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芸術の秋‼ 絵が美しい絵本10冊

絵画として楽しむ絵本

 

突然ですが、魅力的な絵本とは、どのような絵本でしょうか。
絵本の素晴らしさとしては、絵に対して程良い量の文で、小説ほど、くど過ぎない、丁度良い”心地良さ”を表現できることが一つとして挙げられるかも知れません。
しかし、絵だけで、見るものをグッと引き込んでしまう絵本が世界にはあります。声に出して読んだ時、”言葉のリズムが美しい絵本”が存在するように、”絵から目が離せなくなる絵本”もまた、沢山存在しているのです。
そこで今回、食欲の秋に続く、”〇〇の秋”第二弾、”芸術の秋”として、絵が美しい絵本を10冊集めてみました。

絵本を美しい絵画として、今一度楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

絵が美しい絵本10冊

 

 

幻想的なだまし絵に魅了される

『終わらない夜』サーラ・L・トムソン/ぶん・ロブ・ゴンサルヴェス/え ほるぷ出版

 

 

大自然と空の表情に圧倒される

『川はどこからながれてくるの』トマス・ロッカー/ぶん・え みうら まりこ/やく 偕成社

 

 

描きこまれた森にうっとり

『もりのこびとたち』エルサ・ベスコフ/ぶん・え おおつか ゆうぞう/やく 福音館書店

 

 

サイレント映画のような、鉛筆画に引き込まれる

『アライバル』ショーン・タン/ぶん・え 河出書房新社

 

 

トリックアートのような世界!

『アザー・サイド』イシュトバン・バンニャイ/ぶん・え 復刊ドットコム

 

 

いろいろな青色で表現された世界

『あおのじかん』イザベル・シムレール/ぶん・石津 ちひろ/やく 岩波書店

 

 

物語の雰囲気そのままの優しい挿絵

『ピーター』バーナデット・ワッツ/ぶん・福本 友美子/やく BL出版

 

 

ビーズ刺繍の挿絵が物語を彩る

『銀河鉄道の夜』宮沢 賢治/ぶん・清川 あさみ/え リトル・モア

 

 

版画で描かれた花が幻想的

『花さき山』斎藤 隆介/ぶん・滝平 二郎/え 岩崎書店

 

 

美しい海の世界!

『スイミー』レオ・レオニ/ぶん・谷川 俊太郎/やく 好学社

 

 

まとめ ~絵本から得る心地よさ~

 

 

いかがでしたか?

美しい表紙や挿絵の絵本を眺めるていると、さっきまでのイライラは何のその、
ぬるま湯につかっているかのような穏やかな気持ちに包まれます。
たまには、日常の中で、
美術館で絵画をじっくりと眺めているような
心地よさを感じてみませんか?

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◆小学1、2年生◆絵本からの橋渡しとなる、おすすめの児童書15選

目次

絵本から児童書への橋渡しとなる、本選び

 

小学生になったら、ぜひ、絵本以外の児童書も手に取って読んでみてほしいです。
最初は絵が多く、ストーリーがわかりやすい、無理なくチャレンジできるものから始めてみることをお勧めします。例えば、最初からストーリーが入り組んでいたり、お子さんが読めない字が出てくるようなものは、いくら内容が素晴らしくとも最適とは言えません。お子さんがこれまでどんな絵本を好んできたのかをヒントに、お子さんと一緒に選んでみてはいかがでしょうか。絵本に比べて少し長い児童書であっても、一度読み聞かせてあげて「面白い」と感じていれば、二回目からは積極的に自分で読む姿が見られることでしょう。
今回、絵本から児童書への橋渡しとなる本を15冊選んでいます。どの本も、1、2年生から無理なく読める児童書ばかりですが、読み聞かせは絵本までと区切りをつけず、お子さんが本を持って来たら、ぜひ、喜んで読み聞かせをしてあげてください。

絵本からの橋渡しとなる児童書15選

 

 

最初に読む児童書として、はずせないシリーズ

『かいけつゾロリシリーズ』原 ゆたか/さく・え ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

イシシノシシのおならは、いつもすごい!(息子談)

 

 

ゾロリにハマれば、この本も!

『きゃべたまたんていシリーズ』三田村 信行/さく・宮本 えつよし/え 金の星社

 

小1むすこ
小1むすこ

きゃべたまシリーズの絵が大好きっ!キャベツの葉を取って、悪い奴に投げるところが面白い。(息子談)

 

 

低学年にも、極上ミステリーを読む権利があります!

