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【2月3日は節分】鬼が出てくる、おすすめの絵本 15選

目次

~はじめに~ 子育てと、物語の中の”鬼”

「いつまでも寝ない子のところには、が来るよ!」
「悪いことをするとに連れていかれるよ~。」
などと、子どもに脅しをかける親を見たことはないだろうか。
最近では、鬼と電話がつながるスマートフォンのアプリなんていうものもあるらしいです。
私は、ずいぶん昔に、とある人から、この”脅しながら育てる”子育てはやめておいた方がいいと言われ、その理由を聞いたことがあります。
すると、その人は「それを切り札にしてしまうと、信じない年齢になってしまってからの子育てが大変になるから。」と言いました。
そしてこうも言いました。
事あるごとに脅されて育てられてきた子は、それが嘘だとわかった時から、親の言っていることにあまり耳を傾けなくなる。
なるほど・・・と思った瞬間でした。
広い目で見ると、”脅しの子育て”が通用するのは、ほんの僅かな期間だけですものね。
それでも、日々、時間に追われている中での子育て・・・手っ取り早く、鬼の力も借りたいという気持ち、よくわかります。現代の話だけに留まらず、スマートフォンアプリのなかった時代、もっと言えば、テレビも絵本もなくて、言い伝えることでしか、物語を広めることが出来なかった、ずっと昔から、親たちは、子育てに鬼の力を借りていたのだと思います。
いつまでも寝ようとしない子に、
悪さばかりをする、手が付けられない子に、
鬼が出てくる物語を話して聞かせ、
「いつまでも寝ない子のところには、が来るよ!」
「悪いことをするとに連れていかれるよ~。」
と、やはり、現代と変わらず、子どもに脅しをかけていたのではないでしょうか。
やがて、その子供が大人になり、自分がされたように我が子に語ることとなり、また、その子供が親となって、その子供に語っていくことで、物語は少しずつ変化しながらも語り継がれてきたのです。
子どもが聞き入るように、親たちは少しでも面白い話を語ろうと思ったに違いありません。

誰もが知っている昔話が、親たちの子育て事情から今日まで受け継がれてきていると思えば、鬼による”脅しの子育て”も、そこまで全否定するものではないのかも知れませんね。
ただし、携帯アプリに頼るのは、いかがなものかと。
そう思う私は、古い人間なのでしょうか・・・。

今回、こうした”鬼”が出てくる絵本から、特に面白いものを15冊選びました
昔から語り継がれてきた名作から、現代の新しい切り口で”鬼”を描いた物語まで、
幅広く選んでみましたので、ぜひ、この機会に、スマートフォンを絵本に持ち替えて、
お子さんに読み聞かせてあげてほしいと思います。

鬼が出てくるおすすめの絵本:まずは王道の3作品から

まずは、日本人ならば一度は聞いたことがあるであろう昔話から、3作品。
人々を震え上がらせる恐ろしい鬼たちが、成敗される王道のお話です。

とにかく悪い鬼たちを懲らしめろ!

『ももたろう』松居 直/作 赤羽 末吉/絵 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

この桃太郎、めっちゃ強そう!(息子談)

 

 

小さくたって、やっつけられる!

『いっすんぼうし』大川 悦生/作 遠藤 てるよ/絵 ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

一寸法師が鬼をやっつける時の、「えい、やあ!」という、かけ声が可愛らしくて笑った。(息子談)

 

 

とにかく悪い鬼たちを懲らしめろ!

『こぶとりじいさん』いもと ようこ/作・絵 金の星社

 

 

鬼が出てくるおすすめの絵本:元ネタが興味深い2作品

続いてご紹介するのは、元ネタが興味深い2作品です。絵本の中には、元々の原作があるものも多くありますが、実は、ずっと語り継がれてきた昔話と一緒にされがちな、この2作品にも、元ネタがあったのを知っていますか?

実は日本の昔話ではない?!

『だいくとおにろく』松居 直/作 赤羽 末吉/絵 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

面白かった~。でも、なんで鬼の子は、鬼の名前を歌ってたんだろう?(息子談)

 

 

軽快な語り口調の秘密は・・・。

『じごくのそうべえ』田島 征彦/作・絵 童心社

 

小1むすこ
小1むすこ

すごく面白かった!強い鬼がどんどん弱く見えてくるから笑えた。(息子談)

 

 

鬼が出てくるおすすめの絵本:大人が読んでもグッとくる2作品

続いて、人間にとって、恐怖の象徴ともいえる鬼が、どこか、人間味溢れる存在に感じられるグッとくる2作品をご紹介します。

健気な鬼の子に涙する。

『おにたのぼうし』あまんきみこ/作 岩崎ちひろ/絵 ポプラ社

 

 

涙で続きが読めません。

『泣いた赤おに』浜田 廣介/作 池田 竜雄/絵 偕成社

 

小1むすこ
小1むすこ

お母さんが泣いて、話がよくわからない。(息子談)

 

 

鬼が出てくるおすすめの絵本:子どもと鬼を面白おかしく描いた4作品

こわ~い鬼たちも無邪気な子供たちの手にかかれば・・・。鬼と子どもが登場する、クスッと笑える4作品をご紹介します。

鬼たちもかあちゃんの手にかかれば・・・。

『せんたくかあちゃん』さとう わきこ/作・絵 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

鬼まで洗うとは思わなかった。顔を書かれた鬼の顔が変で笑った。(息子談)

 

 

鬼に同情しちゃうかも。

『ソメコとオニ』斎藤 隆介/作 滝 平二郎/絵 岩崎書店

 

 

自分の中の鬼を豆で退治だ!

『おなかのなかにおにがいる』小沢 孝子/作 西村 達馬/絵 ひさかたチャイルド

 

 

怒るとツノが生えてくる?!

『わらっちゃった』大島 妙子/作・絵 小学館

 

小1むすこ
小1むすこ

おばけの世界でのショーが楽しかった!がいこつが出てきた!(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

ちょっとだけ、こわかった。(娘談)

 

 

鬼が出てくるおすすめの絵本:新しい切り口で描かれた4作品

最後に、「そうきたか!」と唸りたくなる4作品をご紹介して終わりにしたいと思います。
鬼が出てくる絵本・・・本当にいろいろなお話がありますね。

ねずみ年の節分に読まなくて、いつ読むの!

『まめまきバス』藤本 ともひこ/作・絵 鈴木出版

 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白かった。いっぱいネズミが集まって、怪獣になっているところが気持ち悪かった。(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

こわい鬼は出てこなかった。(娘談)

 

 

鬼たちの作戦が子どもたちに大うけ!

『オニじゃないよ おにぎりだよ』シゲタ サヤカ/作・絵 えほんの杜

 

小1むすこ
小1むすこ

まさか、そうなるとは思わなくて、めちゃくちゃ面白かった!(息子談)

 

 

鬼と人間との、異文化交流。

『それからのおにがしま』川崎 洋/作 国松 エリカ/絵 岩崎書店

 

 

視点を変えて見る面白さ。

『空からのぞいた桃太郎』影山 徹/作・絵 岩崎書店

 

 

~おわりに~ 節分と”鬼”、子どもに語れますか?

節分が近くなると、スーパーでは、鬼のお面が付いた豆の袋詰めが、山になって積まれている光景を目にします。
節分という行事に、”豆”と”鬼”は、欠かすことのできないキーパーソンなんですよね。
節分の日には、保育園で鬼に豆をぶつけたり、学校の給食で豆やイワシが出たり、ご家庭ではお父さんが鬼になって豆をぶつけられたり、鬼と豆で日本全体が大騒ぎです。
そんな中、豆を投げるときに叫ぶ「鬼は外、福は内」の意味を知っている人がどれほどいるのでしょうか。
子どもに、「なぜ豆で鬼を退治するのか、イワシの頭なのか、この行事にどういう意味があるのか」と訊ねられた時、あなたは、すらすら答えられますか?
ちゃんと伝えようとすればするほど、子どもには難しくて伝えづらくなってしまったり、
自分自身、あまり知らなくて、答えを濁してしまったり、
こういった伝統行事の由来を、子どもに説明するのは案外難しいものです。

こういう時、私はすぐに絵本に頼ります。
絵本は、子どもに大変分かりやすい言葉で語り、無理なく、ストンと、子どもたちの頭に情報を落としてくれるからです。困った時の絵本頼み。楽しみながら、知識を豊かにしていくことは、お子さんにとっても良いことですよね。
子育てに、どんどん絵本を使っていけば良いと思います。
”子育て”と”物語”は、ずっと昔から、切り離せない関係にあるのですから。

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お正月に読み聞かせたい絵本 15選

目次

絵本から日本の文化に触れて。

とある中学校に勤務していた時のことです。
お正月にまつわる本を展示していたコーナーの一角に、福笑いをつくって置いておいたところ、それを見つけた生徒たちが私に言いました。
「これ、なに?」
「これは、福笑いと言って、目隠しをして、顔のパーツを置いていく遊びなんだよ。目隠ししているから変な顔が完成して、皆で笑って福を呼ぶの。」
そう教えると、新しいもの好きの子どもたちは、意外にも大盛り上がりで福笑いを堪能していました。

今の子どもたちは、正月遊びに触れる機会がなかなかないようです。
大みそかは年越しそばを食べたり、元旦には門松を飾って、雑煮やお節料理を食べ、子どもたちは福笑いや羽子板で遊ぶ・・・。
核家族化が進む今の日本で、こういった伝統的なお正月の過ごし方をしているご家庭がどれほどあるのでしょうか。
この福笑いを知らない生徒たちとのやり取りは、少し大げさかもしれませんが、受け継がれていない日本文化の衰退を私に感じさせた、ささやかながらも印象的な出来事でした。

私自身、門松は飾っていませんし、(年越しそばは食べますが)雑煮やお節料理を子どもに作ったことは、ありません。けれども、この出来事を通して、我が子に、こういった日本文化を説明できない大人にだけは、なりたくないな~っと、思わずにはいられませんでした。

お節料理にはそれぞれどういう意味があるのか、
なぜ、門松をかざっているのか、
十二支になぜ、猫がいないのか、
子どもに訊ねられた時、「わからないな~。」ではなく、ちゃんと伝えられる大人でいたいですよね。
今回、お正月に読み聞かせたい絵本を、15冊選ばせて頂きました。
この中には、そういった、お正月に関するあれこれに、わかりやすく答えてくれている絵本も沢山含まれていますので、物語を通して、ぜひ、楽しみながら教えてあげてください。

お正月に読み聞かせたい絵本 15選

 

動物それぞれの、細かく描かれたエピソードが面白い!

『十二支のはじまり』岩崎 京子/さく 二俣 英五郎/え 教育画劇

 

小1むすこ
小1むすこ

とっても面白かった!ネコとネズミが、仲悪い理由がよくわかった。門の前を通り過ぎるイノシシが最高~。(息子談)

 
こちらの絵本もおすすめです。

愛嬌ある動物たちの絵がいい!

『じゅうにしのおはなし』ゆきの ゆみこ/さく くすはら 順子/え ひさかたチャイルド

 

ダジャレ好きには、この一冊。

『おせちのおしょうがつ』ねぎし れいこ/さく 吉田 朋子/え 世界文化社

 

小1むすこ
小1むすこ

歌ってるみたいな絵本だった!助け合うところもあってよかった。(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

絵がもこもこで可愛い。(娘談)

 

 

これぞ、日本の年越し。

『おばあちゃんのおせち』野村 たかあき/さく・え 佼成出版社

 

 

可愛さとシュールさの両立!

『おもちのきもち』かがくい ひろし/さく・え 講談社

 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白くて好き!おもちに顔があって、逃げ出すところで笑った!(息子談)

 

 

お正月の楽しさが詰まった一冊。

『あけましておめでとう』中川 ひろたか/さく 村上 康成/え 童心社

 

 

美味しそうなお餅づくり。

『ばばばあちゃんのおもちつき』さとう わきこ/さく・え 福音館書店

 

 

年神様が出てくる絵本。

『おしょうがつのかみさま』おくはら ゆめ/さく・え 大日本図書

 

4才むすめ
4才むすめ

おしょうがつの神様がかわいい。みんなで一緒に遊んでいるのが楽しそう。(娘談)

 

 

子ども目線で描かれた、年越し。

『くまのこのとしこし』高橋 和枝/さく・え 講談社

 

 

リズムにのって、「どんどこどん」♪

『おしょうがつさんどんどこどん』長野 ヒデ子/さく・え 世界文化社

 

 

ポップなキャラクターが子ども心を擽ります。

『おせちいっかのおしょうがつ』わたなべ あや/さく・え 佼成出版社

 

 

人気シリーズのお正月。

『10ぴきのかえるのおしょうがつ』間所 ひさつ/さく 仲川 道子/え PHP研究所

 

小1むすこ
小1むすこ

カエルの家が、すべり台とかいろいろあって楽しそう。結局さいごには、みんな仲良く寝るところがいい。(息子談)

 

 

懐かしさ漂う絵本。

『もうすぐおしょうがつ』西村 繁男/さく・え 福音館書店

 

 

お節料理が仕上がる様子を、ユーモア満点に描いた絵本。

『十二支のお節料理』川端 誠/さく・え BL出版

 

 

お正月のあれこれは、全て開運に繋がっている!

『開運えほん』かんべ あやこ/さく・え あかね書房

 

 

まとめ ~絵本から感じられる「喜び」~

お正月は、テレビ等のメディアや、町のあちらこちらが、おめでたい雰囲気に包まれています。
それを肌で感じることの出来る子どもたちも沢山いるかと思いますが、
絵本からも、様々な物語を通して、新しい年を迎える喜びを感じてもらえたらいいですね。
今の日本は、移り変わりの激しい情報化社会で、次々に新しいものが生まれては、消えています。
だからこそ、液晶画面では決して得ることの出来ない、失くすべきではない「喜び」を
大切にして、次の世代へと繋いでいきたいです。

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【おとな編】まだ間に合う!クリスマスプレゼントに、心温まる絵本を。

大切なあの人に、絵本のプレゼントはいかがですか?

