだけではない重厚感のある話になっています。
『はてしない物語』『ナルニア国物語』など、外国のファンタジー文学が好きな人は、読み進めやすいでしょうし、物語後半、この作品で著者が伝えたいことが見え隠れするようになった頃には、すっかり梨木ワールドに引き込まれてしまっているのではないでしょうか。
同年代なら、きっと、読んでいて辛くもありますが、だからこそ、ずっと心に残る作品となるはずです。

せいとさんの声
せいとさんの声

がっつり「ファンタジーもの」で思ってた話と違ったけど、裏庭世界が現実とちゃんと関りを持つ部分があって面白かった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

ただ、わくわくするだけの冒険ファンタジーではないところが良かった。

 

悩める少女の再生物語

『西の魔女が死んだ』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、学校を不登校になってしまった少女が、自然に囲まれた祖母の家で、「魔女修行」として、ひと月余りを過ごすお話です。
自然と共存したり、規則正しい生活を送ることは、日々丁寧に過ごすことと直結しています。少女は「西の魔女」こと祖母とそうやって過ごしていく中で、生きるヒントを沢山学んでいくのです。
この物語の中には、精神的に張りつめている時に、心の支えとなる言葉が沢山散りばめられているので、ぜひ、悩み多き10代の皆さんに読んでもらって、それらの言葉を、忙しない世の中を生きていく上でのお守りにしてほしいと思います。

せいとさんの声
せいとさんの声

すごく、ためになることがたくさん書いてある話だった。
おばあさんとの別れは、読んでいて切ない・・・。

 

『西の魔女が死んだ』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

風のように過ぎ去るからこそ、全力疾走!

『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子/著 講談社

こちらは、長年サッカー部に所属していた新二が、幼馴染みであり天才的スプリンターの一ノ瀬と一緒に陸上部に入ってインターハイを目指していく物語です。
スポーツものは苦手という人も、読まず嫌いはやめて、ぜひ、一度読んでみてください。どの登場人物もキャラが立っていて、読み進めていくうちに、まるで少年漫画を見ているようにサクサクと読め、どんどん面白くなっていきますよ。
たくさんある「中高生の部活もの」の中でも、この物語は、特に主人公の思いが前面に出ていて、読んでいると、まるで、新二がすぐそばにいるような感覚になります。一文一文が短い文章で構成されていることも、新二の独り言を聴いているようです。
社会人になると、学生の頃と同じような仲間を作るのはなかなか難しいものです。苦楽を共にして、同じ高みを目指して打ちこんできたからこその、友情なんですよね。
社会人になるとなかなか手に入らないからこそ、学生のうちに読んでほしい作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

せっかく部活に入っているから、心を入れ替えて頑張りたい!

 

せいとさんの声
せいとさんの声

とても読みやすく、3巻ともあっという間に読めた。

 

読むとわかる、「いちご同盟」の意味。

『いちご同盟』三田 誠広/著 集英社

こちらは、生きることを悩んでいた主人公・良一が、野球部のエースである徹也を通して、余命幾ばくもない少女・直美と知り合うことで生と死について深く考えるようになる作品です。
「可能性がある人がうらやましい。自殺のことを考えるなんて、贅沢だわ」読んでいると、直美のセリフが胸に突き刺さります。3人の若者たちが互いに「生きること」について一生懸命考え、関わり合う様子から、15歳の危うさであったり、煌めきを感じずにはいられません。
大人になると、どうしても親目線になって読んでしまうので、一度は10代のうちに読んでおいてほしいです。主人公たちと同じ10代だからこその、読んでいて溜め息が出るあの感じを、ぜひ、味わってください。
そして大人になって再読すると、きっとまた違った印象を抱くのではないでしょうか。
悲しくもあるけれど心が洗われる、そんな小説です。

せいとさんの声
せいとさんの声

とても考えさせられた話だった。
生きることを自分から投げてはいけない。

 

この物語に、桐島という人物は登場しません。

『桐島、部活やめるってよ』朝井 リョウ/著 集英社

こちらは、バレー部のキャプテンである桐島が部活を辞めたことをきっかけに、同じ高校の生徒たちへ静かに波紋が広がっていく様子を描いた作品です。ですので、桐島君は名前だけの登場であり、物語上では姿を現しません。
学校という狭い世界でのお話なので、大人が読むと、「懐かしいな~」で終わってしまうところ、現役10代が読めば、きっと感じることは多いはず。細かい心理描写が多く、スクールカースト的なものだったり、それぞれが抱く悩みであったりと、著者の視点が高校生そのものです。著者が10代の時に書いただけあって、高校生たちの心の内がとてもリアルに描かれているあたり、さすがだな~と思いました。
10代だからこその面白さがある作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

まるで、どこかの学校の日常を盗み見ているようなリアリティーだった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

高校生が書いた話と聴いて、驚いた。
でも、「だからかっ!」とも思った。

 

スポーツって、いいですね!

『バッテリー』あさの あつこ/著 角川書店

父親の転勤を機に、天才ピッチャーの巧は、祖父のいる田舎に引っ越すことになります。そこで心優しいキャッチャー豪と出会い、互いに認め合った二人はバッテリーを組むことに。
一巻には、自らの才能に対する自信に満ち溢れている、大人びた少年・巧と、優しさが溢れている少年・豪、この二人の出会いが描かれています。シリーズはまだまだ続くので、この一巻は物語のほんの序章に過ぎません。
物語を通して、巧の心が少しずつ変わっていく様子や、巧の周りにいるとにかく温かい人たちが、読んでいて心地よさを感じます。野球のことはさっぱりわかりませんし、学生時代にスポーツに魂を燃やした経験は一切ありませんが、それでも、「スポーツを通した友情ってなんかいいな~」と思う自分がいました。前の本の紹介でも言いましたが、やはり、苦楽を共にした友情は揺るぎないですね。

せいとさんの声
せいとさんの声

スポーツものは気が向かなかったけど、読むと、たちまちハマってしまった。
豪のような友達が欲しい。

 

杉原、あなたの青春はかっこいい!

『GO』金城 一紀/著 角川書店

こちらは、在日三世である主人公・杉原の青春を描いた作品です。
差別にもやもやしながらも、恋愛に悩み、仲間と青春を謳歌する様子がテンポよく描かれているので、読んでいて重過ぎず、爽快感すら覚えます。「暗闇を知らない奴に光の明るさは語れない」など、喧嘩が得意で、小賢しい主人公から繰り出される熱いセリフは、どれもはっとさせられるものばかりです。
メディアやSNSばかりに踊らされず、杉原の目や心を通して、10代のうちから広い世界を見てほしいと思います。
ちなみに、映画化もしていて、こちらも小説の世界観を崩すことのない良作なので、おすすめですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

この話をきっかけに、金城一紀さんの本を読破!
この爽快感は、クセになる!