『ぼくはめいたんていシリーズ』マージョリー・ワインマン・シャーマット/さく・マーク・シーモント/え 大日本図書

 

小1むすこ
小1むすこ

パンケーキがいつも美味しそう!ネートは、小さいのに頭が良くて凄いと思う。(息子談)

 

 

一冊を読み込む楽しさを知れる本

『おしりたんていシリーズ』トロル/さく・え ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

口からおならを出すのが、最高に面白い!助手のブラウンが可愛い。(息子談)

 

 

痛快!忍者の卵の物語

『忍たま乱太郎シリーズ』尼子騒兵衛/原作・望月 千賀子/さく ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

しんべヱが食いしん坊すぎて、面白い。きり丸の目がお金になるところも笑える。(息子談)

 

 

お互いを思い続ける熱い気持ち・・・

『完全版あらしのよるに』きむら ゆういち/さく・あべ 弘士/え 講談社

 

小1むすこ
小1むすこ

いつ本当のことがばれるのかと、ドキドキした。(息子談)

 

 

ありえないから、面白い

『はれときどきぶた』矢玉 四郎/さく・え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

ぶたが降ってきて、本当に面白かった!
最後に十円やすくんが、日記を消しゴムで消し忘れたところだけを読んでみると、「じゃがいもに けが・・・」となっていたところが一番面白かった。(息子談)

 

 

物語の世界観に癒される

『ペンギンたんけんたい』斉藤 洋/さく・高畠 純/え 講談社

 

小1むすこ
小1むすこ

すごく楽しかった。
ライオンがただ、ひまというだけでペンギンたちの後をついてきただけなのに、他の動物たちもぞろぞろついてきたのが面白い。(息子談)

 

 

遊び心が満載!

『かいぞくポケットシリーズ』寺村 輝夫/さく・永井 郁子/え あかね書房

 

小1むすこ
小1むすこ

ケンがいつもすぐ寝てしまうのが笑える!呪文はもう覚えたよ。(息子談)

 

 

児童書の大御所

『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット/さく・ルース・クリスマン・ガネットえ 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

載っている地図を見ながら読むと、次に何が起こるかわかって面白い。(息子談)

 

 

いろいろなおばけに興味津々!

『おばけずかんシリーズ』斉藤 洋/さく・宮本 えつよし/え 講談社

 

小1むすこ
小1むすこ

いろんなおばけが出てくるけど、全然怖くない。学校で大人気!(息子談)

 

 

短編集で読みやすい!

『日本のおばけ話・わらい話シリーズ』小暮 正夫/さく・原 ゆたか/え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白くて、読みやすかった。
おばけの話は好きではないけど、キツネとタヌキは動物なので怖くはなかった。(息子談)

 

 

頭を使って、話のオチを考えよう

『寺村輝夫のとんち話シリーズ』寺村 輝夫/さく・ヒサクニヒコ/え あかね書房

 

小1むすこ
小1むすこ

すこし難しい話もあったけど、説明をしてもらうと、どれも面白かった。(息子談)

 

 

女子だけでなく、食いしん坊男子も食いつく!

『わかったさんシリーズ』寺村 輝夫/さく・永井 郁子/え あかね書房

 

小1むすこ
小1むすこ

かいぞくポケットの人が書いたと聞いて、ビックリした。
いろんな話が書けて、すごいと思う。(息子談)

 

 

ほんわかとした絵が、女子の目を引き付ける

『ルルとララのシリーズ』あんびる やすこ/さく・え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

これを見て、自分でもクッキーが作れそう。(息子談)

 

 

 

児童書の面白さに気づかせてあげられる、読み聞かせ

 

いかがでしたか?ご紹介した児童書以外で、この年齢に適している本を知りたい方は、書店へ行く前に、ぜひ、図書館へ行ってみてください。どれほどの規模であっても、司書が在籍している殆どの図書館では、児童書コーナーがあって、その年齢に適した本が固まって棚ごとに配架してあるので、年齢に合わせた本を選びやすいです。又、日本の図書館の大半は、日本十進分類法に基づいて、分類ごとに振り分けられて棚に収められているので、書店より、目当ての本が探しやすくなっているのも、書店へ行く前に図書館へ行くことをお勧めする理由です。好みの本を自分で探す楽しさを、子どもに一緒に感じてもらえたら、学校の図書室でも自発的に本を見つけられるようになるのではないでしょうか。
7、8歳の子どもは、まだまだ絵本を手に取って、優しい声で読み聞かせをしてもらいたい年齢かと思いますので、絵本は絵本で読んであげて、数冊選んだ絵本の中に1、2冊児童書を忍ばせるくらいで十分です。出来ればその1,2冊の児童書は、お子さんと一緒に選んで決めたものであれば、読書を促す上で理想的かも知れません。そして、冒頭にも言いましたが、ぜひ、最初の一回は読み聞かせてあげて、物語に集中させてあげてほしいと思います。字を目で追って、本をすらすらと読めるようになることと、物語を理解して読書の楽しさを知ることは全くの別物です。
児童書の面白さに気づくことが出来たら、子どもは暇な時に自分で本を手に取り、自発的に読書をするようになります。

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食欲の秋!あの物語の味を再現できるレシピ集を集めました!

目次

夢のようなレシピ集があるのです。

もしも、あの絵本や小説に出てくる美味しそうな食べ物が、本当に食べられるとしたら、想像しただけで幸せな気持ちになりませんか?
今回は、物語を読んで、これまで想像することしか出来なかった食べ物が、実際に作れて味わえるレシピ本をたくさんご用意してみました。
絵本から現実世界に飛び出したレシピは、作り方も比較的簡単なものばかりなので、お子さんと一緒にチャレンジもしやすいですし、デザイン性も高いので、写真集のような感覚で見て楽しむことも出来ます。
季節は、読書と食欲の秋
どれもこれも、食欲の秋にピッタリな、美味しそうなレシピばかりなので、普段あまり料理やお菓子作りをしない方も、ぜひ一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

あの物語の味を再現できるレシピ集を集めました!