早いもので、街路樹や店頭ではイルミネーションが輝き、町のあちらこちらから、クリスマスキャロルが聞こえてくるシーズンがやってきました。
気づけば、あっという間にクリスマス。
中には、12月に入って、プレゼントは何にしようかと悩んでいるうちに、サンタの鈴の音がすぐそこまで来てしまった・・・そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方には、ぜひ、本屋に立ち寄って見られることをお勧めします。
「大人の絵本コーナー」が設けられている本屋さんがあるほどに、絵本の対象は子どもだけに留まらず、多くの大人たちが絵本には癒す効果があると手に取っていくようです。

絵本なら、書店に行けばすぐ手に入りますし、気軽に購入できる価格で相手に気を遣わせる心配もありません。

まだ間に合いますよ!

相手のことを考えながら、どんなプレゼントにしようかと考えるその時間・・・。
ぜひ、その至福の時をお楽しみください。

【おとな編】クリスマスプレゼントにおすすめしたい、心温まる絵本 10選

大切な人と、この感動を共有しよう。

『世界で一番の贈りもの』マイケル・モーパーゴ/著 評論社

こちらは、クリスマスの奇跡と今も語り継がれる「クリスマス休戦」を基に描かれた大人向け絵本です。

がらくた屋で購入したロールトップデスクの引き出しの中で見つけた、一通の手紙。
そこには、愛する人へ贈る、嘘のような真実の物語が淡々と綴られていました。

1914年12月25日。寒空の下、イギリス軍とドイツ軍が、敵でありながら共にお酒を酌み交わし讃美歌を歌い、故郷の話に花を咲かせて笑いあった、信じられないような日。

「この戦争を終わらせる方法が解ったよ。サッカーの試合で、勝負を決めればいい。サッカーなら、だれも死なずにすむ。親を失う子もない。夫を失う妻もない。」

ドイツ軍の将校がイギリス軍の将校に言ったこの言葉は、この戦争が早く終わって、みんなが無事に故郷に帰れるようにという、切実なる願いの元に出た言葉です。

クリスマスに起こった、この奇跡のような出来事は、両軍の公式記録には一切存在しませんが、この絵本のように、手紙や、無事に帰還した兵士たちを通して、人知れず語り継がれてきたのだそうです。

心温まる時間、かけがえのない一生の宝物といえるほどの時間を過ごしたことを綴った手紙の内容と、この休戦後に平和の願い空しく戦争の犠牲となった多くの兵士たちのことを思うと、心と目頭が熱くなる一冊です。
152mm×152mmという小ぶりな大きさと、封筒の消印や英字で書かれた手紙が表紙になっているオシャレなデザインから、プレゼントにも喜ばれると思いますので、ぜひ、大切な人とこの感動を共有してください。

『世界で一番の贈りもの』は、他の記事でも紹介しています。
平和学習におすすめな本

 

 

自分の気持ちを、言葉でプレゼント。

『Present book 好きなところ100(Presentbookシリーズ)』 いろは出版

こちらは、大切な人へ、面と向かって感謝や好きなところを言いづらい照れ屋さんや、長い付き合いで今さら口に出しづらい人にとって、持って来いなプレゼントなのではないでしょうか。
「プレゼントは何でもいいよ」なんて言われて、何にしようかと頭を悩ませているのであれば、気持ちのこもった言葉のプレゼントが良いかも知れません。
こちらの本に、大切な人の好きなところを、ただひたすらに書き込んでいくことで、渡す相手はもちろんのこと、書いている本人も、改めて、渡す相手の素敵なところにたくさん気づくことができ、幸せな気持ちになります。

クリスマスまでに100個も書きだすのは無理だと自信がなくなりそうな方は安心してください。
本書には、「おてつだいカード」といって、好きなところを思い出すヒントになるワードを集めてくれているカードが存在しているので、困った時はこれを参考に書き込んでいくと良いかも知れません。

また、付属の透明スリーブケースに入れることが出来るので、せっかくの本が折れ曲がる心配もなく、プレゼントにピッタリな一冊になりますよ。

大切な人を想像しながら、世界にひとつだけの本を完成させてくださいね。

 

人と違うことをしても大丈夫。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』レオ・レオニ/著 谷川 俊太郎/訳 好学社

小さな野ねずみたちが冬に向けてせっせと働く中、フレデリックだけは全く働こうとしません。
「どうして きみは はたらかないの?」
仲間がフレデリックに聞くと、
「ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ。」
と、フレデリックは答えます。
その後も全く働こうとしないフレデリックに、仲間たちは何度も聞きます。
「なにをしているんだい、フレデリック?」
「ゆめでも みてるのかい、フレデリック。」
「ちがうよ」
そのたびにフレデリックは、自分が集めているものの話しをしますが、それらはどこか掴みどころのないものばかりで現実味を帯びていません。
ところが、厳しい冬がやって来て、フレデリックが集めていたものの素晴らしさに気づいた時、仲間たちは拍手喝采して・・・。

この物語から何を感じ取るかは、人によってそれぞれ違うのかも知れませんし、そもそも、これは教訓めいた話ではないのかも知れませんが、みんなに同調して生きていく事も重要だけれど、もしも、それより大切なことがあった時には、人と違うことをしてもいいのだと、受け入れられるべきなのだという、メッセージが少なからず含まれているように私は感じました。

例えば、人と違う進路を歩もうとしている、あの人へ、
いつも思いもよらない斬新なアイデアを出して、チームを引っ張ってくれる、あの方へ、
素敵なメッセージを添えて、こちらの絵本をプレゼントすると良いかも知れませんね。
谷川俊太郎さんの訳も、詩的で、とても素敵です。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』は、他の記事でも紹介しています。
【2020年干支】ねずみが出てくるおすすめの絵本 15選

 

 

旅に出れない今こそ、この絵本。

『旅の絵本』安野 光雅/著 福音館書店

こちらは、どのページも文字が一切ない絵本です。
このシリーズは、毎回どこかの国を優雅気ままに旅しているので、コロナ禍の今見ていると、とても解放された気分になるのは私だけではないはず。
ある巻では馬に乗り、またある巻では舟に揺られて、旅人と共に、世界の風景に出会える贅沢を堪能してください。

また、どの巻も、地上に立って描かれた目線ではなく、少し上空を浮遊しているような、見下ろす感覚で描かれていることもあって街並みや自然が細部にわたり描きこまれているので、眺めているだけで幸せな気分になれますよ。

2018年に出版されたシリーズ最新作は「スイス」です。
好きな国にしぼってプレゼントするもよし、世界旅行に行けない今だからこそ、セット購入でプレゼントするもよし、プレゼントする相手に合わせて、素敵な送り物になるといいですね。

 

可愛いデザインと素敵な言葉の数々。

『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/作・絵 前田 まゆみ/訳 創元社

とにかく可愛らしくてデザインが素敵な、こちらの絵本。
それだけでもう、誰かにプレゼントしたくなりますが、この絵本が面白いのは、もちろんそこだけではありません。
1ページごとに、外国の聴きなれない言葉が、その意味と共に紹介されていて、思わず声に出して読みたくなります。

翻訳できない」とタイトルにもあるように、どの言葉も日本語では、取って代われる言葉が見当たらないものばかりで、言葉がいかに、その国独自の文化や風土によって生まれるものであるのかがよくわかる絵本となっています。
日本語では、「わびさび」などの言葉が紹介されていて、日本語の奥深さも知ることが出来る一冊です。
素敵な言葉の数々を、大切な人への贈り物としていかがですか?

『翻訳できない世界のことば』は、他の記事でも紹介しています。
大人が、ジ~ンとくる、しみる絵本10選

 

 

幸福な気持ちに包まれる絵本。

『幸福な質問』おーなり由子/作・絵 新潮社

こちらは、お互いを大切に思うイヌさんとイヌ君のやりとりを描いた、温もりが感じられる絵本です。

イヌ君の愛情を確かめるように、イヌ君にたくさんの質問を投げかけるイヌさん。
どんないじわるな質問も、愛情深い言葉でイヌさんに返してしまうイヌ君。
ふたり(2ひき?)のやり取りからは、自分にとってどれほど相手が大切で、なくてはならない存在かが伝わってきます。

おーなりさんの絵本は、やわらかな文と絵が特徴で、見ると幸せな気持ちになるものばかり。こちらの絵本もぽかぽかと日向の中にいるような温かい作品となっているので、プレゼントにもピッタリですよ。
絵本でイヌさんがした質問と同じことを聞いたら、あの人はなんて言うかな・・・なんて想像しながら、大切な人を頭の中に思い描いて読んでほしい一冊です。

 

手のひらサイズが可愛すぎる!

『ダヤンのたんじょうび(ダヤンの豆本劇場)』池田 あきこ/著 河出書房新社

プレゼントを贈る相手が、ねこ好きな人、もしくは雑貨好きな人なのであれば、このような絵本はどうでしょうか。

こちらは、ダヤン30周年を記念して作られた素敵な豆本セットです。
手のひらサイズの小さな絵本に、レジン性のフィギアが1体付いていて、外箱は、池田あきこ先生書き下ろしイラストを使用しているので特別感があり、贈り物に最適です。

気になる豆本の内容は、自分の誕生日を知らないダヤンがカシガリ山の魔女三姉妹に誕生日を見つけてもらうためにお願いに行くのですが・・・といった感じで、初めてダヤンシリーズを読む人でも楽しめる内容になっています。
コミカルな魔女三姉妹に笑ったり、赤ちゃんダヤンの登場に癒されたり、絵本としても申し分のない一冊となっているので、ここからダヤンシリーズにハマる人もいるかも知れませんね。

 

珈琲豆を添えてプレゼントするのがおすすめ。

『COFFEE TIME-珈琲とめぐる毎日-』ナカセコ エミコ/作 マリカ・うのまみ/絵 ニジノ絵本屋

こちらは、ほっと一息、コーヒータイムのような、ひと時を味わえる絵本です。
仕事や家事に追われる毎日、心の休憩はやはり大切。本書には、心が穏やかになる言葉がたくさん散りばめられているので、読むと肩の力がすっと抜けます。

なるべく笑う、たくさん笑う、
ちょっと笑えないときこそ、笑ってみよう。

口角を上に動かすと、脳は幸せを感じるのだとか。
笑顔でいることは、気分だけの問題でもなさそう。
笑うとちょといいことがありそうです。

日本語と英語で綴られた、素敵な言葉の数々。挿絵の絵も、愛らしいねこや犬がたくさん描かれていて、癒し効果抜群です。
一生懸命頑張っている誰かに、ぜひ、珈琲豆と一緒にプレゼントしてあげてください。

 

美しいデザインはプレゼントに最適。

『モミの木』クリスチャン・アンデルセン/著 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮 由/訳 アノニマ・スタジオ

こちらは、アンデルセン童話の名作『モミの木』に、マリメッコのデザイナーとしても活躍するサンナ・アンヌッカがイラストを担当した、デザイン性の高い絵本です。
布貼りの表紙には、金箔押しがほどこされていて、ページを捲れば、美しい配色で彩られた世界にたちまち心を奪われてしまいます。

美しい森の中で生まれ育ちながらも、お日様や澄んだ空気には見向きもしないで、大きくなることだけをただ願う、モミの木。大きくなると人に伐られてどこに運ばれていくのか、モミの木は、そんなまだ見ぬ未来ばかりが気になって仕方がありません。
日本ではあまり知られた話ではありませんが、『モミの木』は、近くにありすぎて見落としがちな「幸せ」を大事にしようというメッセージの込められた素敵なお話です。戻らない時を嘆いたり、まだ見ぬ未来へ急ぐ前に、目の前の今を楽しむことが大切なのだと、この物語は教えてくれます。
「あの頃はよかった・・・。」そんなつぶやきをしてしまいがちな大人にこそ、読んでほしい一冊です。

 

これぞ、大人が読むべき絵本。

『トムテ』ヴィクトール・リードベリ/著 ハラルド・ウィーベリ/絵 偕成社

トムテは、スウェーデンの農家や仕事場などに住んでいると言われている小人で、その家の人々が幸せになるように見守ってくれる守り神のような存在です。昔から北欧地方の人たちにとって馴染み深い存在なので、『ニルスのふしぎな旅』(セルマ ラーゲルレーヴ /著)など、いろいろな物語にも登場しています。

あとがきによれば、この『トムテ』という詩は、十九世紀にスウェーデンの詩人であるリードベリが1882年に発表してから今日までスウェーデンの人たちに愛され、親しまれてきたのだそうです。

ひとは、どこから くるのだろう。
こどもが おやになり、また その こどもが おやになる。
にぎやかに たのしく くらし、としおいて、
やがて いってしまう。
だが、どこへ いくのだろう。

人間よりはるかに長い年月を生きる、トムテの目を通して、命の源について考える本書は、哲学的であり、不思議な魅力に溢れています。子どもだけに読ませるにはもったいない名作絵本です。

絵本だって、素敵なプレゼントになるのです。

いかがでしたか?
特別感のある美しい挿絵や装丁であったり、大切な人と共有したい物語であったり、あなたが大切な誰かのことを思って贈る時、絵本は本当に素敵なプレゼントになります。

大切な人への気持ちを、素敵な絵本にのせて贈ってみませんか?

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【子ども編】クリスマスプレゼントには、ちょっと特別な絵本を。

目次

絵本は、プレゼントに最適

クリスマスプレゼントのご購入はお済みですか?
玩具屋を梯子しながら、中にはギリギリになって慌てて買いに走っていらっしゃる方もいるかも知れませんね。
そんな方には、ぜひ、本屋に立ち寄って見られることをお勧めします。
絵本は、子どもはもちろんのこと、貰った子どもの親にとっても、玩具に比べて嵩張らず棚にしまえるので、喜ばしいプレゼントの一つです。
また、年齢にあった玩具や、流行りのゲームとは違い、ずっと長い間手元に残しておくことが出来るのも良いですよね。

プレゼントする子どもを想像しながら、どの絵本にしようかと考えるその時間・・・。
ぜひ、その至福の時をお楽しみください。

クリスマスプレゼントにおすすめしたい、特別感のある絵本15選

 

【小学男子編】

まずは、小学生の男の子が喜びそうな、特別感のある絵本を5冊ご紹介します。

とにかくド迫力!