 

剣道がしてみたくなる!

『武士道シックスティーン』誉田 哲也/著 文藝春秋 

勝ちにこだわる香織と、マイペースな早苗。こちらは、そんな、剣道に対する姿勢が正反対の二人が織りなす青春物語です。
剣道をやったことのない人が読んでも、出てくる登場人物や展開の面白さで、あっという間に武士道の世界へ引き込まれてしまいます。ライバル関係であった二人が、互いの思いを知ってわかり合っていく中で、心身ともに成長していく様は、とても爽やかに読むことができ、読後感も心地よいです。
大人になると、こういう青春がとにかく羨ましいので、まだ可能性のあるうちに、10代の皆さんには、ぜひ、わくわくしながら読んでいただきたいです。

せいとさんの声
せいとさんの声

二人の関係だけじゃなく、二人を取り巻く、周りの人たちのキャラも好き。

 

今、この時の友情を大切に。

『スタンド・バイ・ミー』スティーブン・キング/著 山田 順子/訳 新潮社

こちらは、12歳の少年たちが、それぞれの思いを胸に、死体探しの冒険に繰り出す物語です。
親から虐待を受けていたり、世間からの風当たりが強い境遇にあったり、実に重い悩みを抱える少年たちが、悪友の前ではただの馬鹿になれるのを見ていると、彼らにとってこの仲間は、とても貴重な存在なんだな、と思わずにはいられません。特に、主人公にとってのクリスの存在は大きかったのだろうと思います。主人公の小説を書く才能を褒め、自分たちと同じ職業訓練コースへ行くべきではないとクリスが説得するシーンは何度見ても心打たれます。
汽車に追われて線路を走る映像であったり、ベン・E・キングのテーマ曲であったり、今は亡きリバーフェニックスの熱演であったり・・・映画の印象がなにかと強すぎるこちらの作品ですが、小説は少年たちの心情が細かく描かれているので、また別の良さがあっていいですね。
わたしはこの十二歳のときの仲間たちのような友人は、その後ひとりももてなかった。」大人になった主人公の言葉がとても印象深いです。振り返ると、確かに、この時期の友達は特別であり、必ずしもずっと続いていくものではないのかも知れません。
歩む進路が違うだけで、休みが合わせずらくなり、そのうち疎遠になってしまうなんていうことは、よくあることです。
だからこそ、人は、戻れないあの頃に思いを馳せ、ノスタルジックに浸るのではないでしょうか。

せいとさんの声
せいとさんの声

こういう友情に憧れる。自分も友達と旅に出たい・・・。

 

張り巡らされた伏線を回収する時の、爽快感を味わって!

『穴HOLES』ルイス・サッカー/著 幸田 敦子/訳 講談社

こちらは、無実の罪で、強制収容所のような施設に放り込まれ、毎日ひたすらに穴掘りをさせられている少年スタンリーの物語です。穴を掘っている理由や、明らかになって行く過去など、物語が進むにつれてわかってきた頃には、もうページをめくる手が止まりません。様々なことが絡み合って伏線が張り巡らされているので、この場で多くは語れませんが、10代のうちに読めば、この小説が読書好きのきっかけになるなんてことも、あるかも・・・と思える秀逸な作品です。
後半の伏線回収のたたみかけが素晴らしいですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

と、とにかく凄いっ!読んだ後の読後感が半端なく爽快!

 

 

10代だからこそ、本を読もう

いかがでしたか?
どの本も、思春期の不安定に揺れ動く感情や、がむしゃらに走る10代を丁寧に描いているので、主人公に共感しやすく、大人が読むより感情移入出来るかと思います。
言葉にできない胸の高鳴りを、これらの本を通して感じて頂けたら嬉しいです。

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「赤ちゃんはどこからくるの?」と聞かれた時に、読み聞かせたい絵本5選

子どもの純粋な疑問に答えて。

「赤ちゃんは、どこからやってくるの?」
ある日、ふと我が子にこう訊ねられたら、あなたは何と答えますか?
「コウノトリが運んできてくれた」?それとも、ごまかさずにあるがままのストーリーを語りますか?
おそらく、大半の親が戸惑い、口ごもってしまうのではないでしょうか。
どこまで話すべきなのか悩みますし、命の話をないがしろには出来ません。ちゃんと答えてあげようと考えれば考えるほど、難しいですよね。
今回は、そんなとっても大切な、性や、命の話について書かれている絵本を5冊選んでみました。
選んだ5冊の本の中には、性犯罪から身を守る術を丁寧に教えてくれる絵本も含めています。
性や命の話と一緒に、この機会にぜひ、お子さんに読み聞かせてあげてください。

「赤ちゃんはどこからくるの?」と聞かれた時に、読み聞かせたい絵本5選

 

ごまかし一切なしの、命の話。

『ぼくどこからきたの?~あるがままのいのちのはなし。ごまかしなし、さしえつき。~』ピーター・メイル/著・谷川 俊太郎/訳 河出書房新社

こちらの絵本は、子どもに語り掛けるかたちで、とても丁寧に説明していますが、かなり濃い内容になっているので読み聞かせる前に少し覚悟が必要かもしれません。一切のごまかしが無いので、子どもとしては知りたかったことを存分に知られるはずです。

親しみある絵で、子どもの「なぜ?」に答えてくれる絵本。

『なぜなのパパ?』きたざわ きょうこ/さく・やなせ たかし/え アーニー出版

こちらは、表紙の絵から見てもわかるように、子どもたちにとって、とっても親しみのある、やなせたかしさんが絵を担当されています。話のテンポも良く、子どもの知りたい気持ちに寄り添って、出来るだけわかりやすい、理解しやすい言葉を選んで作られたのがよくわかります。オブラートに包みつつ、知りたいことだけ的確に答えてくれているので、読む側もかまえずに読むことのできる一冊です。

