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雨の日に読みたい絵本

目次

雨の日にこそ、読みたい絵本。

雨の日は外で遊ぶこともできず、子どもはストレスがたまり、散らかった部屋を見て親もイライラ。
家の中で遊ぶとなると、どうしても子どもをテレビやネット漬けにしてしまいがちになっていることも・・・。
ですが、そんな時こそ、お子さんの意識を絵本に向けさせる最大のチャンスです。普段、外遊びが大好きなお子さんを絵本に振り向かせるのに、この時期ほど最適なシーズンはおそらくないのではないでしょうか。
今回は、「雨の日」だからこそのワクワクしてしまう絵本をたくさん集めてみましたので、ぜひ、雨の日を狙って、お子さんに読み聞かせをしてあげてください。
じめじめで、うんざりだった「雨の日」が、お子さんにとって、きっと「特別な日」になるのではないでしょうか。

雨の日に読み聞かせたい絵本13選

雨は楽しむもの!

『どしゃぶり』おーなり 由子/作・はた こうしろう/絵 講談社

こちらは、リズミカルに雨が降る音や、まるでバケツをひっくり返したような、どしゃぶりな雨の様子が、はしゃぐ子供と共に臨場感たっぷりに表現されている絵本です。
大人になった今では、雨が降ると本当にうんざりしてしまいますが、この絵本は、雨が降った時に感じていた、幼い頃の心躍る感覚を思い起こさせてくれます。読んでいると、日常の中で、あれもダメ、これもダメと、つい、子どもに言いがちな自分に気づいて反省・・・。どしゃぶりの雨の中、ずぶぬれになって遊ぶ思い出の一つや二つ、私にもあったなあと、思わず物思いにふけってしまいました。
子どもにとって、雨の日は憂鬱なものではないのだと、むしろ、喜ばしいことですらあるのだと、改めて感じられた一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごく気持ちよさそう!ぼくも頭からびしょぬれになりたい~!

 

5才むすめ
5才むすめ

雨降ったら、水着を着て遊びたいっ!

 

雨の日はひっちゃかめっちゃか!

『あめふりのおおさわぎ』デイビッド・シャノン/作・絵 小川 仁央/訳 評論社

こちらは、雨が降ったことにより始まった町中大パニックの連鎖を面白おかしくコミカルに描いた作品です。
読み手のテンションで面白いか否かが左右される絵本なので、寝る前にしっとり読み聞かせというよりは、物語のドタバタに合わせてテンションをアゲアゲで読んだ方がこの絵本の良さが出るように思います。
タイトル通りの「おおさわぎ」。どんどんエスカレートしていく「おおさわぎ」に引き込まれ、子どもたちは終始クスクスと笑っていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

警察の人の車が邪魔になってる!みんなイライラしてるね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

続きがどうなるのか気になって、面白かった。

 

「ふってくる」のは雨だけじゃない?!

『ふってきました』もとした いづみ/作・石井 聖岳/絵 講談社

なにやら雲行きが怪しくなってきて、今にも「ふってきそう」な空の下、お母さんにあげるお花を摘んでいる、つゆこちゃん。これは絶対、雨が降ってくるなと思って読み進めていたら、思わぬ展開に子どもたちはニヤリ。
この絵本の面白いところは、想定外が起きることです。「そんな、ばかな~!」と言いながらも、降ってくるものたちの表情が何とも言えない感じで笑えます。絵のタッチがゆるい感じなのも物語とピッタリで、たくさん子どもたちの笑顔が見られました。
「ふってきそうな空」を見ながら、「何が降りそうかなあ、」と聞くと、子どもは必ず「雨でしょ。」と答えます。そんな前振りたっぷりで、ぜひ、読み聞かせてあげてください。
 

小3むすこ
小3むすこ

まさかまさか~。笑
最後は意外過ぎた。想像の遥か上を越えてきたな。

 

5才むすめ
5才むすめ

・・・雨は?

 

あまやどりしていたブタ君は、なぜ濡れてしまったのか?

『すてきなあまやどり』バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 なかがわ ちひろ/訳 徳間書店

大きな木の下であまやどりしていたはずの、ぶたくん。やぎさんに、どうして濡れてしまったのかと尋ねられ、その理由を話し始めます。
ぶたくんがあまやどりしていた大きな木の下に、同じくあまやどりをしようとやってきた、たくさんの動物たち・・・。段々とスケールが大きくなる、ぶた君の話を聞いていて思い起こされるのは、ウクライナの民話『てぶくろ』。おじいさんがてぶくろを落としてしまい、動物が次々にやってきて、その手袋の中に入ってしまう、あの、感じによく似ています。
ただし、その流れからオチを想像していると、最後にいい意味で裏切られるので、壮大な前振りに思わず笑ってしまいます。こちらも、動物たちの表情が、物語の面白さに拍車をかけていますよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

これも意外なオチで、笑えたね~。笑
かわいい話。

 

5才むすめ
5才むすめ

迫力があって面白かった!

 

昆虫好きに読んであげたい絵本。

『はっぱのおうち』征矢 清/作・林 明子/絵 福音館書店

『あさえとちいさいいもうと』や『こんとあき』など、林明子さんの絵本は、子どもが優しいタッチでとても愛らしく描かれていて、読んでいて癒されます。
こちらの作品は、小さな虫たちと一緒にあまやどりをする女の子のお話で、ページごとに虫たちの動きに変化が見られます。読んでいると、「かたつむりが進んでる!」、「この虫、前のページにいた!」と子どもは虫たちの動きにいろいろな発見をして楽しんでいました。
小さな秘密基地のような木の葉のおうちや、女の子と虫たちの触れ合いが、外遊びの楽しさを子どもたちに伝えてくれる、じんわりと暖かくなる一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

妹ちゃんに似てない?

 

5才むすめ
5才むすめ

自分でも読みやすかったよ。この絵本、気に入った ♪

 

絵本でファンタジーを楽しもう!

『わんぱくだんのてるてるぼうず』ゆきの ゆみこ 上野与志/作・末崎 茂樹/絵 ひさかたチャイルド

こちらは我が子も大好きな「わんぱくだんシリーズ」です。このブログでも幾度となく、このシリーズをご紹介してきましたが、春夏秋冬どの季節にもピッタリ合うお話があるので、絵本選びに困った時に大助かりなシリーズです。
『わんぱくだんのてるてるぼうず』は、けん、ひろし、くみの三人が作ったてるてるぼうずが「おてんんきのくに」へ案内してくれるお話で、雲の上へ行ける夢のような展開に想像を膨らませ、我が子は嬉しそうに聞き入っていました。
梅雨の時期だからこそ、手作りてるてるぼうずを一緒に作って、じめじめとした空気を吹き飛ばしたいですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

わんぱくだんシリーズだ!!
昔よく借りて読んだな~。てるてるぼうずたちが嬉しそうで可愛いよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

わんぱくだん大好き~!
私も空を飛んでみたい!!いいな~。

 

使いたくない気持ち、わかりますが・・・。

『おじさんのかさ』佐野 洋子/作・絵 講談社

こちらは、何とも言えないおじさんの表情がたまらなく癖になる絵本です。
おじさんは自分の傘をたいそう大事にしていて、大事にしすぎるあまり、雨が降っても開くことがなく、誰かに貸してあげるなんてことは絶対にしませんでした。
ところが、ある日、小さな女の子がやってきて、「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン。」と歌い出して・・・。
まるで、初めて傘を買ってもらった子どものようなおじさんの様子がとてもチャーミングに描かれています。きっと、おじさんと同じ大人よりも、子どもたちの方が、この感情に心当たりがあり、おじさんの気持ちに共感できるのではないでしょうか。
 

小3むすこ
小3むすこ

おじさん、傘の本当の良さがわかってよかったな。
使わないと傘がかわいそうだし。

 

5才むすめ
5才むすめ

おじさんのお気に入りなんだね。
私も雨の音って大好きだよ。

 

想像するって、こんなにも楽しい!

『キムのふしぎなかさのたび』ホーカンイェンソン/作・カーリン・スレーン/絵 徳間書店

ざあざあぶりの雨の日。キムはお店の外でママの買い物が終わるのを待っていました。
やがて、傘をひっくり返して船のようにすると、それにとびのり、大冒険に出発です。ジャングルに行ったり、海に出たりと、子どもがわくわくすること間違いなしのお話ですが、最後まで読めば、子供の頃の自分を思い出して「こんなこと自分も考えてたな」とどこか懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。
子どもの想像力ってすごいですよね!
 

小3むすこ
小3むすこ

これって女の子の想像?
それともニルス(ニルスの不思議な旅)みたいに、本当に小さくなってたのかなあ?
やっぱ、想像かな~。

 

わたし
わたし

どっちともはっきりとは書いてないよね。
どっちであってほしい?

 

小3むすこ
小3むすこ

本当に小さくなって、傘に乗って旅してきたんだったら面白い!

 

5才むすめ
5才むすめ

私も!!

 

こんな傘がほしかった!

『ちいさなきいろいかさ』にしまき かやこ/イラスト・森 比左志/シナリオ 金の星社

なっちゃんがお母さんに買ってもらった小さな黄色い傘は、とても不思議な傘。なにが不思議か具体的に言うことは避けます(表紙の絵を見れば大体わかると思います)が、大きなばくさんも、背高のっぽのきりんさんも、難なく入れてしまう、とっても不思議な傘なのです。
この絵本を読んでいて、子どもが「あのね、あのね、いいことがあったの」と話しかけてきた時に、この物語のお母さんのように「いいことって、どんなこと」と問いかけてあげられる、子どもに寄り添ってあげられるお母さんって素敵だな~と思いました。
どんな内容であれ、「ふんふん、そうなんだね。」と子供の目を見て話を聞いてあげられるお母さんでいたいものです。
 

5才むすめ
5才むすめ

絵がかわいい!

 

小3むすこ
小3むすこ

こんな傘があれば、学校行くときも絶対濡れないじゃん!!

 

雨の日を楽しみたい気持ちが詰まった絵本。

『あめあめふれふれもっとふれ』シャーリー・モーガン/作・エドワード・アーディゾーニ/絵 のら書店

こちらは、何日も続く雨の日を悶々とした気持ちで過ごす男の子と女の子のお話です。
二人は窓から外を眺め、雨の日に自由に外出できる者たちを見ては羨み、彼らになれたらどんなにいいかと想像します。二人の様子を見ていると、雨の中で遊びたくて遊びたくてたまらない、今にも雨の中へ飛び出していきたい子どもたちの気持ちがよく分かり、なんだか微笑ましいです。
雨の日だからこそ、できる遊びってありますよね・・・。
 

小3むすこ
小3むすこ

これは気持ち、もの凄いわかるなあ~。
ずっと雨だと退屈で退屈でたまらなくなるもん。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨の日しか長靴はけないから、雨が降ると外に出たくなるよ。
二人とも出れて良かったね!

 

雨の日の過ごし方は人それぞれ♪

『くすのきだんちのあめのひ』武鹿 悦子/作・末崎 茂樹/絵 ひかりのくに

こちらは、10階建てのくすのき団地に住む動物たちの様子が、読んでいて楽しいシリーズです。
雨の日も、思い思いに過ごす「くすのき団地」の住人たち。動物それぞれの過ごし方があって、どの窓からも小さなドラマを感じられます。
子どもたちは、6階のレストランでの、りすのコックさんとおくさんの会話が面白かったようで顔を見合わせていました。「何がそんなに面白いの?」と聞くと、「だって、グリーンピースって言ってる。」と。
ああ、なるほど。グリーンピースが嫌いな父さんのことを思い出して笑ったのか、と納得。
どの部屋に遊びに行きたいか、なんて言い合いながら、親子楽しく読み聞かせが出来る一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

木の家なんて、秘密基地みたいで楽しそう。
しかもレストランまであるとか・・・。
ここに住めば、雨が降っても退屈しなさそうだよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

かえるさんが羨ましくなっちゃった。
雨が「いいてんき」なのか~。

 

ばばばあちゃんは、雨にも負けない!

『あめふり』さとう わきこ/作・絵 福音館書店

こちらは、パワフルで優しいばばばあちゃんのシリーズです。
雨の日にうんざりなばばばあちゃんは、空に向かって大声で言いました。
なんて いじわるな やつらだい。ようし。そんなに いじわるをするんなら、こっちにも かんがえが あるよ
いらないものを暖炉にくべて、燃やし始めたばばばあちゃんは、仕上げにストーブと暖炉の中にこしょうと唐辛子を入れて、なにやら画策中。ばばばあちゃんの作戦は功を成すか、ぜひ、お子さんと語り合いながら読んでください。
最後のページの絵を見て、うちの子は「すご~い!ほんとはこんなこと出来ないよねえ?」と目を輝かせていました。
ばばばあちゃんのシリーズは、子どもたちに外遊びの楽しさを教えてくれたり、お菓子などの作り方を教えてくれるシリーズも楽しいですが、こういった「ありえないけれど、あったらいいな」が詰まったファンタジーも読んでいてわくわくしますよね。
 

小3むすこ
小3むすこ

ばばばあちゃんに、怖いものなんてないのかも。
ふかふかの雲に寝転がってみたくなった!

 

5才むすめ
5才むすめ

ばばばあちゃん大好き~。
雨って、鬼が降らしているの?!

 

虫好き、動物好き、外遊び好きに読んでほしい!

『雨がふったら、どこへいく?』ゲルダ・ミューラー/作・いとう なおこ/訳 評論社

こちらは、双子のきょうだい、リュックとマリオンが、仲良しのステフと一緒にぬまに出かけるお話です。
道中で様々な動物や虫たちと出会ったり、ぬま到着後も楽しい発見があったりと、生き物たちとの触れ合いは尽きませんが、急に雲行きが怪しくなって、あっという間に大きな雨のしずくが落ちてきました。
この作品の素晴らしいところは、雨が降った時の生き物たちの様子が、絵で丁寧に描かれているところです。チョウやコバエなどの虫から、ガチョウ、ウシ、ブタなど、いろいろな動物が雨の日にどこにいるのか、どうしているのかが、わかりやすくまとめられているので、沢山の気づきを得ることが出来ます。
物語の最後に、雨がふるメカニズムのプチ情報が載っていたり、鳥や花、虫の情報が載っていたりするのも、子どもたちにとっては嬉しいおまけのようですよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

最後にいろんな豆知識が載ってて面白かった。
ぼくも外でいろいろ見つけたくなったよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨が降っても、虫さんたちの隠れる場所がちゃんとあるんだね。
今度さがしてみよ~。

 

 

雨の日には雨の日の楽しみ方がある。

いかがでしたか?
傘に雨粒が落ちた時のパラパラという楽しい音、雨が降っただけで日常が別世界になる不思議、そんな、雨の日にしか味わえないワクワクとした感情を絵本を通して知ってもらえたら素敵ですね。

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中学生におすすめ!名作・純文学

純文学のすすめ

皆さんは「純文学」と言うと、どういった印象を持ちますか?
堅苦しい、小難しい、眠くなる・・・以前勤めていた学校の生徒さんは、私の力量不足ということもあって、どうやらそんな感想を抱いていたようです。
そもそも、「純文学とは何ぞや」から説明が必要な人もいるかも知れません。
今回は、中学生が敬遠しがちな純文学作品について、「何ぞや」から出来るだけ嚙み砕いて説明して、皆さんに興味を持ってもらえるように司書として頑張りたいと思います。
また、後半は、そんな純文学の中から中学生の皆さんにおすすめの作品を紹介したり、純文学に限らず、昔から名作と言われている海外の作品からも数冊おすすめを紹介しているので、ぜひ、本選びの参考にしてみてください。

純文学と対象となる文学として、「大衆文学」というものがありますが、実はこの二つの境界線はとても曖昧で主観に委ねられるところも多く、現代のものは特に「これは純文学?それとも大衆文学?」と判断が難しい作品があったりします。
一般的に言われている純文学とは次のようなものです。

【1】純文学とは

人を楽しませたり、感動させたりすることを目的とした大衆文学に対して、純文学は、文章の美しさなどの芸術性に重きを置いています。
例えば、大衆文学と純文学を声に出して読んでみてください。どちらが読んでいて心地良いか、文の調子が良いか、一目瞭然だと思います。芥川龍之介や夏目漱石など、日本の文豪といわれている作家の作品は、音読した時のリズムがとても心地良いものです。これは、ストーリー展開よりも文章の美しさそのものに磨きをかけたが故の結果です。
最近では、自分で読む読書以外にもオーディブルなど、耳で聞く読書アプリもありますから、活字が苦手な人は、こういったアプリで純文学の美しい文章を聞くのも良いかもしれませんね。
大衆文学のようなハラハラドキドキのストーリー展開はありませんが、その分、登場人物の心情や、情景が丁寧に描かれているので、落ち着いて物事を考えたい人に純文学はピッタリです。

