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春の陽だまりのように、心が温かくなる絵本

「絵本」を身近に感じられる喜び

皆さんは、春を感じる瞬間ってありますか?
大きな窓に振り込む日差しが、心地よくて、ほっとしたり、蝶が庭をひらひらと横切れば、「春だな~」と呟いたり・・・。
お天気の良い昼過ぎ、私は、ふっと「春」を感じる瞬間があります。
朝も夜もまだまだ寒くて、ジャケットを羽織らないと凍えてしまいますが、一日の中でたまに顔を出してくれる春を、今は楽しみにして過ごしています。

冬、ストーブの近くに腰かけて、肩寄せ合って読み聞かせていた絵本を、春には、庭のベンチに腰かけて、気持ち良い空気を吸いながら、読み聞かせられるという、贅沢。
せっかくだから、そんな時に読んであげる絵本は、春の陽だまりのように、心が温かくなれるものがいいですよね。

春本番はまだまだですが、心がほっこりとする絵本を集めてみましたので、ぜひ、優しい声で、お子さんに読み聞かせてあげてください。

春の陽だまりのように、心が温かくなる絵本

 

ラブラブな二匹の好き好き比べ。

『どんなにきみがすきだか あててごらん』 サム・マクブラッドニィ/さく アニタ・ジェラーム/え 小川 仁央/やく 評論社

こちらは、チビウサギとデカウサギのやり取りが微笑ましいお話です。
タイトルの通り、お互いがお互いを大好き過ぎて、「どれだけ相手のことを好きか」言い合い合戦が始まるのです。そのやり取りが何とも愛らしくて、読んでいてくすぐったくなります。
チビウサギとデカウサギの関係性は、物語の中には描かれていませんが、おそらく、親子ではないでしょうか。
優しい気持ちで満たされて、読み聞かせ後は、親子でラブラブになれる作品です。
 

小1むすこ
小1むすこ

とってもいい話。デカウサギが優しいところがいいね。チビウサギはかわいらしかった。(息子談)

 

母の深い愛を感じる絵本。

『いいこってどんなこ?』 ジーン・モデシット/さく ロビン・スポワート/え もき かずこ/やく 冨山房

「いいこってどんなこ?」ウサギのぼうやがお母さんに訊ねます。
それに対するお母さんの受け答えが、愛に溢れすぎていて、思わず、わが身を顧みてしまいました。
ついつい、我が子に多くを求めすぎてしまい、イライラ言いがちの私。本当は、ありのままの我が子が大好きなのに怒ってばかり。この絵本のお母さんのようになれたら・・・とは思っても、なかなか現実は思うようにいきません。
だからこそ、絵本を読む時間はたっぷり甘えさせてあげたいものです。

ド直球な質問を投げかけてくるウサギのぼうやを見ていると、子どもは親のことをよく見ているな~と思わずにはいられません。きっとウサギのぼうやは、この返しを待っていたんだろうな、なんて思いながら、ぼうやのお母さんの秀逸な受け答えに感心すらしてしまいます。
 

小1むすこ
小1むすこ

絵が暗いから、最初はこわい話かと思ったけど、いいお話だった!(息子談)

 

名曲が絵本になりました。

『はじまりの日』 ボブ・ディラン/さく ポール・ロジャース/え アーサー・ビナード/やく 岩崎書店

ボブ・ディランの曲は聞いたことがありませんが、この絵本を読んだことで、とても聞いてみたくなりました。
こちらは、ボブが息子に宛てて書いた「Forever Young」という歌の歌詞が絵本になったものです。絵を描いたポール・ロジャースも彼の大ファンということで、絵の中にボブ・ディランゆかりの人物や、ゆかりのものが沢山描きこまれているので、元々詳しい人はテンションが上がるのではないでしょうか。
日本語訳は、アーサー・ビナードさんで、以前、彼の書いたエッセイのようなものを読んだことがあった私は、「こんな素敵な訳詩をされる方だったのか!」と正直驚きました。
歌で言うサビの部分の詩も素敵ですが、「ひとりをたのしめ」とか、「星空へのぼる はしごをみつけますように」とか、親の思いが詰まっていて、声に出して何度も読みたい、むしろ、覚えて朗読したいと思える絵本です。
 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白い。
ボブ・ディランという人は、優しいお父さんということがわかった。(息子談)

 

無性にハグがしたくなる。

『しゅくだい』 いもと ようこ/ぶん・え 宗正 美子/原案 岩崎書店

今日の学校の宿題は、なんと、おうちの人に、だっこされてくること。
モグの家では、モグが一生懸命だっこをしてもらおうとしますが、小さな赤ちゃんのお世話に忙しいお母さんはなかなか気づいてくれません。読んでいると、モグに同情してしまいますが、最後の笑顔に全て持っていかれます。
読んだ後で、息子に、「こんな宿題、出てほしい?」と訊ねると、元気のいい「うん!」を頂きました。そして思わず、息子をギュッとはぐ。息子は「ふふふ~。」と、とても嬉しそうに微笑んでいました。
そんな、スキンシップが出来る素敵な絵本です。
 

小1むすこ
小1むすこ

たまには、こんな宿題がいい。ほかの宿題が出なくてこれだけなら、すごく嬉しいのに。(息子談)

 

故人を思う気持ちが温かい。

『わすれられない おくりもの』 スーザン・バーレイ/さく・え 小川 仁央/やく

ある日、アナグマは、動物たちに「長いトンネルの むこうに行く」とだけ手紙を残し、死んでしまいました。
残された動物たちは、冬の間中、悲しみますが、やがて、春が来てアナグマからの「おくりもの」に気づくのです・・・。

大切な人の死の乗り越え方という、子どもが読む絵本には、いささか重いテーマの絵本ですが、子どもなりにいろいろ考えるようで、とても真剣な表情で聞いてくれました。
今回、この「春の陽だまりのように・・・」のテーマで本を紹介しようと思った時、一番に思い浮かんだのが、実はこちらの絵本。
春の温かな日差しを思い浮かべた時、ふっと、このアナグマのことを思い出したのです。
故人の思い出を語ることで動物たちの「悲しみ」が溶けたと同時に、訪れた春。
いろいろなことを優しく教えてくれたアナグマは、動物たちにとって、まさしく、春の日差しのような存在だったのではないでしょうか。
 

小1むすこ
小1むすこ

かわいそうな話。アナグマは優しいな~と思った。
動物たちを、かわいそうだと思ったけど、春になってアナグマのことを思い出すところが良かった。(息子談)

 
 

 

読書に適した、春の気候

いかがでしたか?ご紹介した絵本の中で、気になる絵本があった方は、ぜひ一度、書店や近隣の図書館で現物に触れてみてください。
読書=秋だと思いがちですが、最も読書に適した気候が、本当は春であると、私は確信しています。
一番丁度良い気候で、何をするにも過ごしやすい季節なのですから、読書だって、当然、春が一番気持ちが良いのです。
ストーブで温まって、クーラーをガンガンに効かせて、
そんなことをしなくても、のほほんと読書の出来る春。

本当に、待ち遠しいですね!

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