 

小学生高学年ぐらいなら、ひとりでチャレンジできる!

『わかったさんとおかしをつくろう!(全3巻セット)』永井 郁子・寺村 輝夫/著 あかね書房

長年、子どもたちに愛され続けてきた『わかったさんシリーズ』がレシピ本になって帰ってきました!なんと、30周年を記念して作られたということです。あの頃読み漁っていた少女が、今は3、40代となっている事実に驚愕・・・。
シリーズは、クッキーやドーナツ、アップルパイなどのレシピが載っている『わかったさんのこんがりおやつ』、クロカンブッシュやカッサータなど冷たいお菓子のレシピが載っている『わかったさんのひんやりスイーツ』、マドレーヌやクレープなどが載っている『わかったさんのふんわりケーキ』の全部で3作品となっています。全てカラーなのでお子さんでも見やすく、高学年ぐらいであれば、大半がひとりで出来るものばかりなので、親は補助に回ってお子さんにお菓子作りをチャレンジさせてあげるのも良いかも知れませんね。
 

食卓に並べば、お子さん大喜び間違いなし!

『こまったさんのレシピブック』寺村 輝夫/著 岡本 颯子/イラスト さわの めぐみ/監修 あかね書房

同じく、寺村輝夫さんのシリーズですが、なんと、「こまった、こまった」が口癖の『こまったさんシリーズ』も、レシピ本が出ています。
こちら、児童書だからと侮っていては、痛い目を見るかも知れない、なかなか本格的な料理レシピ本です。思えば本編に出てくるレシピも、手間を省かない本格派でした。小学生だった自分にはハードルが高かった料理の数々ですが、大人になった今ならレシピを見ながら難なく作れそうなものばかりです。
ぜひ、『こまったさんシリーズ』を読み聞かせてあげた後で、お子さんに作って喜ばせてあげてください。
 

眺めるだけで思わず笑顔になれるレシピ集。

『バムとケロのおいしい絵本 絵本のなかのとっておきレシピ集』島田 ゆか/監修 八木 佳奈/料理 文溪堂

『バムとケロ』のシリーズを読んだことがある人ならば、一度は食べてみたいと思うに違いない、あのドーナツが作られるレシピ本です。やまもりドーナツ、ふわふわのオムレツ、パンケーキ・・・魅力的なレシピの数々に子どもも目を輝かせます。
こちらの本にはステンシルシートの付録も付いているので、バム、ケロ、おじぎちゃんの3つの絵柄をいろいろなお菓子に描くことも可能です。バムケロ好きにはたまらない一冊ですね。
 

このシリーズは、絵本を読み返したくなる!

『だいすき!絵本からうまれたおいしいレシピ』きむら かよ・Backe 晶子・伊能勢 敦子/著 宝島社

まずは表紙の『ちびくろ・さんぼ』のホットケーキに見とれてください。絵本を読んだ時の「食べてみたい!」という、子どもの頃の願いが思い起こされるのではないでしょうか。
こちらのレシピ本は、累計34万部の人気シリーズから内容を抜粋、加筆により、新装改訂された最新版で、名作ぞろいのレシピがぎっしり詰まっています。
物語のどこで登場した食べ物であったか気になれば、もう一度再読してみるのも楽しいですね。
 

読者の夢を形にしたレシピ集!

『夢の名作レシピ マンガ・絵本・アニメのあの料理がつくれる!』星谷 菜々/監修 日本図書センター

こちらは、フルカラーで可愛らしいレシピが盛りだくさんのレシピ本です。
第一巻が『マンガに出てくるお菓子とごはん』、二巻が『絵本に出てくるお菓子とごはん』、三巻が『アニメに出てくるお菓子とごはん』となっていて、どの巻も作ってみたくなる魅力的なレシピが載っています。知っているお話を懐かしく感じたり、知らないお話は物語に立ち返って読んでみたりと、ぜひ、思い思いの方法でこの本を楽しんでみてください。
 

低学年女子に大人気の児童書がレシピ本に!

『ルルとララのかわいいデザートレシピ』あんびる やすこ/監修 ぴあ

こちらは、メープル通りにある小さなお菓子屋さんの小学生店長、ルルとララの作る美味しそうなお菓子が簡単な手順で作られるレシピ本です。レシピは写真が掲載されているので、完成品がイメージしやすく、モチベーションが上がります。ゼリーやいちごデザート、カップケーキなどのお馴染みレシピはもちろんのこと、物語には出てこないレシピも含まれていたり、アレンジレシピも載っているので、新しい発見もある一冊です。
今風に言えば、彩りが良い「映える」レシピのオンパレードですよ。
 

小さなお子さんもきっと笑顔に!

『絵本『からすのパンやさん』のパンをつくろう!Have Fun with Breab!』文化出版局/著 いとう みな(自家製酵母パン研究家)/パン製作・監修 文化出版局

こちらは、全部で84種類の造形パンが作れてしまうレシピ本ですが、もちろん、ただのパンではありません。
なんと、全てがあの「からすのパンやさん」が作って売っているパンなのです。基本の生地作りと成形のコツさえ押さえれば、お子さんと粘土感覚でパン作りを楽しむことが可能です。
パンが完成したら、ぜひ、絵本を読んで、完成したパンを眺めながら、物語の世界にどっぷりと浸かってください。
 

懐かしい世界の名作に出てくる、あのお菓子!