そもそも、英語に「純文学」という言葉はありませんから、これは日本だけの独自なジャンルです。よって、「反抗精神を歌っているから、これはロックだ!」というような、誰もが納得できる明確な目印がなく、芸術という主観的でどこか曖昧なジャッチのみで分けられているのが、冒頭でも言った、素人目で見て判断が難しい理由となっているのかも知れませんね。

【2】現代にも純文学はある

普段小説をあまり読まない人の中には、純文学というものは、ひと昔前の作品で、作者はすでに死んでいて・・・なんて思っている人がひょっとしたらいるかも知れません。
ところがそれは大きな間違いです。
おそらくその考え方は、「近代文学」と「純文学」という言葉が、ごちゃ混ぜになってしまったが故の誤りだと思います。近代文学は、近代(日本に限定すれば明治維新以後)に成立して発達してきた文学のことを言うので、ひと昔前という考え方は間違いではありませんが、純文学にこういった時代の括りは一切ありません。
近代であろうと、現代であろうと、芸術性に重きを置いている作品は、全て「純文学」と呼んで良いのです。
近代文学は、現代の小説を読み慣れている人からしてみれば、難しく感じる言い回しがあるかと思いますが、現代の文体で現代の作家が書いているのであれば、それだけで、取っ付きにくさは大分無くなるのではないでしょうか。

現代文学における、純文学作家といえば、まず頭に思い浮かぶのが村上春樹さんです。
ノーベル文学賞の時期になると「今年は授賞なるか?!」と、毎度、騒がれているあの作家さんですよ。
純文学入門としては、とても読みやすい作家さんだと思いますので、ぜひ、挑戦してみてください。
セリフ回しが少しキザに感じたり、文章からその場面がありありと思い描けたり、大衆文学とは一味違う文体に気づけたら、ぜひ、自分を褒めてあげてくださいね。

【3】中学生に純文学を進める理由

私が純文学を中学生の皆さんにおすすめする理由は、大きく分けて二つあります。

➀味わい深い人になれる

最近はどこの学校も、朝の10分間読書なるものがあって、普段本を読む習慣のある生徒さんも、そうでない生徒さんもこぞってその10分間は読書タイムを取ります。子どもたちの読書離れを止める策として、司書としてとても良い習慣だと思ってはいるのですが、普段本を読まないものからしてみれば、この10分は残念ながら苦痛でしかなく、生徒さんは何とかその10分間を乗り切るために、短い時間でどんでん返しが気楽に楽しめる本を血眼になって探しに図書館へやってきます。
そんな生徒さんが決まって言うセリフが、
「短い話でストーリーが分かりやすくて、どんでん返しがあるようなやつ!」
です。
残念なことに10分間という、短い読書タイムにすっかり慣れてしまっているのです。
本来、読書は時間を忘れてのびのびと読むことが醍醐味の一つであったはず。この10分間の読書タイムがきっかけとなって、本来の楽しみ方までたどり着けた生徒さんは良いですが、これを読書の楽しみ方と思って常に「起承転結」、「どんでん返し」だけが読書の面白さであると、はき違えてしまうのは、とても残念でなりません。
純文学は、物語を読む側に衝撃や感動を与えることが目的ではないために、ストーリー展開は至って緩やかです。緩やかな中に、主人公の思考が丁寧に描かれていたり、情景が美しく描かれていたりというような味わい深さがあります。
直ぐに結論が出てしまう本が良くないとは言いませんが、短い時間で結論を求めがちな中学生にこそ、こういった結論を急がない読書に挑戦して小説の味わい深さに触れてほしいと思います。
その経験を重ねることで、物事にある奥行きに気づき、知的で味わい深い人になれるのです。

➁受験や社会に出る上で役立つ

何度も言いますが、純文学は文章の美しさが特徴の一つとしてあります。それ故に、沢山の作品を読んでいくうちに、自ずと自分自身の文章能力も身についていくのが嬉しいおまけかも知れません。
例えば極端な話ですが、巷で人気の携帯小説ばかりを読んでいる生徒さんの文章は、文体がおかしなことになっていて、作文の文章の末尾に平気で「♡(ハート)」を付けるのだと国語科の先生が頭を抱えていたことがありました。
これは少し極端すぎたかもしれませんが、早い話がそういうことなのです。美しくないものを見たり聞いたりして育った人は、それを素晴らしいものだと認識するしかありませんが、長く本物に触れていれば、何が本物か目利き出来るようになり、自ずと自分自身も影響を受けるというわけです。
どのような文章が美しいと言えるのかを知っておくことは、今後、小論文などを書く際にも大いに役に立つことでしょう。
また、受験対策として純文学作品を読むこともおすすめしたいです。受験で初めて純文学に触れて、その分かりづらさに「意味が分からない」と頭を抱えることがないように、普段から「純文学とはこういうもの」と理解して、起承転結が緩やかな純文学の持つ曖昧さに事前に触れておけば、当日になって「なんだこれは」と慌てる心配がありませんね。

中学生におすすめ!名作・純文学

それでは、ここからはいよいよ中学生の皆さんにおすすめしたい名作・純文学について紹介していきたいと思います。
冒頭でも述べた様に、純文学に限らず、昔から名作と言われ、世界中の人たちに読み継がれてきた作品も紹介していますので、ぜひ、この機会に挑戦してみてくださいね。

【純文学のおすすめ】

人の心の内を丁寧に描き切った作品。

『こころ』夏目 漱石/著 新潮社

こちらは、「先生と私」、「両親と私」、「先生と遺書」の三部構成からなる、人の心の内を丁寧に描いた夏目漱石の代表作の一つです。タイトルにもなっている「こころ」が、「いったい誰の心なんだろう?」と読む前から読み手の心をくすぐります。
この物語の核となっているのは、主人公である「私」が「先生」と呼ぶ男の過去であり、「先生」は、過去の出来事に長い間囚われ続け、やがて、「私」に書いた遺書で、全てを告白します。友情ではなく、恋を取って友人を出し抜いたことにより、起こってしまった最悪の結末。それをずっと内に秘めてきた「先生」の寂しさが文章からは垣間見えます。その「先生と遺書」の中で描かれた細かい心理描写がこの小説の旨みの一つであり、タイトルの所以となっているのではないでしょうか。読んでいると、人間の弱さや寂しさが深く心に染み渡ります。
人の心の内を丁寧に描き切っているので、感受性が高い時期に、ぜひ一度読んでほしい作品です。

 

まるで寓話集のようなわかりやすさ。

『蜘蛛の糸・杜子春』芥川 龍之介/著 新潮社

「年少者向け」とあとがきにもある通り、こちらは芥川龍之介の作品の中でも比較的読みやすい10作品を集めた短編集です。「名前は聞いたことがあるけど、難しそう」。そんな風に思って、これまで遠ざけてきた人にこそ、読んでほしいと思います。
古典、宗教、寓話など、様々な要素が物語の中に感じられ、未就学児にすら読み聞かせ出来そうな「わかりやすさ」や「読みやすさ」があります。文章がとても美しいので、(私の中で)声に出して読みたい小説ナンバー1と言っても過言ではありません。芥川龍之介と言えば、洗練された高雅な文体。美しい言葉で語られる情景に、ぜひ、酔いしれてみてください。

★『蜘蛛の糸・杜子春』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

人間の心理やエゴイズムが描かれた表題作。

『羅生門・鼻』芥川 龍之介/著 新潮社

お次も芥川龍之介の短編集です。表題作である『羅生門』は、文章から醸し出されるおどろおどろしさが何とも不気味で惹きつけられる作品です。『鼻』は、『今昔物語集』の「池尾禅珍内供鼻語」や、『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材としていて、コンプレックスによる人間の心理やエゴイズムなどが掘り下げて書かれている芥川龍之介の出世作です。芥川は学生時代、夏目漱石にこの作品を評価されて作家デビューしたらしいですよ。
先にご紹介した『蜘蛛の糸・杜子春』よりは、人間のねたみや非情さが目立つ作品が多く、少し小難しく感じる人もいるかもしれません。後の三好行雄さんの解説までじっくりと読むことで、納得できることも多くあるかと思いますので、『蜘蛛の糸・杜子春』の次に腰を据えて読む芥川作品として、ぜひチャレンジしてもらいたいです。

 

虎となってしまった男の話。

『李陵・山月記』中島 敦/著 新潮社

こちらは、『山月記』、『名人伝』、『弟子』、『李陵』の4作品が収まった短編集です。
『山月記』は教科書にも載っているので知っている人も多いのではないでしょうか。自尊心や羞恥心が心の奥底で膨らんで虎となってしまった男の話ですが、中国の古典を元に書かれているので、難しい言い回しが多かったり、物語の途中に漢詩が出てくることもあり、普段、漢詩に触れることがない私たち日本人は少し身構えてしまうところもある作品かも知れません。ただ、それでも、高校生の頃にこの話を読んだ私は、難解な文章以上に、虎になった男の話が衝撃的過ぎて、最後までどうなるものかと読み進めることが出来たのです。まるで、カフカの『変身』の舞台を中国に置き換えたような変身譚で、ぐいぐいと読者を引き込んでくれる作品です。

★『李陵・山月記』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

雪国の風景が目に浮かぶ。

『雪国』川端 康成/著 新潮社

物語冒頭の、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という一文が有名すぎて、『雪国』を読んだことがなくてもこの一文を知っている人は多いのではないでしょうか。
この一文からもわかるように、この作品は、これぞ純文学と思わずため息をついてしまうほどに自然描写が美しい作品です。内容は大人の恋愛物語なので、学生の皆さんに合うかどうかは正直何とも言えませんが、まるで一つの映画を見ているように情景が鮮明でとにかく素晴らしいので、ぜひ、そんな文章表現の美しさに酔いしれていただきたいです。

 

二人の主人公の物語。

『海辺のカフカ』村上 春樹/著 新潮社

こちらは、村上春樹の小説には珍しく10代の少年が主人公となっている作品なので、春樹作品の中でも中高生の皆さんにとって、特に読みやすい作品なのではないでしょうか。他の純文学作品に比べて、難解な文体というわけでもないので、初めて純文学に挑戦する人も比較的読みやすい作品だと思います。
この作品の面白いところは、家出をした15歳の少年、田村カフカが主人公である話と、知的障害の老人、ナカタサトルが主人公である話、この二つの物語が同時進行で進んでいくところです。読み進めていくうちに、この二つの物語が実は無関係ではないのかも?と感じ始めると、ページをめくる手がもう止まりません。
読み進めながらいろいろな気づきを得ていただきたいので、詳しいあらすじについては触れませんが、沢山の仕掛けが散りばめられている作品です。噛めば噛むほど味が出るといったような、一度ならず何度も読むことで深みを増していく小説なので、ぜひ、結末を焦らずじっくりと読んでほしいと思います。

【海外名作のおすすめ】

年老いても現役を貫く男の生きざま。

『老人と海』ヘミングウェイ/著 新潮社

こちらは、老漁師と大物マカジキとの二日間もの死闘を描いたヘミングウェイの作品です。
静かに、ただ静かに、大海原でひとり格闘する老人サンチャゴを見ていると、老いや自然の力に屈することなく、今の自分が持つ全力でマカジキに挑む姿に心を持っていかれます。死闘後の話を読んでいると心にぽっかりと穴が開いたような虚無感に襲われそうになりますが、何事もなかったかのように淡々とまた漁へ出る老人に精神力の強さを感じて救われたような気持ちになる人も多いのではないでしょか。老人と少年との関係性も素敵で、海の上での孤独な戦いの最中に何度も「あの子がいてくれたら」と思う老人の様子から、きっと少年が思っている以上に少年の存在は老人にとって大きなものであったように思います。
ヘミングウェイはこの作品で、ピューリッツア賞を受賞し、1954年にはノーベル文学賞も受賞しました。ヘミングウェイの代表作の一つなので、ぜひ一度読んでみてください。

『老人と海』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

 

物事の不条理さを描いた名作。

『変身』カフカ/著 新潮社

こちらは、主人公の青年が、ある朝起きたら巨大な害虫になっているという物語で、虫嫌いの私はぞわぞわしながら読み進めていった記憶がありますが、読めば読むほど、この害虫があまりにも哀れで、なんとか最後は人間に戻らせてあげたいと、いつしかこの害虫に感情移入している自分がいました。
青年が害虫となってしまったことで、青年に対する家族の接し方がそれまでと違うものとなってしまった理不尽さが読んでいて胸に突き刺さる作品です。
自分の家族が、もし、これまでの家族とは違うものになってしまったら、自分だったらどう行動するか・・・。ありえない物語を現実世界と照らし合わせながら読んでみるのも面白いかもしれませんね。

 

多種多様な人々が紡ぐ、暖かい物語。

『種をまく人』ポール・フライシュマン/著 あすなろ書房

物語は、ごみ溜めのようになってしまった土地に、一人の少女が豆の種を植えるところから始まります。
やがて、年齢や人種も違う、多種多様な人々がそこに種をまくようになり、いつしかごみ溜めは立派な菜園となっていきました。菜園を通して紡がれていく13人それぞれの物語がそこにはあり、最初の少女のひと植えが、幸せの連鎖に繋がっていく過程が読んでいて何ともハートフルで心を動かされる作品です。
とても短く、読みやすい小説なので、何かの合間や就寝前などに、ぜひ、手に取って読んでもらいたいと思います。

 

短編の名手が届ける、極上の短編集。

『最後のひと葉』オー・ヘンリー/著 岩波書店

オー・ヘンリーを知らずとも、どこかしらでオー・ヘンリーの作品に触れている人は少なくないのではないでしょうか。
クリスマスに互いのことを思い、プレゼントを選び合う夫婦の物語『賢者の贈物』、病気の女画家と老画家の心温まる物語『最後のひと葉』などは絵本にもなっている有名な作品です。
14編が収録された短編集ですが、どの話もただオチがあるだけの作品ではない、深い感動やしみじみとした余韻の残る話ばかりであり、英米で短編の名手と呼ばれていたオー・ヘンリーの手腕を感じられます。
朝のわずか10分間の読書に、このような深みある短編集に挑戦してみるのもおすすめですよ。

★株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫には、「賢者の贈りもの」「最後の一葉」「警官と聖歌」など、よりすぐりの10編が収録されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

まとめ ~就寝前の読書に。~

「なかなか読む時間がない」と、日頃から読書に消極的な人は、まずは、就寝前の1時間を読書の時間にしてみてはいかがでしょうか。
布団に入って、本を開く。誰にも邪魔されないその1時間にピッタリなのが、今回紹介した純文学であったり、海外の名作であったりします。想像力掻き立てられるファンタジーや、ハラハラドキドキのストーリー展開の冒険物も良いですが、就寝前に読むには少し目が覚めてしまいそうですよね。就寝前だからこそ、美しい日本語から登場人物の心情や情景を思い浮かべながら、「起承転結」に囚われない読書をぜひ楽しんでみてください。

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花の絵本特集♪

春にぴったり、花の絵本

近所の桜は全て葉桜となりましたが、チューリップ、ラベンダーにクレマチス・・・春はまだまだ沢山の花を咲かせてくれる季節です。
我が家でも黄色のモッコウバラが色鮮やかに咲き乱れて楽しませてくれていますが、花には人の気持ちを朗らかにする不思議な力がありますよね。今回は、この季節に合わせた素敵な花の絵本を集めてみましたので、ぜひ、春の陽気に身を任せ、ご家族で絵本を眺めてみてください。

花の絵本15選

春の読み聞かせには欠かせない!

『さくら』長谷川 摂子/作 矢間 芳子/絵 福音館書店

こちらは桜の木(ソメイヨシノ)の一年を通した様子がよくわかる一冊です。
桜と言えば、満開に咲いている春の様子だけに注目しがちですが、夏、秋、冬の桜も表情が違い、それぞれの良さがあってとても素敵です。四季折々の桜が美しい絵と文章で一つの物語としてまとまっているので、春の読み聞かせにピッタリですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごい絵がリアル!
見てると花見に行きたくなるんだよね~。

 

じいじとちびすけの関係にジーンとくる!