自分の身体が大切だと知れる絵本。

『わたしのはなし』山本 直英・和歌山 静子/さく 童心社

こちらは、女の子に向けて書かれている絵本ですが、もちろん、読み聞かせるのは男の子であっても構いません。
この本では、心と体がいかに大切であるかを説いており、プライベートゾーンについても触れられています。命の話と言うよりは、プライベートゾーンを他人に触られるのは良くないということ、そのようなことをされた時にどう自分を守るかということが書かれています。赤ちゃんの話からは少し外れてしまうかも知れませんが、これも同じ性の話の一つとして、ぜひ、お子さんに伝えてあげてほしいと思います。

なぜ、自分がここに生きているのか。

『ぼくのはなし』和歌山 静子/さく 童心社

この絵本の主人公は男の子ですが、もちろん、こちらも女の子に読み聞かせてあげて構いません。
海君という、一人の男の子を通して、赤ちゃんがいるお腹の中の仕組みや、赤ちゃんが形になって生まれるまでのストーリーを可愛い絵で伝えてくれています。性交の図や話も少し出てきますが、あくまでも命が形になるまでのストーリーの一つとして伝えられているので、語りづらさはそれほどありません。

性被害から身をまもる術を教えてくれる絵本。

『とにかくさけんでにげるんだ~わるい人から身をまもる本~』ベティー・ボガホールド/作・安藤 由紀/訳 岩崎書店

こちらも、山本直英さん、和歌山静子さんの『わたしのはなし』同様に、自分の大切な心と体を守る術について教えてくれている絵本です。更に、こちらはもう少し具体的な例をいくつか紹介してくれているので、お子さんもいろいろなケースをイメージしやすいのではないでしょうか。
お子さんに命の話をする時に、ぜひ、それを脅かす存在がいるのだということ、如何なる場合も自分は全く悪くないのだということを一緒に話しておくことは、誘拐や性被害の予防にもきっと繋がるはずです。
こういった絵本を通して、親子で気軽に話せることは、親として、とてもありがたいと思います。

誰だって自分のルーツを知りたいもの。

いかがでしたか?
なるべく、恥じらいなく語れるものを選んだつもりですが、それでもまだ大人からみれば、戸惑ってしまう絵や単語が見られたりと、躊躇してしまうことがあるかもしれません。
しかし、『ぼくのはなし』のあとがきで、著者の和歌山静子さんは、こう言われています。
「この問いは、子どもにとっては、自分のアイデンティティ(正体)を確かめることなので、決して親はいいかげんに扱ってはいけません。」
和歌山さん曰く、「自分のルーツを知ることによって自分の価値に気がつく」のだそうです。
このことを常に頭においておけば、純粋な子どもの問いかけに恥じらっている場合ではないとすぐに気づくはずです。
誰だって、自分のルーツを知る権利があるのですから。
話しづらい話だからこそ、絵本に助けてもらいながら、ごまかさずに、ぜひ、教えてあげたいですね。

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~絵本で赤ちゃん返りを乗り切ろう!~兄弟が出来る我が子へ、読み聞かせたい絵本10選

読み聞かせで安心感に包まれて。

我が子に兄弟が出来ることは、喜ばしいことです。なぜなら、生きていく上で、互いに励ましあい、助けとなり、無条件に自分の味方となる存在は、そうはいないからです。
兄弟がいて良かったと我が子にも感じてほしいと思うのが親の性ですが、実際には、なかなか親の思い通りにはいかず、兄弟のありがたみを知るのは、もっとずっと後のことになるのが殆どなのではないでしょうか。
幼いうちは、兄弟が出来ることによって大好きなママを奪われるのではないかと子どもは気が気ではありません。下に兄弟が出来たからといって、そう簡単に、お兄ちゃん、お姉ちゃんに急にはなれないのです。お子さんによっては、赤ちゃん返りが起こってしまって手が付けられない状態になってしまうことも。そんな時、上のお子さんの気持ちに寄り添って、自分は愛されているのだという安心感を与えてあげられることが、お子さんの自己肯定感を育むことに繋がるのだと思います。
絵本は、こうした「安心感」を与えることにおいて、ピッタリなアイテムです。優しい声で絵本を読み聞かせてあげることで、母も子も穏やかな気持ちになり、安心感に包まれるのです。
今回、兄弟が出来る上の子の気持ちに寄り添える絵本を10冊選んでみましたので、これを機会に、ぜひ、お兄ちゃん、お姉ちゃんに、たくさん読み聞かせてあげてください。

 

兄弟が出来る我が子へ、読み聞かせたい絵本10選

 

温かい気持ちに包まれる絵本。

『わたしがあかちゃんだったとき』キャスリーン・アンホールト/さく・角野 栄子/やく 文化出版局

自分が赤ちゃんだった頃に着ていた小さな洋服をみつけたことをきっかけに、赤ちゃんだった自分のことをお母さんに訊ねる女の子。赤ちゃんだった自分は、何を食べていて、どんな遊びが好きで、どんな風に愛されていたのか・・・女の子の質問一つ一つに丁寧に受け答えをしながら、お母さんは、女の子へかけてきた溢れんばかりの愛情を示していきます。
この絵本を読んだ後で、「あなたも赤ちゃんだった頃・・・」と、お子さんに伝えられると素敵ですね。
 

上の子の心情の変化がなんとも健気!

『あなたってほんとにしあわせね!』キャスリーン・アンホールト/さく・星川 菜津代/やく 童話館

自分に弟が出来るなんて、これまで想像もしたことがなかった女の子にとって、赤ちゃんは異質の存在。
おばあちゃんは赤ちゃんを見て、「かわいい!」と言いますが、女の子にとっては「つぶれたいちごみたい」にしか見えません。それでも少しずつ向き合って、赤ちゃんと過ごす日々を楽しめるようになっていく女の子の心情の変化が、丁寧に描かれている作品です。
 

あかちゃんの一年がわかる写真絵本。

『あかちゃんてね』星川 ひろ子・星川 治雄/著 小学館

こちらは、産まれて一時間経った赤ちゃんが一歳を迎えるまでを、まるでお母さんが上のお姉ちゃんに優しく語り掛けているかのような文章と写真で紹介している写真絵本です。ページ最後の方には、一年間で赤ちゃんがどのくらい大きくなったかわかる写真が見開きで載っているので、赤ちゃんの成長の早さに驚くお子さんの顔が見られるかもしれませんね。上の子にとって、これまで未知の存在であった漠然としていた妹(弟)のイメージが、写真によって、より鮮明に思い描くことが出来る一冊です。
 