『今だから読んでほしい 物語に出てくる楽しいお菓子の作り方』吉田 菊次郎/著 朝文社

こちらは、12の作品から12のお菓子のレシピが紹介されているレシピ本です。有名な作品ばかりですが、改めて見てみると「あれ?この物語にこんな食べ物出てきたかなぁ?」と記憶は曖昧だったりするものです。
そんな私でも、記憶に残っていた食べ物が、『ナルニア国物語』の中で、次男が女王(魔女)からもらった「ターキッシュ・デライト」。日本人にはあまり馴染みのないお菓子ですが、トルコのお菓子だそうですね。女王から欲しいものはないかと訊ねられ、数ある食べ物の中から次男がチョイスしたのが、このターキッシュ・デライトでした。
この本には、そんな、これまで文字を追ってイメージしてきた魅惑的なお菓子が、写真とレシピで存分に味わえます。
 

美しい写真集のようなレシピ本。

『食堂かたつむりの料理』小川 糸・オカズデザイン/著 ポプラ社

こちらは、『食堂かたつむり』の中で、倫子がお客さんのために作った料理を再現したレシピ本です。
本編での倫子の丁寧なおもてなし料理の通り、手の込んだ料理の数々がレシピとして収まっています。一主婦が作るには、いささかハードルが高い気もするので、物語の裏側を知られる番外編のひとつとして楽しんでみてはいかがでしょうか。物語のその先を想像するように、物語で語られていない細かい部分も妄想してみると、小説の世界観も広がりを見せてくれる気がします。
料理の写真の盛り付け方が美しくて素敵なので、写真集を見ている感覚にもなるレシピ本ですよ。
 

小説の中の料理を完全再現!

『食べ物語る』BUNDANCOFFEE&BEER/著・編集 主婦の友社

こちらは、日本近代文学館の中の文学カフェ「BUNDAN」の料理やスイーツのレシピをまとめたレシピ本で、向田邦子、角田光代、太宰治、芥川龍之介など、その料理の元となった文学作品も一緒に紹介されています。
作品の料理そのままというよりは、例えば、梶井基次郎の『檸檬』を檸檬パフェにするといったようなアレンジが加わっているので、作品への忠実さを心がけるより実際の食べやすさを考えて考案されたレシピ集といった感じです。
表紙を見てもわかる通り、レシピの写真がとても美味しそうなので、見ているだけで癒されます。
 

七字さんのイラストにほっこり癒される。

『四十九日のレシピのレシピ』伊吹 有喜・なかしま しほ/著 七字 由布/イラスト ポプラ社

こちらは、小説『四十九日のレシピ』の中で、乙美さんの残した料理レシピや家事のコツが、物語の雰囲気そのままに手書き風な温かいイラストと共にまとめられている一冊です。
原作を読んだことのある方は、物語の余韻に浸れますが、読んでいない人でも冒頭に書かれている「当たり前に続くと思っていた日常。ずっとそばにいるはずだった人。」という言葉から、レシピの背景にあるものを何となく感じ取れるのではないでしょうか。幸せに暮らすために書き残されたレシピカード、それは紛れもなく、家族への愛そのものです。
小説から飛び出したレシピ集に、心の奥が温かくなります。

 

まとめ

いかがでしたか?
見ているだけで、よだれが出てきそうなレシピがたくさん載っているので、ごはん時に眺めるには注意が必要です。
思わず、「なつかしい!」と叫んでしまったり、物語の余韻を味わえるメニューもちらほらあったのではないかと思います。
物語の中の食べ物が実際に作れるなんて、夢のようなレシピ本ですね。

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「赤ちゃんはどこからくるの?」と聞かれた時に、読み聞かせたい絵本5選

子どもの純粋な疑問に答えて。

「赤ちゃんは、どこからやってくるの?」
ある日、ふと我が子にこう訊ねられたら、あなたは何と答えますか?
「コウノトリが運んできてくれた」?それとも、ごまかさずにあるがままのストーリーを語りますか?
おそらく、大半の親が戸惑い、口ごもってしまうのではないでしょうか。
どこまで話すべきなのか悩みますし、命の話をないがしろには出来ません。ちゃんと答えてあげようと考えれば考えるほど、難しいですよね。
今回は、そんなとっても大切な、性や、命の話について書かれている絵本を5冊選んでみました。
選んだ5冊の本の中には、性犯罪から身を守る術を丁寧に教えてくれる絵本も含めています。
性や命の話と一緒に、この機会にぜひ、お子さんに読み聞かせてあげてください。

「赤ちゃんはどこからくるの?」と聞かれた時に、読み聞かせたい絵本5選

 

ごまかし一切なしの、命の話。

『ぼくどこからきたの?~あるがままのいのちのはなし。ごまかしなし、さしえつき。~』ピーター・メイル/著・谷川 俊太郎/訳 河出書房新社

こちらの絵本は、子どもに語り掛けるかたちで、とても丁寧に説明していますが、かなり濃い内容になっているので読み聞かせる前に少し覚悟が必要かもしれません。一切のごまかしが無いので、子どもとしては知りたかったことを存分に知られるはずです。