『じいじのさくら山』松成 真理子/作・絵 白泉社

天気が晴れた日、じいじに誘われて、よく、さくら山を登ったちびすけ。それは、じいじが嬉しいことがあるたびに、こっそりと植えてきたじいじの大事なさくらの木々からなる山でした。
「ちょうしのわるいところはないかいな」
「ぐあいのわるい木はおらんかな」
じいじは、ひとつひとつの木に触って木の具合を確かめます。ちびすけも真似をして触ってみますが木は何も答えてはくれません。やがて、じいじは病気になり、ちびすけは一人で山に行き、じいじの回復を願います。

よく、子どもは親の背中を見て育つと言いますが、この物語は
じいじとちびすけの関係がとても素敵で、ちびすけは、きっと、じいじの生き方を見て、じいじとの思い出を胸にこの先成長していくのだろうなあ…と読んでいて暖かい気持ちに包まれました。じいじの「なんも なんも」という口癖に、すべてのことを受け入れてくれるような安心感を覚えるのは私だけではないはずです…。
 

小3むすこ
小3むすこ

このじいじ、うちのじいじによく似てるよね。

 

わたし
わたし

確かに。

 

5才むすめ
5才むすめ

じいじだ、じいじだぁ~♡(ハート)

 

知らなかった!菜の花の秘密がわかる絵本。

『なのはなみつけた』ごんもり なつこ/作・絵 福音館書店

我が家の庭に植えた葉牡丹から、するすると茎が伸び、ちょうどこの本の裏表紙の絵のような、見事な菜の花が咲きました。菜の花って、白菜やキャベツ、小松菜などの葉野菜からも咲くんですね。恥ずかしながら、この絵本を読むまで全く知りませんでした。
菜の花に最大限のスポットを当てて、菜の花についてのあれこれを丁寧な言葉で紹介してくれているので、未就学児でも興味深く楽しめる絵本です。我が家では新小学3年生も「へ~。知らんかった~。」と新しい発見があったようで、興味深げに絵本を眺めていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

え!菜の花って、野菜からも咲くん?
知らんかった~!

 

たんぽぽに詳しくなれる、どこかお洒落な一冊。

『たんぽぽ』荒井 真紀/文・絵 金の星社

たんぽぽを主役とした作品は他にも数冊思い浮かびますが、私はこの上から見たような構図で描かれているたんぽぽや、色遣いが好きで、荒井真紀さんの絵本をチョイスしがちです。
荒井真紀さんの作品は、どれも丁寧にそのものを捉えていて、それでいてお洒落。『まどのむこうの くだもの なあに?』(2019年月刊絵本「こどものとも年中向き」7月号)では、その魅力が爆発していますので、ぜひ、そちらも合わせてみていただきたいのですが、どの作品も、書店や図書館で他の沢山の本と一緒に並んでいても、荒井さんの絵本は
表紙からグッと引き寄せられる魅力があります。
こちらは、たんぽぽの観察に役立つ情報がこの一冊に沢山詰まっているので、科学絵本としても申し分ありません。
 

小3むすこ
小3むすこ

絵がすごくきれいだと思う。
どうやったらこんなに本物そっくりに描けるんだ!

 

身近な果物、バナナの全てがわかる絵本。

『バナナのはなし』井沢 尚子/作 おいかわ けんじ/絵 福音館書店

こちらは、この一冊でバナナのことがまるっと全てわかってしまう絵本です。
バナナはスーパーなどで簡単に手に入る果物ですが、この絵本を読むと案外バナナのことを知らなかった自分にきっと気づくはずです。
バナナを冷蔵庫に入れるとどうして黒くなるの?
バナナはどうやってなっているの?
そんな疑問に丁寧に答えてくれているのがこの絵本です。
今回、花の絵本を特集するにあたって、なぜかこの絵本が頭をよぎりました。なぜだろう?と、久しぶりにページを開いてみると、そこにはこんな一文が。

「これが、はな?」
つぼみのようにみえるけれど、はなではない。(中略)しろい はなびらが みえた!これが はなだ。

どう見てもバナナの花のように思われるものは、花ではなくて、本当の花はその花のようなものの内側にびっしりと並んでいるのだという驚き。これが、ずっと私の中に残っていて、花の絵本を思い浮かべた時に頭の中にこの絵本がよぎったのでしょう。
普段食べているバナナへのリスペクトが感じられる絵本なので、バナナ好きにも嫌いなお子さんにも読んでほしい一冊です。
 

5才むすめ
5才むすめ

バナナって私だいすき!

 

小3むすこ
小3むすこ

バナナの生り方がよくわかって面白いよね。
知ってるようで何も知らなかったんだな~。

 

表紙の秘密を裏表紙でこっそり種明かし!

『さいた さいた』とりごえ まり/作・絵 金の星社

こちらは「わくわく」や「ひゅーひゅるる~」など、絵に添えられた短い文章が楽しい作品なので、0歳さんから楽しめる絵本です。絵は全て朱色に近い、鮮やかなオレンジ色で縁どられているので赤ちゃんも目を引くかもしれません。
絵本のカバーで作者のとりごえまりさんがこの作品が出来たエピソードを語っておられますが、日常の中でふと見た光景からこんな楽しい絵本を作ってしまう絵本作家さんってやっぱり素敵だなぁと思わずにはいられませんでした。
また、ここでの小ネタが表紙と裏表紙の仕掛けに気づかせてくれるきっかけとなり、物語が一層深いものとなったようで子どもたちは嬉しそうでした。
 

小3むすこ
小3むすこ

子供向けかと思ったけど、意外に楽しめた。

 

わたし
わたし

あんたも子供や。

 

5才むすめ
5才むすめ

待って待って!これって、もしかして、ぞうさんがいた場所って・・・。

 

わたし
わたし

おおっ!娘ちゃんも気づいたか~。

 

とにかく全てが美しい絵本!

『花のうた』シャンナ・オーテルダール/作 エルサ・ベスコフ/絵 文化出版局

エルサ・ベスコフさんの絵本が個人的に大好きなので、花の本を特集するにあたって一番に飛びついたのがこちらの絵本。やはり、エルサ・ベスコフさんの絵は、美しくて心に優しいですね。
この絵本は、詩人であり作家でもある、シャンナ・オーデルダールの詩にエルサさんが絵を付けたものです。当時は新しさがあることで受け入れられたようですが、現在は古典的で、そこがまた趣があって美しい詩であると親しまれています。
読み聞かせには少し難易度高めな作品ですが、それでも子どもの横で、そっと声に出して読みたい絵本です。
布団に入った子どもに寄り添って、こんな美しい詩を読んであげられる母親になるのが理想です。

エルサ・ベスコフさんの描いた絵本は、他の記事でも紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選
 
芸術の秋‼ 絵が美しい絵本10冊

 

5才むすめ
5才むすめ

絵はかわいいけど、よくわかんない・・・。

 

小3むすこ
小3むすこ

タイトルどおり、花の歌が絵本になってるんだよ。
ね。そうだよね?

 

わたし
わたし

そうそう。そんな感じ。
素敵な絵本だけど、ちょっと読み聞かせ向きではないかもねえ。

 
 

母を思う、けろの願い。

『はなのしずく』椿 宗介/作 高畠 純/絵 フレーベル館

けろのお母さんが病気になって、けろは、お母さんの病気に効く薬を探す旅に出ることを決心します。
ところが誰に聞いてもなかなか有力な情報は得られないまま。ようやく、ふくろうおじいさんから「夜の間につゆ草のしずくを集めて飲む」という方法を教えてもらいますが、いくら探してもつゆ草の花は見つかりません。そんな時、野原の向こうに真ん丸な月が登ってきて・・・。

高畠純さんの絵が大好きで、知らず知らずのうちに手に取っている自分がいます。こちらは『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)とはまた一味違ったタッチのゆるさで、見ていて和みますね。
作者のあとがきを読んで、「青い月の光」は、真っ暗な夜を照らしてくれる唯一の希望であるような気がしてなりませんでした。

『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)は、他の記事で紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選

 

小3むすこ
小3むすこ

この絵本、話的にも面白いけど、なんてったって、かえるの表情が面白いよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

つゆ草の青いしずくって、ほんとうにあるん?

 

わたし
わたし

娘ちゃん見つけたら、お母さんの花粉症を治してね。

 

あったらいいなが形となった物語。

『サナのゆめのにわ』なりた まさこ/作・絵 ポプラ社

タイトルに「ゆめのにわ」とある通り、こちらは、現実には到底あり得ない、けれどもこんなことがあったらいいなを形にした、子どもたちのワクワクが詰まったファンタジーな作品です。
もしも、自分だけの庭があって、好きなお花を植えられて、そこで自由に遊ぶことが出来たら?
大きく伸びたお花の茎のトンネルをくぐったり、お花の妖精と知り合って一緒に遊んだり、きっと子どもたちの想像する世界はこの絵本のような楽しいことばかりのはずです。
ぜひ、想像を膨らませて、お子さんと一緒に「ゆめのにわ」で、沢山遊んでください。
 

5才むすめ
5才むすめ

楽しそう~!!こんな庭があったら、ぜったいぜったい水やりする~!!

 

正直な心が一番。

『皇帝にもらった花のたね』デミ/作 武本 佳奈絵/絵 徳間書店

皇帝がおよつぎを選ぶことになって、くにの子どもたちに少し変わったおふれを出しました。
それは、皇帝が渡す花の種を大切に育てて、一年後、再び皇帝に見せに来るようにというものでした。花を育てるのが大好きなピンもこのおふれ通り、皇帝からいただいた花の種を大切に育てるのですが、いっこうに目が出てきません。そうこうしているうちに、とうとう約束の一年後がやってきてしまいました。困ってしまったピンは・・・。

目先の利益に囚われ、嘘をつくことを選んだ大多数の子どもたちの目に、誠実でいることを選んだピンの勇気はどう映ったのでしょうか。嘘を平気でつく子にはなってほしくないな~と思い、子どもに読み聞かせた絵本ですが、何度も読んでいるところを見ると、子どもの心にちゃんと響いたようです。
 

小3むすこ
小3むすこ

最初は「どうして?」って、意味が分からなかったけど、そういうことだったのか~!
この話、おもしろーい!!

 

5才むすめ
5才むすめ

また読んで、読んで~!
お父さんにも読んであげようよ。

 

「春の種」という発想が素敵。

『はるねこ』かんの ゆうこ/作 松成 真理子/絵 講談社

〈春の種〉がつまった、きんちゃくぶくろを落としてしまった〈はるねこ〉の話を聞いて、あやのは折り紙で春を作ろうと提案します。花や、ちょうちょや小鳥・・・折り紙で作った沢山の〈春〉は、やがて本物の春のように心を温かくしてくれます。
折り紙大好きな娘なら絶対よろこぶに違いない。そんなよこしま(?)な考えから読み聞かせした絵本ですが、案の定、この絵本は、娘の好奇心をくすぐりまくったようでした。折り紙で〈春の種〉を作っては、私にプレゼントしてくれ、自分なりに絵本の世界を楽しんでいました。このお話には他にも、『なつねこ』、『あきねこ』、『ふゆねこ』もあるようなので、季節を通して読んでみるのもいいですね。
 

5才むすめ
5才むすめ

お母さん、これ。

 

わたし
わたし

ん?なあに、この折り紙のグシャッとなったやつ?

 

5才むすめ
5才むすめ

はるの、た、ね♪

 

わたし
わたし

いただきます。
もう10年分ぐらいは、春の種に困らないです。

 

ふんわりとした雰囲気の不思議なお話。

『なかないで なかないで』あまんきみこ/作 黒井 健/絵 ひさかたチャイルド

えっちゃんと猫のミュウは、よもぎのはらでちょうちょを追いかけました。
二匹のちょうちょが上になったり下になったりしている様子が笑っているように見えたので、えっちゃんとミュウは、ついちょうちょに夢中になってしまい、どっちから来たのかわからなくなってしまいました。
堪え切れなくなったえっちゃんが涙を流した、その時、
「なかないで なかないで」
やさしい声が聞こえてきて・・・。

こちらの作品は決して花が主役な訳ではありませんが、たんぽぽの花や、白い花が咲き誇っているよもぎのはらが印象的だったり、紫色の花が咲いた木々が風に揺れる様子で、迷子になった不安な気持ちを表現していたりと、殆どのページに花が描かれています。ふんわりとした絵は温かみがありますが、えっちゃんが迷子になった時には、これが不思議と、霧に包まれたような、ぼんやりとした印象に変わり、不安な気持ちを掻き立てられます。
自分が小さい頃、迷子になった時もこんな感じだったよなあ…と遠い昔に思いを馳せることができた一冊でした。
 

5才むすめ
5才むすめ

ねえ。えっちゃん、ほんとうに私に似てるかなあ?

 

わたし
わたし

似てる似てる。クリソツ。

 

5才むすめ
5才むすめ

え~、ほんとに?

 

小3むすこ
小3むすこ

似てる似てる。モデルになってんじゃない?

 

その辺を散策したくなる!

『野の花えほん 春と夏の花』前田 まゆみ/作・絵 あすなろ書房

こちらは春と夏の野原に咲いている花を紹介した絵本ですが、まず、持った正直な感想は、「あの雑草、食べられるのか!」、「あの雑草、役に立つのか~!」という驚きでした。特に、庭の手入れを怠るとすぐに生えてくる忌々しい雑草の名前がわかり、実は銅などのさび掃除に役立つと知った時は目からうろこでした。
一ページごとに一つの花の詳しい情報が載っているのですが、どの花も道端に咲いているものばかりの上、描かれている絵が可愛らして、それぞれの豆知識も楽しくて、終始興味をそそられた、収穫の多い一冊でした。
食べられるものは料理方法まで載っているので、子どもと一緒に野草取りに出かけたくなります。
 

小3むすこ
小3むすこ

見たことある花がたくさん載ってた!
庭にもいっぱい咲いてるよね~。

 

わたし
わたし

抜いても抜いても生えてくるからねえ。
決して好きで植えてる訳ではないよ。

アサガオの全てが丸裸に!

『アサガオ たねからたねまで』佐藤 有恒/写真 中山 周平/文 あかね書房

こちらはアサガオの写真絵本です。種をまいてから花が咲き、しぼんで再び種が取れるまでの様子を普通の観察では見えない土の中まで写真で丁寧に紹介してくれているので、大人でも沢山の気づきを得ることが出来ます。
肉眼では動かないように見える花も、実は土の中でぐんぐん根を伸ばして一生懸命生きているその様を目の当たりにすると、どこか別の生き物の成長過程を見ているようで、アサガオに愛着すら芽生えます。
種をまいた日付けや、花が咲いて枯れ、種になった日付も刻まれているので、大体の時期を知ることが出来るのもいいですね。本の最後にはアサガオの植え方も載っているので、自由研究や、お子さんと一緒に観察するのにも楽しめる絵本です。
 

小3むすこ
小3むすこ

アサガオ、学校で植えたことあるから(読んでて)面白かった!
また育ててみたくなった~。

 

5才むすめ
5才むすめ

いいなあ~。私も植えてみたい・・・。

 

花の色って奥深い!

『花の色のふしぎ』佐藤 有恒/写真 あかね書房

こちらは、花自体が持つ役目や仕組みの話から始まり、花の色に関するいろいろな知識を得ることが出来る写真絵本
です。
特に、花の色と関わる虫たちの話が面白くて、思わず誰かに話したくなります。紫外線を感じ取る目を持ち、花にやってくる虫たちの見ている花の色に合わせて体の色を変えるクモがいたり、紫外線が見える虫と見えない人間とでは花の色が全く違って見えたりと、その内容は大人が読んでも楽しめますよ。
未就学児のお子さんにはまだ少し難しいかもしれませんが、昆虫写真家である著者が撮った、美しいカラー写真がたくさん載っているので見ているだけで良い刺激になるかも知れません。
 

小3むすこ
小3むすこ

虫と人間、花の色が違って見えるなんて知らなかった。
人間には見えないものが虫には見えているんだね。

 

花の絵本から新たな発見

いかがでしたか?
一冊の絵本で一つの花の様々な知識が身に付くものから、物語の中で花を美しく描いたものまで、花の絵本は本当にいろいろな作品がありますね。
絵本を子どもに読み聞かせていると様々な気づきがありますが、特に、作者が実際に一つの花をよく観察して描かれているのではないかと思われる、繊細なタッチで花の細部まで描き上げているような絵本を読んでいると、そこには沢山の情報が詰まっており、子どもだけでなく、大人ですら、(大人だからこそ?)普段見慣れている花に新たな気付きを得ることが出来ます。
たんぽぽって、さくらって、近くで見るとこんな感じだったっけ、
そんな新たな発見を楽しみながら、読み聞かせをするのもいいですね。

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【番外編】胸キュン必至!少女漫画のおすすめはコレだっ!

胸キュンするなら、小説より漫画?!