『恐竜時代』ロバート・サブダ/著 大日本絵画

こちらは、開いた途端、お子さんの驚いた声が聞ける仕掛け絵本です。
ダイナミックな恐竜の仕掛けが、絵本を捲るたびに現れて、シンプルな表紙からは想像出来ない満足感を味わえます。
好きな子も多い、ティラノサウルスの仕掛けがこちら。※絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より
絵本から今にも這い出してきそうです!
インパクトだけでなく、恐竜の知識もちゃんと学べるので、こんな本をプレゼントしてもらったお子さんは、間違いなく恐竜好きになりそうですね。
本を両手で持って、パタパタと開け閉めすると、まるで恐竜が動いているように見えます。ぜひ、お子さんと一緒に試してみてください。

(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)
 

小1むすこ
小1むすこ

すごっ!!どうやって作ってるんだ!!恐竜、動いてる・・・。(息子談)

 

 

今、仕掛け絵本はここまで来た!

『サファリ』キャロル・カウフマン/作 大日本絵画

こちらは、映像のように、動物の動く姿が楽しめる作品です。
最初にこの絵本を見た時、「仕掛け絵本も、ついに、ここまで来たか!」と感動しました。
こればっかりは、手にもって確かめてもらうしか方法がなく、文面で感動をお伝えしきれないのが申し訳ないです。
このサファリの他にも、海の生き物『オーシャン』、氷の世界に住む生き物『ポーラ』、ジャングルの生き物『ジャングル』、絶滅寸前の生き物『ワイルド』があり、どれも感動が味わえますが、私のお勧めは、やはり『サファリ』です。アフリカで、実際に生きる野生動物たちを観察してきた著者が放つ、動物たちの躍動感が本当に素晴らしいです。
 

小1むすこ
小1むすこ

なんで?テレビじゃないのに、テレビみたい!!・・・テレビが本に、くっついてるの?(息子談)

 

 

知りたい気持ちを育てる絵本。

『地球探検』ジェン・グリーン/著 大日本絵画

地球の不思議について、ポップアップや透明シートで、わかりやすく説明してくれいている絵本です。
透明のシートで、本来ならば見えないはずの部分を見せてくれているので、新しい発見がいろいろ得られて、興味深く読み進めていくことが出来ます。
例えば、こちら。火山噴火の様子がリアルに表現されています。
自分が住んでいる地球の不思議について、楽しみながら沢山学べるので、「知りたい」気持ちの強い、好奇心旺盛な子にピッタリな一冊かも知れませんね。
(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)

 

 

 

 

図鑑を考えているけれど、どれが良いかわからない人におすすめ!

『[新版]くらべる図鑑』 小学館

この機会に、図鑑をプレゼントしようとお考えの方は、『くらべる図鑑』はいかがでしょうか。
いろいろな出版社から図鑑は出ていますが、セット買いすると結構な値が張りますし、どの図鑑が良いのか比較して決めるにも、数が沢山ありすぎてなかなか大変です。その点、こちらの図鑑はシリーズではなく、一巻で完結しているので、購入しやすくプレゼントには最適です。子どもがよく聞く、「〇〇と△△、どっちが大きいの?」という疑問に、絵で、わかりやすく答えてくれているので、図鑑を眺めているだけで知識を得ることが出来ますよ。
また、現実では比べようのない、比較が不可能なものを、あえて隣に並べて比べているので、そんな非現実的な絵を楽しめるのもこの図鑑の醍醐味の一つかも知れません。

かっこいい空想生物に憧れるなら、こちら!

『幻の動物とその生息地 新装版』J.K.ローリング/著 静山社

こちらは、あのハリーポッターの中で、ハリー達が教科書として使っていたとされる本を、著者であるJ.K.ローリングが実際に再現した作品です。以前のものは、著者が挿絵を担当していたようですが、2017年に新装版となってからは、Jonny Duddleの装画と、Tomislav Tomicの挿絵で、更に、豪華にバージョンアップしています。物語上では、魔法動物学者のニュート・スキャマンダーが本書を書いたことになっているので、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』と合わせて見るのも面白いかも知れませんね。想像が膨らむ、魔法動物のガイドブックです。

小学生の男の子は、やはり、かっこいい物に憧れる傾向にありますよね。
それに「わくわく」が付いてくるものであれば、尚更、
少年心を擽るのではないでしょうか。

 


 

【小学女子編】

次に、小学生の女の子が喜びそうな、特別感のある絵本を5冊ご紹介します。

開けば、美しい妖精の世界にうっとり!

『フラワー・フェアリーズ魔法のとびら』シシリー・メアリー・バーカ/著 大日本絵画

開いた瞬間、女の子なら誰しもが歓声を上げたくなる世界観。それは、まるで、本全体に魔法がかかっているような、不思議な感覚です。
ページを捲って、妖精の王国へと続く魔法の扉を見つける のですが、どのページも細かい絵と色づかいにため息がこぼれます。仕掛けを動かしながら、愛らしい妖精にうっとりしていると、最後の豪華な仕掛けにビックリ。今にも飛び立っていきそうな妖精たちに、親子でうっとりしながら読んでもらいたい一冊です。

切り絵アートのような精巧な作り

『くるみ割り人形』ロクサヌ・マリー・ギャイエ/著 大日本絵画

映画やバレエで人気の古典作品が、美しい絵本になりました。これまで、様々な作家さんの手によって描かれてきた『くるみ割り人形』ですが、こちらは特に芸術的で心打たれます。
中を開いてみますと、美しい切り絵の世界が広がります。
絵そのものは、いたってシンプルですが、三層の切り絵で表現されているので、奥行きがあって、物語に引き込まれるものがありますね。
美しい絵画を見ているような、ずっと眺めていたい作品です。
(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)

 

 

可愛らしくて、満足感を味わえる作品を。

『ピーターラビットの絵本 贈り物セット』ビアトリクス・ポター/著 福音館書店

こちらは、物語に出てくる動物たちのユーモアのあるエピソードや、優しいタッチで描かれたイギリスの風景に、心癒される名作です。ラ・フォンテーヌの寓話集のような、教訓めいた部分もあるので、親から子へのプレゼントとしてもピッタリなのではないでしょうか。
ピーターラビットの絵本は、著者、ビアトリクス・ポターが友人の息子に宛てた絵手紙が基で書かれた物語だそうで、その為か、描かれているエピソードや絵は、どこか暖かで、温もりを感じるものばかりです。大切な人へ贈るために描かれたことを思うと、誰かにプレゼントするには最適なシリーズですね。

立体的なキラキラの馬車に、目を輝かせて!

『シンデレラ』マシュー・ラインハート/著 大日本絵画

誰もが知る名作が、華やかな仕掛け絵本になりました。舞踏会のシーンを描いたページでは、両手に本を持って開いたり閉じたりすることで、人々がくるくるとダンスを踊るようになり、ため息がこぼれますし、
馬車のシーンでは、煌びやかな立体馬車に感動すら覚えます。どのページもずっと開いたままで飾っておきたいほどの仕掛けの数々ですが、物語もしっかり描かれているので読み応えもある一冊です。ピーターパンや、不思議の国のアリスなど、沢山シリーズ化しているので、お子さんの好きな物語を選んでプレゼントしてあげると喜んでくれるかも知れませんね。
(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)

 

幾層にも重なって作られた芸術に、感動!

『白雪姫』ジェーン・レイ/著 大日本絵画

こちらは、飛び出るタイプとは違う、舞台型のしかけ絵本です。前に紹介した『くるみ割り人形』のような切り絵を何層にも重ねることで、絵に奥行きが生まれています。
どのページも、物語の一場面を上手に切り取っていて素敵ですが、登場人物たちの表情はどこかシュールで、子どもに媚びていないところが新鮮です。各ページには赤い幕が描かれていて、まるで、小さな舞台を見ているような雰囲気を出しており、豪華な絵を更に引き立たせています。
特別な日の贈り物には最適な一冊です。
(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)
 

小1むすこ
小1むすこ

ぼくも同じようなの作ってみるわ!(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

面白かった!私もつくる・・・。(娘談)

 

 

小学生の女の子は、キラキラした可愛いものが大好きです。
精巧に作られた仕掛け絵本は、やはり、女の子の目を引き付けて放しません。
特別な日には、誰もが知っている「名作」に、大胆なエッセンスが加えられたものを
プレゼントしてみてはいかがでしょうか。

 


 

【男女どちらも編】

最後に、小学生の男女、どちらにもお勧めな、特別感のある絵本を5冊ご紹介します。

色々な仕掛けが楽しい!

『サンタさんのてがみ』ジョセフィン・コリンズ/著 ひさかたチャイルド

クリスマスの準備で、サンタさんは大忙し。そんな中、サンタさん宛ての手紙が一通、行方不明になってしまったから、さあ大変です。ねずみさんと一緒にいろいろな仕掛けを楽しみながら、手紙を探していくという、なんとも、ほっこりするお話のこちら。
子どもたちがサンタさんへ書いた手紙が封筒の中に入っていて、サンタさんがそれを読むという、子ども心を擽る絵本です。もちろん、実際にこの手紙は封筒から取り出して読めるようになっています。他にも、ひみつの地図や、立ち上がりの仕掛けなどもあって、遊べる仕掛けが随所に散りばめられています。見開きでサンタさんの家の様子が見られるのも楽しいですね。何歳になっても、こういった絵本は夢があって、子どもに贈りたい衝動にかられます。

この表紙が大丈夫そうな子なら、おすすめです!

『Alive生きている体』レイン・スミス/著 大日本絵画

表紙のインパクトが強すぎて怖い話かと思いきや、こちらは、ヒトの体の中を見事な仕掛けで解説している、図鑑のような絵本です。
なんと、ページを開くとドクドク心臓の音が!音が出る仕掛けは、少しドキリとさせられますね。絵では隠れてしまって見えない、身体の中の構造が、立体であるが故にとてもよくわかります。リアリティーにこだわっているのか、色や作りが、なかなかリアルな感じなので、そういうのが気にならないお子さんには、お勧めです。自分の身体の中の仕組みが、これほど簡単に、目で見て理解できる本は然う然うないのではないでしょうか。
(※画像:絵本ナビhttps://www.ehonnavi.net/より)

 

世界中で大人気の探し絵本。

『ミッケ(全8巻セット)』ジーン・マルゾーロ/著 小学館

私が子どもの頃は、『ウォーリーをさがせ!』が大ブームで、雨の日など教室でみんなこぞってウォーリーを探していましたが、今の時代はこちらです。(ウォーリーも未だ人気ではありますが。)
発売している小学館のホームページによると、日本だけでシリーズ累計860万部突破しているそうで、大人気の探し絵本です。

精巧なジオラマの中に隠されている、おもちゃや模型、アンティークやぬいぐるみなど、さまざまなものを探していく、おとなもこどもも一緒に楽しめる謎解き
(小学館ホームページhttps://www.shogakukan.co.jpより)

ウォーリーと違う点は、まさにここ。ウォーリーが細部まで描かれた絵が持ち味だったのに対して、どこかおしゃれな雰囲気が漂う、ジオラマ写真の中から、指示されたものを探し出していくのが『ミッケ!』の面白さなのです。ぜひ、ご家族でミッケを開いて、わいわいと団欒をして楽しんでください。

愛蔵版ならではの、特別感を味わって!

『愛蔵版エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット/著 福音館書店

こちらは、なんと言っても装丁が美しく、クロス調の表紙がおしゃれです。大切な人にプレゼントしてくださいと言っているようなものです。刊行60周年ということを記念して、絵や文を新規に作り直したという出版社の気合の入れようが、本書からビシバシと伝わってきます。
物語としても、広く読み継がれてきた名作だけに申し分なく、『エルマーのぼうけん』『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』の3巻を通して進んでいくエルマーと竜たちの知恵と勇気の大冒険は、終始、子どもたちをわくわくとさせてくれることでしょう。
1巻読むごとに面白すぎて続きが気になるので、まとめて3巻セットは子どもたちにとって、願ったりな、嬉しいプレゼントとなるに違いありません。
 

小1むすこ
小1むすこ

エルマーが頭良くて、いつも凄いと思う。
エルマーがみかんの中身を食べて、竜がみかんの皮を食べるところが面白い!(息子談)

 

 

大学受験にも使える、一生物!