お腹の中の赤ちゃんを身近に感じられる絵本。

『おへそのあな』長谷川 義文/さく・え BL出版

こちらは、今はまだお母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが、お母さんのおへその穴から、外の様子を見たり、聴いたりしている、微笑ましいお話です。お腹の中に赤ちゃんがいると言われても、それは当然目に見えないので、子どもたちにとっては、どこか現実味がなくて釈然としませんが、この絵本を読んであげることで、目には見えなくても、ちゃんとそこに命があることに気づいてもらえるのではないでしょうか。
「なんで絵が逆さなの?」子どもの口からそんな疑問が出てきたら、親としてはしてやったりですね。
 

戸惑いながらも、楽しみで仕方ない、ぼくの弟。

『あかちゃんがやってきた』角野 栄子/さく・はた こうしろう/え 福音館書店

「おーい、おとうと」生まれてくるのは弟に違いないと、弟と遊ぶ自分を想像するお兄ちゃん。妄想はどんどん膨らんで、留まることがありません。
こちらは、まだ見ぬ赤ちゃんに、嫉妬心を抱きつつも、赤ちゃんの誕生が楽しみで仕方ない男の子のお話です。読んでいると、男の子のドキドキとした気持ちが伝わってきて、自然と笑顔になります。最後には、ちょっぴり意外な展開が待っていて「どおりでお腹の大きさが・・・。」と思わず呟いてしまいました。
弟(妹)が出来ることによる、純粋な喜びに溢れる絵本です。
 

構ってほしい。切ない気持ちはネコも一緒。

『ねえだっこして』竹下 文子/さく・田中 清代/え 金の星社

こちらは、お母さんのお膝を赤ちゃんに奪われてしまったネコの、切ない気持ちを描いています。
「わたし まってるから あとでで いいから」そう言って、自分に関心が向くのをひたすら待つネコ。
「あかちゃんなんて つまらない」お母さんと赤ちゃんのやり取りを見ながら、そんなことを考え、「わたし もう おおきいから」なんて、ネコは自分に言い聞かせるのです。
翌々考えれば、これらの感情は全て、上の子が抱くそれと同じですよね。ただし、人間の子は、ネコのように素直に甘えにいけません。だからこそ、少しのシグナルに気づいて抱きしめてあげたいですね。
 

上の子の気持ちに、全力で寄り添った絵本!

『ちょっとだけ』瀧村 有子/さく・鈴木 永子/え 福音館書店

赤ちゃんが生まれてから忙しいママを横目に、自分で着替えたり、髪を括ってみたり、なっちゃんはママの手を借りることなくいろいろなことに精一杯挑戦します。
それらが「ちょっとだけ」成功した時の満足気な表情や、一生懸命”おねえちゃん”を頑張る健気さに、胸の奥がきゅっと締め付けられる作品です。母親が下の子のお世話をしている間、上の子は、少なからず、何かしらの我慢を強いられているのだということに、改めて気づかされます。読むと、上の子を抱きしめたくなるかも知れません。
 

妹を可愛がる、しっかり者のお姉ちゃん。

『あさえとちいさいいもうと』筒井 頼子/さく・林 明子/え 福音館書店

こちらは、面倒見がいい、しっかり者のお姉ちゃんのお話です。
これまで紹介してきた、妹(弟)への戸惑いが隠せない主人公たちとは少し違い、あさえは、自分より幼い妹を守るべき存在であるとちゃんと認識していて、一生懸命”お姉ちゃん”をしています。いなくなった妹を心配して、必死に探して駆け回り、妹への愛が溢れています。
この素敵な”お姉ちゃん”にも、きっと、妹を可愛いと思えなかった時期があったのかな、それを乗り越えて、今こうして小さな妹を大切に思っているのかな、なんて、物語上にないことまで想像が膨らんでしまう作品です。
 

ピーターのささやかな抵抗が愛らしい絵本。

『ピーターのいす』E=ジャック=キーツ/さく・きじま はじめ/やく 偕成社

ピーターは、妹のスージーが生まれてから、自分の物だったものが次々にピンク色に塗り替えられ、スージーの物へと生まれ変わっていくのを目の当たりにします。この絵本では、この時のピーターの感情が何であるかの説明は一切なく、ピーターが自分の物だったそれを見つめる絵と、「あれ、ぼくの ゆりかごだったのに」、「あれ、ぼくの しょくどういす なのになあ」といったピーターのセリフだけで、言葉にならない感情を表現しています。
やがて、まだ青いままの椅子を見つけたピーターは、ある一大決心をするのですが、それがなんとも意地らしく、親目線で見ると可愛いのです。
絵は、コラージュ(切り絵)で出来ており、日本の和紙も使われている為、どこか温かみのある仕上がりになっているのも作品の雰囲気にあっていて素敵です。
 

愛されている自分に気づくことが出来る絵本。

『おたんじょうびのひ』中川 ひろたか/さく・長谷川 義文/え 朔北社

6歳になる、よしふみ君のお誕生会を前に、園では、みんなが生まれた時のことや、赤ちゃんに興味津々です。
赤ちゃんだった自分のことをお母さんに聞きたい”ぼく”は、家にかえって、早速お母さんに訊ねます。「おかあさん、ぼく うまれたとき どんなだったん?」お母さんの口から語られる、赤ちゃんだった時の自分。
懐かしそうな表情でどこか嬉しそうに答えるお母さんを見ていると、子どもであっても、きっと、これまで大切に育てられてきたのだということがわかるのかも知れませんね。
読んだ後で、赤ちゃんだった頃の子どものアルバムを開いて見たくなるのは、きっと、私だけではないはずです。

 

読み聞かせは、年齢制限なし!

いかがでしたか?今回は、赤ちゃん返りが起こってしまう原因にも意識を向けつつ、上の子の気持ちに寄り添った内容や、下の子がまだお腹の中にいるうちから読んであげることで「妹(弟)が出来る」ということがどういうことなのか、よりイメージしやすい内容の絵本などを選んでみました。
読み聞かせには、何歳までという上限はありません。お子さんが望む限り、たくさん読んであげてください。
間違っても、「もう、〇歳なんだから、自分で読めるでしょ!」なんて、突き放すような冷たい言葉はかけないであげてほしいです。
お子さんが読んでほしい時は、きっと、愛されているという安心感に包まれたい時。
そんな時は、出来るだけ受け入れて、精一杯応えてあげたいですね。

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夏に読み聞かせたい絵本15選

絵本で夏を感じよう。

7月になり、我が家の庭でも蝉たちの大合唱が聞こえるようになりました。
いよいよ、夏本番といったところでしょうか。
大人になれば、仕事が忙しかったり、子育てに追われていたりで、季節に浸る暇などないという方もおられるかも知れません。私自身、年々、一年が過ぎるのが早くなっている気がしています。

蝉の鳴き声や、風鈴の音、真っ青な空に浮かぶ入道雲、誰かと通った夏のあぜ道・・・。
誰しもが、きっと子どもの頃に感じたことのある、夏だけに聞こえる音や、見える景色。
絵本は、そんな、耳や目で感じるキラキラとした夏を、私たち大人に思い出させてくれます。
絵本を開けば、瞬く間に、心はあの頃の夏に戻っていくのです。
お子さんにとっても、やはり夏は特別で、大好きな季節。
今回は、そういった夏の音や景色を感じられる、夏に読み聞かせたい絵本を15冊選んでいます。
ぜひ、新たな季節の訪れを感じながら、読み聞かせをしてあげてください。

 

 

夏に読み聞かせたい絵本 15選

 

子ども心がくすぐられる絵本!