いつもは小説や絵本の紹介をしているこのサイトですが、今回はバレンタイン(過ぎましたが)ということで、番外編として少女漫画の紹介記事を書いています。
小説でも恋愛小説と言った括りはありますが、私は「ときめき」だけを求めるのであれば、どちらかというと恋愛小説より少女漫画の方が向いているような気がします。思わず、「ふふふ・・・」と微笑んでしまうような漫画を集めてみましたので、勉強の息抜きに、良ければときめいてください。

胸キュン必至!おすすめ少女漫画 10選

 

とにかく甘すぎる恋物語!

『なのに、千輝くんが甘すぎる』亜南くじら/著 講談社

こちらは、ずっと片思いをしていた相手にフラれた上にバカにされた女の子が、「好きにならないこと」を条件に、学校一のイケメンとひょんなことから「片思いごっこ」をすることになってしまうお話です。
巻が進むごとに、イケメンの心情がなんとなく透けて見えてくるので、思わず「はやく告白しろよ~^^*」とニヤニヤしますよ。

 

「好き」が駄々洩れている!

『お嬢と番犬くん』はつはる/著 講談社

こちらは、こわ~い裏稼業を生業とする家のお嬢(高校生)と、その家の若頭(26歳イケメン)のお話です。
お嬢の高校生活が心配でならない若頭は、年齢を偽ってお嬢と同じ高校に入学して学園ライフを送りますが、美人でほっとけないタイプのほんわかしたお嬢だけに、近づいてくる男子はたくさんいます。普段は冷静で落ち着いた物腰柔らかめの若頭ですが、そんな男子たちには容赦ありません。
お嬢への気持ちを我慢している若頭(ダダ洩れだけれど)や、若頭への気持ちが恋だと気づいたお嬢・・・これもまた、両想いのくせに互いの気持ちを口に出せないもどかしさがたまらない作品です。
 

爽やかでこれぞ青春!

『恋のはじまり』蒼井まもる/著 講談社

「あいつは好きなのか、どうなのか~?」というキラキラした期間、恋の始まりを丁寧に描いている作品です。
読んでいると学生時代に戻りたくなりますね・・・。
こういう恋愛は学校ならではで、うらやましいです。
主人公の性格が愛嬌があって、表情もどこか小動物を思わせるので、見ていて「ふふ・・・」と笑えて癒されますよ。
 

作品の空気感がとにかく良い!

『マイ・ボーイフレンド』蒼井まもる/著 講談社

上の作品と同じく、友達から恋に変わっていく様子がきゅんきゅんに描かれています。
いいですね~。癒されます。笑
私は蒼井まもるさんの作品がどうやら好きなようです。蒼井さんの作品は、どれも雰囲気が優しくて、どの作品もほんわかとしています。登場人物のふとした表情がとても良いです。こういう漫画を読んでいると、こういうところが恋愛小説には無い少女漫画の良さだよな~と思わずにはいられません。(もちろん、恋愛小説には恋愛小説の良さがあるとは思いますが。)
 

健気な主人公が応援したくなる!

『さくらと先生』蒼井まもる/著 講談社

またまた蒼井さんの作品ですが、こちらは生徒と先生ものです。
ぎりぎりまで先生の気持ちがよくわかりませんが、最後の方できゅんならぬ、ズドンと雷が落ちる感じ、「おおっ!」と思わず心の中で叫んでしまいます。健気なさくらを応援したくなる作品です。
 

男子の切ない片思いがグッとくる!

『シンデレラ クロゼット』柳井わかな/著 集英社

男勝りな女子、春香が、女装趣味の男子と知り合い、友達になり、どんどんきれいになっていくお話ですが、真っ直ぐな主人公を次第に好きになっていく女装趣味男子の気持ちがなんとも切ないです。
この作品は女装男子が可愛らしいのですが、時折見せるカッコイイ男性バージョンにきゅんと来ない人はいないのではないでしょうか。なかなか実らない男性の片思いが読んでいて「胸キュン」です。
 

懐っこ男子と奥手女子の恋愛模様!

『1センチよりも近く』石沢うみ/著 講談社

こちらは、お互いのことを知っていくうちに、自分の中で相手の存在が特別なものになっているということに気づいていく過程が丁寧に描かれている作品です。ついつい距離が近くなってしまう男子と、それに戸惑う女子は、見ているこっちがくすぐったくなります。
恋に一生懸命な女子と、屈託のない笑顔が素敵な男子のきゅんきゅんなラブストーリーです。
 

先生を好きになった女の子の奮闘が良い!

『I Love Her』いくえみ陵/著 集英社

こちらは、人当たりのいい愛されキャラな女の子・花が、アパートの隣に住む学校の先生「しんちゃん」を好きになってしまうお話です。
誰とでも仲良くなってしまう花のことを、先生としてリスペクトするしんちゃんですが、花は、先生への好きが隠し通せなくなくなってしまいます。
この話は、女の子の性格がさっぱりしていてドロドロうだうだしていないところがよく、先生も大人としての分別をわきまえているのが現実的でいいです。
しんちゃんは自分の気持ちを見せることなく、ずっと「先生」を貫きますが、最後の巻では、「なんだよ~。やっぱり、そうだったのかよ~。」と思わずニヤニヤが止まりません。
先生の告白の仕方に、読んでいてきゅんと来ない人はいないでしょう。
 

鈍感アラサー女子と、素直になれない高校生男子の年の差ラブコメ!

『プロミス・シンデレラ』橘 オレコ/著 小学館

最初は退屈しのぎで、面白半分に早梅にちょっかいを出していた壱成ですが、早梅の真っ直ぐな言葉や態度に知らず知らずのうちに魅かれている自分に気づいてからは、素直になれない性格が災いしてなかなか思うようにいきません。恋愛に鈍感な早梅と、素直になれない壱成の恋愛模様は、時に笑え、時にこっぱずかしく、くっつきそうで、くっつかない二人は読んでいてドキドキします。
思うより先に行動してしまう壱成に、度々、「胸キュン」させられてしまう作品です。
 

王子の色気が!

『うるわしの宵の月』やまもり 三香/著 講談社

こちらは、2021年2月17日現在、まだ一巻までしか出ていないので、これからどんどん話が膨らんでいくと予想される作品ですが、一巻ですでに市村先輩の色気(?)が駄々洩れとなっていて、今後の展開が期待されます。
市村先輩に女子として扱われた宵の表情もとても可愛らしくて、女子ながら「胸キュン」しました。
おそらく、話数が進むごとに、市村先輩の宵が「気になる」気持ちが「好き」に変化していき、これからもっともっと宵と読者をときめかせてくれるのかな~と踏んで、今回おすすめ作品に加えさせていただきました。
 

 

中高生から大人まで楽しめる、少女漫画

小説にさまざまなジャンルがあるように、少女漫画にも、部活もの、ファンタジーもの、年の差ものなど、いろいろなパターンがあり、好みや気分によって楽しむことが出来ますよね。現実とのギャップは多少(結構?)ありますが、このような少女漫画が高校生活への期待であったり、活力になることだってあることを思えば、漫画だって、捨てたものではありません。
何歳になっても、少女漫画から、ときめきを、癒しをもらいたいものです☆彡

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【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本 15選

目次

今年の干支を絵本で読もう。

十二支の中の”丑(うし)”

2021年の干支は、丑(うし)年です。
十二支の中で順番は二番目ですが、ねずみのように姑息な手を使っていない分、実質、一番早く神様の御殿に到着したと言ってもいいウシ。
中国では、昔から方位をこの十二支の並びで表していて、牛と寅の場所は鬼門にあたる「北東」になります。
そのため、鬼の姿は昔から、寅模様のパンツを履いていて、頭にはウシのツノがあるそうですよ。
鬼のツノが干支と関係していたなんて、面白いですね。

人とウシとのかかわり

ウシは、ことわざや慣用句に多く使われていることからも分かるように、ねずみ同様、昔から人間との関わりが濃い動物です。
しかし、家畜として人間の生活に役立ち、人間が生きていく上でとても大切な存在であったことから、人間の意図しないところで関わってきたねずみとは、当然、その価値は大きく違っていたようです。

絵本においても、悪く描かれている印象の少ないウシ。今回は、そんなウシさんが出てくるお話を15冊選りすぐって集めてみましたので、ぜひ、この機会に、お子さんに読み聞かせてあげてください。

ウシが出てくるおすすめの絵本 15選

 

絵も、詩も、インパクト大!

『うし』内田 麟太郎/詩 高畠 純/絵 教育画劇

うしの後ろにうしがいて、そのまた後ろにもうしがいて、最後は・・・という、文にすると何とも単純なお話ですが、この内田麟太郎さんのシンプルな詩に、高畠純さんの個性的な絵が旨い具合に合わさって、素敵な一つの作品になっています。高畠さんの描くうしは表情が面白くて、これが淡々とした詩と合わさると無性に笑えてくるのです。
この絵本は私が読むより、絵本を読みなれていない人に淡々と読んでもらった方が、絶対子どもにウケる!と思い、主人に読んでもらったところ、子どもたちは大笑い。
その後も、子ども二人で何度も読み返していました。
 

小2むすこ
小2むすこ

うししか出てこないのに、なんでこんなに面白いの~。

 

5才むすめ
5才むすめ

またお父さんに読んでほしいっ!

 

『うし』は、他の記事でも紹介しています。
3,4歳児におすすめの絵本20冊

 
 

タイトル通りの、のんびり感。

『うしのもーさん』風木 一人/作 西村 敏雄/絵 教育画劇

大きくて力持ちの、うしのもーさんは、「せなかに のっけてよ」と言われれば、すぐに誰でも背中にのせてあげます。
もーさんの背中は沢山の動物たちでいっぱいになりますが、そんな中、もーさんはある願いをぼそっとつぶやくのです。
「ぼくも……のってみたいなあ」

見たことある絵だな~と思っていたら、我が家にある絵本『うんこ!』(サトシン/作 文溪堂)の絵を担当されていた西村さんが絵を描かれていました。
最初に紹介した『うし』(内田 麟太郎/詩 教育画劇)や、『おおきなかぶ』(A・トルストイ/再話 福音館書店)や『てぶくろ』(エウゲーニー・M・ラチョフ/絵 福音館書店)などにも見られる、”繰り返し”が子どもたちは大好きですよね。決して、続きが気になってページを捲る手が止まらないわけでも、大きなオチがあるわけでもなく、終始のんびりと続いていくお話ですが、最後はどうなるのかというわくわくした気持ちや、ちょっぴり予想外の展開に思わずニヤッと笑ってしまうぐらいが、子どもたちにちょうど良い安心感を与え、飽きずに何度も読まれていくのではないでしょうか。
 

小2むすこ
小2むすこ

必死な表情の動物たちがかわいかった!

 

5才むすめ
5才むすめ

もーさんの背中に乗ってみたい。まだ乗れるかな・・・。

 
 

独特な世界観!

『ウシバス』スズキコージ/作・絵 あかね書房

人々がウシバス停で待っていると、定刻にウシバスがやってきて乗車しますが、このウシバス、なかなか一筋縄ではいかないようで、乗っている人は振り飛ばされそうになるやら、海に沈むやら、踏んだり蹴ったり。
説明書きは一切なく、「グルグル」や「バシバシ」など理解しがたいセリフが続くので、読み聞かせにはけっこう難易度高めです。例えば読み聞かせを始める前に、「何人がウシバスにずっと乗っていることができるかな?」なんてクイズを出してお子さんを引き付けておくのも一つの手かもしれませんね。
色使いがアーティスティックで、現代アートを思わせるような、不思議な世界に触れられる作品です。
 

小2むすこ
小2むすこ

乗ってる人おかまいなしのウシが面白い。
必死につかまっている人たちは、ウシバスの恐ろしさを知ってて乗ってきたのかな。笑

 

5才むすめ
5才むすめ

ウシバスこわい。ぜったい乗りたくない。

 
 

うちの娘は「こたつうし」ならぬ、「ふとんむし」!

『こたつうし』かわまた ねね/さく 長谷川 善史/絵 世界文化社

寒くてこたつから出なくなったうし。その名も”こたつ”と”うし”で、”こたつうし”となったうしのお話です。
こたつうし母さんの温かいこたつを求めて、子どもたちが一人、また一人と入ってきて、こたつはぎゅうぎゅう。
そのうちケンカが始まって、こたつうしは立ち上がり・・・。

この絵本を読んでいて、思い浮かぶのは、布団の中で起きるのを渋る娘の顔。
お兄ちゃんは6時ピッタリに目覚ましで起きれるのに、妹ちゃんは布団をはぎ取ってもはぎ取っても、引っ張って潜り込む。眠り姫というか、ふとん虫。
本作を読みながら、「こたつうしは妹ちゃんみたいだね~」と、お兄ちゃんと笑いました。
 

小2むすこ
小2むすこ

このこたつうしのように、こたつに入ったまま動けたら、
どんなに幸せか・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

こたつうしに、なりたい。

 
 

こんなウシがいてもいい。

『まめうし』あきやま ただし/作・絵 PHP研究所

こちらは、まめうしくんの一日を絵本にした作品です。
豆粒ほどの小さい子うしですが、冒険が好きだったり、ぶたさんの背中をかいてあげたりと何かと頼もしい、まめうしくん。読んでいると、心がほっこりとしてきます。
とりさんやありさんを助けてあげる、優しいまめうしくんに子どもたちはニコニコして聞いていましたが、物語後半に出てくる、まめうしくんの夢には、声を出して笑っていました。
子どもたちは、まめうしに興味津々です。
 

小2むすこ
小2むすこ

小さくても毎日が楽しそう。
途中に迷路みたいなページがあって、面白かった。

 

5才むすめ
5才むすめ

まめうしくん、かわいいっ!!(ハート)

 
 

わがままで、くいしんぼうな牛の話。

『くいしんぼうのはなこさん』石井 桃子/作 中谷 千代子/絵 福音館

おひゃくしょうの家の牛、はなこは、食いしん坊でわがままな牛です。干し草をあげれば「ほしくさは いや」、とうもろこしの粉をやれば「それはいや、あおい クローバーが ほしい」と言います。そんなはなこも大きくなり、春がやって来ると牧場へ連れていかれるのですが、牧場生活でわがままが直るどころか、ますますやりたい放題で、その風貌はまるで大きなアドバルーンのようになってしまいました。そしてとうとう、獣医さんがやってきて・・・。

このお話は、牛の話には珍しく、どうしようもなくわがままな牛が出てくるお話です。
この牛のわがままっぷりときたら、読み聞かせをしていると、横から「ほかの牛がかわいそうだね・・・。」と、はなこ以外の牛を同情する言葉が聞こえてくるくらい、酷いもの。
このわがままな牛がどうなっていくのか、子どもたちは最後まで真剣に耳を傾けてくれました。
 

小2むすこ
小2むすこ

自分の事しか考えないで、わがままばっかり言ってると、いいことない。

 

5才むすめ
5才むすめ

このうし、いじわるでイヤ。

 
 

私たちの手元に牛乳が届くまで。

『おかあさん牛からのおくりもの』松岩 達/文 冨田 美穂/絵 北海道新聞社

 
 
こちらは酪農家の一日を通して、私たちの手元に牛乳などの乳製品が届くまでの流れを知ることが出来る絵本です。
とても詳しく教えてくれているので、物語の絵本しか読んでもらったことのないお子さんには少し難しいと感じられるかもしれませんが、わかりやすい絵で描かれた解説があるのでそちらを見ながら読み聞かせてあげると理解を深めることが出来るのではないでしょうか。
牛のお乳やお肉が私たちの手元に届くまでには、酪農家さん、獣医さん、授精師さん、酪農ヘルパーさん、牛乳を運ぶローリーの運転手さん、牛乳工場やお肉の工場で働く方々、ほかにも多くの皆さんが関わっていることがこの絵本を読めばわかります。この後に紹介させていただく『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』(坂本 義喜/原案 講談社)と合わせて読めば、牛と関わる仕事をしている方が普段どういう気持ちで牛と関わっているのかも良くわかって感慨深いです。
 

小2むすこ
小2むすこ

うしが草を食べてウンチをして、そのウンチを肥料にして草が生えてうしがその草を食べて、ウンチをして・・・。
なんか、すごいな~!ムダがない!

 

5才むすめ
5才むすめ

牛におっぱいが4つもあるって!
ねこには8つっ!!!