『学習まんが少年少女 日本の歴史』 小学館

最後は、これまでとは少し路線を変えて、絵本ではなく、歴史の学習まんがシリーズをご紹介します。
こちらは、映画にもなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の中で、著者である坪田信貴さんが実際にお勧めしていた勉強法の一つで、数ある、日本の歴史学習まんがの中でも、一番歴史の流れが掴みやすいとおっしゃられていたシリーズです。まんがだからと言って、侮ってはならないということですね。まんがを何度も読み込むことで、歴史好きになれるのであれば、お子さんも願ったり叶ったりなのではないでしょうか。
ちなみに、世界史は集英社が出しているシリーズがお勧めだそうですよ。

クリスマスプレゼントを見つけに、本屋へ行こう

いかがでしたか?
仕掛けのある絵本を中心に、
普段では、なかなか手が出しづらい、
特別感のあるものを選んでみました。

ゲームに溺れる小学生ばかりの昨今、
クリスマスのプレゼントが本だと聞いて、
がっかりした顔を見せる子も、中にはいることでしょう。

けれども、ページを開いて歓声が上がる本は、
ここでご紹介した以外にも、世の中に、まだまだ沢山、出回っています。
ぜひ、実際に本屋へ出向いて、触って、確かめてみてください。

絵本だって、立派なクリスマスプレゼントになりますから・・・。

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クリスマスに、子どもに読み聞かせたい絵本10選

待ち遠しいクリスマスを絵本から感じる喜び

子どもたちにとって、クリスマスは楽しみで仕方のないイベントの一つです。
「いい子しかプレゼントはもらえないよ!」などと言われながら、
その日をドキドキして待っている子も、
「気の良いおじいさんが、遠く北極圏から遥々そりを飛ばして、世界中の子どもたちにプレゼントを配ってくれる」
その不思議な話に、心の中で戸惑っている子も、
どんな子にも、その一大イベントを楽しむ権利があります。
今回、クリスマスに子どもに読み聞かせたい絵本として、10冊の絵本を紹介しています。
どの絵本も、クリスマスシーズンにピッタリな、心温まる物語ばかりです。
クリスマスが楽しみな子どもたちに、ぜひ、絵本からもクリスマスの雰囲気を味わせてあげてください。
そして、あわよくば、クリスマスがどういうもので、サンタクロースというおじいさんが何者なのか、
絵本で答えが見つかるといいですね。

クリスマスに、子どもに読み聞かせたい絵本10選

 

サンタクロースのモデルとなった、聖ニコラス

『クリスマスにくつしたをさげるわけ』間所ひさこ/さく・降矢加代子/え 教育画劇

 

小1むすこ
小1むすこ

こまってる人が助かってよかった。
・・・昔はサンタさん、プレゼントじゃなくて、お金をあげてたの?(息子談)

 

 

何歳になっても、こんな汽車に乗ってみたい!

『急行「北極号」』クリス・ヴァン・オールズバーグ/さく あすなろ書房

 

小1むすこ
小1むすこ

汽車の中が子どもたちだけなのが、面白かった。サンタの国に行ってみたい。(息子談)

 

 

サンタさんが見える箱?!

『クリスマスのふしぎなはこ』長谷川 摂子/ぶん・斉藤 俊行/え 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

小さいサンタさんが一生懸命がんばってて、面白かった。(息子談)

 

 

最後まで、「サンタ」という名前は出てきませんが・・・。

『ぐりとぐらのおきゃくさま』中川 李枝子/さく・山脇 百合子/え 福音館書店

 

最後は誰のツリーになる?!

『おおきいツリーちいさいツリー』ロバート・バリー/さく・え 大日本図書

 

小1むすこ
小1むすこ

小さいツリーを飾って、喜んでいるところが良かった。
どこまで小さくなるのか気になった。(息子談)

 

 

大切な人の笑顔を思い浮かべて、おくりものを選ぼう。

『賢者のおくりもの』オー・ヘンリー/さく・リスベート・ツヴェルガー/え 冨山房

 

小1むすこ
小1むすこ

ちょっと、むずかしかった。
かわいそうな話だったけど・・・。(息子談)

 

 

誰が誰にプレゼントしたっていい!

『クリスマスにはおくりもの』五味 太郎/さく・え 絵本館

 

小1むすこ
小1むすこ

サンタさんも喜ぶんだね!嬉しそうでよかった。(息子談)

 

 

細かく描きこまれた絵も魅力的です。

『サンタクロースと小人たち』マウリ・クンナス/さく・え 偕成社

 

今回は、あの人を助けます!

『おたすけこびとのクリスマス』なかがわ ちひろ/ぶん・コヨセ ジュンジ/え 徳間書店

 

4才むすめ
4才むすめ

小人がみんな仲良しで、かわいい。(娘談)

 

 

素敵な仕掛けが、嬉しい絵本。

『バスでおでかけ』間瀬 なおかた/さく・え ひさかたチャイルド

 

小1むすこ
小1むすこ

このバスは、楽しそうなところばかりを通るね~。クリスマスツリーのページもいいけど、他のページも楽しそう。(息子談)

 

 

まとめ ~クリスマスまでに~

最近、日本でも少しずつ知られてきた、ドイツの菓子パン「シュトーレン」をご存じですか?
レーズンやナッツ等が混ざった生地に、真っ白くなるまで粉砂糖が塗してある、甘~いお菓子です。
日本でも、ここ最近になって、パン屋さんで目に見ることが増えてきたように思います。
ドイツでは、クリスマスまでの待ち遠しい気持ちと共に、
クリスマスまでの4週間をかけて、このシュトーレンを薄く切って少しずつ食べていくのだそうです。
このシュトーレンのように、クリスマスまでのわくわくとした気持ちを、
絵本からも沢山味わって、クリスマス当日を待ち遠しく感じてもらえたらと思います。
「サンタさんって本当にいるのかな?」
「クリスマスって、なんであるのかな?」
クリスマスまでに、クリスマスの話を親子で沢山できると良いですね。

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トイレトレーニング期間中や、トイレ嫌いの子どもに読み聞かせたい絵本

トイレに行きたい!と思わせることが大事?!

今回は、トイレトレーニング中のお子さんや、一人でトイレに行くのを怖がるお兄ちゃんお姉ちゃんに、ぜひ、読み聞かせて頂きたい絵本を7冊ご用意致しました!
なぜ、人はトイレに行かなければならないのかが丁寧に描かれている絵本や、トイレそのものに興味を持つことのできる絵本など、子どもたちに、トイレへ行こうという気を起こさせてくれるものを中心に選んだので、ぜひ、この機会にお子さんに読み聞かせをして「苦手なトイレ」を克服させてあげてください。

トイレ嫌いを克服できるかもしれない絵本 7選

食べたものがうんこになるまでの旅の話

『うんこのできるまで―食べものの旅』作・絵:佐藤 守 出版社:岩崎書店

こちらは、口から食べたものが体の中でどのように形を変え、お尻から排泄物として出ていくのかまでが、可愛らしいイラストで説明されている絵本です。
説明とは言っても、体の中に住む三角帽子を被った小人たちが食べ物を運んでいる旅の様子が描かれているだけなので、未就学児でも仕組みが捉えやすく、最後まで飽きずに見ることが出来ます。

また、この絵本にはおすすめの読み方がありますので、絵本にあまり興味がなさそうなお子さんに読み聞かせする時などに、ぜひ、試してみてください。
食べ物を運ぼうとしているたくさんの小人たちの中から、「この小人の旅を追いかけよう!」と決めて、ぜひ、その小人だけに注目してページを捲ってみてください。目的地は一緒でも、小人によって道中の出来事はいろいろ。小人それぞれの旅を楽しむことができ、子どもたちの注目度もグッと高まります。
「次はどの小人さんの旅を追いかけてみる?」なんて言いながら、お子さんと一緒に、うんこのできるまでの旅をお楽しみください。
 

わたし
わたし

2、3歳の子に読んであげるときには、「小人さん、こうなったよ~、ああなったね~。」なんて言いながら絵をしっかり楽しませてあげてください。
必ずしも、文の通りに読まなくてもいいと思います。

 

 

おまるでいい気持ち!

『いっしょにうんち ―あかちゃんといっしょ0・1・2―』作・絵:福田岩緒 出版社:フレーベル館

こちらは、おまるに座らないお子さんに読み聞かせてあげてほしい、0歳さんから2歳さんまでの読み聞かせシリーズです。
うんちがきらいな男の子のところに、いろいろな動物さんがやってきて、「使わないトイレなら、ぼくにかして!」とトイレを借りにやってくるお話です。みんなが喜んで使っていくうちに、男の子も段々とトイレ(おまる)を使いたくなってくるので、「〇〇ちゃんのトイレはどんなトイレかな~?」なんて言いながら、トイレを使うことに興味を持ってもらえればいいですよね。
 

わたし
わたし

男の子の名前を自分の子に置き換えて読むと、食いつきが違いますよ。

 

 

トイレのありがたみが分かる!

『もっちゃうもっちゃうもうもっちゃう』作・絵:土屋富士夫 出版社:徳間書店

トイレのありがたみが分かる絵本と言えば、こちら。
とにかくトイレに行きたいけど、やっと見つけたトイレが工事中だったり、人間用ではなかったり。デパートの中でトイレを必死に探し回る男の子のお話です。最後のオチは、けっこう現実に「あるある」だったりするかも知れません。

寝る前にごぶごぶと何杯も水を飲んでいたうちの息子(現三年生)に、「もっちゃうもっちゃうの、ひで君みたいになるぞ~。」と言うと、かなりの効果がありました。また、寝る前にトイレに行こうとしない娘(年長児)にも効果はてきめんです。子どもたち自ら「読んで!」と持ってくる、とても楽しいお話なので、ぜひ、トイレ嫌いなお子さんに読み聞かせてあげてください。
 

 

トイレを怖がらなくなる、画期的な方法とは?!

『トイレさくせん(すえっこななちゃんシリーズ)』作:梅田佳子・絵: 梅田夕海 出版社:新日本出版社

こちらは、トイレが怖くて、ひとりで行くことが出来ない女の子のお話です。
何を隠そう、このお話には、ひとりでトイレに行けないという同じ悩みを持つご家庭にとって、「なるほど。取り入れてみようかな」と思えるちょっとした秘策が載っています。トイレトレーニングの絵本は世の中にたくさん出回っていますが、「おお!試してみよう!」と、思わず実践したくなる方法が載っているものとはなかなか出会えませんよね。
妹の為にお姉ちゃんが編み出した、トイレ克服法。この絵本を読んで、ぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。
 

わたし
わたし

我が家では、
「ねねちゃん(赤ちゃんの人形)が、トイレの仕方わからないんだって~。」
「(娘)ちゃん、お手本見せてあげて~。」
何て言いながら、トイレに誘導してました。

 

 

「なぜ、うちの子は間に合わない?」と思ったら読んでほしい絵本

『はるちゃんトイレ』作:中川ひろたか・絵: 田中靖夫 出版社:文渓堂

こちらは、はるちゃんがトイレに行きたくなってから、トイレにたどり着くまでの様子を描いた、着眼点がとてもユニークな絵本です。はるちゃんの表情もなんとも言えない感じでクセになります。

作者である中川さんは、元保育士さんというだけのことあって、子ども心というものを本当によく分かっているのだな~と感心してしまいます。思い起こせば、我が子もしょっちゅうトイレに間に合わず、失敗していました。「トイレに行きたくなったら、我慢せずにすぐ行くようにしなさい!」と、何度言って聞かせたことか・・・。どうしてギリギリまで危うくなるまで我慢してしまうのだろうかと、親から見ると子の行動はなぞばかりでしたが、「いろいろなことに対する好奇心が、トイレに行くことを上回ってしまう」のだと、この絵本を読んで妙に納得致しました。
子どもの視点で見ることって、大切ですね。
 

 

あなたのうんちお元気ですか?

『うんち(はじめての絵本たいむ)』作・絵: いもとようこ 出版社:金の星社

こちらは、動物や昆虫の色や大きさが違ううんちがたくさん出てくるので、生き物は誰しもが皆うんちをするのだということが小さなお子さんでも理解できる絵本です。うちの子たちは、この絵本から、自分のうんちにも興味を持って、色を見たり、形を見たり・・・うんち観察をはじめました。
どんなうんちが出るかな~?」なんて言いながら、トイレへ誘導できればしてやったりですね。
うんちばかりで、うんちが前面に出た絵本ですが、いもとようこさんの手にかかれば、うんちもこの可愛さです。いもとさんの絵本は温かみがあって、読み聞かせしていると親子共に和みますね。
 

 

しーしーしーは何の音?

『ノンタンおしっこしーしー(赤ちゃん版ノンタン)』作・絵:キヨノサチコ 出版社:偕成社

こちらは、赤ちゃん版ノンタンのシリーズで、ぶたさんがおむつで、たぬきさんがおまるで、くまさんはトイレでのしーしーが成功する中、残念ながらノンタンがやらかしてしまうお話です。読んだ後に、「失敗をしてしまっても大丈夫、ノンタンたちみたいに楽しみながら練習していこうね~。」なんて素敵な声掛けが出来るといいですね。
ノンタンのお話はどれも言葉の調子が良くて、歌うように読み聞かせが出来るので、何度も読んでいると親子共々まるっと覚えてしまいます。そのうち、トイレに行きたくなると、「しーしーでる」なんて可愛い2語が飛び出すかもしれませんね。
 

わたし
わたし

赤ちゃん版ノンタンシリーズは手ごろな大きさと価格で、
外出先であやす時や、おうちでの子育てに大いに役立ちましたよ。

 

 

子育てに絵本をどんどん取り入れよう

いかがでしたか?
ぜひ、この機会に実物を図書館や書店で手に取って、お子さんに試し読みをしてみてあげてください。
絵本には、読み聞かせをしてもらっている側だけでなく、読んでいる側も、癒す効果があるように私は思います。
お父さん、お母さんがゆったりとした気持ちでお子さんの笑顔に癒されながら子育てが出来るように、これからもたくさんの絵本をご紹介できればと思います。

このブログが本を必要としている、皆様のお役に立ちますように・・・。

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電車好きに読んであげたい、電車の絵本7選

電車好きに読んであげたい「電車の絵本」

ある程度お子さんが大きくなってくると、図鑑のような「見る」絵本ではなく、ストーリー性のある絵本も読み聞かせてあげてみてはいかがでしょうか。
中には、絵本になかなか興味を示さないお子さんもおられるかも知れません。そんなお子さんには、ぜひ、お子さんの「好き」に焦点を当てて絵本選びをしてあげてください。たとえ絵本という媒体に興味がなかったとしても、大好きなものの写真や絵が載っているページがあれば、子どもはずっと眺めていられます。
我が子が今、何に興味を持っているか・・・子どもと触れ合いながら、たくさん発見できるといいですね。

さて、今回は「電車」にスポットライトを当てて素敵な絵本を7冊集めましたよ。
電車好きのお子さんに、ぜひ、読み聞かせてあげてください!