『ぼくのかえりみち』ひがし ちから/さく BL出版

「きょうは、このしろいせんのうえをあるいてかえろう」
そら君は、学校の帰り道、自分ルールを一つ作りました。それは、白線の上を歩いて帰るというもの。
白線が途中で途切れようが、無くなろうが、自分で決めたルールは絶対に守らなければなりません。
この絵本を読んでいると、自分がまだ小学生の頃、夏休みに学校の図書館へ本を借りに行った帰り道、姉と白線の上を裸足で歩いて帰ったことを思い出します。
私も、そら君と同じことをしていたからか、この絵本を読み聞かせていると、あの頃の夏の日差しや、いろいろな音、得体の知れない開放感が蘇ってくるのです。
そら君が自分自身に課したルールが、いかに「絶対」であるかがわかる描かれ方が秀逸で、読んでいるこちらまでドキドキハラハラとする作品です。

『ぼくのかえりみち』は、他の記事でも紹介しています。
5、6歳児におすすめの絵本20冊

 

小2むすこ
小2むすこ

横断歩道を渡るところの絵が、すごい!

 

4才むすめ
4才むすめ

お母さんに抱きつくところがいいね!

 

どこか懐かしい、田舎の夏休み。

『まほうの夏』藤原 一枝・はた こうしろう/さく・はた こうしろう/え 岩崎書店

こちらは、夏本来の楽しみ方をたくさん知ることが出来る絵本です。
ぐーたらな夏休みを送っていた都会暮らしの兄弟が、田舎のおじさんからの一声で、田舎の夏を満喫しに行くことになりました。
田舎には、都会では味わうことの出来ないワクワクがいっぱい。最初は戸惑っていた兄弟ですが、すぐに順応し始めるところはさすが子どもの力ですね。
いつかは覚めてしまうから「まほう」なのだろうと思うと、少しノスタルジックな気持ちになりますが、だからこそ、この夏をキラキラした思い出として、留めておくことが出来るのですよね。
田舎に暮らすうちの子からしてみると、「まほうの夏」というか、「ふだんの夏」ですが・・・。

小2むすこ
小2むすこ

この絵本を読んでいると、夏休みが楽しみで楽しみで、たまらなくなる。

 

4才むすめ
4才むすめ

ばあばの家みたい!

 

美しい夏の風景。

『夏がきた』羽尻 利門/さく・え あすなろ書房

こちらは、表紙の絵からして、夏の音や、香りが漂ってきそうな絵本です。
思わず、「わかるっ!」と言ってしまいそうな、扇風機、麦茶、花火、入道雲、通り雨・・・これら、夏の風物詩が、この絵本にはギュギュっと詰まっています。
子どもたちの生き生きとした表情や、真っ青な空に浮かぶ入道雲がとても気持ち良く描かれていて、引き込まれる一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

これぞ夏っ!っていう感じ。

 

4才むすめ
4才むすめ

もくもくの雲がおいしそうだった。

 

かわいいかえるたちも夏を楽しんでいます!

『10ぴきのかえるのなつまつり』間所 ひさこ/さく・仲川 道子/え PHP研究所

10ぴきのかえるたちの住むひょうたんぬまで、年に一度の夏祭りが始まろうとしていました。このお祭りに欠かせないのが笛名人のどじょうじいさん。ところが、このどじょうじいさんが囚われの身になったから、さあ大変です!このままでは夏祭りが出来ません。そこで、10ぴきのかえるたちは・・・。
夏祭りメインと言うよりは、どじょうじいさん救出をメインに描いた物語ではありますが、このシリーズはこのドタバタ劇が持ち味だから、それでいいのです。一筋縄でいかないところがこのシリーズの面白さであり、このシリーズが大好きな子たちは、むしろ、このドタバタ劇を求めています。
あの手この手で、10ぴきの個性豊かなかえるたちが協力し合って切り抜けていく様子は、頼もしくも、可愛らしくもあり、子どもの心をつかんで離しません。

小2むすこ
小2むすこ

このシリーズ大好き!この話も、どうなるか先が気になって面白かった~。

 

4才むすめ
4才むすめ

かえるたちの名前が面白い!

 

キャンプに行く予定なら、読んであげたい一冊!

『10ぴきのかえる はじめてのキャンプ』間所 ひさこ/さく・仲川 道子/え PHP研究所

キャンプ好きのお子さんはもちろんのこと、これから初キャンプに行く予定のお子さんや、まだキャンプに行ったことのないお子さんにも、ぜひ、読んでいただきたいのがこちら。
先ほど紹介した「10ぴきかえるシリーズ」ですが、お騒がせな彼ら、実は、キャンプまで楽しんじゃっています。
10ぴきのかえるたちがキャンプなんて、何も起こらないはずがありません。
手作りカレーや、キャンプファイヤーなど、キャンプの王道も賑やかにこなし、かえるたちと一緒に、見ているこちらもキャンプ気分を楽しめてしまう一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

10ぴきのかえるたちが楽しそうで、またキャンプに行きたくなった~。

 

4才むすめ
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キャンプでカレー、わたしも食べたい!

 

真っ赤に熟したスイカが食べたくなる!

『ありとすいか』たむら しげる/さく・え ポプラ社

夏と言えば、スイカですよね。こちらは、私が小学校に勤務していた頃、1年生だったか、2年生だったかの必読図書にもなっていた絵本です。
アリが見つけた大きなスイカ。美味しそうなスイカを巣穴に持って帰ろうと奮闘するアリたちのお話ですが、お話の中で何度も登場するスイカの、なんとも美味しそうなこと。真っ赤に熟れている大きなスイカと、真っ黒で小さなアリたちの対比も良くて、思わず絵を見入ってしまう作品です。

小2むすこ
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ぼくも、こんなに大きなスイカにかぶりつきたいっ!