 
 

「いただきます。」の意味がわかる絵本。

『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』坂本 義喜/原案 内田 美智子/作 講談社

前半は、食肉センターに勤める坂本さんの息子さんの参観日エピソードが中心となっていて、坂本さんの「牛を解く(牛を殺す)」仕事への葛藤が描かれています。後半は、牛農家の女の子と、大切に育てられたみいちゃん(牛)のエピソードから、「この牛だけは解きたくない」と坂本さんが葛藤する気持ちが描かれています。
どちらも「牛を解く」食肉センターでの仕事への葛藤がメインに描かれていますが、この絵本を読んでいると、ご飯を食べる前にこれまで形式的に言っていた「いただきます。」という言葉の意味が、改めて心に響きます。子どもたちに「命をいただいて、命を繋いでいる」ということを知ってもらえる良い機会なのではないでしょうか。
 

小2むすこ
小2むすこ

これからはもっと、「いただきます」をちゃんと言おう!
残さず食べよう!

 

5才むすめ
5才むすめ

うしも泣くんだね・・・。

 
 

あんなものにも牛が!

『きみの家にも牛がいる』小森 香折/著 中川 洋典/絵 解放出版社

まず表紙の絵を見ただけで、子どもたちに読む前から質問の嵐だったこの絵本。
私たちの身の回りにある、牛が原料となっているものにはどんなものがあるか、それらを作る為には牛から命をもらっているのだというメッセージがたくさん詰まっていて、子どもたちは興味津々で最後まで聞いてくれました。
ページ配分としては、牛を解体する、食肉市場での作業についての説明がやや多めなので、乳牛というより肉牛の話が中心です。
最後のページには、家族で朝ごはんを食べている2・3ページの絵に、牛が原料のものがどれだけあったかがわかる絵が載っているので、子どもにクイズを出すことも出来そうですね。
食べ物以外にも身近なものに牛が使われていることが、子どもたちには衝撃だったようです。
 

小2むすこ
小2むすこ

グミにも牛が使われていることに驚いた。接着剤にも・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

知らないことばかりだった!

 
 

夢のようなうし!

『うしさんおっぱいしぼりましょ』穂高 順也/作 竹内 通雅/絵 ポプラ社

現実的な絵本の紹介が続いたので、次は思いっきりメルヘンな絵本の紹介をしたいと思います。

こちらは、とびきり美味しい牛乳を搾ってくれる、ちょっと不思議な「まきばのぎゅうにゅうやさん」の物語です。
「まきばのぎゅうにゅうやさん」の、牛のお乳が飲みたい人は、お金を払わなくていい代わりに牛になにか食べ物をあげることが条件です。みんなは、イチゴをあげたり、バナナをあげたり、豆をあげたり、いろいろなものを牛に食べさせるのですが、ついにはあんなもの、こんなものまで食べだして・・・。
お次はなにを??と、次に牛が食べるものを想像しながら読み進めていける一冊です。
それを食べた牛のお乳から何が出てくるのかを、親子で当てっこするのが楽しいですね。
♪うしさん おっぱい しぼりましょ♪」のフレーズに子どもたちはすっかりハマったようです。
 

小2むすこ
小2むすこ

うしさん おっぱい しぼりましょ~♪
ぼくなら氷を食べさせるわ~。

 

5才むすめ
5才むすめ

うしさん おっぱい しぼりましょ~♪
わたしならイチゴと氷~。

 
 

スコットランドの昔話

『ノロウェイの黒牛』中川 千尋/文 さとう ゆうすけ/絵 BL出版

こちらは、ノロウェイの黒牛に魅入られた娘の物語です。
身の毛もよだつ怪物と言われるノロウェイの黒牛と結婚してもいいと姉たちに語っていた娘の前に、ある朝、その発言通り、本当にノロウェイの黒牛が娘を迎えにやってきてしまいました。娘は黒牛の背に乗り、果てしない旅に出ることになりますが、やがて、黒牛にかけられた呪いを知ってしまい・・・。

さとうゆうすけさんの絵がとても美しいので、子どもたちはすぐにこの絵本を気に入ったようです。特に下の娘は、この絵本を読んでからと言うもの、髪をくくる時にはこの絵本を持ってきて、「このお姫様と一緒の髪型がいい~。」と言うようになりました。「恐ろしい黒牛は、実は呪いをかけられている・・・」というよくある設定も乙女心をくすぐったようで、保育園児が読むには字も小さく、ページ数も多いにも関わらず、一生懸命自分で読んでいました。
 

小2むすこ
小2むすこ

日本以外のほかの国にも、いろんな昔話があるんだ~。
もっといろんな国の昔話が聞いて見たくなった!

 

5才むすめ
5才むすめ

お姫様が可愛かった~。
最後がよかったねぇ!

 
 

みんなちがって、みんないい!

『はなのすきなうし』マンロー・リーフ/さく ロバート・ローソン/絵 岩波書店

こちらは、花の匂いを嗅いでいるのが大好きな、フェルジナンドという子牛のお話です。
他の牛たちのように飛んだり跳ねたりするよりも、草の上に座って静かに花の匂いを嗅いでいるほうが好きなフェルジナンドは、大きくなっても、他の牛たちのように角でつつき合ったり、頭をぶつけあったりせず、変わらず花の匂いを嗅ぐのが好きでした。
そんなある日、闘牛に出す一番大きな気性の荒い牛を探しに牛飼いたちがやってくるのですが、ひょんなことからフェルジナンドが牛飼いたちの目に留まってしまい・・・。

本来ならカタカナ表記であるべき、国の名前や牛の名前がひらがなで書かれていたり、文の並びが独特で、読む側は少し読みづらさを感じるかも知れませんが、子どもたちは最後まで楽しんで聞いてくれました。
闘牛場へ連れていかれるフェルジナンドを見て、「かわいそうだね・・・。」としんみりしている我が子に、こういう気持ちがわかるようになったのかと、親としてしんみり。
花が好きな牛がいてもいいし、仮面ライダーが好きな女の子がいてもいい、ラブパトリーナが好きな男の子がいてもいいよね~なんて読んだ後、親子で話しました。
 

小2むすこ
小2むすこ

最後のページの「大闘牛フェルジナンド」と書かれたポスターの絵が面白かった。
本当はあんなのじゃないのにね。笑

 

5才むすめ
5才むすめ

フェルジナンドが、もとの場所に帰れてよかったね~。
よかったぁ・・・。

 
 

ウクライナの昔話

『わらのうし』ワレンチン・ゴルディチューク/作 内田 莉莎子/訳 福音館

こちらは、貧乏なおじいさんとおばあさんの、ウクライナ版わらしべ長者のようなお話です。
タールづくりと糸を紡いでなんとか生計を立てていた貧乏な老夫婦は、ある日、おばあさんの提案でわらの牛を作ることにしました。わらで体を作り、横っ腹にたっぷりとタールを塗った、わらの牛です。
翌朝、おばあさんは、このわらの牛と丘に登りますが、おばあさんが居眠りをしているすきにクマがやってきて・・・。

この絵本を読んでいると、「タールってなに?」と子どもからの質問。
そうですよね。大人の私もよくわかっていないのだから、子どもがイメージできるわけがありませんよね。絵によると、なにやら黒く、くっつくものらしいことはわかるのですが・・・。よく見ると、絵本のページの右下の方にちゃんと説明して下さっていました。この説明から、さらにイメージしやすくなったようで、無事に物語に入り込むことが出来たようです。
ストーリーの面白さはもちろんのこと、『おおきなかぶ』や『てぶくろ』などの名訳で知られる内田莉莎子さんが翻訳を担当され、ウクライナの代表的な画家であるワレンチン・ゴルディチュークさんが長い時間を費やして丁寧に作品にしていった絵本なので、子どもたちに媚びない昔話の面白さがこの絵本には詰まっています。
 

小2むすこ
小2むすこ

動物たちがおじいさんを裏切るんじゃないかと思ったけど、
そうじゃなくてホッとしたよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

キツネだけ、なんかかわいそうだった。(←この発言の真意は不明。)
でも最後はみんなよかったね。

 
 

話のオチが面白い。

『おばあさんのひっこし』エドナ・ベッカー/作・絵 神沢 利子/訳 福音館

ある日、おばあさんは古くなった自分の家を引っ越すことを決心します。
そうと決まれば、二匹のねこと、ろばと、牝牛を引き連れて、さっそく、すてきな新居探しに出かけました。
「わたしゃ、ここに すみたいね」すぐにすてきな空き家が見つかりましたが、ここで少々困ったことが・・・。
動物たちの意見もしっかりと聞き入れる、おばあさんの新居探しが気になって仕方がない物語です。

読んだ後に、「意味わかった?」と子どもたちに聞いてみたところ、上のお兄ちゃんはすぐにわかったようでニヤニヤ笑っていました。下の子は、お兄ちゃんの説明を聞いて「そういうことか!」とようやく納得。意味がわかるとこの話の面白さに気づいたようで、その後、何回も自分で読んでいましたよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

ちょっとした旅行だ!笑
この話、面白かったね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

この話大好き!

 
 

優しさに包まれた絵本。

『おりこうなアニカ』エルサ・ベスコフ/作・絵 福音館

ある日、アニカは、壊れた牧場の柵から牝牛のマイロスが逃げ出してしまわないように、牧場でマイロスの見張りをすることになりました。ところが、見張っていた甲斐もなく、マイロスはあっという間に壊れた柵から抜け出してクローバー畑へ飛び出して行ってしまい・・・。

いぬに協力してもらったり、小人たちの手を借りたり、みんなに助けてもらいながら困難を潜り抜けるこのお話は、誰かを思う温もりに溢れ、優しさに包まれています。エルサ・ベスコフさんの描く絵からも温かみが伝わってくるようで、子どもたちは描き込まれた絵に釘付けになってみていました。特に、しっかり者のアニカが小人の子どもたちに囲まれて、「パンケーキを一緒に食べよう」と誘われて困っているシーンを微笑ましそうに眺めていましたよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

別の話にも出てきたけど、うしがクローバー好物だって、今回はじめて知ったよ!

 

5才むすめ
5才むすめ

アニカには友達がたくさんいるね!

 

 

ウシが出てくる絵本

いかがでしたか?
ウシが出てくるお話は、大胆な絵柄でインパクトのあるものが多く、お子さんの好奇心をくすぐりますが、中には、『いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』『きみの家にも牛がいる』のように、大事なことに気づかせてくれたり、『ノロウェイの黒牛』『わらのうし』のように、昔話として人々の心に残り、愛され続けた名作もあり、読み聞かせにはピッタリです。

この機会に、ぜひ、お子さんにウシが出てくるお話を読み聞かせてあげてください。

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【おとな編】まだ間に合う!クリスマスプレゼントに、心温まる絵本を。

大切なあの人に、絵本のプレゼントはいかがですか?

早いもので、街路樹や店頭ではイルミネーションが輝き、町のあちらこちらから、クリスマスキャロルが聞こえてくるシーズンがやってきました。
気づけば、あっという間にクリスマス。
中には、12月に入って、プレゼントは何にしようかと悩んでいるうちに、サンタの鈴の音がすぐそこまで来てしまった・・・そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方には、ぜひ、本屋に立ち寄って見られることをお勧めします。
「大人の絵本コーナー」が設けられている本屋さんがあるほどに、絵本の対象は子どもだけに留まらず、多くの大人たちが絵本には癒す効果があると手に取っていくようです。

絵本なら、書店に行けばすぐ手に入りますし、気軽に購入できる価格で相手に気を遣わせる心配もありません。

まだ間に合いますよ!

相手のことを考えながら、どんなプレゼントにしようかと考えるその時間・・・。
ぜひ、その至福の時をお楽しみください。

【おとな編】クリスマスプレゼントにおすすめしたい、心温まる絵本 10選

大切な人と、この感動を共有しよう。

『世界で一番の贈りもの』マイケル・モーパーゴ/著 評論社

こちらは、クリスマスの奇跡と今も語り継がれる「クリスマス休戦」を基に描かれた大人向け絵本です。

がらくた屋で購入したロールトップデスクの引き出しの中で見つけた、一通の手紙。
そこには、愛する人へ贈る、嘘のような真実の物語が淡々と綴られていました。

1914年12月25日。寒空の下、イギリス軍とドイツ軍が、敵でありながら共にお酒を酌み交わし讃美歌を歌い、故郷の話に花を咲かせて笑いあった、信じられないような日。

「この戦争を終わらせる方法が解ったよ。サッカーの試合で、勝負を決めればいい。サッカーなら、だれも死なずにすむ。親を失う子もない。夫を失う妻もない。」

ドイツ軍の将校がイギリス軍の将校に言ったこの言葉は、この戦争が早く終わって、みんなが無事に故郷に帰れるようにという、切実なる願いの元に出た言葉です。

クリスマスに起こった、この奇跡のような出来事は、両軍の公式記録には一切存在しませんが、この絵本のように、手紙や、無事に帰還した兵士たちを通して、人知れず語り継がれてきたのだそうです。

心温まる時間、かけがえのない一生の宝物といえるほどの時間を過ごしたことを綴った手紙の内容と、この休戦後に平和の願い空しく戦争の犠牲となった多くの兵士たちのことを思うと、心と目頭が熱くなる一冊です。
152mm×152mmという小ぶりな大きさと、封筒の消印や英字で書かれた手紙が表紙になっているオシャレなデザインから、プレゼントにも喜ばれると思いますので、ぜひ、大切な人とこの感動を共有してください。

『世界で一番の贈りもの』は、他の記事でも紹介しています。
平和学習におすすめな本

 

 

自分の気持ちを、言葉でプレゼント。

『Present book 好きなところ100(Presentbookシリーズ)』 いろは出版

こちらは、大切な人へ、面と向かって感謝や好きなところを言いづらい照れ屋さんや、長い付き合いで今さら口に出しづらい人にとって、持って来いなプレゼントなのではないでしょうか。
「プレゼントは何でもいいよ」なんて言われて、何にしようかと頭を悩ませているのであれば、気持ちのこもった言葉のプレゼントが良いかも知れません。
こちらの本に、大切な人の好きなところを、ただひたすらに書き込んでいくことで、渡す相手はもちろんのこと、書いている本人も、改めて、渡す相手の素敵なところにたくさん気づくことができ、幸せな気持ちになります。

クリスマスまでに100個も書きだすのは無理だと自信がなくなりそうな方は安心してください。
本書には、「おてつだいカード」といって、好きなところを思い出すヒントになるワードを集めてくれているカードが存在しているので、困った時はこれを参考に書き込んでいくと良いかも知れません。

また、付属の透明スリーブケースに入れることが出来るので、せっかくの本が折れ曲がる心配もなく、プレゼントにピッタリな一冊になりますよ。

大切な人を想像しながら、世界にひとつだけの本を完成させてくださいね。

 

人と違うことをしても大丈夫。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』レオ・レオニ/著 谷川 俊太郎/訳 好学社

小さな野ねずみたちが冬に向けてせっせと働く中、フレデリックだけは全く働こうとしません。
「どうして きみは はたらかないの?」
仲間がフレデリックに聞くと、
「ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ。」
と、フレデリックは答えます。
その後も全く働こうとしないフレデリックに、仲間たちは何度も聞きます。
「なにをしているんだい、フレデリック?」
「ゆめでも みてるのかい、フレデリック。」
「ちがうよ」
そのたびにフレデリックは、自分が集めているものの話しをしますが、それらはどこか掴みどころのないものばかりで現実味を帯びていません。
ところが、厳しい冬がやって来て、フレデリックが集めていたものの素晴らしさに気づいた時、仲間たちは拍手喝采して・・・。

この物語から何を感じ取るかは、人によってそれぞれ違うのかも知れませんし、そもそも、これは教訓めいた話ではないのかも知れませんが、みんなに同調して生きていく事も重要だけれど、もしも、それより大切なことがあった時には、人と違うことをしてもいいのだと、受け入れられるべきなのだという、メッセージが少なからず含まれているように私は感じました。

例えば、人と違う進路を歩もうとしている、あの人へ、
いつも思いもよらない斬新なアイデアを出して、チームを引っ張ってくれる、あの方へ、
素敵なメッセージを添えて、こちらの絵本をプレゼントすると良いかも知れませんね。
谷川俊太郎さんの訳も、詩的で、とても素敵です。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』は、他の記事でも紹介しています。
【2020年干支】ねずみが出てくるおすすめの絵本 15選

 

 

旅に出れない今こそ、この絵本。

『旅の絵本』安野 光雅/著 福音館書店

こちらは、どのページも文字が一切ない絵本です。
このシリーズは、毎回どこかの国を優雅気ままに旅しているので、コロナ禍の今見ていると、とても解放された気分になるのは私だけではないはず。
ある巻では馬に乗り、またある巻では舟に揺られて、旅人と共に、世界の風景に出会える贅沢を堪能してください。

また、どの巻も、地上に立って描かれた目線ではなく、少し上空を浮遊しているような、見下ろす感覚で描かれていることもあって街並みや自然が細部にわたり描きこまれているので、眺めているだけで幸せな気分になれますよ。

2018年に出版されたシリーズ最新作は「スイス」です。
好きな国にしぼってプレゼントするもよし、世界旅行に行けない今だからこそ、セット購入でプレゼントするもよし、プレゼントする相手に合わせて、素敵な送り物になるといいですね。

 

可愛いデザインと素敵な言葉の数々。

『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/作・絵 前田 まゆみ/訳 創元社

とにかく可愛らしくてデザインが素敵な、こちらの絵本。
それだけでもう、誰かにプレゼントしたくなりますが、この絵本が面白いのは、もちろんそこだけではありません。
1ページごとに、外国の聴きなれない言葉が、その意味と共に紹介されていて、思わず声に出して読みたくなります。

翻訳できない」とタイトルにもあるように、どの言葉も日本語では、取って代われる言葉が見当たらないものばかりで、言葉がいかに、その国独自の文化や風土によって生まれるものであるのかがよくわかる絵本となっています。
日本語では、「わびさび」などの言葉が紹介されていて、日本語の奥深さも知ることが出来る一冊です。
素敵な言葉の数々を、大切な人への贈り物としていかがですか?