親しみある絵で、子どもの「なぜ?」に答えてくれる絵本。

『なぜなのパパ?』きたざわ きょうこ/さく・やなせ たかし/え アーニー出版

こちらは、表紙の絵から見てもわかるように、子どもたちにとって、とっても親しみのある、やなせたかしさんが絵を担当されています。話のテンポも良く、子どもの知りたい気持ちに寄り添って、出来るだけわかりやすい、理解しやすい言葉を選んで作られたのがよくわかります。オブラートに包みつつ、知りたいことだけ的確に答えてくれているので、読む側もかまえずに読むことのできる一冊です。

自分の身体が大切だと知れる絵本。

『わたしのはなし』山本 直英・和歌山 静子/さく 童心社

こちらは、女の子に向けて書かれている絵本ですが、もちろん、読み聞かせるのは男の子であっても構いません。
この本では、心と体がいかに大切であるかを説いており、プライベートゾーンについても触れられています。命の話と言うよりは、プライベートゾーンを他人に触られるのは良くないということ、そのようなことをされた時にどう自分を守るかということが書かれています。赤ちゃんの話からは少し外れてしまうかも知れませんが、これも同じ性の話の一つとして、ぜひ、お子さんに伝えてあげてほしいと思います。

なぜ、自分がここに生きているのか。

『ぼくのはなし』和歌山 静子/さく 童心社

この絵本の主人公は男の子ですが、もちろん、こちらも女の子に読み聞かせてあげて構いません。
海君という、一人の男の子を通して、赤ちゃんがいるお腹の中の仕組みや、赤ちゃんが形になって生まれるまでのストーリーを可愛い絵で伝えてくれています。性交の図や話も少し出てきますが、あくまでも命が形になるまでのストーリーの一つとして伝えられているので、語りづらさはそれほどありません。

性被害から身をまもる術を教えてくれる絵本。

『とにかくさけんでにげるんだ~わるい人から身をまもる本~』ベティー・ボガホールド/作・安藤 由紀/訳 岩崎書店

こちらも、山本直英さん、和歌山静子さんの『わたしのはなし』同様に、自分の大切な心と体を守る術について教えてくれている絵本です。更に、こちらはもう少し具体的な例をいくつか紹介してくれているので、お子さんもいろいろなケースをイメージしやすいのではないでしょうか。
お子さんに命の話をする時に、ぜひ、それを脅かす存在がいるのだということ、如何なる場合も自分は全く悪くないのだということを一緒に話しておくことは、誘拐や性被害の予防にもきっと繋がるはずです。
こういった絵本を通して、親子で気軽に話せることは、親として、とてもありがたいと思います。

誰だって自分のルーツを知りたいもの。

いかがでしたか?
なるべく、恥じらいなく語れるものを選んだつもりですが、それでもまだ大人からみれば、戸惑ってしまう絵や単語が見られたりと、躊躇してしまうことがあるかもしれません。
しかし、『ぼくのはなし』のあとがきで、著者の和歌山静子さんは、こう言われています。
「この問いは、子どもにとっては、自分のアイデンティティ(正体)を確かめることなので、決して親はいいかげんに扱ってはいけません。」
和歌山さん曰く、「自分のルーツを知ることによって自分の価値に気がつく」のだそうです。
このことを常に頭においておけば、純粋な子どもの問いかけに恥じらっている場合ではないとすぐに気づくはずです。
誰だって、自分のルーツを知る権利があるのですから。
話しづらい話だからこそ、絵本に助けてもらいながら、ごまかさずに、ぜひ、教えてあげたいですね。

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~絵本で赤ちゃん返りを乗り切ろう!~兄弟が出来る我が子へ、読み聞かせたい絵本10選

読み聞かせで安心感に包まれて。

我が子に兄弟が出来ることは、喜ばしいことです。なぜなら、生きていく上で、互いに励ましあい、助けとなり、無条件に自分の味方となる存在は、そうはいないからです。
兄弟がいて良かったと我が子にも感じてほしいと思うのが親の性ですが、実際には、なかなか親の思い通りにはいかず、兄弟のありがたみを知るのは、もっとずっと後のことになるのが殆どなのではないでしょうか。
幼いうちは、兄弟が出来ることによって大好きなママを奪われるのではないかと子どもは気が気ではありません。下に兄弟が出来たからといって、そう簡単に、お兄ちゃん、お姉ちゃんに急にはなれないのです。お子さんによっては、赤ちゃん返りが起こってしまって手が付けられない状態になってしまうことも。そんな時、上のお子さんの気持ちに寄り添って、自分は愛されているのだという安心感を与えてあげられることが、お子さんの自己肯定感を育むことに繋がるのだと思います。
絵本は、こうした「安心感」を与えることにおいて、ピッタリなアイテムです。優しい声で絵本を読み聞かせてあげることで、母も子も穏やかな気持ちになり、安心感に包まれるのです。
今回、兄弟が出来る上の子の気持ちに寄り添える絵本を10冊選んでみましたので、これを機会に、ぜひ、お兄ちゃん、お姉ちゃんに、たくさん読み聞かせてあげてください。

 