電車の絵本7選

行きも帰りも楽しめる絵本

『でんしゃでいこうでんしゃでかえろう』間瀬 なおかた/著 ひさかたチャイルド

こちらは字が少ないので2歳ぐらいの子でも飽きずに見ることのできる、電車のしかけ絵本です。
雪の降り積もる村から始まり、トンネルを抜けるごとに外の風景が変化していきますが、景色だけでなく、真っ暗なトンネルの中では乗客たちの行動にも少しずつ変化が見られます。間違い探しの本ではないですが、お子さんと一緒にどこが変わったか乗客たちのそういった変化を楽しむのもいいですね。
トンネルの入口と出口の部分が切り抜かれていて、トンネルの中から外の景色(次のページの絵)が見える仕掛けがあるので、我が家の小学生も前後のページを何度もめくって楽しんでいました。
通る場所によって、電車の音が微妙に変化するのがうちの6歳児は面白かったようですよ。全部読んだ後で、この絵本のもう一つのからくりに気づき、思わずもう一度読んでしまいましたが・・・それは読んでのお楽しみと言うことで詳しくここでは触れません。

間瀬さんは他にも、電車やバス、はしご車など、たくさんの乗り物の絵本を出版されています。どのお話も子どもの好奇心がくすぐられるちょっとした仕掛けが施されているので、ぜひ、他のお話も読みきかせしてあげてください。
 

 

電車旅行に出かけよう

『いろんなでんしゃ はっしゃしまーす』岡本 雄司/著 アリス館

こちらは、電車好きならば、この表紙から絶対食いつくであろう一冊です。
載っているのは関東のいろいろな電車たち。関東圏でなければあまり馴染みがないかも知れませんが、こちらの絵本には本編に出てくる電車のイラストと名前が一覧にしてある小冊子が付いているのでその辺は心配いりません。お子さんに電車名を聞かれた時にはさっとそれを出して答えてあげればいいのです。
実物そっくりに描かれた電車に、電車好きのお子さんは大興奮間違いなし。
いろいろな電車でお父さんやお母さんたちと旅をするぼくと一緒に、電車の旅に出かけた気分が味わえますよ。
 

 

空飛ぶ電車みたい!

『モノレールの たび (かがくのとも絵本)』みねお みつ/著 福音館書店

こちらは、湘南モノレールをモデルにして、ターミナル駅から海のある町まで運行するモノレールの旅を描いた絵本です。細部まで忠実に描かれたモノレールはもちろんのこと、その下の町並や道路、下にいる人々の様子までもがリアルに描かれていて、まるで体感しているかのような錯覚すら起こします。
モノレールの車庫内部の様子なども載っているので、大人も読み聞かせながら「へ~っ」と思わず声を漏らしてしまいました。私も子どもたちもモノレールには乗ったことがないので、この絵本を読んだことにより、まるで空を飛んでいるような感覚を味わってみたくなりましたよ。
 

 

世界中で愛されるロングセラー絵本

『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』バージニア・リー・バートン/ぶん・え むらおかはなこ/やく 福音館書店

こちらは、ある程度長いお話でも落ち着いて聞けるようになったら、ぜひ、読んであげてほしい機関車が主役の絵本です。
色彩豊かな絵本に慣れているお子さんは、読み始めは慣れない白黒に戸惑うかもしれませんが、読み進めていくうちにすぐに引き込まれていくはずです。トーマス大好きだった我が子も、この絵本の虜になった内の一人。地味な色味などすぐに気にならなくなるほどの躍動感に目をキラキラさせ、読み終えると「もう一回!(読んで)」が何度も聞けた思い出の絵本です。
自分勝手に暴走してしまう機関車がどうなるのか、気になる内容もさることながら、文章の配置にユーモアがあったり、リズムの良い文体が読んでいて心地よいです。
物語に引き込まれて、そのうち、その白黒の色使いすら、舞い上がる石炭の煙を表現しているのではないかと思えてしまったのは私だけではないはず・・・。
 

 

機関車の逃避行

『小さなきかんしゃ』グレアム・グリーン/文 エドワード・アーディゾーニ/絵 阿川弘之/訳 文化出版

こちらは、いつも同じ道ばかり走らされていた小さな機関車が、それに飽き飽きして逃避行をしてしまうお話です。
この絵本の作者グレアム・グリーンは『第三の男』などで有名なイギリスの小説家です。その名を知っている人は「こんな絵本を書いていたのか・・・」と驚くことと思いますが、ストーリーは全く難しくなく、先に紹介した『いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう』と通ずるところがあるような気がします。
我が子は、冒険した範囲が地図で記されているところが面白かったようで、食い入るように見ていました。
小さな機関車の冒険が最後にはどうなるのか、楽しく読める一冊ですよ。
 

 

ホームの一日。

『でんしゃがまいります』秋山とも子/さく 福音館書店

こちらは、1987年頃の、中央線新宿駅の1日を描いた絵本です。まるでその時代の一部を切り取ったかのようなリアルな絵が見ていて懐かしさあふれます。1ページ、1ページの描き込みが素晴らしく、「この人、何してる?」「靴、拾ってるねえ。」と、親子共に思わず見入ってしまいました。
ホームの一日と言うことで、乗客の様子だけでなく、事務所の中で駅員さんが休憩を取っている様子なども描かれているのが、普通なら見られない部分が知られて面白いです。
 

 

テレビでおなじみシリーズの原作絵本

『汽車の絵本 機関車トーマス』ウィルバート・オードリー/著 ポプラ社

こちらは、テレビでおなじみの「きかんしゃトーマス」の原作本シリーズです。レトロ可愛いイラストとともに、テレビの元となったトーマスの4つのお話を楽しめます。少し生意気でお調子者のトーマスがとても子どもらしくて可愛い作品です。
なんと、トーマスの絵本が出版されてから2020年で75周年を迎えたそうです。ウィルバート・オードリーが毎晩2歳のお子さんに話して聞かせていた、自分が好きな鉄道を題材にしたお話が元となり、『汽車のえほんシリーズ』が誕生したということですが、オードリーが想像した機関車たちの世界を形に出来たのには、画家であるレジナルド・ドールビーの力も大きかったそうですよ。このような個性豊かな絵になったからこそ、心躍る機関車たちの世界が、世界中の子どもたちに愛されるようになったのかも知れませんね。
 

 

電車好きをリスペクトした絵本たち

電車が登場する絵本はたくさんありますが、今回は特に、電車の絵が丁寧に描かれているものを中心に集めてみました。文は少し長いものもありますが、どの絵本も電車を主役に描いた楽しい作品ばかりです。
ここから、お子さんの絵本の世界が広がるといいですね。

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司書がおすすめする、障害・福祉関係の絵本&読み物

目次

身近なユニバーサルデザインを見つめて

 

今回は、障害や福祉のお薦めな絵本や読み物を紹介していきたいと思います。

その前に、福祉の点で切っても切り離せないユニバーサルデザインのことについて少し触れておきます。ユニバーサルとは、「普遍的な」、「全体の」という意味で、これに「設計」の意味の「デザイン」を付けて「ユニバーサルデザイン」と呼んでいますが、要は、国籍や年齢、性別等の違いであったり、障害の有無等を問わずに、全ての人の為に考えられたデザイン(設計)をそのように呼んでいるわけです。学校の授業では、こうした自分たちの身近にあるユニバーサルデザインを見つめ、生活に生かすことを通して生徒が積極的に社会に参画していくことまでを目標としているようです。

小学校や中学校でユニバーサルデザインの授業が行われている昨今、私自身、学校現場や公共図書館で仕事をしてきて、福祉について考えたり、様々な障害についての理解を深める授業を行なっている学校が増えてきたように感じています。そこで、今回は障害や福祉のお薦め本を細かいカテゴリーごとに分けて紹介することにしました。絵本も沢山紹介していますので、様々な障害や福祉の事について、この機会に知識を深めてみてはどうでしょうか。

 

 

障害や福祉関係のおすすめな絵本

 

視覚障害

『もうどう犬べぇべ』 セアまり/さく 平澤 朋子/え ほるぷ社

最初にご紹介する絵本は、盲導犬のべぇべと視覚障がい者であるメグの物語です。
メグは目がどんどん見えなくなっていく病気になり、部屋に引きこもりがちになっていました。そんなメグの笑顔を取り戻してくれたのは、いつも困り顔の盲導犬べぇべでした。べぇべの動きからメグは周りの様子を理解できるようになり、ハーネスを外した時のべぇべのおかしなしぐさによってメグに再び笑顔も戻るようになります。やがて2人(1匹と1人)は、外出中に起こってしまった事故から、困ったときには遠慮せずに周囲の人に手助けをしてもらっても良いのだと気づき、これを機に前向きに色々なことに挑戦していくのです。
この絵本の作者である、セアまりさん自身、メグと同じ視覚障がい者です。だからこそ、絵本の最後に載っている作者の言葉には、伝えたいメッセージが沢山散りばめられているように感じます。町で盲導犬を見かけた時に気を付けてほしいこと、目の不自由な人が困っている場面に遭遇したらどうしてほしいか等、この絵本から沢山感じ取ることが出来るのではないでしょうか。

 

小1むすこ
小1むすこ
こまっている人がいたら、声をかけてあげようと思ったよ。(息子談)

 

 

視覚障害

『6この点 点字を発明したルイ・ブライユのおはなし』 ジェン・ブライアント/著 ボリス・クリコフ/絵 岩崎書店

こちらは、点字を発明したルイ・ブライユの物語です。わずか15歳の少年がたった一人で完成させた点字が、現在でも図書館や空港、銀行のATM等で使われているって凄いことですよね。
どうやって点字が生まれたのか、点字を生んだ少年の人生とはどういったものだったのか、この絵本を読めば、この少年のひた向きな努力と諦めない気持ちを感じ取ることが出来ます。ルイの周りには、目の見えないルイに対して「きのどくだ・・・」と声を掛ける人たちが多くいました。けれども、ルイはただ、ほかの子と同じように、自分で読んだり書いたりしたいだけであって、「かわいそうなルイ・ブライユ」と同情されることに違和感を覚えていたことでしょう。目が見えない自分を悲観することなく、どうすれば良い状況になるのか、先だけを見つめて努力を怠らない、この絵本の通りのルイ・ブライユを想像すると、「きのどく」や「かわいそう」等という言葉は違和感のほかありません。目が見えないけれど本が読みたいから、目が見えない人でも読むことの出来る本を作ろうと考える精神は、とても前向きなのですから。

 

小1むすこ
小1むすこ
目が見えなくても、本が読めることにビックリした。(息子談)

 

 

視覚障害

『雨のにおい 星の声』 赤座 憲久/著 鈴木 義治/絵 小峰書店

こちらは、盲目の子どもたちの心を写した絵本です。雨のにおい、星の声、風のうごき、足の裏からもあたりの景色がひろがっています。普段、私たちが目で見て、当たり前に過ごしていることが、この子たちの心を通して感じれば全くの別世界へと姿を変えるのです。見えないことで分からないこともありますが、見えないことをハンデとせず、研ぎ澄まされる感性から得られるものも沢山あるのだということに気づかされる一冊です。

 

 

いろいろな障害

どんなかんじかなあ』 中山 千夏/さく 和田 誠/絵 自由国民社

「みえないって」、「きこえないって」、どんなかんじかなあ・・・。ひろくんは目を閉じてみたり、耳を塞いでみたりして、友達がどんなかんじか考えてみます。ひろくんの様に自分以外の人のことを考えて、歩み寄ってみることで、これまで全く気が付かなかったことに気づくことが出来るのかも知れません。
誰かと繋がりたければ、その人のことを知ることにつきます。その人に自分のことを知ってもらいたい場合も同様に、相手のことを知ろうとすることで互いの壁がなくなるのです。又、誰かのことを知ろうとすればするほど見えてくるのが、普段何てことなく過ごしている「自分自身」だったりします。同じ人間でも、誰一人として、同じ身体や考えの人はいないわけで、自分以外の誰かを知ろうとすることは、これまで自分が見落としてきた自分自身の良いところや凄いところをも気づかせてくれることだってあるのですよね。

 

 

聴覚障害

ローラのすてきな耳』 エルフィ・ネイセ/著 エリーネ・ファンリンデハウゼ/絵 朝日学生新聞社

このお話は、幼少期の頃に耳が聞こえにくかった作者の実体験に基づいて書かれたものです。自分のせいではないのに、耳が聞こえにくいが故に起こってしまう様々なこと・・・この絵本には、そんな少女のつらさや苦しさが語られていると共に、後半からは補聴器を着けたことによって彼女の前に広がった新たな世界のことが、希望に満ちた様子で描かれています。耳が聞こえづらい人にとって、補聴器がただの「機器」ではなく、いかに重要な「耳」となりえるのか・・・「私にもようやく居場所が見つかったの!」この絵本の最後で少女の口から出た言葉が、全てを物語っているような気がします。

 

 

聴覚障害

『ぼくのだいじな あおいふね』 ピーター=ジョーンズ/著 ディック=ブルーナ/絵 偕成社

こちらは、耳が聞こえづらい男の子の毎日がディック・ブルーナの絵で分かりやすく語られています。聴覚障害児をもつお母さんや先生方の助言から誕生した絵本ということで、外見だけでは分かりにくい聴覚障害の悩みや不安が小さな男の子の目線で丁寧に描かれています。ブルーナの明るい色調とシンプルにまとめられた文は、とても暖かく、愛情をもって理解を示してくれる人達の存在がどれほど心強いか、気づかせてくれます。

 

 