『翻訳できない世界のことば』は、他の記事でも紹介しています。
大人が、ジ~ンとくる、しみる絵本10選

 

 

幸福な気持ちに包まれる絵本。

『幸福な質問』おーなり由子/作・絵 新潮社

こちらは、お互いを大切に思うイヌさんとイヌ君のやりとりを描いた、温もりが感じられる絵本です。

イヌ君の愛情を確かめるように、イヌ君にたくさんの質問を投げかけるイヌさん。
どんないじわるな質問も、愛情深い言葉でイヌさんに返してしまうイヌ君。
ふたり(2ひき?)のやり取りからは、自分にとってどれほど相手が大切で、なくてはならない存在かが伝わってきます。

おーなりさんの絵本は、やわらかな文と絵が特徴で、見ると幸せな気持ちになるものばかり。こちらの絵本もぽかぽかと日向の中にいるような温かい作品となっているので、プレゼントにもピッタリですよ。
絵本でイヌさんがした質問と同じことを聞いたら、あの人はなんて言うかな・・・なんて想像しながら、大切な人を頭の中に思い描いて読んでほしい一冊です。

 

手のひらサイズが可愛すぎる!

『ダヤンのたんじょうび(ダヤンの豆本劇場)』池田 あきこ/著 河出書房新社

プレゼントを贈る相手が、ねこ好きな人、もしくは雑貨好きな人なのであれば、このような絵本はどうでしょうか。

こちらは、ダヤン30周年を記念して作られた素敵な豆本セットです。
手のひらサイズの小さな絵本に、レジン性のフィギアが1体付いていて、外箱は、池田あきこ先生書き下ろしイラストを使用しているので特別感があり、贈り物に最適です。

気になる豆本の内容は、自分の誕生日を知らないダヤンがカシガリ山の魔女三姉妹に誕生日を見つけてもらうためにお願いに行くのですが・・・といった感じで、初めてダヤンシリーズを読む人でも楽しめる内容になっています。
コミカルな魔女三姉妹に笑ったり、赤ちゃんダヤンの登場に癒されたり、絵本としても申し分のない一冊となっているので、ここからダヤンシリーズにハマる人もいるかも知れませんね。

 

珈琲豆を添えてプレゼントするのがおすすめ。

『COFFEE TIME-珈琲とめぐる毎日-』ナカセコ エミコ/作 マリカ・うのまみ/絵 ニジノ絵本屋

こちらは、ほっと一息、コーヒータイムのような、ひと時を味わえる絵本です。
仕事や家事に追われる毎日、心の休憩はやはり大切。本書には、心が穏やかになる言葉がたくさん散りばめられているので、読むと肩の力がすっと抜けます。

なるべく笑う、たくさん笑う、
ちょっと笑えないときこそ、笑ってみよう。

口角を上に動かすと、脳は幸せを感じるのだとか。
笑顔でいることは、気分だけの問題でもなさそう。
笑うとちょといいことがありそうです。

日本語と英語で綴られた、素敵な言葉の数々。挿絵の絵も、愛らしいねこや犬がたくさん描かれていて、癒し効果抜群です。
一生懸命頑張っている誰かに、ぜひ、珈琲豆と一緒にプレゼントしてあげてください。

 

美しいデザインはプレゼントに最適。

『モミの木』クリスチャン・アンデルセン/著 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮 由/訳 アノニマ・スタジオ

こちらは、アンデルセン童話の名作『モミの木』に、マリメッコのデザイナーとしても活躍するサンナ・アンヌッカがイラストを担当した、デザイン性の高い絵本です。
布貼りの表紙には、金箔押しがほどこされていて、ページを捲れば、美しい配色で彩られた世界にたちまち心を奪われてしまいます。

美しい森の中で生まれ育ちながらも、お日様や澄んだ空気には見向きもしないで、大きくなることだけをただ願う、モミの木。大きくなると人に伐られてどこに運ばれていくのか、モミの木は、そんなまだ見ぬ未来ばかりが気になって仕方がありません。
日本ではあまり知られた話ではありませんが、『モミの木』は、近くにありすぎて見落としがちな「幸せ」を大事にしようというメッセージの込められた素敵なお話です。戻らない時を嘆いたり、まだ見ぬ未来へ急ぐ前に、目の前の今を楽しむことが大切なのだと、この物語は教えてくれます。
「あの頃はよかった・・・。」そんなつぶやきをしてしまいがちな大人にこそ、読んでほしい一冊です。

 

これぞ、大人が読むべき絵本。

『トムテ』ヴィクトール・リードベリ/著 ハラルド・ウィーベリ/絵 偕成社

トムテは、スウェーデンの農家や仕事場などに住んでいると言われている小人で、その家の人々が幸せになるように見守ってくれる守り神のような存在です。昔から北欧地方の人たちにとって馴染み深い存在なので、『ニルスのふしぎな旅』(セルマ ラーゲルレーヴ /著)など、いろいろな物語にも登場しています。

あとがきによれば、この『トムテ』という詩は、十九世紀にスウェーデンの詩人であるリードベリが1882年に発表してから今日までスウェーデンの人たちに愛され、親しまれてきたのだそうです。

ひとは、どこから くるのだろう。
こどもが おやになり、また その こどもが おやになる。
にぎやかに たのしく くらし、としおいて、
やがて いってしまう。
だが、どこへ いくのだろう。

人間よりはるかに長い年月を生きる、トムテの目を通して、命の源について考える本書は、哲学的であり、不思議な魅力に溢れています。子どもだけに読ませるにはもったいない名作絵本です。

絵本だって、素敵なプレゼントになるのです。

いかがでしたか?
特別感のある美しい挿絵や装丁であったり、大切な人と共有したい物語であったり、あなたが大切な誰かのことを思って贈る時、絵本は本当に素敵なプレゼントになります。

大切な人への気持ちを、素敵な絵本にのせて贈ってみませんか?

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ペットを飼っている人なら、ハマる!動物が出てくるおすすめ本特集

本の中でも癒し系の動物たち

家族の一員として受け入れたその日から、我が子のように可愛がってきたペット。
愛くるしいその姿に毎日癒されて、励まされている人も少なくないのではないでしょうか。
わが家もネコを一匹飼っていますが、母性であったり、生命の尊さであったり、いろいろなことを日々、彼から学ばせてもらっています。子どもたちも沢山の刺激を受けているようです。
今回は、そんなペットと共に過ごしている人だからこそ、心動かされる物語を6冊ご紹介したいと思います。
ペットを飼っている方だけでなく、飼いたくても飼えない事情をお持ちの動物好きの方も、きっと、グッとくる6作品です。本の中の動物たちに癒されたり、感動をもらったり、物語を通して、ペットをもっと身近な存在に感じられるといいですね。
 

動物が出てくるおすすめ本 6選

 

主人公は、ネコ!登場人物も、ネコ、ネコ、ネコ!

『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤 洋/著 講談社

こちらは、飼いネコだったネコのルドルフが、ひょんなことから、家から遥か遠い地でノラネコとして生きることになり、多くを学び、成長を遂げていく物語です。
ノラネコであるイッパイアッテナとの出会いによって、字が読めるようになり、知性を身に付け、ノラネコとしての生き方を学んでいくルドルフの姿は、まるで独り立ちしていく我が子を見ている様です。
ルドルフやイッパイアッテナが語る、別れた飼い主への強い想いを読んでいると、すぐ隣で気持ちよさそうに寝ているうちの子(飼いネコ)を思わず抱きしめたくなります。

この物語の影響で、飼うネコが黒ネコなら「ルドルフ」、トラ模様なら「イッパイアッテナ」なんて、子どもたちと話していましたが、飼ったネコはグレイと白のウシ模様。結局別の名前になりましたが、この本はわが家にとって、そんな飼い始めの頃を思い出す、思い出のシリーズでもあるのです。

『ルドルフとイッパイアッテナ』は、他の記事でも紹介しています。
◆小学3、4年生◆ 中学年に司書がおすすめする、児童書10選

 

この旅は、ネコと主人公の気持ちを思うと切なすぎます。

『旅猫リポート』有川 浩/著 村上 勉 講談社

こちらは、5年間を一緒に過ごしてきた、カギしっぽのナナとサトル青年の最後の旅を描いた物語です。
ナナを飼うことが出来なくなったサトルは、ナナと共に次なる飼い主候補を探す旅に出るのですが、これが、サトルのこれまで生きてきた過去を辿る旅にもなっており、読んでいて感じることが多くある作品です。

おかしい・・・以前読んだ時は、あまり感情が揺さぶられなかったはずなのに、ネコを飼うようになってから、改めて読んでみると涙腺が崩壊しました。ネコって、媚びることなく、自分のしたいようにするという感じで、一緒に過ごしていると、「私なんて、おいしいものをくれる人間くらいにしか思っていないんだろうな」と感じる時が多々あるので、例え嘘でも、こういうネコの思考に触れられる話は心に沁みますね。

犬が語る物語。

『ティンブクトゥ』ポール・オースター/著 柴田 元幸/訳 新潮社

こちらは、犬であるミスター・ボーンが、最初の主人への思いを胸に抱いたまま、生きるために更なる主人を探し歩く物語で、『旅猫リポート』がネコ目線なら、こちらは犬目線で書かれた作品です。
語りが犬という斬新さに、読み始めはいささか気が引けますが、読み進めるに連れ、ひたむきに飼い主を思う犬の姿に引き込まれていきます。忠誠心は犬そのものですが、こうありたいと考えながら動く、その意志ある様は、犬ながら人間味に溢れており、思わず感情移入してしまいます。
犬を飼っている方は、ミスター・ボーンの忠誠心と(犬だけれど)人間味溢れるところを、きっと、愛犬と重ねて読んでしまうのではないでしょうか。愛犬家にはぜひ、読んでいただきたい作品の一つです。

大事に思う気持ちは、どんな生き物も一緒。

『遠い海から来たCOO(クー)』景山 民夫/著 KADOKAWA

こちらは、赤ちゃんの頃から育てて自分に懐いてくれる、という、動物好きの願望を惜しげもなく詰め込んだ作品です。
海洋生物学者の父とフィジー島に住む12歳の少年、洋助は、絶滅したはずのプレシオザウルスの赤ちゃんクーと出会い、こっそり育てる決意をします。今では、恐竜を育てることはもちろん、恐竜そのものが、すっかりファンタジーとなってしまいましたが、この小説での描かれ方は、あくまでも動物の赤ちゃんです。主人公の少年が、悩みながら育てていく様子がまるで動物の赤ちゃんを育てているようにリアルで、動物好きの心はわし掴みにされてしまいます。
物語前半は、そんな子育て奮闘記や島での穏やかな生活が綴られていて想像力が掻き立てられますが、後半は、軍隊や自然保護団体が登場し、クーをめぐる攻防戦が主に描かれています。
思い返せば、小説を読み、場面を想像して鳥肌が立った作品は、後にも先にもこれだけのような気がします。この物語の全ては、そんな最後のあの情景、圧巻のラストのためにある、と言っても過言ではないです。

 

この約束は、ペットを飼う上での十か条でもある!

『犬と私の10の約束』川口 瞳/著 文藝春秋

こちらは、子犬と交わした10の約束を胸に刻み、家族の一員として大切に育てることを誓った少女のお話です。
やがて少女は初恋を経験し、将来の目標に夢中になるにつれ、愛犬ソックスの存在を疎ましく思うようになってしまいます。その反面、犬はどこまでも一途に飼い主を思い、健気で、読んでいると何とも言えない気持ちになります。
10の約束。これは、どんなペットを飼っているお家にも言えることなのではないでしょうか。中でも、『あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません』という言葉に、いつも尻尾をふりふり愛想を振りまいてくれる、姉のワンちゃんを思い出し、ギュッと胸が締め付けられました。ペットを飼うということは、命に責任を持つということ。家族の一員として迎え、変わらぬ愛情を与え続け、最後までちゃんと見取ってあげるということ。そんな命を預かる責任の重たさについて、改めて気づかせてくれる作品です。
ペットと過ごせる、今この時を大切に、後悔ないように存分に愛してあげたいですね。

最愛のペットとの別れは悲しいけれど・・・。

『デューク』江國 香織/著 山本 容子/絵 講談社

こちらは、江國香織さんの短編集『つめたいよるに』の中に収録されていた短編小説「デューク」が、絵本として出版された作品です。
愛犬デュークが死んでしまい、悲しみでいっぱいになっている女性が知り合ったハンサムな男の子。彼と過ごした少しの時間は、悲しみで濡れていた彼女の心を癒し、満たしてくれるのでした。
なぜ、男の子は女性の前に姿を現したのか、デュークにとって女性はどのような存在だったのか、そんなことを考え始めると、胸の奥が熱くなります。
愛犬と死別した女性の元に訪れる、奇跡の物語に、短い文ながらも、じわりじわりと目頭が熱くなるのは、年の功か、ペットを思う気持ちからか・・・。
やがては訪れる別れの日を思うと、こんな奇跡が起きないかと願わずにはいられません。
 

ペットを飼うと、感情移入してしまうのが動物の出てくる本

いかがでしたか?
これは紹介しながら思ったことなのですが、動物が出てくる本は、可愛い表紙のものが多くて癒されますね。
ペットを飼い始める前に読んだことがあった作品も、飼い始めてから、こうして改めて読むと、また違った捉え方ができ、新たな発見がありました。
動物が出てくる本を読むと、ついつい、飼っているペットを思い出して感情移入してしまうのが、飼い主あるあるなのかも知れないですね・・・。

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中学生・高校生必見!司書が選ぶ、10代が読むと心に響く本 10選

「10代のうちに読んでおけば良かった~!」と思う、大人の読書

大人になると、家事や仕事が一日の大半を占めてしまう為、なかなか読書の時間が持てませんが、だからこそ、読書をしている時間が貴重な息抜きの時間であり、楽しみであったりします。
そんな、気ままな読書人生を送っている大人から、10代である皆さんに言っておきたいことがあります。
それは、10代の今だからこそ、心に響く、心を揺さぶられる本があるのだということです。児童文学でも大人が楽しめる本は沢山ありますが、同じ本でも、多感な時期に読むのと、ある程度を経験した大人になってから読むのとでは、読んだ印象が全く違います。私自身、「この本、10代のうちに出会っておきたかったな~。」と思う本の多いこと多いこと。
日中はまだまだ温かく、冬がそこまで来ていることを忘れがちですが、暦の上ではすっかり秋になりました。
普段読書をしない人でも、ふらっと書店に立ち寄り、カフェや自宅で読書を楽しんでしまうのが、この季節の凄いところ。

この機会に、ぜひ、10代だからこそ、楽しめる読書をしてほしいと思います。

10代が読むと、心に響く本 10選

 

社会の荒波に揉まれる前に、読んでほしい!