兄弟が出来る我が子へ、読み聞かせたい絵本10選

 

温かい気持ちに包まれる絵本。

『わたしがあかちゃんだったとき』キャスリーン・アンホールト/さく・角野 栄子/やく 文化出版局

自分が赤ちゃんだった頃に着ていた小さな洋服をみつけたことをきっかけに、赤ちゃんだった自分のことをお母さんに訊ねる女の子。赤ちゃんだった自分は、何を食べていて、どんな遊びが好きで、どんな風に愛されていたのか・・・女の子の質問一つ一つに丁寧に受け答えをしながら、お母さんは、女の子へかけてきた溢れんばかりの愛情を示していきます。
この絵本を読んだ後で、「あなたも赤ちゃんだった頃・・・」と、お子さんに伝えられると素敵ですね。
 

上の子の心情の変化がなんとも健気!

『あなたってほんとにしあわせね!』キャスリーン・アンホールト/さく・星川 菜津代/やく 童話館

自分に弟が出来るなんて、これまで想像もしたことがなかった女の子にとって、赤ちゃんは異質の存在。
おばあちゃんは赤ちゃんを見て、「かわいい!」と言いますが、女の子にとっては「つぶれたいちごみたい」にしか見えません。それでも少しずつ向き合って、赤ちゃんと過ごす日々を楽しめるようになっていく女の子の心情の変化が、丁寧に描かれている作品です。
 

あかちゃんの一年がわかる写真絵本。

『あかちゃんてね』星川 ひろ子・星川 治雄/著 小学館

こちらは、産まれて一時間経った赤ちゃんが一歳を迎えるまでを、まるでお母さんが上のお姉ちゃんに優しく語り掛けているかのような文章と写真で紹介している写真絵本です。ページ最後の方には、一年間で赤ちゃんがどのくらい大きくなったかわかる写真が見開きで載っているので、赤ちゃんの成長の早さに驚くお子さんの顔が見られるかもしれませんね。上の子にとって、これまで未知の存在であった漠然としていた妹(弟)のイメージが、写真によって、より鮮明に思い描くことが出来る一冊です。
 

お腹の中の赤ちゃんを身近に感じられる絵本。

『おへそのあな』長谷川 義文/さく・え BL出版

こちらは、今はまだお母さんのお腹の中にいる赤ちゃんが、お母さんのおへその穴から、外の様子を見たり、聴いたりしている、微笑ましいお話です。お腹の中に赤ちゃんがいると言われても、それは当然目に見えないので、子どもたちにとっては、どこか現実味がなくて釈然としませんが、この絵本を読んであげることで、目には見えなくても、ちゃんとそこに命があることに気づいてもらえるのではないでしょうか。
「なんで絵が逆さなの?」子どもの口からそんな疑問が出てきたら、親としてはしてやったりですね。
 

戸惑いながらも、楽しみで仕方ない、ぼくの弟。

『あかちゃんがやってきた』角野 栄子/さく・はた こうしろう/え 福音館書店

「おーい、おとうと」生まれてくるのは弟に違いないと、弟と遊ぶ自分を想像するお兄ちゃん。妄想はどんどん膨らんで、留まることがありません。
こちらは、まだ見ぬ赤ちゃんに、嫉妬心を抱きつつも、赤ちゃんの誕生が楽しみで仕方ない男の子のお話です。読んでいると、男の子のドキドキとした気持ちが伝わってきて、自然と笑顔になります。最後には、ちょっぴり意外な展開が待っていて「どおりでお腹の大きさが・・・。」と思わず呟いてしまいました。
弟(妹)が出来ることによる、純粋な喜びに溢れる絵本です。
 

構ってほしい。切ない気持ちはネコも一緒。

『ねえだっこして』竹下 文子/さく・田中 清代/え 金の星社

こちらは、お母さんのお膝を赤ちゃんに奪われてしまったネコの、切ない気持ちを描いています。
「わたし まってるから あとでで いいから」そう言って、自分に関心が向くのをひたすら待つネコ。
「あかちゃんなんて つまらない」お母さんと赤ちゃんのやり取りを見ながら、そんなことを考え、「わたし もう おおきいから」なんて、ネコは自分に言い聞かせるのです。
翌々考えれば、これらの感情は全て、上の子が抱くそれと同じですよね。ただし、人間の子は、ネコのように素直に甘えにいけません。だからこそ、少しのシグナルに気づいて抱きしめてあげたいですね。
 

上の子の気持ちに、全力で寄り添った絵本!