聴覚障害

わたしたち手で話します』 フランツ=ヨーゼフ・ファイニク/著 フェレーナ・バルハウス/絵 あかね書房

生まれつき耳が聞こえないリーザという女の子と、手話が得意なトーマスという男の子の出会いが微笑ましいお話です。リーザは同い年くらいの子どもたちとなかなか仲良くなることができませんでした。リーザにとって、声を出して話をすることは、自分が話す声も聞くことができないのでとても難しいのです。リーザが耳が聞こえないことを手話でいくら話しても、子どもたちには通じません。そんな一人ぼっちのリーザに手で話しかけてくれたのがトーマスでした。トーマスの両親も耳が聞こえないので、トーマスの家では手話が日常で使われていたのです。そして、リーザとトーマス、二人の出会いは他の子どもたちにも素敵な効果をもたらすことになりました。
読んでいて、心にふっと暖かい灯りがともる、そんな絵本です。この絵本によって、思わず手話を覚えたくなる、そんな子供たちもきっと出てくるのではないでしょうか。

 

小1むすこ
小1むすこ
学校で、手話の本を借りてきたよ! 「手伝いましょうか?」を覚えたんだ。(息子談)

 

聴覚障害

わたしの妹は 耳がきこえません 』 ジーン=W=ピーターソン/著 デボラ=レイ/絵 偕成社

こちらは、耳の聞こえない妹を持つ作者が、詩のような優しい文で妹について書き綴っている絵本です。友達に「耳がきこえないって、耳がいたいの?」と聞かれて、”わたし”は「耳はいたくないの。でも、むねがいたくなるの。みんなに自分の気持ちをわかってもらえないときにね。」と答えます。妹のことを本当によく見ているお姉さんで、妹のことがとても大切で可愛いのだろうなあ、と、読んでいて愛情が伝わってきます。例え耳が聞こえていなくても、誰かに愛されているだけで、世界はこんなにも光に満ちてみえるのだということがよくわかる一冊です。

 

 

染色体異常

『わたしたちのトビアス』 セシリア・スベドベリ/さく 偕成社

こちらは、子どもたちの無邪気な絵と文で、障害児である弟のトビアスのことが書き綴られている絵本です。トビアスが産まれた時にちっとも嬉しそうではなかったママの声や、周囲の反応・・・それらを目の当たりにして、トビアスの兄弟たちは「とくべつ」や「ふつう」について考えます。パパとママは、トビアスを施設へ預けることを検討しますが、兄弟は大反対。「トビアスに手がかかるなら、わたしたちみんなで、てつだうのがあたりまえ」とかんかんに怒るのです。ある時、ママが言いました。「みんな、いっしょにくらさないから、おたがいに、わかりあったり、すきになったりできないんだわ。」そこで兄弟たちはこう考えます。「わたしたちに、ふつうでない弟がいてよかった」、「わたしたちは、ふつうでない人といっしょにくらすことをおぼえるし、ふつうでないとはどういうことかが、わかるようになるから」と。
弟への愛にあふれた絵本であり、社会全体で”知ること”が”支援に繋がる”ということをこの絵本は教えてくれます。

 

 

染色体異常

『わたしのおとうと、へん・・・かなあ』 マリ=エレーヌ・ドルバル/さく スーザン・バーレイ/え 評論社

こちらは、フランスの≪幼年期と染色体異常を考える21世紀の会≫の提唱で創られた絵本です。
うさぎのリリには、どんなときでも、にこにこ笑顔のドードという弟がいます。「目は、どろーん」、「耳は、だらーん」、「口から、よだれが、だらだらだら」そんなドードを見て、「わたしの、おとうと、へん……かなあ。」と、リリは時々心配しています。そして、ドードがスープを零しても、床にお漏らしをしても、ちっともドードを怒らないパパとママのせいで、このままではドードが赤ちゃんのままだと心配が止まりません。「いくら、しんぱいでも、きみがひとりで、なにから、なにまで、してあげることはできないよ。」とリリに助言をしてくれるふくろうのおじさんや、大風の日に家を建てた野ネズミの話を聞いて、リリは一番大切なことを思い出すのです。スーザン・バーレイさんの温かい絵のタッチが素敵な一冊です。

 

 

肢体不自由(両足麻痺)

『わたしの足は車いす』 フランツ=ヨーゼフ・ファイニク/著 フェレーナ・バルハウス/絵 あかね書房

アンナは、生まれた時から両足が麻痺している女の子です。自分の足では動くことが出来ないので、車いすがアンナの足となって行きたい場所へ連れて行ってくれます。ある日、お母さんにお使いを頼まれたアンナは、初めて自分一人で外へ出かけることになりますが、なかなか思うようには行きません。じろじろ見てくる人がいたり、「気のどくだね。」と言われたり、お店の店員に変に気を使われたり・・・そんなアンナに対して声を掛ける男の子、ジギーの優しい言葉は、アンナの張りつめた気持ちをどんなに楽にしてくれたことでしょう。「ふつうとはちがってる」、「ちがってもいいのさ。ちがってるのって、ほんとうは、とくべつなことなんだから。」よく考えてみれば、”ふつう”って何を基準に言っているのかわからないですよね。大多数の人が”ふつう”で、少数派の人が”ちがう”と弾かれているのであるならば、ジギーの言葉は的を得ているようにも思えます。この絵本から、ぜひ、いろいろなことを感じ取ってみてください。

 

小1むすこ
小1むすこ
車いすに、ちょっとだけ乗ってみたいな。 アンナに友達が出来て良かった。(息子談)

 

 

肢体不自由(脳性麻痺)

『ぼくたちのコンニャク先生』 星川 ひろ子/著 小学館

「幼い子に向けて障害をメッセージする本を作りたい———」こちらは、母であり写真家である著者がずっと温め続けてきた思いによって生まれた写真絵本です。保育園に勤めだして直ぐに「コンニャク」と言うあだ名を付けられて、園児たちから洗礼を受けた近藤先生と純真無垢な園児たちの日常を垣間見ることが出来ます。生後8か月の時に脳性まひと診断された近藤先生は、ごはんの時に手が震えたり、話すことが苦手だったり、手先ならぬ足先を器用に使って折り紙を折ったり・・・子どもたちの目には、それら全てが新鮮に映って、興味の対象となるのです。「偏見」など微塵も持たず、近藤先生の色々なことを純粋に「知りたい」と思う、この園児たちのように、”いろんな人がいて、あたりまえ”なのだと、多くの子どもたちがこの絵本から感じ取っていくのではないでしょうか。

 

小1むすこ
小1むすこ
足の指でいろんなことが出来るのがすごい!ぼくにも出来るかな・・・。(息子談)

 

 

肢体不自由(先天性四肢欠損)

『さっちゃんのまほうのて』 たばた せいいち/さく 偕成社

田畑精一さんと先天性四肢障害児父母の会によって作られた、生まれつき右手の指がない女の子のお話です。ままごとあそびでお母さんになりたいさっちゃんは、お母さんに訊ねます。「しょうがくせいになったら、さっちゃんのゆび、みんなみたいに はえてくる?」お母さんはさっちゃんが期待通りの答えはしてくれませんでした。「さっちゃんは おかあさんには なれないよ!だって、てのないおかあさんなんて へんだもん」友達から言われた、こんな心ない言葉もあって、やがて、さっちゃんは幼稚園を休むようになってしまいました。
子供は純粋であるが故に、その言葉によって人が傷ついてしまうということを深く考えずに、言葉を発してしまうことがあります。一度、口から出てしまった言葉は「無し」にすることは出来ません。でも、その言葉が正しくなかったと気づいた時、その言葉を違う言葉や態度で上書きすることは出来ると思います。さっちゃんの友達は、ハートの形をしたチョコレートを渡すことで、さっちゃんに対して謝りたい気持ちを態度で表しました。さっちゃんにとっては、それだけで、「なんだか ふうーっと おかしくなって」前向きになれるのです。自分と違う体の人を、つい、ジロジロ見てしまうこともあるとは思います。無知ほど残酷なものは無いのかも知れません。この絵本は、先天異常と子どもたちを取り巻く問題をこれからも広く社会に語りかけていくことでしょう。

 

小1むすこ
小1むすこ
指がない人だけじゃなくて、指の数が多い人もいるって聞いてビックリした。 いろんな人がいるんだな~。(息子談)

 

 

自閉症

『ふしぎなともだち』 たじま ゆきひこ/さく くもん出版

続いてご紹介する絵本は、転校先の小学校で、自閉症の男の子と初めて出会う少年の目線で描かれている絵本です。先ほど、「無知ほど残酷なものは無いのかも」と言いましたが、こちらは「知っていること」の大切さがよく描かれているように思います。初めて自閉症の子と出会い、その行動や、それを当然として日々を過ごす子どもたちに衝撃を受けたおおたくん。おおたくんにとって、初めのうちは、自閉症のやっくんは「きんちょう」の対象だったり、一緒にいると「いらいら」してしまう、近づきたくない相手だったりします。ですが、長い年月を共に重ねていく中で、やっくんの存在はおおたくんにとって、心でわかりあえる、不思議な友達となるのです。
このお話には、実は実在するモデルとなった二人がいるようで、作者である田島さんが淡路島の自閉症の青年とその同級生に取材を重ねて絵本になったのだそうです。その為か、読んでいて周囲の反応もとてもリアルに感じました。私が小学生の時にも同じような子がいて、よくクラスでからかわれていましたが、彼も今思えば、なんらかの障害を持っていたのだと思います。当時の自分にこの絵本を読ませたい・・・「知っている」からこそ、見えてくることって、本当に沢山あるのではないでしょうか。

 

 

学習障害

『ありがとう、フォルカーせんせい』 パトリシア・ポラッコ/著 岩崎書店

知的発達に目立った遅れがないのにも関わらず、学習面で、読み書きが出来なかったり、算数が苦手だったりと、つまずきや習得の困難さを示す子どもを「学習障害」と言いますが、この絵本の主人公であるトリシャも、字をくねくねした形としか捉えることが出来ず、読み書きが一切できません。トリシャが、隣の子の読んでいることを丸暗記して本を読めるふりをしたり、先生が読んだ後に同じことを繰り返して読めるふりをしていたことで、先生たちには気づかれないまま、学校生活は過ぎていきます。子供たちはその点敏感で、自分たちとは違うトリシャを笑ってばかにし、からかいます。そんなトリシャの苦しみにいち早く気が付いたのが、フォルカー先生でした。「きみには 字や すうじが みんなとは ちがってみえるのに、らくだいしないで ここまで きた」、「きみは かしこくて、それに とっても ゆうかんだ」フォルカー先生はトリシャに優しく言葉を投げかけます。
これは、作者の自伝的な物語であり、30年後、トリシャがフォルカー先生と再び会った時に、どんな仕事をしているのか尋ねられ、彼女は先生にこう言うのです。「しんじられますか?こどもの本を かいているんですよ。」学習障害を持っている子どもたちにとって、これほど勇気をもらえる絵本はないのではないでしょうか。トリシャにとって、フォルカー先生との出会いが人生を変えたのです。この絵本は、個性にあった教育の大切さを再認識させてくれます。

 

 

学習障害

『算数の天才なのに計算ができない男の子のはなし 算数障害を知ってますか?』 バーバラ・エシャム/著 マイク・ゴードン/絵 岩崎書店

まず、このタイトルを見て、「どういうこと??」と疑問に思う人は少なくないかも知れません。算数が得意ならば、計算も簡単に出来るのでは?と。これが、算数障害の誤解を招きやすい部分で、この絵本ではこういった分かりづらいケースをウィットに富んだ絵と文で、分かりやすく伝えてくれています。算数障害の子どもにとって、この絵本のマックスの様に、数の概念を理解出来ても、九九を機械的に覚えることは出来ません。また、その反対に、計算が出来ても、計算の意味が理解出来ないというケースもあるそうです。傍から見ると大変分かりづらいですが、当の本人にしてみれば、「どうして自分は出来ないのだろう」と自暴自棄になる、とても深刻な状況です。障害を認識されることなく、間違った方法での指導が続くことになれば、ますます悪い方向へ進んでしまいます。教師も親も、子どもたちをよく観察して、その子に寄り添った支援をすることが大切なのだということをこの絵本を読んで改めて実感しました。

 

 

発達障害

『ボクはじっとできない』 バーバラ・エシャム/文 小学館

表紙にも小さく書かれてある通り、こちらは、自分で解決法をみつけたADHDの男の子のお話です。この絵本の素晴らしいところは、なんといっても、デイヴィッド自身が自分の特性のどこが問題であるかに気づき、解決方法を探って、解決策を先生に提案したことでしょう。昨今、日本では社会に出ていく上で問題解決能力が重要視されていますが、デイヴィッドに備わっていたのは、まさしく、この問題解決する力であったのです。ADHDの特性として、落ち着きがなかったり、モノをすぐ失くしてしまったりと、ネガティブな面だけがクローズアップされがちですが、頭の回転の速さや、アイデアの豊富さなど、強みとなる部分もこちらでは頼もしく描かれています。

 

小1むすこ
小1むすこ
自分でいろいろ考えて、デヴィッドって凄い。(息子談)

 

障害や福祉関係のおすすめな読み物

 

続いて、障害や福祉関係のおすすめな読み物についてご紹介します。

視覚障害

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(新書) 伊藤 亜紗/著 光文社

こちらは、生物学者を目指していた著者によって書かれた本です。視覚障害者やその関係者達に対して行ったインタビュー、その人達とともに行ったワークショップ、日々の何気ないおしゃべり等から「世界の別の顔」の姿を柔らかな読みやすい文体でまとめています。「世界の別の顔」とは、見えない世界しか知らない人から言えば、「見える世界」のことで、見える人から言えば、逆に「見えない世界」のことです。本文にも書かれてありますが、実はこの本は、「いわゆる福祉関係の問題を扱った書物ではなく、あくまで身体論であり、見える人と見えない人の違いを丁寧に確認しようとするもの」(p.7)です。「視覚障害者がどんなふうに世界を認識しているのかを理解すること」(p.23)がこの本の大きなテーマとなっています。決して支援の観点から書かれている本ではありません。もちろん、必要とされた時に、差し伸べる手は大切ですが、この本を読めば、きっと全く違った印象を持つはずです。著者である伊藤さんの解説がとても丁寧で分かりやすく、どの話もストンと入ってきて読んでいて心地良かったです。
そして、余談ですが、この本を基にして描かれた絵本があります。こちらは未就学児に見せても楽しむことが出来ますし、小学生に物事を違う視点で見たり考えたりするきっかけを与えられる絵本だと思います。絵本作家のヨシタケシンスケさんがストーリーを考え、伊藤亜紗さんに相談しながら作ったそうですよ。こちらもお勧めです。