『裏庭』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、「バーンズ屋敷」の秘密の裏庭に迷い込んでしまった少女の物語です。
後でご紹介する『西の魔女が死んだ』が、悩める少女の成長を描いたヒューマンドラマ的な作品なら、こちらの作品は、少女が抱える現実世界の問題とファンタジーの世界が交錯しながら、少女の成長を描き上げた、冒険ファンタジーの要素が強い作品です。
ファンタジーですが、13歳の主人公が抱える悩みや葛藤する姿が丁寧に描かれていたり、現実世界と裏庭世界との繋がりが物語に奥行きを与えていたりと、美しいだけではない重厚感のある話になっています。
『はてしない物語』『ナルニア国物語』など、外国のファンタジー文学が好きな人は、読み進めやすいでしょうし、物語後半、この作品で著者が伝えたいことが見え隠れするようになった頃には、すっかり梨木ワールドに引き込まれてしまっているのではないでしょうか。
同年代なら、きっと、読んでいて辛くもありますが、だからこそ、ずっと心に残る作品となるはずです。

せいとさんの声
せいとさんの声

がっつり「ファンタジーもの」で思ってた話と違ったけど、裏庭世界が現実とちゃんと関りを持つ部分があって面白かった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

ただ、わくわくするだけの冒険ファンタジーではないところが良かった。

 

悩める少女の再生物語

『西の魔女が死んだ』梨木 果歩/著 新潮社

こちらは、学校を不登校になってしまった少女が、自然に囲まれた祖母の家で、「魔女修行」として、ひと月余りを過ごすお話です。
自然と共存したり、規則正しい生活を送ることは、日々丁寧に過ごすことと直結しています。少女は「西の魔女」こと祖母とそうやって過ごしていく中で、生きるヒントを沢山学んでいくのです。
この物語の中には、精神的に張りつめている時に、心の支えとなる言葉が沢山散りばめられているので、ぜひ、悩み多き10代の皆さんに読んでもらって、それらの言葉を、忙しない世の中を生きていく上でのお守りにしてほしいと思います。

せいとさんの声
せいとさんの声

すごく、ためになることがたくさん書いてある話だった。
おばあさんとの別れは、読んでいて切ない・・・。

 

『西の魔女が死んだ』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

風のように過ぎ去るからこそ、全力疾走!

『一瞬の風になれ』佐藤 多佳子/著 講談社

こちらは、長年サッカー部に所属していた新二が、幼馴染みであり天才的スプリンターの一ノ瀬と一緒に陸上部に入ってインターハイを目指していく物語です。
スポーツものは苦手という人も、読まず嫌いはやめて、ぜひ、一度読んでみてください。どの登場人物もキャラが立っていて、読み進めていくうちに、まるで少年漫画を見ているようにサクサクと読め、どんどん面白くなっていきますよ。
たくさんある「中高生の部活もの」の中でも、この物語は、特に主人公の思いが前面に出ていて、読んでいると、まるで、新二がすぐそばにいるような感覚になります。一文一文が短い文章で構成されていることも、新二の独り言を聴いているようです。
社会人になると、学生の頃と同じような仲間を作るのはなかなか難しいものです。苦楽を共にして、同じ高みを目指して打ちこんできたからこその、友情なんですよね。
社会人になるとなかなか手に入らないからこそ、学生のうちに読んでほしい作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

せっかく部活に入っているから、心を入れ替えて頑張りたい!

 

せいとさんの声
せいとさんの声

とても読みやすく、3巻ともあっという間に読めた。

 

読むとわかる、「いちご同盟」の意味。

『いちご同盟』三田 誠広/著 集英社

こちらは、生きることを悩んでいた主人公・良一が、野球部のエースである徹也を通して、余命幾ばくもない少女・直美と知り合うことで生と死について深く考えるようになる作品です。
「可能性がある人がうらやましい。自殺のことを考えるなんて、贅沢だわ」読んでいると、直美のセリフが胸に突き刺さります。3人の若者たちが互いに「生きること」について一生懸命考え、関わり合う様子から、15歳の危うさであったり、煌めきを感じずにはいられません。
大人になると、どうしても親目線になって読んでしまうので、一度は10代のうちに読んでおいてほしいです。主人公たちと同じ10代だからこその、読んでいて溜め息が出るあの感じを、ぜひ、味わってください。
そして大人になって再読すると、きっとまた違った印象を抱くのではないでしょうか。
悲しくもあるけれど心が洗われる、そんな小説です。

せいとさんの声
せいとさんの声

とても考えさせられた話だった。
生きることを自分から投げてはいけない。

 

この物語に、桐島という人物は登場しません。

『桐島、部活やめるってよ』朝井 リョウ/著 集英社

こちらは、バレー部のキャプテンである桐島が部活を辞めたことをきっかけに、同じ高校の生徒たちへ静かに波紋が広がっていく様子を描いた作品です。ですので、桐島君は名前だけの登場であり、物語上では姿を現しません。
学校という狭い世界でのお話なので、大人が読むと、「懐かしいな~」で終わってしまうところ、現役10代が読めば、きっと感じることは多いはず。細かい心理描写が多く、スクールカースト的なものだったり、それぞれが抱く悩みであったりと、著者の視点が高校生そのものです。著者が10代の時に書いただけあって、高校生たちの心の内がとてもリアルに描かれているあたり、さすがだな~と思いました。
10代だからこその面白さがある作品です。

せいとさんの声
せいとさんの声

まるで、どこかの学校の日常を盗み見ているようなリアリティーだった。

 

せいとさんの声
せいとさんの声

高校生が書いた話と聴いて、驚いた。
でも、「だからかっ!」とも思った。

 

スポーツって、いいですね!

『バッテリー』あさの あつこ/著 角川書店

父親の転勤を機に、天才ピッチャーの巧は、祖父のいる田舎に引っ越すことになります。そこで心優しいキャッチャー豪と出会い、互いに認め合った二人はバッテリーを組むことに。
一巻には、自らの才能に対する自信に満ち溢れている、大人びた少年・巧と、優しさが溢れている少年・豪、この二人の出会いが描かれています。シリーズはまだまだ続くので、この一巻は物語のほんの序章に過ぎません。
物語を通して、巧の心が少しずつ変わっていく様子や、巧の周りにいるとにかく温かい人たちが、読んでいて心地よさを感じます。野球のことはさっぱりわかりませんし、学生時代にスポーツに魂を燃やした経験は一切ありませんが、それでも、「スポーツを通した友情ってなんかいいな~」と思う自分がいました。前の本の紹介でも言いましたが、やはり、苦楽を共にした友情は揺るぎないですね。

せいとさんの声
せいとさんの声

スポーツものは気が向かなかったけど、読むと、たちまちハマってしまった。
豪のような友達が欲しい。

 

杉原、あなたの青春はかっこいい!

『GO』金城 一紀/著 角川書店

こちらは、在日三世である主人公・杉原の青春を描いた作品です。
差別にもやもやしながらも、恋愛に悩み、仲間と青春を謳歌する様子がテンポよく描かれているので、読んでいて重過ぎず、爽快感すら覚えます。「暗闇を知らない奴に光の明るさは語れない」など、喧嘩が得意で、小賢しい主人公から繰り出される熱いセリフは、どれもはっとさせられるものばかりです。
メディアやSNSばかりに踊らされず、杉原の目や心を通して、10代のうちから広い世界を見てほしいと思います。
ちなみに、映画化もしていて、こちらも小説の世界観を崩すことのない良作なので、おすすめですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

この話をきっかけに、金城一紀さんの本を読破!
この爽快感は、クセになる!

 

剣道がしてみたくなる!

『武士道シックスティーン』誉田 哲也/著 文藝春秋 

勝ちにこだわる香織と、マイペースな早苗。こちらは、そんな、剣道に対する姿勢が正反対の二人が織りなす青春物語です。
剣道をやったことのない人が読んでも、出てくる登場人物や展開の面白さで、あっという間に武士道の世界へ引き込まれてしまいます。ライバル関係であった二人が、互いの思いを知ってわかり合っていく中で、心身ともに成長していく様は、とても爽やかに読むことができ、読後感も心地よいです。
大人になると、こういう青春がとにかく羨ましいので、まだ可能性のあるうちに、10代の皆さんには、ぜひ、わくわくしながら読んでいただきたいです。

せいとさんの声
せいとさんの声

二人の関係だけじゃなく、二人を取り巻く、周りの人たちのキャラも好き。

 

今、この時の友情を大切に。

『スタンド・バイ・ミー』スティーブン・キング/著 山田 順子/訳 新潮社

こちらは、12歳の少年たちが、それぞれの思いを胸に、死体探しの冒険に繰り出す物語です。
親から虐待を受けていたり、世間からの風当たりが強い境遇にあったり、実に重い悩みを抱える少年たちが、悪友の前ではただの馬鹿になれるのを見ていると、彼らにとってこの仲間は、とても貴重な存在なんだな、と思わずにはいられません。特に、主人公にとってのクリスの存在は大きかったのだろうと思います。主人公の小説を書く才能を褒め、自分たちと同じ職業訓練コースへ行くべきではないとクリスが説得するシーンは何度見ても心打たれます。
汽車に追われて線路を走る映像であったり、ベン・E・キングのテーマ曲であったり、今は亡きリバーフェニックスの熱演であったり・・・映画の印象がなにかと強すぎるこちらの作品ですが、小説は少年たちの心情が細かく描かれているので、また別の良さがあっていいですね。
わたしはこの十二歳のときの仲間たちのような友人は、その後ひとりももてなかった。」大人になった主人公の言葉がとても印象深いです。振り返ると、確かに、この時期の友達は特別であり、必ずしもずっと続いていくものではないのかも知れません。
歩む進路が違うだけで、休みが合わせずらくなり、そのうち疎遠になってしまうなんていうことは、よくあることです。
だからこそ、人は、戻れないあの頃に思いを馳せ、ノスタルジックに浸るのではないでしょうか。

せいとさんの声
せいとさんの声

こういう友情に憧れる。自分も友達と旅に出たい・・・。

 

張り巡らされた伏線を回収する時の、爽快感を味わって!

『穴HOLES』ルイス・サッカー/著 幸田 敦子/訳 講談社

こちらは、無実の罪で、強制収容所のような施設に放り込まれ、毎日ひたすらに穴掘りをさせられている少年スタンリーの物語です。穴を掘っている理由や、明らかになって行く過去など、物語が進むにつれてわかってきた頃には、もうページをめくる手が止まりません。様々なことが絡み合って伏線が張り巡らされているので、この場で多くは語れませんが、10代のうちに読めば、この小説が読書好きのきっかけになるなんてことも、あるかも・・・と思える秀逸な作品です。
後半の伏線回収のたたみかけが素晴らしいですよ。

せいとさんの声
せいとさんの声

と、とにかく凄いっ!読んだ後の読後感が半端なく爽快!

 

 

10代だからこそ、本を読もう

いかがでしたか?
どの本も、思春期の不安定に揺れ動く感情や、がむしゃらに走る10代を丁寧に描いているので、主人公に共感しやすく、大人が読むより感情移入出来るかと思います。
言葉にできない胸の高鳴りを、これらの本を通して感じて頂けたら嬉しいです。

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月を愛でながらの読み聞かせに、ピッタリな絵本 10選

秋は月が綺麗に見える季節。

秋は、一年の中で、月が最も美しく見える季節です。
特に、中秋の名月と呼ばれる十五夜は美しく、ススキや、月に見立てた丸い団子を飾ったりと、この時期に月を愛でることは、古くから日本の文化として根付いてきました。
十五夜は、旧暦8月頃の満月の夜を指していて、現在の暦に置き換えると9月頭ぐらいから10月頭ぐらいの間の満月の夜にあたりますが、実は、この十五夜以外にも、あまり知られてはいませんが、十三夜(じゅうさんや)十日夜(とうかんや)など、名月と呼ばれる時期が秋にはいくつかあるようです。
また、月にはスピリチュアルな力があるとも言われていて、占星術では、命や母性の象徴として捉えられています。月が綺麗な夜に、窓から夜空を眺めて、なぜかほっと安らかな気持ちになるのは、ひょっとすると、そんな月の不思議な力が働いているのかも知れませんね。
今回は、そんな月の美しい夜にピッタリの絵本を10冊選んでみました。
月に魅せられながら、ぜひ、穏やかな気持ちで絵本をお子さんに読み聞かせてあげてください。
 

 

月を愛でながらの読み聞かせに、ピッタリな絵本10選

 

どうして月にうさぎがいるの?

『つきのうさぎ』いもと ようこ/文・絵 金の星社

「どうして、月にはうさぎがいるの?」と、お子さんに訊ねられたら、ぜひ、こちらの絵本を読み聞かせてあげてください。
道端でたおれて今にも死にそうな老人に、動物たちは、それぞれ自分の特技を生かして取ってきた食べ物を分け与えますが、何の特技も持たないうさぎだけ、食べ物を見つけることが出来ません。そこで、うさぎがとった驚きの行動が、なんとも切なく、読んでいて衝撃的なお話です。
尊い心を持つ、このうさぎの物語を知れば、きっと、眺める月の印象もこれまでとは少し違ったものになるかも知れませんね。
 

小2むすこ
小2むすこ

うさぎは、月で生きているんだね。

 

5才むすめ
5才むすめ

でもやっぱり、うさぎがかわいそう。

 

絵本ならこんなことも出来ちゃいます。

『カロリーヌつきへいく』ピエール・プロブスト/作・やました はるお/訳 BL出版

こちらは、「カロリーヌとゆかいな8ひき」シリーズの4作品目です。しっかり者のお姉ちゃんカロリーヌと、愛らしい動物たちの冒険も、舞台はいよいよ宇宙となります。有名なエクリプス博士のロケットに乗って、カロリーヌと動物たちは、宇宙で無重力を体験し、月で博士が命じた任務を遂行します。そんな時、どこからともなく宇宙人が現れて・・・。
主人公カロリーヌのモデルは、作者であるプロブストさんの愛娘さんだそうです。動物と話が出来たり、いろんな場所へ行ったり、現実世界ではなかなか出来ない体験を、カロリーヌを通してたくさん味わうことの出来るシリーズです。
 

小2むすこ
小2むすこ

子どもがロケットを運転できたり、月へ行けたり、動物と話が出来たり、ありえないことだらけだけど、そこが面白い。

 

5才むすめ
5才むすめ

カロリーヌみたいな友達がいい!

 

なるほど、月はそうやって丸くなっていたのか!

『おつきさまはまあるくなくっちゃ!』ふくだ じゅんこ/文・絵 大日本図書

夜空に細いお月さまを見つけたおばあさん。「おつきさまは まあるく なくっちゃ」と、スープを作ったり、ピザを焼いたり、せっせとお月さまに料理を作って食べさせます。そのかいあって、お月さまは見る度まあるくなっていくのですが・・・。
どこか外国の絵本を思わせるような絵柄で、子どもたちをあっという間に引き込んでしまう、こちらの絵本。読むところは少なめで、とにかく絵にインパクトがあります。個性的な絵と秀逸なオチで、読み方次第では、子どもたち爆笑間違いなしの一冊です。
 

小2むすこ
小2むすこ

この本、面白いよね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

うん。大好き。
短いから、私でも読める。

 

小2むすこ
小2むすこ

おばあさんと月の表情が面白いよな。
最後の月の絵が、何回見ても笑える。ぷぷっ。

 

これぞ、日本版ハロウィン。

『おつきみどろぼう』ねぎし れいこ/作・花之内 雅吉/絵 世界文化社

十五夜に、おばあさんがお月見だんごを作ってお供えをしました。「さあて、みんなの おだんごは どんなかな」おばあさんは、他の家のお月見だんごが気になって出かけていきます。そして、こっそりこっそりお月見どろぼうをするのです。
この絵本で描かれている「おつきみどろぼう」は、日本の年中行事であり、現在でもこのように家々を回り、お菓子をもらう風習が各地に残っているようです。まるで、ハロウィンのようですね。
お恥ずかしながら、この本を読むまで私は、こういった風習が日本にあることを知りませんでした。知っている方はどのくらいいるのでしょうか。秋と言えば、日本はハロウィンに沸いていて、渋谷の街をコスプレした若者たちが闊歩したり、ハロウィンパーティーをしている家(うちもそう。)なども多くありますが、このような日本の年中行事も大切にしたいな~と読んでいて思いました。
 

小2むすこ
小2むすこ

ぼくも、お月見どろぼうしてみたい。
お月見、家でもやったらいいのに・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

楽しそう!
ねずみさんの家のお月見がいいな。
あの大きさなら、パクパク食べれちゃう!

 

10ぴきのかえるシリーズ、安定の面白さ。

『10ぴきのかえるのおつきみ』間所 ひさこ/作・仲川 道子/絵 PHP研究所

10ぴきのかえるたちは、お客さんをお迎えしてお月見をするために、すすきを取りに行ったり、お月見だんごを作ったり、せっせと準備を始めます。途中にちょっとしたトラブルが起きるのが10ぴきのかえるたちのお馴染みパターンですが、今回もそのようで・・・。
季節の本を探したい時に、「10ぴきのかえる」シリーズは大助かりです。夏祭りをしたり、冬ごもりをしたり、お正月をしたり、10ぴきのかえるたちは、いつもその季節の行事を自分たちなりの楽しみ方で楽しんでいるので、子どもたちも絵本を通して、その行事の楽しみ方を知ることが出来ますよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

このシリーズ、大好き!