『ちょっとだけ』瀧村 有子/さく・鈴木 永子/え 福音館書店

赤ちゃんが生まれてから忙しいママを横目に、自分で着替えたり、髪を括ってみたり、なっちゃんはママの手を借りることなくいろいろなことに精一杯挑戦します。
それらが「ちょっとだけ」成功した時の満足気な表情や、一生懸命”おねえちゃん”を頑張る健気さに、胸の奥がきゅっと締め付けられる作品です。母親が下の子のお世話をしている間、上の子は、少なからず、何かしらの我慢を強いられているのだということに、改めて気づかされます。読むと、上の子を抱きしめたくなるかも知れません。
 

妹を可愛がる、しっかり者のお姉ちゃん。

『あさえとちいさいいもうと』筒井 頼子/さく・林 明子/え 福音館書店

こちらは、面倒見がいい、しっかり者のお姉ちゃんのお話です。
これまで紹介してきた、妹(弟)への戸惑いが隠せない主人公たちとは少し違い、あさえは、自分より幼い妹を守るべき存在であるとちゃんと認識していて、一生懸命”お姉ちゃん”をしています。いなくなった妹を心配して、必死に探して駆け回り、妹への愛が溢れています。
この素敵な”お姉ちゃん”にも、きっと、妹を可愛いと思えなかった時期があったのかな、それを乗り越えて、今こうして小さな妹を大切に思っているのかな、なんて、物語上にないことまで想像が膨らんでしまう作品です。
 

ピーターのささやかな抵抗が愛らしい絵本。

『ピーターのいす』E=ジャック=キーツ/さく・きじま はじめ/やく 偕成社

ピーターは、妹のスージーが生まれてから、自分の物だったものが次々にピンク色に塗り替えられ、スージーの物へと生まれ変わっていくのを目の当たりにします。この絵本では、この時のピーターの感情が何であるかの説明は一切なく、ピーターが自分の物だったそれを見つめる絵と、「あれ、ぼくの ゆりかごだったのに」、「あれ、ぼくの しょくどういす なのになあ」といったピーターのセリフだけで、言葉にならない感情を表現しています。
やがて、まだ青いままの椅子を見つけたピーターは、ある一大決心をするのですが、それがなんとも意地らしく、親目線で見ると可愛いのです。
絵は、コラージュ(切り絵)で出来ており、日本の和紙も使われている為、どこか温かみのある仕上がりになっているのも作品の雰囲気にあっていて素敵です。
 

愛されている自分に気づくことが出来る絵本。

『おたんじょうびのひ』中川 ひろたか/さく・長谷川 義文/え 朔北社

6歳になる、よしふみ君のお誕生会を前に、園では、みんなが生まれた時のことや、赤ちゃんに興味津々です。
赤ちゃんだった自分のことをお母さんに聞きたい”ぼく”は、家にかえって、早速お母さんに訊ねます。「おかあさん、ぼく うまれたとき どんなだったん?」お母さんの口から語られる、赤ちゃんだった時の自分。
懐かしそうな表情でどこか嬉しそうに答えるお母さんを見ていると、子どもであっても、きっと、これまで大切に育てられてきたのだということがわかるのかも知れませんね。
読んだ後で、赤ちゃんだった頃の子どものアルバムを開いて見たくなるのは、きっと、私だけではないはずです。

 

読み聞かせは、年齢制限なし!

いかがでしたか?今回は、赤ちゃん返りが起こってしまう原因にも意識を向けつつ、上の子の気持ちに寄り添った内容や、下の子がまだお腹の中にいるうちから読んであげることで「妹(弟)が出来る」ということがどういうことなのか、よりイメージしやすい内容の絵本などを選んでみました。
読み聞かせには、何歳までという上限はありません。お子さんが望む限り、たくさん読んであげてください。
間違っても、「もう、〇歳なんだから、自分で読めるでしょ!」なんて、突き放すような冷たい言葉はかけないであげてほしいです。
お子さんが読んでほしい時は、きっと、愛されているという安心感に包まれたい時。
そんな時は、出来るだけ受け入れて、精一杯応えてあげたいですね。

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”もしもの時”を考えよう!司書が選んだ、ためになる防災の本特集

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”もしもの時”を考えよう

 

日常生活の中で、異常気象や大地震など、いつ、自分の身に降りかかってくるかわからない自然災害の恐怖に備えておくことは、とても大切です。常日頃から、こうした災害に遭遇した時のことを考えたり、知識を深めておけば、いざという時にスムーズに動けたり、得ていた知識が思いもよらない形で役に立つことがあります。
今回、”もしもの時”を考えるきっかけとなる、防災に関する本を15冊厳選して集めました。
中には、小さな子でも理解できるような、災害時の絵本も数冊あります。
これを機会に、”もしもの時”、我が家ではどうするか、家族で話し合ってみてはどうでしょうか。ぜひ、本を通して、いざという時の身の守り方をお子さんに教えてあげてください。

防災に役立つ、絵本6冊

 

 

必死に避難をする、子どもたちの様子が伝わる絵本

『つなみてんでんこ はしれ、上へ!』指田 和/ぶん・伊藤 秀男/え ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

こわい話だと思う。みんな上に登っていたから助かったのかなぁ。(息子談)

 

 

津波から村を守った男の話

『津波!!命を救った稲むらの火』小泉八雲/原作・高村 忠範/ぶん・え 汐文社

 

 

地震がおきたら、どうすれば良い?

『地震がおきたら』谷 敏行/原案・畑中 弘子/ぶん・かなざわ まゆこ/絵 BL出版

 

小1むすこ
小1むすこ

避難訓練で、同じような話をきいたことを思い出したよ!(息子談)

 

 

地道な避難訓練が、自分を守ってくれる

『はなちゃんの はやあるき はやあるき』宇部 京子/さく・菅野 博子/え 岩崎書店

 

 

備えることの重要性

『ガタガタ村と大ナマズ』山王三・四丁目自治会/ぶん・寺田 順三/え Z会

 

小1むすこ
小1むすこ

アリとキリギリスのお話に似てるっ!(息子談)

 

 

地震がおきたら、どうなるの?