 

 

視覚障害

『暗やみの中のきらめき 点字をつくったルイ・ブライユ』 マイヤリーサ・ディークマン/著 汐文社

こちらは、ルイ・ブライユのただの伝記ものではなく、現代のフィンランドに住む盲目のレオ少年の話と、まだ幼いながらも200年前に点字を発明したルイ・ブライユの話が交互に進んでいきます。よくある伝記ものは、事実を語ることに忠実になりすぎて内容が浅くなってしまいがちですが、二人の人生が交互に語られることで、ルイがやり遂げたことが如何に凄いことであるのかがよくわかり、物語に厚みが加わっています。当時のフランスの時代背景や、フィンランドの学校での様子なども物語の端々に描かれているところも興味深い作品です。「そこに書いてあることを知りたい、物語を聞きたい」熱い思いを抱いていた幼い盲目の少年が点字を発明するまでを、現代のフィンランドの男の子レオの目を通して見つめている、とても読み応えのある一冊です。

 

 

聴覚障害

ろう者の祈り 心の声に気づいてほしい』 中島 隆/著 朝日新聞出版

こちらは、新聞での連載が加筆されて本になったものだそうで、インタビューのような形で話が進んでいきます。聴覚障害者の方が悩んでいることや、どのような助けを必要としているのかがよくわかる本です。手話は、聴覚障害者の方にとって言語の一つですが、私自身、お恥ずかしながら、この本を読むまで手話と日本語がこれほどまでに違う言語であるとは思っていませんでした。こういった聴者の認識のズレが聴覚障害の方に対する誤解を生み、聴覚障害者の方を苦しめているのかも知れません。聴覚障害について知るきっかけとして良い一冊です。

 

 

聴覚障害

『犬たちがくれた音 聴導犬誕生物語』 高橋 うらら/著 金の星者

こちらは、小学校高学年ぐらいから読める児童書です。捨てられたり、震災などで帰る場所を失った犬がどのようにして聴導犬となるのかがこの本を読めばよくわかります。聴導犬は聴覚障害者にとって、生活に必要な音を伝える大切な存在です。しかし、中には、聴導犬がいなくても、機械を使えば音を知らせることは可能だと考える人もいるでしょう。この本は、そういった声に対して疑問を感じた著者が、動物保護や聴導犬の育成に取り組んでいる団体へ取材を重ねていく上で出会った、ある一頭の犬と、その犬を育てた人たちを主人公にしたお話です。日本で認定されている聴導犬はまだ数少なく、盲導犬に比べてあまり世間に知られてはいません。この本によれば、アメリカやイギリスでは沢山の聴導犬が活躍していますが、聴導犬の歴史の浅い日本では(この本が出版された2007年時点で、)約数十頭しかいないそうです。
この本を読めば、聴導犬がもっと社会に浸透してほしいと願わずにはいられません。

 

 

聴覚障害

あなたの声がききたい―聴覚障害の両親に育てられて』 岸川 悦子/著 岡本 順/絵 佼成出版社

こちらもノンフェクションの一冊です。著者の岸川悦子さんが入院先の病院で出会った、看護師の加奈子さんのこれまでの人生が丁寧に描かれています。加奈子さんのご両親は聴覚障害者で、幼いころから加奈子さんは友達の親と自分の親との違いにもどかしさを感じながら育ったそうです。心無い人たちからの偏見や差別が、読んでいて何とも言えない気持ちにさせますが、加奈子さんのご両親の前向きな生き方や、「将来は、弱い立場の人たちのために、なにか役立つ仕事をしよう」という、加奈子さん自身の気持ちの変化は読んでいてとても「強さ」を感じました。加奈子さんのご両親がまだ若かった頃、日本は今よりもっと、障害者に対して偏見や差別があったこと、手話が禁止され、ほとんどの聾学校で「口話法」が教育されていたこと・・・この本から知った事実が沢山ありました。そして、「手話」が聴者と聴覚障害者を繋ぐ重要な手段であることを改めて認識させられました。感動だけではない、色々なことを、ぜひ、この本から感じていただければと思います。

 

 

肢体不自由(難病ALS)

『わたしは目で話します』 たかお まゆみ/著 偕成社

こちらは、難病ALS患者である著者が「言葉の力」について書いた本で、全篇、文字盤を使って目で書かれています。言葉を発することは奇跡であり、孤独の中で言葉は育たず、言葉が人を人間にする・・・この本の中に散りばめられている言葉の数々は、どれも核心的で、読んでいて、はっとさせられます。第一章でALSという病気についての説明が詳しくなされていますが、ここで、著者にとって「身体が動かなくなるより、おいしいものが食べられなくなるより、言葉をうしなっていくことのほうが、十倍も百倍もつらかった」 (p.53)ことが書かれています。普段何も考えずに、ごく自然に使っている言葉ですが、失って初めてわかる、言葉の可能性や力をこの本から感じられるのではないでしょうか。話すことさえ出来れば、あらゆる困難を解決できることだってあるでしょう。最後に、人と話すことに悩みを抱えている人へ、著者からメッセージが書かれていました。その中の一つに、「友だちの言葉を大切に。」という内容のものがあります。私は、闘病生活や話せない苦しみだけを綴った本ではなく、この本がコミュニケーションできる喜びがどんなに深いものなのか、人と言葉を交わすことの尊さについて書かれている本であることが、このメッセージに凝縮されているように思いました。難病ALSについてはもちろんのこと、普段の何気ない言葉のやり取りに対しても考えることの出来る良書です。

 

 

肢体不自由(両下肢弛緩性マヒ)

車イスから見た街 』(岩波ジュニア新書) 村田 稔/著 岩波書店

こちらは、生まれて一年半で、せき髄性小児マヒで両足が動かなくなり、車いす生活を余儀なくされた著者の目線から見た、日本の街や社会についてのことが書かれた本です。この本は今から約25年前に書かれたものなので、この頃から言えば、日本は随分変わりましたが、「福祉の視点で街を見る」きっかけに良い本ということで、今回選ばせていただきました。今でこそ、商業施設のトイレには必ずと言っていいほど障害者用トイレがありますが、この本によると、これが書かれた頃の日本には、まだあまりメジャーではなかったようです。又、歩けないからという理由で高校側から入学を拒否された話なども載っていて幾分内容に古さも感じますが、著者が25年前に、車イスの目線で「おやっ」と思っていたことが、残念なことに令和になった現代の街でもまだ見られる光景であることを私たちは知っておかなければならないと思います。例えば、車イスマークのついた駐車区間に、平気で止める一般車や、同じく車イスマークのついた駐車区間に設けられた、鎖の付いた柵、これは現代でも見かける光景です。歩道橋、駅の階段、地下鉄の入り口、バス、電車・・・誰にとっても使いやすい街になるために、誰かの目線で物事を見たり、考えたりすることはとても大切ですね。

 

 

発達障害

拝啓、アスペルガー先生』 奥田 健次/著 飛鳥新社

タイトルに小さく「支援記録」とありますが、小難しい話は一切なく、とても読みやすい一冊です。こちらは、臨床心理士、行動分析学者で知られる奥田健次先生が書いた支援記録で、過去の支援から著者が思い出に残っている子どもたちのエピソードが紹介されています。著者が20年間の中で出会った子どもや家族たちで、実際に出会ったその時々の問題と乗り越えた記録に基づいて書かれていて、発達障害の子どもはこんなに変わることが出来るんだという事実を、読み物として楽しみながら、多くの人に知ってもらうことを目的として書かれたそうです。色々なケースで著者の所に訪れる子どもとその家族たちの様子や、課題を乗り越えて成長する子どもたちの姿に心揺さぶられ、この本から、子育てのアドバイスを沢山いただきました。正直、この先生の本を読み漁りたい・・・そんな衝動に駆られました。発達障害があるなしに関わらず、子どもたちの一人一人の特性を見極めて、それぞれに合わせた適切な教育の必要性を改めて感じた一冊でした。

 

 

自閉症

自閉症の僕が跳びはねる理由』 東田 直樹/著 角川学芸出版

こちらは、自閉症者である13歳の少年が、自閉症者の心の中を誰にでも理解できるように、自分自身の言葉でわかりやすく説明したものです。言葉についてや、感覚の違いについて等、様々な「謎」に一つ一つ丁寧に答えていくことで、自閉症者やその家族の助けになることが出来たらという願いを込めて、執筆されたのだそうです。本書の中の「僕たちの世界を旅してください」という一文にその思いが込められているのではないでしょうか。著者はこの本の中で、コミュニケーション手段の一つである筆談について、「書いて伝えることではなく、自分の本当の言葉を分かってもらうための手段」(p.15)であると述べ、「自分の気持ちを相手に伝えられるということは、自分が人としてこの世界に存在していると自覚できること」(p.31)だと説明しています。心と行動がイコールでないこと、その行動には全て理由があるということ・・・自閉症者の苦しさや心の声に気づかされる一冊です。

最後に、ユニバーサルデザインについて書かれてある本でお薦めの本をご紹介します。 今や、学校の授業自体もユニバーサルデザインを唱える時代です。当事者でなければ、その障害を「理解する」ことは出来ないかも知れませんが、「知らない」より「知っている」だけで、誰かが救われることだってあるかも知れません。どうすれば、全ての人々にとって、この世の中が生きやすくなるのか・・・「知っている」だけで、イメージしやすくなり、それはやがて、行動を起こすことに繋がるのではないでしょうか。自分さえ良ければいいという自己中心的な考えではなく、人のことを思いやれる優しい心を持ちたいものですね。

 

 

ユニバーサルデザインにおすすめな本

車イスが必要な生活を知ろう

ドラえもんの車いすの本 (バリアフリーブック―体の不自由な人の生活を知る本)』 共用品推進機構/編集 小学館

こちらの本の構成は、前半は、四肢機能障害で歩行困難となり、車イス生活を余儀なくされた北斗君という男の子の小学校での様子が沢山の実際の写真と共に紹介されていて、後半は、車いすに乗ったまりちゃんという転校生が出てくる漫画、『ドラえもんの空飛ぶ車いす』がメインとなっています。どちらの話も、読んでいる側に、「誰もが”不便さ”や”危険”を感じずに生活をするには、どうすれば良いのか」を考えさせてくれる内容になっていて、普段気が付かないことに目を向けられるきっかけとなる一冊です。自分の住む街や学校は、誰もが住みやすい、通いやすい場所となっているのか、この本をきっかけとして、身の回りのバリア(障壁)の有無をチェックしてみてはどうでしょうか。

 

 

自分以外の人の視点で見ることの大切さ

弱視の人に出会う本 (バリアフリーブック―見えにくいってどんなこと?)』 共用品推進機構/編集 小学館

こちらは、『弱視のおばあちゃん まちを行く』という漫画がメインとなっていて、最後の方に少し弱視について理解を深めることの出来るコラム等が載っています。漫画部分では、弱視であるおばあちゃんから見た社会が描かれていて、おばあちゃんと一日一緒に街を歩いた孫は、誘導ブロックの上に止められた自転車や、見えにくい料金表、ふちがはっきり見えない階段などを初めて危険なものだと認識します。そして、帰宅後、みんなのことを考えて工夫をしていけば、もっとよくなると思うことがいっぱいあったと両親に伝えるのです。障害のある人にとって住みやすい街は、障害のない人にとっても住みやすい街であるのだと気づくことができ、このお話は終わります。自分以外の別の人の視点に立ってみることで、「あれ?」と、何気ない光景を疑問に感じ、気づける人になりたいという気持ちが芽生えることが出来る本です。

 

 

バリアフリーを考える

新しい 心のバリアフリーずかん きみの「あたりまえ」見直そう! (見る知る考えるずかん)』 中野 泰志/監修 ほるぷ出版

タイトルにもなっている「心のバリアフリー」とは、「私たちのなかにある、”気づかない”という心のバリアを取りはらい、バリアフリーの社会を実現するために行動すること」(p.4)を言い、この本には、そういった「心のバリアフリー」によって、みんなが同じようにいきいきと活動できる社会を目指していくためのヒントが沢山載っています。町の中の色々なシーンを切り取って、そこからそれぞれのシーンに見られる問題点や解決策を探っていき、周囲の人はどのようなアクションを起こすことが出来るのかまでも詳しく書かれています。又、外からは分かりづらい、発達障害についても沢山触れられていて、学校の中での「心のバリアフリー」についても理解を深めることが出来る内容になっています。絵も豊富で、小学生にも十分理解できる、バリアフリーの知識を深められる図鑑です。
 

 

 

ユニバーサルデザインを分かりやすく解説!

トコトンやさしいユニバーサルデザインの本(第2版) (今日からモノ知りシリーズ)』 宮入 賢一郎/著 日刊工業新聞社

中学生や高校生が、ユニバーサルデザインについて調べるときに、必ず読んでいただきたい本がこちらです。今日からモノ知りシリーズは、どの本も、とても詳しく一つのことについて調べ上げて書かれてあるので、調べ学習に最適です。内容としては、バリアフリーとの違いについてや、「障がい」への誤解と理解、導入のプロセスと開発手法、各機関・各企業の取組み事例などが載っています。ユニバーサルデザインに対して、正しい理解と豊富な実例を沢山紹介してくれているので、これを基にして自分たちの身近にあるユニバーサルデザインを見つめて生活に生かすことへと繋げられるのではないでしょうか。

 

 

日常の中から考えよう!