 

4才むすめ
4才むすめ

わたしもっ!!

 

ダジャレ好きには外せない!

『なつやさいのなつやすみ』林 木林/さく・柿田 ゆかり/え ひかりのくに

夏野菜たちが夏休みを満喫する、こちらの絵本。
野菜たちが喋るたびにダジャレがさく裂しているので、ダジャレ好きの息子は、新たなダジャレが出てくるたびに声に出してそのダジャレを堪能していました。物語の内容そのものよりは、言葉あそびを楽しむタイプの絵本です。
ここで覚えたダジャレを言いながら野菜を食べると、苦手な野菜が克服できるかも知れませんね。とにかくダジャレが多い絵本なので、ダジャレがわかる年齢からが読み頃です。

小2むすこ
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野菜に関係したダジャレが、たくさん出てきて楽しかった。ぼくも使おうと思う。

 

4才むすめ
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お兄ちゃん、ダジャレばっかり言ってるもんね。ふふっ。

 

小2むすこ
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ダジャレは頭使うからな~。頭にいいんだ。

 

夏の主役といえば彼!

『セミくんいよいよこんやです』工藤 ノリコ/さく・え 教育画劇 

タイトルからワクワクするこちらの作品。内容は、まさしく、タイトル通りで、ずっと土の中にいたセミ君が、いよいよ地上に上がるその日が描かれています。
同じ作者の『ノラネコぐんだんシリーズ』が大好きな息子。こちらも気に入ったようで、何度も読み返しています。
工藤エリコさんの作品は、絵がとても愛らしくて素敵です。今回、擬人化(?)されているセミや、他の虫たちも、表情にどこか愛嬌があって、読んでいて笑みがこぼれますよ。

小2むすこ
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とにかくセミ君が可愛くて、応援したくなる。

 

4才むすめ
4才むすめ

セミの抜け殻って、こうやって出来るんだ!知らなかった!

 

暑い日に読んで涼しくなれる!

『ばばばあちゃんのアイスパーティー』さとう わきこ/さく・え 福音館書店

『ばばばあちゃんシリーズ』の中でも、お菓子作りをする内容のものは、作り方の簡単な手順が紹介されているので、読んでいると「作ってみようかな~。」という気にさせてくれます。
今回も、いろいろなものを凍らして(そんなものまで凍らすのか!というものまで)アイスパーティーを楽しんでいるので、「これを家でやったら、子どもは大喜びだろうな」と、思わずにはいられません。ばばばあちゃんの手にかかれば、暑い夏ですら涼しくなってしまうのですから凄いですよね。その行動力、見習いたいです。

小2むすこ
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こんなに簡単にアイスが作れるとは、思わなかった!やってみたい!

 

4才むすめ
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冷たくて、美味しそう!

 

夏の日常の中に見える「生」。

『生きる』谷川 俊太郎/詩・岡本 よしろう/え 福音館書店

こちらは、谷川俊太郎さんの詩「生きる」に、ありふれた夏の日常の一コマが挿絵となって描かれている作品です。
誰しもが、普段は無意識に生きていて、そのありがたさを忘れているけれど、ありふれた何でもない日常を送れることの大切さは、非常時になってみて初めて気づけたりしますよね。特に、これまで通りには生きられないコロナ禍の今読むと、詩も、絵も、なんだか痛いほど沁みてしまいます。
非常時だからこそ、ありふれた毎日を幸せに思えたり、
死を前にして初めて、生きることの素晴らしさに気づけたり、
そんなかけがえのない「生」が、この絵本の中にはたくさん隠れています。

小2むすこ
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絵を見て、道路にセミが死んでいたのを思い出したよ。

 

ゆる~い絵がクセになる!

『おばけのアイスクリームやさん』安西 永丸/さく・え 教育画劇

おばけの「ぼんちゃん」は、森のアイスクリーム屋さんです。いろいろなお客さんがアイスクリームを求めてやってきますが、ぼんちゃんは、お客さんそれぞれが喜ぶアイスクリームをちゃんとわかっているのです・・・。
特に大きな出来事が起こるわけではありませんが、話を進めていくうちに、次にぼんちゃんが作るアイスがどんな形なのかが気になってくる、どこかクセになる絵本です。ゆるいタッチで描かれた絵も、これまたクセになります。
暑い夏に、おばけと、アイスクリームと、極限まで無駄を削り取られたがゆえの、ゆる~い絵で、涼しくなってみませんか?
次にどんなアイスクリームが出来上がるのか、アイスをもらいに来たお客さんから想像して、お子さんと当てっこしても楽しいですね。

小2むすこ
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こんなアイスクリーム屋さんが本当にあればいいのに。ぼくなら絶対、カービィの形。

 

4才むすめ
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わたしは、ファントミラージュの形。

 

小2むすこ
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・・・それは難しいだろ。たぶん、キティちゃんぐらいじゃない?

 

4才むすめ
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ぼんちゃんなら、作ってくれると思う。ファントミラージュ。

 

爽快な夏のスタート!

『なつのおとずれ』かがくい ひろし/さく・え PHP研究所

気象予報士のかたつむりによって、梅雨明けが告げられました。そこで太陽が立ち上がり、「みんなに知らせますか」と一言。これにより、メロン、スイカ、セミ、カブトムシ、かきごおり、ソフトクリーム、せんぷうき、ひまわり、蚊取り線香、とうもろこし等々・・・夏の風物詩たちが、夏の始まりに向けて猛ダッシュ!最後は太陽の口が開き・・・。
もしも、夏の始まりが目で見てわかるなら、この絵本のような、爽快で楽しい感じがいいですね。
我が子には、「夏休み」と言われてたくさんの宿題をイメージするのではなく、こういった夏に出来る楽しいことをたくさん思い浮かべてほしいです。
かがくいひろしさんの絵は、ふんわりしていて温かいので、私も、うちの子たちも大好きです。

小2むすこ
小2むすこ

夏に関係する食べ物たちが、楽しそうで可愛い。最後は、そうなるのかっ!と、少し驚いた。

 

4才むすめ
4才むすめ

太陽の口の中は、熱くないのかな?