 

わたし
わたし

図書館で、よく借りたよねぇ。

 

小2むすこ
小2むすこ

「ひっくりかえる」とか、「かんがえる」とか、
みんな、名前どおりの性格なんだよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

どのかえるも、かわいい!!

 

お月さまにプレゼントをあげるには?

『おつきさまにぼうしを』シュールト・コイパー/作・ヤン・ユッテ/絵 文溪堂

サルとワニとメンドリが空を見上げると、空の高い所に、お月さまがいました。3びきは寒そうなお月さまを心配して、それぞれ、ぼうしと手袋とマフラーをプレゼントしようと考えますが、どうすればお月さまの元へ届けられるのかがわかりません。そこへ、雲がお月さまの方へ流れてきて・・・。
自分たちの事だけではなく、他人を思いやれる優しさがこのお話の軸となっているので、読むと優しい気持ちになれる作品です。お月さまにプレゼントを贈る方法を一生懸命考える動物たちが健気で可愛らしいですよ。
 

小2むすこ
小2むすこ

動物たち、優しいね。

 

5才むすめ
5才むすめ

お月さまも寒いのかな・・・。

 

月を見つめて誰かを思う素敵さ。

『おつきみピクニック』いちかわ なつこ/作・絵 ほるぷ出版

お月さまがまるくてきれいな夜に、森のかめの親子はお月見ピクニックに出かけました。途中、いろいろな動物と出会ったり、少しドキリとすることもありますが、苦労のあとの月の美しさはやはり格別なようです。
月を眺めながら、かめのお母さんが、遠くの砂漠にすむかめさんに思いを馳せるところが何とも素敵なお話です。月を眺めて誰かを思うなんて、まるで平安時代の和歌の世界のようですね。
 

5才むすめ
5才むすめ

夜のピクニックとか、おもしろそう!

 

小2むすこ
小2むすこ

・・・でも、ちょっとこわいな。

 

5才むすめ
5才むすめ

カメさんみたいに、お父さんとお母さんと行けば、きっとこわくないよぉ。

 

独特な質感で、温かい絵が印象的な絵本。

『お月さまってどんなあじ?』ミヒャエル・グレイニェク/文・絵セーラー出版 あかね書房

「お月さまってどんなあじなんだろう。」ある日、気になったカメは、一番高い山に登ってお月さまをかじってみることにしましたが、小さなカメには届きません。そこでカメはゾウを呼びました。お月さまがひょいっと逃げるものだから、またまた届かず、ゾウはキリンを呼んできて・・・。
どこか、ロシアの昔話『おおきなかぶ』を思わせる流れに、子どもたちはわくわくするようです。
何の材質で描かれているのか、少し和紙のような、ざらついたタッチの絵が、物語の優しい雰囲気にピッタリ合っています。
読み聞かせの後に、お月さまがどんな味かお子さんに聞いてみると、面白い答えが返ってくる可能性大ですよ。
 

5才むすめ
5才むすめ

この絵本、保育園にもある!
先生が読んでくれたよ!

 

わたし
わたし

妹ちゃんは、お月さん、どんな味だと思う?

 

5才むすめ
5才むすめ

ばあばが作ってくれたスウィートポテトの味か、
塩のかかった手羽先の味かな。

 

わたし
わたし

・・・・。

 

5才むすめ
5才むすめ

この絵は、チップ〇ターのポテトチップスみたいだよね。

 

わたし
わたし

ほんとだ!
ザラザラしてそうな質感、確かにポテトチップスみたいだね。
じゃあ、やっぱり塩味かコンソメ味・・・?

 

受け継がれていく技術と情熱の物語。

『満月をまって』メアリー・リン・レイ/文・バーバラ・クーニー/絵 あすなろ書房

”ぼく”のお父さんは、満月の日にハドソンへ行って、手作りのかごを売っています。ぼくはいつも、一緒に連れて行ってほしいと頼みますが、お父さんは「もっと大きくなったらな」と言って、ひとりだけで売りに行ってしまいます。そんなある日のこと、9歳の誕生日を迎えたぼくに、お父さんが一緒にハドソンへ行くことを許してくれるのですが・・・。
こちらは、今から100年以上前にアメリカのコロンビア群の山間で、かごを作って暮らしていた人たちのことを描いた絵本です。月と直接の関係はありませんが、物語を読んでいると、かご作りへの静かな情熱と、儚げな月明かりとがリンクしているように感じられ、月と共に、伝統工芸の素晴らしさに気づける絵本ということで、今回10冊の中に加えさせて頂きました。
物語の題材が実在していた人たちであり、伝統工芸ということで、読んでいて、ずっしりと重く心に響く作品です。
高学年くらいのお子さんに読み聞かせると、いろいろな感想を持ってくれるのではないでしょうか。
 

5才むすめ
5才むすめ

かご作り、楽しそう!

 

小2むすこ
小2むすこ

途中で怒鳴ってきた男の人に、腹が立った!
なんで、あんなひどいことを言うの?

 

わたし
わたし

人って、自分のよく知らないものは、気味悪く思ったりして、受け入れがたかったりするんだよ。
残念だけど、どこにでも、あんな人はいるよ。

 

小2むすこ
小2むすこ

・・・ひどいなあ。

 

しっとりお月見も、いただきバスとネズミたちがすればこうなります。

『おつきみバス』藤本 ともひこ/作・文 すずき出版

こちらは、軽快なテンポが特徴的な「いただきバス」シリーズの第五弾です。
赤い空に、白い月と、色使いが何とも斬新で、作者さんのコメントによれば、「花札」を意識して描かれたのだそうです。言われてみれば、色合いの他にも、山やススキの絵が、花札らしい雰囲気で描かれているように感じられます。
内容は、大人から見ればいささかハチャメチャ過ぎるようにも思えますが、子どもは案外このテンポがお好みらしく、「そんなバカな~」と終始笑ってみていました。
絵本選びは、大人が子どもに読ませたいと思うものを選ぶのも良いですが、いくら大人がピンと来なくとも、子どもが自ら手に取って「面白い」と思えるものを、一緒に選んであげることも大事なような気がします。
 

小2むすこ
小2むすこ

しゃりんの長さに笑った!

 

5才むすめ
5才むすめ

バスとねずみたち、いつも仲がいいなあ。

 

 

まとめ:寝る前に読み聞かせをする習慣

 
いかがでしたか?月を食べたり、月へ行ったり、月のうさぎの由来であったり、月にはいろいろな楽しいお話がありますよね。
家事や共働きなどで、お子さんとなかなかゆっくりと触れ合う時間が取れないご家庭は、ぜひ、寝る前の5分を絵本の読み聞かせに使うことから始めてみてください。
絵本の読み聞かせは、月同様に、読む者と聴く者の心を癒し、落ち着かせてくれる効果があると言われています。月の出る夜、寝る前に絵本を読み聞かせてあげることで、一日を穏やかな心持で締めくくることができ、次の日のモチベーションにも、きっと、繋げていけるのではないでしょうか。

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食欲の秋!あの物語の味を再現できるレシピ集を集めました!

目次

夢のようなレシピ集があるのです。

もしも、あの絵本や小説に出てくる美味しそうな食べ物が、本当に食べられるとしたら、想像しただけで幸せな気持ちになりませんか?
今回は、物語を読んで、これまで想像することしか出来なかった食べ物が、実際に作れて味わえるレシピ本をたくさんご用意してみました。
絵本から現実世界に飛び出したレシピは、作り方も比較的簡単なものばかりなので、お子さんと一緒にチャレンジもしやすいですし、デザイン性も高いので、写真集のような感覚で見て楽しむことも出来ます。
季節は、読書と食欲の秋
どれもこれも、食欲の秋にピッタリな、美味しそうなレシピばかりなので、普段あまり料理やお菓子作りをしない方も、ぜひ一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

あの物語の味を再現できるレシピ集を集めました!

 

小学生高学年ぐらいなら、ひとりでチャレンジできる!

『わかったさんとおかしをつくろう!(全3巻セット)』永井 郁子・寺村 輝夫/著 あかね書房

長年、子どもたちに愛され続けてきた『わかったさんシリーズ』がレシピ本になって帰ってきました!なんと、30周年を記念して作られたということです。あの頃読み漁っていた少女が、今は3、40代となっている事実に驚愕・・・。
シリーズは、クッキーやドーナツ、アップルパイなどのレシピが載っている『わかったさんのこんがりおやつ』、クロカンブッシュやカッサータなど冷たいお菓子のレシピが載っている『わかったさんのひんやりスイーツ』、マドレーヌやクレープなどが載っている『わかったさんのふんわりケーキ』の全部で3作品となっています。全てカラーなのでお子さんでも見やすく、高学年ぐらいであれば、大半がひとりで出来るものばかりなので、親は補助に回ってお子さんにお菓子作りをチャレンジさせてあげるのも良いかも知れませんね。
 

食卓に並べば、お子さん大喜び間違いなし!

『こまったさんのレシピブック』寺村 輝夫/著 岡本 颯子/イラスト さわの めぐみ/監修 あかね書房

同じく、寺村輝夫さんのシリーズですが、なんと、「こまった、こまった」が口癖の『こまったさんシリーズ』も、レシピ本が出ています。
こちら、児童書だからと侮っていては、痛い目を見るかも知れない、なかなか本格的な料理レシピ本です。思えば本編に出てくるレシピも、手間を省かない本格派でした。小学生だった自分にはハードルが高かった料理の数々ですが、大人になった今ならレシピを見ながら難なく作れそうなものばかりです。
ぜひ、『こまったさんシリーズ』を読み聞かせてあげた後で、お子さんに作って喜ばせてあげてください。
 

眺めるだけで思わず笑顔になれるレシピ集。

『バムとケロのおいしい絵本 絵本のなかのとっておきレシピ集』島田 ゆか/監修 八木 佳奈/料理 文溪堂

『バムとケロ』のシリーズを読んだことがある人ならば、一度は食べてみたいと思うに違いない、あのドーナツが作られるレシピ本です。やまもりドーナツ、ふわふわのオムレツ、パンケーキ・・・魅力的なレシピの数々に子どもも目を輝かせます。
こちらの本にはステンシルシートの付録も付いているので、バム、ケロ、おじぎちゃんの3つの絵柄をいろいろなお菓子に描くことも可能です。バムケロ好きにはたまらない一冊ですね。
 

このシリーズは、絵本を読み返したくなる!

『だいすき!絵本からうまれたおいしいレシピ』きむら かよ・Backe 晶子・伊能勢 敦子/著 宝島社

まずは表紙の『ちびくろ・さんぼ』のホットケーキに見とれてください。絵本を読んだ時の「食べてみたい!」という、子どもの頃の願いが思い起こされるのではないでしょうか。
こちらのレシピ本は、累計34万部の人気シリーズから内容を抜粋、加筆により、新装改訂された最新版で、名作ぞろいのレシピがぎっしり詰まっています。
物語のどこで登場した食べ物であったか気になれば、もう一度再読してみるのも楽しいですね。
 

読者の夢を形にしたレシピ集!

『夢の名作レシピ マンガ・絵本・アニメのあの料理がつくれる!』星谷 菜々/監修 日本図書センター

こちらは、フルカラーで可愛らしいレシピが盛りだくさんのレシピ本です。
第一巻が『マンガに出てくるお菓子とごはん』、二巻が『絵本に出てくるお菓子とごはん』、三巻が『アニメに出てくるお菓子とごはん』となっていて、どの巻も作ってみたくなる魅力的なレシピが載っています。知っているお話を懐かしく感じたり、知らないお話は物語に立ち返って読んでみたりと、ぜひ、思い思いの方法でこの本を楽しんでみてください。
 

低学年女子に大人気の児童書がレシピ本に!

『ルルとララのかわいいデザートレシピ』あんびる やすこ/監修 ぴあ

こちらは、メープル通りにある小さなお菓子屋さんの小学生店長、ルルとララの作る美味しそうなお菓子が簡単な手順で作られるレシピ本です。レシピは写真が掲載されているので、完成品がイメージしやすく、モチベーションが上がります。ゼリーやいちごデザート、カップケーキなどのお馴染みレシピはもちろんのこと、物語には出てこないレシピも含まれていたり、アレンジレシピも載っているので、新しい発見もある一冊です。
今風に言えば、彩りが良い「映える」レシピのオンパレードですよ。
 

小さなお子さんもきっと笑顔に!

『絵本『からすのパンやさん』のパンをつくろう!Have Fun with Breab!』文化出版局/著 いとう みな(自家製酵母パン研究家)/パン製作・監修 文化出版局

こちらは、全部で84種類の造形パンが作れてしまうレシピ本ですが、もちろん、ただのパンではありません。
なんと、全てがあの「からすのパンやさん」が作って売っているパンなのです。基本の生地作りと成形のコツさえ押さえれば、お子さんと粘土感覚でパン作りを楽しむことが可能です。
パンが完成したら、ぜひ、絵本を読んで、完成したパンを眺めながら、物語の世界にどっぷりと浸かってください。
 

懐かしい世界の名作に出てくる、あのお菓子!

『今だから読んでほしい 物語に出てくる楽しいお菓子の作り方』吉田 菊次郎/著 朝文社

こちらは、12の作品から12のお菓子のレシピが紹介されているレシピ本です。有名な作品ばかりですが、改めて見てみると「あれ?この物語にこんな食べ物出てきたかなぁ?」と記憶は曖昧だったりするものです。
そんな私でも、記憶に残っていた食べ物が、『ナルニア国物語』の中で、次男が女王(魔女)からもらった「ターキッシュ・デライト」。日本人にはあまり馴染みのないお菓子ですが、トルコのお菓子だそうですね。女王から欲しいものはないかと訊ねられ、数ある食べ物の中から次男がチョイスしたのが、このターキッシュ・デライトでした。
この本には、そんな、これまで文字を追ってイメージしてきた魅惑的なお菓子が、写真とレシピで存分に味わえます。
 

美しい写真集のようなレシピ本。

『食堂かたつむりの料理』小川 糸・オカズデザイン/著 ポプラ社

こちらは、『食堂かたつむり』の中で、倫子がお客さんのために作った料理を再現したレシピ本です。
本編での倫子の丁寧なおもてなし料理の通り、手の込んだ料理の数々がレシピとして収まっています。一主婦が作るには、いささかハードルが高い気もするので、物語の裏側を知られる番外編のひとつとして楽しんでみてはいかがでしょうか。物語のその先を想像するように、物語で語られていない細かい部分も妄想してみると、小説の世界観も広がりを見せてくれる気がします。
料理の写真の盛り付け方が美しくて素敵なので、写真集を見ている感覚にもなるレシピ本ですよ。
 

小説の中の料理を完全再現!

『食べ物語る』BUNDANCOFFEE&BEER/著・編集 主婦の友社

こちらは、日本近代文学館の中の文学カフェ「BUNDAN」の料理やスイーツのレシピをまとめたレシピ本で、向田邦子、角田光代、太宰治、芥川龍之介など、その料理の元となった文学作品も一緒に紹介されています。
作品の料理そのままというよりは、例えば、梶井基次郎の『檸檬』を檸檬パフェにするといったようなアレンジが加わっているので、作品への忠実さを心がけるより実際の食べやすさを考えて考案されたレシピ集といった感じです。
表紙を見てもわかる通り、レシピの写真がとても美味しそうなので、見ているだけで癒されます。
 

七字さんのイラストにほっこり癒される。

『四十九日のレシピのレシピ』伊吹 有喜・なかしま しほ/著 七字 由布/イラスト ポプラ社

こちらは、小説『四十九日のレシピ』の中で、乙美さんの残した料理レシピや家事のコツが、物語の雰囲気そのままに手書き風な温かいイラストと共にまとめられている一冊です。
原作を読んだことのある方は、物語の余韻に浸れますが、読んでいない人でも冒頭に書かれている「当たり前に続くと思っていた日常。ずっとそばにいるはずだった人。」という言葉から、レシピの背景にあるものを何となく感じ取れるのではないでしょうか。幸せに暮らすために書き残されたレシピカード、それは紛れもなく、家族への愛そのものです。
小説から飛び出したレシピ集に、心の奥が温かくなります。

 

まとめ

いかがでしたか?
見ているだけで、よだれが出てきそうなレシピがたくさん載っているので、ごはん時に眺めるには注意が必要です。
思わず、「なつかしい!」と叫んでしまったり、物語の余韻を味わえるメニューもちらほらあったのではないかと思います。
物語の中の食べ物が実際に作れるなんて、夢のようなレシピ本ですね。