くらしのユニバーサルデザイン (知る! 見る! 考える! ユニバーサルデザインがほんとうにわかる本)』 小石 新八/監修 六耀社

こちらは、シリーズ全3巻で、「もののユニバーサルデザイン」、「まち・施設のユニバーサルデザイン」、「くらしのユニバーサルデザイン」と、様々な場面でのユニバーサルデザインについて考えられる作りになっています。ただUD製品を紹介するだけではなく、ユニバーサルデザインについて色々な角度からみることで、今後の課題を考えようというわけです。又、頁の最後の方には、ユニバーサルデザインを調べて学ぶことの意味についても触れていて、日本人も福祉の心をもっともっと高めていかなければならないと、再認識させられました。

 

 

考え方から社会への広がりまで!

よくわかるユニバーサルデザイン (楽しい調べ学習シリーズ)』 柏原士郎/監修 PHP研究所

こちらの本では、まずはユニバーサルデザインを知るところから始まり、暮らしの中や、街の中のユニバーサルデザインについて知って知識を深めていけるようになっています。最後の章では、心とコミュニケーションのユニバーサルデザインについても触れられており、「考え方から社会への広がりまで」、しっかりと書かれています。
2020年のオリンピック・パラリンピック開催国として、社会全体で、ユニバーサルデザインの考え方を根付かせようとしている日本・・・誰もがわかるピクトグラムや、UDトークなど、誰にとっても理解しやすく、全ての人のために考えられたものは、例え言葉が通じなくてもコミュニケーション出来る大切なアイテムとなることでしょう。

 

 

4つのテーマに分けて、ユニバーサルデザインを紐解く!

ユニバーサルデザインがわかる事典』 柏原 士郎/監修 PHP研究所

こちらも先ほど紹介した本と同じく、「ユニバーサルデザインとは何ぞや」から始まり、次の章から、より詳しく、「いろいろなかたちのユニバーサルデザイン」、「いろいろな使い方のユニバーサルデザイン」、「まちのユニバーサルデザイン」、「サービス・情報のユニバーサルデザイン」と、4つに分けて説明されています。かたちを少し変えるだけで、使い勝手が断然に良くなったもの、機能やかたちを工夫することで、身体に障害がある人にも利用しやすくなったもの等、ユニバーサルデザインの製品は、実は、私たちの身の回りにさりげなくあるのです。これからの社会は、色々な人の立場に立って、「利用しづらい場所」や「使いづらいもの」を見つけ、みんなの声からユニバーサルデザインに作り替えていかなければいけませんね。

 

 

みんなが利用するからこそ、誰もが安全安心に使える建物を!

みんながつかうたてものだから』(絵本) サジ ヒロミ/著 偕成社

最後は、ユニバーサルデザインの建物を物語仕立てで解説している、絵本をご紹介したいと思います。市民合唱団の発表会へ行くことになった、まあちゃんは、その会場となっている建物で、お父さんからいろいろなことを教えてもらいます。車イスマークの話、みんなが使えるスロープのこと、点字ブロックを必要とする人がいることなど、まあくんにとって、それらは初めて聞くことばかりでした。障害がある人、無い人、様々な年代の人・・・みんなが使う建物だからこそ、誰もが便利で安全であることを意識して建てられたのだということが丁寧に描かれており、ユニバーサルデザインの考え方がよくわかる絵本です。

 

 

まとめ ~障害を知ることからユニバーサルデザインを考える~

 

いかがでしたか?この中で、気になる本はありましたか?

障害について書かれていて、小学生でも理解しやすい本は沢山あります。

中学生や高校生が知識を深めるために活用できる、ユニバーサルデザインの本も、意識して探せば沢山見つけることが出来ます。

少しでも気になった方は、書店や図書館で、ぜひ、現物を開いて内容をご確認してみてください。私がこれらの本から得た”気づき”以外にも、きっと、様々なメッセージを作品から感じ取って頂けるのではないかと思います。

この記事が、本を必要としている全ての人にとって、役立つものとなりますように・・・。

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大人が、ジ~ンとくる、しみる絵本10選

大人だって、絵本を読みたい時がある

仕事が思い通りにいかないとき、人間関係に疲れているとき、どうにかしてモチベーションを上げたいとき・・・皆さんはどうやって、その時を乗り越えているのでしょうか。

私はそんな時、決まって絵本を開きます。

書店に行くと、所狭しとひしめき合って置かれている絵本の中に、未就学児や小学生低学年に読んであげるには、少し、ハードルが高い絵本が目に留まることがあります。これらは、子どもに向けてというよりは、作者が意図している”物語の向こう側”をくみ取れる大人や、社会の荒波に揉まれて少し病んでいる大人が読むと、時に絶大な効果(?)を発揮することがあります。

実際にこれらの絵本を子どもに読み聞かせても、ぽかんとして反応はイマイチ。 ところが、中学生に全く同じ絵本を読み聞かせすると、神妙な面持ちで良い反応が返ってきます。

そこで、今回は、そういった未就学児や低学年の児童向けではない、中学生から大人までが”しみる”絵本を10冊集めてみました。

絵本の奥深さを感じて頂き、心に”しみて”もらえたら嬉しいです。

中学生から大人までが、しみる絵本10選

 

自分探しは人生の永遠のテーマ?!

『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン/著 講談社

 

せいとさんの声
せいとさんの声

子供向けかと思ったけど、意外に響いた。(生徒さん談)

 

小1むすこ
小1むすこ

パックマンみたい。(息子談)

 

 

たいせつなのは、あなたがあなたでいること。

『たいせつなこと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく フレーベル館

 

せいとさんの声
せいとさんの声

これを読むと、自分はありのままでいいと思えた。(生徒さん談)

 

 

想像することを忘れないで。

『ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川 義史/作 教育画劇

 

せいとさんの声
せいとさんの声

子供向けかと思いきや、途中から雰囲気が変わって、何とも言えない気持ちになった。

 

小1むすこ
小1むすこ

ぼくが色々している間にも、世界ではいろんなことが起きているんだな~。(息子談)

 

 

男の子への思いに、ジーンとくる。

『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン/さく あすなろ書房

 

どこか哲学的・・・。

『ヒトニツイテ』五味 太郎/さく 架空社

 

”ことば”から、その土地の歴史や文化が見え隠れ。

『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/著 創元社

 

せいとさんの声
せいとさんの声

本のデザインがとっても可愛い!(生徒さん談)

 

 

伊坂小説のような、”わくわく”が感じられる絵本。

『Dr.インクの星空キネマ』西野 亮廣/さく 幻冬舎

 

せいとさんの声
せいとさんの声

お笑い芸人が書いたと聞いて、めちゃくちゃ驚いた!
話も、絵も、今まで見た絵本の中で一番良かった。(生徒さん談)

 

 

おじいさんの思いに心打たれる。

『つみきのいえ』加藤 久仁生/さく 平田 研也/絵 白泉社

 

物事を違う視点から見ることの、面白さ。

『ZOOM』イシュトバン・バンニャイ/さく 復刊ドットコム

 

せいとさんの声
せいとさんの声

こういう本をもっと図書館においてください!(生徒さん談)

 

 

サイレント映画さながらです。

『アライバル』ショーン・タン/さく 河出書房新社

 

 

まとめ ~絵本のセラピー効果~

いかがでしたか?
子どもの頃、絵本を親に読み聞かせてもらったり、わくわくしながら自分で一生懸命読んだりした経験のある方は、大人になって絵本を開くと、そんな温かな懐かしい思い出が一気に蘇ってくるのではないでしょうか。
読み終わった後で、胸の奥をギュッと掴まれてしまったような何とも言えない気持ちが、現実世界とシンクロした時、私たちは紛れもなく、絵本に”癒されている”のです。

絵本は、子どもだけでなく、疲れている大人に対しても、分け隔てなく、”癒し”や”気づき”を与えてくれます。ぜひ、この機会に、”しみる絵本”を手に取ってみてはいかがでしょうか。

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好きな漫画の傾向から、ハマりそうな小説を選びました‼

 

目次

◆ 自分の好みを知るところから始まる、「読活」。

 

ある日、滅多に図書館へ来ない子に、「本はあまり読まないの?」と尋ねると、なんとも嫌そうな顔をして「漫画は読むけど、本は読まん。」「活字は嫌い。」と話してくれたことがありました。「なんで漫画は読むん?」と更に聞いてみると、「絵で、すぐ読めるし・・・。面白い話が多いから。」だそうです。確かに、漫画ならではの面白さってありますよね。例えば、学校図書館で漫画を置くことが禁止だからと、変わりとして漫画のノベライズ本を置くところがあったりしますが、漫画大好きな私としては、それでは漫画の良さが損なわれているように感じてなりません。漫画は、ストーリーと同じくらい作画が重要であるだけに、その漫画の変わりをノベライズ小説に全て託してしまうのは見当違いです。つまりは、漫画には漫画の良さがあって、小説には小説の良さがあるのです。
では、漫画は漫画で堪能しつつ、漫画好きの情熱を少しだけ小説にも向けてもらうことは出来ないのでしょうか。
これは、学校司書の永遠のテーマであり、課題なのかも知れません・・・。

これまで、読書とは無縁の生活を送ってきて、小説を小難しいものだと認識してしまっている中学生の固定観念を覆すには、「漫画ばかり読まんと、本を読め!」ではなく、「漫画って面白いよね~!いいよね~。」と、まず、漫画を肯定することにあると私は思います。嘘でもなんでもなく、実際に漫画は面白いのですから。
「どんなの読むん?何系?」と漫画トークに花を咲かせ、相手の好みを聞き出せたら、してやったり。心の中で私はガッツポーズをします。「この漫画のここが好きなんよ。」と、キラキラした瞳で語ってくれる子どもたちに癒されながら、頭の中では、同じジャンルの小説を、無い脳みそをフル回転させて探します。
そして、「その漫画が好きなら、絶対この本ハマるわ~。だまされたと思って読んでごらん。」と、一冊の本を手渡し、何なら、大まかなストーリーや見どころを漫画トークと同じ熱量で、子どもたちと同じキラキラの瞳で語ってしまいます。

本選びは、絵本も小説も、自分の好みを知っておくことがとても大事です。
読書初心者で、その物差しとなる「好み」がわからないのであれば、好きな漫画をその代わりとして、小説選びの基準にしてみてはどうでしょうか。小説の面白さに気づき、新しい扉が開けるかも知れません・・・。

 

 

◆ この漫画が好きな人は、あの小説にハマる?!

前置きが長くなってしまいましたが、それでは、実際に、漫画と小説を紐づけて、お勧めの小説を紹介していきます。小説初心者にしては、少し長い本もありますが、ハマれば長さは関係ないということで載せておきましたので、ぜひ、挑戦してみてください。

★あの疾走感を小説でも味わいたいなら・・・

 

運動音痴ですら、バスケにハマった漫画

『スラムダンク』井上 雄彦 集英社

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

本当の強さとは何かを考えられる作品!

『風が強く吹いている』三浦 しをん/著 新潮社 

 

★得体の知れないものから恐怖を味わいたい人には・・・

 

まっすぐな少年と、それに憑く化け物の妖怪退治

『うしおととら』藤田 和日郎 小学館

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

その声に、答えてはいけない!

『ぼぎわんが、来る』澤村 伊智/著 KADOKAWA 

 

この世のものではないモノを見通す眼を持つ、青年探偵の物語

『心霊探偵八雲』神永 学/著 KADOKAWA 

 

★痛快な青春エンターテインメント!ハマったならば・・・

 

今日から不良になった2人がおくる、ドタバタ劇

『今日から俺は!!』西森 博之 小学館

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

落ちこぼれ高校生たちのおバカ青春ストーリー!

『レヴォリューションNo.3』金城 一紀/著 KADOKAWA 

 

★仲間っていいよね!人生は冒険だ!カッコイイ生き方がしたいなら・・・

 

ひとつなぎの大秘宝を探して大海原へ!

『ワンピース』尾田 栄一郎 小学館

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

秘密組織にスカウトされ、人生が180度変わった少年の物語

『英国情報局秘密組織チェラブ』ロバート・マカモア/著 ほるぷ出版 

 

仲間と一緒に正義を貫く!

『ぼくらのシリーズ』宗田 理/著 ポプラ社 

 

★爽やかな少女漫画好きには、極上な青春モノを・・・

 

恋愛だけでなく、一人の女の子の成長も感じられる少女漫画

『君に届け』椎名 軽穂 集英社

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

多感な時期に、何を思い、何に悩むか・・・高校生の心の成長を描いた名作

『夜のピクニック』恩田 陸/著 新潮社 

 

★物語のヒロインらしからぬ主人公は、小説にも!

 

王道を行かない主人公

『ヒロイン失格』幸田 もも子 集英社

こちらの漫画が好きな人に、お勧めしたい小説はこちら!

こじらせOLの恋物語

『勝手にふるえてろ』綿矢 りさ/著 新潮社 

 

◆ きっかけは何だっていい。「読活」のすすめ

いかがでしたか?漫画、小説ともに、まだまだ紹介したい本があったので、いつかまた、第二弾もやれたら・・・と思います。
漫画で描かれた伝記モノ、映画のノベライズ本、アイドルが書いた私小説・・・読書をするきっかけは、何だっていいのです。そこがスタートとなって、守備範囲を広げていけば、自ずと、自分が面白いと思える小説にたどり着けるのではないでしょうか。
冒頭にも書きましたが、まずは、自分の好みを知っておくこと。自分がどのようなジャンルが好きで、どういった作品を読みやすく感じるのか知っておくことが大切です。又、読活を続けていけば、「この作家さんの書く小説が好き」と、更なる気づきがあるかも知れません。
そこまでいけば、「ちょっと冒険してみよう」と、普段は手に取らないジャンルに挑戦し、新たな発見を楽しむ余裕も生まれていることでしょう。

本を毛嫌いしている子どもたちが、少しでも、読書の楽しさ、小説の面白さに気づいてくれればいいな~と、心から思います。