 


最後に、うちの子も愛してやまない「わんぱくだんシリーズ」を3本立てでご紹介します。
2019年9月に発売された『わんぱくだんのてんぐのすむやま』まで、シリーズは23作品となり、累計95万部を超える人気です。
3人の子どもたちが不思議な世界に迷い込み、冒険をする物語が、子どもたちは好奇心をくすぐられ、わくわくできるようです。23作品ともなると、クリスマスだったり、夏祭りだったり、季節感のあるお話がたくさんあり、読み手側も季節に合ったお話を選んで、手に取りやすいですね。
23作品の中に、夏に読みたい、ピッタリのお話がたくさんありました。

暑い夏に、少しゾクッと!

『わんぱくだんのおばけやしき』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

けん、ひろし、くみ、3人そろってわんぱくだん。
シリーズいつもの流れと少し違うのが、こちら。
いつもなら、3人が不思議な世界に迷い込んでしまうところですが、今回は、空き家でお化け屋敷ごっこをして終わりです。
ただ、お化け屋敷だけに、3人が怖~い体験をしちゃうので、怖がりさんの心臓はバクバクになるかも知れません。うちの怖がりさんは、「最後、怖かった~。」と言いつつも笑っていましたが・・・。
これくらいの程よい怖さが、怖がりさんには、ちょうど良いのかも知れませんね。

小2むすこ
小2むすこ

本物が出てくるとは思っていなかったので、ドキッとした。
最後の方に出てきた、後ろ姿の子どもたちの仕業だったのかな?

 

4才むすめ
4才むすめ

ちょっと・・・怖かった。

 

ちょっと不思議な夏祭り。

『わんぱくだんのなつまつり』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

表紙の絵が、とっても楽しそうなこちらの絵本。
わんぱくだんの3人は、お面を付けて、夏祭りを楽しむ準備万端。
楽しそうな太鼓の音色に誘われて、いつのまにやら不思議な夏祭りに迷い込んでしまいました・・・。
これぞ、わんぱくだんといった話の流れに、このシリーズ大好きのうちの子は、途中からニヤニヤが止まりません。
夏祭りの雰囲気もたっぷり味わえるので、このシーズンに読み聞かせてあげるのがピッタリな一冊です。

小2むすこ
小2むすこ

動物たちのお祭りなんて、ありえない話だけど、だからこそワクワクした~。

 

4才むすめ
4才むすめ

わたしも動物と友達になりたい。

 

プール遊びがいつのまにやら、海底探検に!

『わんぱくだんのかいていたんけん』上野 与志/さく・末崎 茂樹/え ひさかたチャイルド

小さなプールで潜って遊んでいたはずのわんぱくだんが、さらに潜って潜って、気づけば、そこは海!
この回も期待を裏切らない、夢のようなお話です。その上、海底にイルカの町があるだなんて、子どもの目がキラキラしないはずがありません。「いいな~。」と、終始、目を輝かせながら、物語に耳を傾けてくれることでしょう。
そして、わんぱくだんシリーズですっかりお馴染みなのは、最後に味わえるドキドキです。
夢オチで「なあ~んだ。そういうことか。」とがっかりさせておいてからの、くみのセリフ、「夢じゃないわ!ほらっ!」で、また、子どもの目はキラキラ。子ども心を最後までグッと話しません。
それにしても、イルカと一緒に泳ぐとは、なんて素敵なシチュエーションなのでしょう♪

小2むすこ
小2むすこ

小さなプールが海と繋がっているなんて、夢みたい!
こんなことが本当に起きればいいのに~。

 

4才むすめ
4才むすめ

イルカの国(町)に、わたしも行ってみたい!楽しそう!

 

 

夏は、なにか楽しいことが起こる季節。

いかがでしたか?
夏をテーマにした絵本は、探せばたくさんあります。
暑苦しくて、うっとうしい季節ではなく、なにか楽しいことが起こる季節。
お子さんが、わくわく、キラキラできる、そんな夏を絵本で一緒に感じることができると良いですね。

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司書がおすすめする、旅行がしたくなる本10選

本から旅行気分を味わって。

 

➀お金はあっても時間がない。
➁時間はあってもお金がない。
➂お金も時間もない・・・。

みなさんは、どれに当てはまりますか?
私は間違いなく、➂番ですね~。
こういう時に限って、行きたい県や、行ってみたい国が沢山あったりして何だか悲しいですが、そんな時は、ただ、本を眺めて旅行気分を味わうのです。
素敵な写真や、紀行文を読んで、旅行した気分に浸ります。

今回は、そんな旅行がしたくなる本を10冊ご紹介していますので、ぜひ、旅行気分を味わってご覧になってみてください。
実際に旅行を考えている方にも、参考になる本だったりもするので、気になる方は書店やお近くの図書館をチェックしてみてくださいね。

司書がおすすめする、旅行がしたくなる本10選。

 

 

心も目も癒される、絶景。

『死ぬまでに行きたい!世界の絶景(シリーズ)』詩歩/著 三才ブックス

こちらは、Facebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」から誕生した写真集で、Facebookで過去に著者が紹介した中から特に人気があった絶景だけが、この一冊にまとめられています。
本になったことで、「直行便があるのか、時間はどのくらいかかるのか」など、絶景スポットまでの旅の流れの解説が加えられたり、いろいろなパターンの旅のプラン例が紹介され、旅行本としての役割も担うようになりました。

そして、こちらのシリーズを眺めるたびに、私の「行きたい場所」がどんどん増えていくのです。
世界にはあるんですね。こんな楽園のような場所が・・・。
シリーズどれをとっても、写真を見ているだけで癒し効果がありますよ。
 

まだ旅先が決まっていない方、必見!

『一度きりの人生絶対に行きたい夢の旅50 心震える絶景&体験ガイド』 A-works

こちらは、11万円から3泊5日で行けてしまう、旅プランが載っているガイド本です。
「旅行に行きたいけれど、どこに行くかはまだ未定。」
そんな方にピッタリな一冊。
タイトルにもある通り、「一度きりの人生、絶対に行きたい夢の旅」をテーマにして、選び抜いた絶景は圧巻です。
実際にこの本一冊で旅が出来るように、予算や手配先など、具体的な内容も沢山載っていますが、この本一番のお勧めポイントは、何と言っても、美しい写真の数々。これらの写真から、空気やそこに吹く風の音など、現地の息づかいがまるで聞こえてくるようです。
 

時間がない人におすすめ、週末海外。

『週末海外―頑張る自分に、ご褒美旅を―』小林 希/著 ワニブックス

海外旅行に行きたいけれど、時間がない。
そんな方にぜひ、お勧めしたい本があります。
こちらは、土日や、3連休、さらに有給が取れたら4,5連休で行くことが出来る海外旅行のプランが紹介されていて、お金はあるけど、時間がない人に打ってつけの一冊です。
香港やマカオなど2日間で行けるプランや、3連休あれば行けるウラジオストク(ロシア)やセブ島などのプラン、長期休暇で行けるイスタンブールやウィーンなどのプランが、これまで60ヵ国以上を訪れている著者の手によって、まとめられています。
著者ならではの海外通なコラムもためになるので、読んで得すること間違いなしですよ。
 

日本人も知らなかった日本の姿。

『大人のアクティビティ!―日本でできる28の夢のような体験―』小林 希/著 ワニブックス

こちらは、写真を見ただけでは、一見、海外かと疑ってしまうような日本の絶景が楽しめる一冊です。
著者がこれまで実際に体験してきた、夢のようなアクティビティを紹介されていて、<思いっきり身体を動かす編>、<大自然を体感編>、<日本の文化と歴史を体験編>、<非日常の世界へ編>と、4つのカテゴリーに分けられています。
長年日本に住んできた日本人ですら、日本の良さを再発見でき、知らなかった日本に出会うことが出来ますよ。
 

ひとり旅もありだと思える本。

『世界をひとりで歩いてみた―女30にして旅に目覚める―』真鍋 かをり/著 祥伝社

こちらは、タレントの真鍋かをりさんが計14ヵ国をたった一人で旅した、旅の記録です。
行き先が日本ならまだしも、海外ともなれば、女性の一人旅は「危険」なイメージ。
そして、そのイメージは、あながち間違いではありません。実際に、真鍋さんも、旅先でトラブルに巻き込まれそうになったり、怖い思いをしたこともあったようです。
ところが、この本を読み進めていくうちに、そんなネガティブなイメージはどこへやら、まず感じたのが、
行き当たりばったりの、ひとり旅も楽しそう!
という、ポジティブな気持ちでした。
なにより、ブログ女王と謳われていただけあって、文章がとても読みやすく、エッセイとして面白いのです。
旅先エピソードも楽しくて、真鍋さんと一緒に旅をしている気分になれますよ。
 

東欧の魅力がたくさん詰まった本。

『チャルカの東欧雑貨買いつけ旅日記』チャルカ/著 産業編集センター

こちらは、大阪の雑貨屋さん「チャルカ」が、1999年のオープンから東欧を旅して買いつけを行なってきた集大成として、これまでの思いや出会った雑貨たちを惜しげもなくまとめて、本にしたものです。
地球儀で見ると遠い東欧が、この本を見ていると、まるで隣町へ買いつけに行くような気持ちにさせてくれて、ぐっと身近に感じることが出来ます。
雑貨屋さんが出している本というだけあって、雑貨好きが見てもキュンキュンすること間違いなしの写真の数々。
本の装丁までがオシャレで、とっても素敵な一冊です。
 

いろいろなお祭りがあるんですね~。

『大好きに会いに行こう!世界のお祭り&イベントガイド』trippiece/監修 サンクチュアリ出版

世界の人々の中でも、特に日本人は、自分を表に出してコミュニケーションを取れない傾向にあると言われていますが、その恥じらいを脱ぎ捨ててくれるのが、非日常である「旅」かも知れませんね。
しかも、その上「お祭り」とくれば、お祭り好きの日本人が、自分を解放しないはずがありませんよね。
そう考えると、他国のお祭りやイベントに参加をすることは、その国の人達のことを理解して親密になれる、最も効果的な方法なのかも知れません。
本書では、<絶景好き>、<アクティブ好き>、<アート好き>、<パーティー好き>、<グルメ好き>に分けて、世界の様々なお祭りやイベントが紹介されているので、ぜひ、世界中のあつい体験を疑似体験してみてください。
 

こんな旅は、夢のまた夢だけれど・・・。

『365日世界一周絶景の旅(365日絶景シリーズ)』TABIPPO/編集 いろは出版

「もしも、1年かけて世界一周が出来たならば、こんな旅がしたい!」
沢山の絶景写真から、そう思わずにはいられない一冊です。
365日の絶景ということで、まるでカレンダーのような感じで毎日の日付と共に、どこかしらの絶景が紹介されているので、思わず、絶景写真の中から自分の誕生日の日付のページを捲って探してしまいますね。
毎日こんな素敵な絶景が見られる旅なんて、実際には不可能な分、この本からは沢山の癒しがもらえます。
 

現実にある、おとぎ話の世界。

『世界のかわいい村と街』パイ インターナショナル/編集 パイインターナショナル

こちらは、まるで、絵本の世界に迷い込んでしまったかのような、世界観。
日本では見られない、カラフルな色づかいだったり、石造りの家々がなんとも愛らしく、心ときめきます。
シルバニアファミリー感、もしくは、小人でもひょっこりと現れそうな、おとぎ話感が半端ない一冊です。
眺めているだけで、心地よい気分にさせてくれますよ。
 

心も目も癒される、絶景の数々。

『海外名作映画と巡る世界の絶景』インプレス編集部/著・編集 インプレス

こちらは、映画の中に登場する、思わずため息をついてしまうほどの美しい絶景の数々を、映画の話と一緒に紹介している本です。
あまりの美しさにCGだと思っていたあの場所が、実は、実際に存在する場所だったとすると、写真を見ているだけでワクワクしてきませんか?
ページにあるQRコードをスマートフォンで読み込むことで、グーグルマップで見ることも可能なので、この本だけに留まらず、世界中の投稿者からアップされた、実際の旅行の写真も見ることが出来ます。
本の中で紹介されている映画は、古いものから比較的新しいものまであって、100以上のスポットが載っているので、名作と呼ばれる映画がもう一度見たくなると共に、紹介されている絶景を、いつか拝みに行きたくなってしまいますね。
 

絶景には、癒し効果がある?!

 
いかがでしたか?いわゆる、「絶景スポット」の載っている本を中心に選んでみましたが、気になる本はあったでしょうか?
美しい絵画をじっくりと眺めている時のように、「絶景」は、私たちの心を安らかにしてくれるような気がします。
お金や時間の問題から、例え、本当にそこへ行くことは不可能だったとしても、これらの本を眺める時間は、決して無駄ではないと思うのです。

「いつか、行ってやるぞ。」という、気持ちで眺めたり、
「素敵な場所だな~。」と、憧れを抱いてみたり、

この時間、紛れもなく、私たちは癒されているのです。