『あっ!じしん』金子 章/ぶん・鈴木 まもる/え 学習研究社

 

小1むすこ
小1むすこ

あ!「せんろはつづく」(の絵)を書いた人でしょ!

 

 

防災に役立つ、読み物9冊

 

 

自分の身を守れるのは、自分自身

『新装版 親子で学ぶ防災教室 身の守りかたがわかる本』今泉 マユ子/著 理論社

 

いざという時、危機管理のプロのノウハウが役立つ!

『自衛隊防災BOOK』 マガジンハウス

 

気楽に、防災知識を手に入れられる本

『4コマですぐわかる みんなの防災ハンドブック』草野 かおる/著・渡辺 実/監修 ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

 

クイズを解きながら、防災知識がUP!

『ぼくらの災害サバイバルBOOK』主婦の友社/編者 主婦の友社

 

知恵と力と勇気をたよりに、72時間を生き抜こう!

『子どものための防災BOOK 72時間生きぬくための101の方法』夏 緑/著・たかおか ゆみこ/え 童心社

 

 

サバイバルマスターへの道!

『もしときサバイバル術Jr. 災害時に役立つスキルを手に入れろ!』片山 誠/著・高橋 未来/イラスト 太郎次郎社エディタス

 

 

イツモしていることが、モシモの時に役に立つ!

『親子のための地震イツモノート』地震イツモプロジェクト/編・寄藤 文平/絵 ポプラ社

 

 

実際の体験を元に、防災を考える

『被災ママに学ぶ ちいさな防災のアイディア40』アベ ナオミ/著 学研プラス

 

 

いろいろな状況の”生き延びる術”が、この一冊に!

『SURVIVE!「もしも」を生き延びる サバイバル手帖』ガイ・キャンベル/著・間芝 勇輔/イラスト 文響社

 

 

まとめ ~イメージを持つことの大切さ~

 

いかがでしたか?どの本も、知っておいて得する情報が、柔らかく、わかりやすい文体で、沢山載っています。
絵本に至っては、災害が起きた時の取るべき行動が、物語仕立てでイメージしやすくなっているので、小さなお子さんでも”もしもの時”を一緒に考えやすいかも知れません。
「備えあれば患いなし」という言葉があるように、あらかじめ、知識や心の準備をしてイメージを持っておけば、災害時に迅速な対応ができ、結果として自分の身を守ることに繋がるのかも知れませんね。

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雨の日に読みたい絵本

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雨の日にこそ、読みたい絵本。

雨の日は外で遊ぶこともできず、子どもはストレスがたまり、散らかった部屋を見て親もイライラ。
家の中で遊ぶとなると、どうしても子どもをテレビやネット漬けにしてしまいがちになっていることも・・・。
ですが、そんな時こそ、お子さんの意識を絵本に向けさせる最大のチャンスです。普段、外遊びが大好きなお子さんを絵本に振り向かせるのに、この時期ほど最適なシーズンはおそらくないのではないでしょうか。
今回は、「雨の日」だからこそのワクワクしてしまう絵本をたくさん集めてみましたので、ぜひ、雨の日を狙って、お子さんに読み聞かせをしてあげてください。
じめじめで、うんざりだった「雨の日」が、お子さんにとって、きっと「特別な日」になるのではないでしょうか。

雨の日に読み聞かせたい絵本13選

雨は楽しむもの!

『どしゃぶり』おーなり 由子/作・はた こうしろう/絵 講談社

こちらは、リズミカルに雨が降る音や、まるでバケツをひっくり返したような、どしゃぶりな雨の様子が、はしゃぐ子供と共に臨場感たっぷりに表現されている絵本です。
大人になった今では、雨が降ると本当にうんざりしてしまいますが、この絵本は、雨が降った時に感じていた、幼い頃の心躍る感覚を思い起こさせてくれます。読んでいると、日常の中で、あれもダメ、これもダメと、つい、子どもに言いがちな自分に気づいて反省・・・。どしゃぶりの雨の中、ずぶぬれになって遊ぶ思い出の一つや二つ、私にもあったなあと、思わず物思いにふけってしまいました。
子どもにとって、雨の日は憂鬱なものではないのだと、むしろ、喜ばしいことですらあるのだと、改めて感じられた一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごく気持ちよさそう!ぼくも頭からびしょぬれになりたい~!

 

5才むすめ
5才むすめ

雨降ったら、水着を着て遊びたいっ!

 

雨の日はひっちゃかめっちゃか!

『あめふりのおおさわぎ』デイビッド・シャノン/作・絵 小川 仁央/訳 評論社

こちらは、雨が降ったことにより始まった町中大パニックの連鎖を面白おかしくコミカルに描いた作品です。
読み手のテンションで面白いか否かが左右される絵本なので、寝る前にしっとり読み聞かせというよりは、物語のドタバタに合わせてテンションをアゲアゲで読んだ方がこの絵本の良さが出るように思います。
タイトル通りの「おおさわぎ」。どんどんエスカレートしていく「おおさわぎ」に引き込まれ、子どもたちは終始クスクスと笑っていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

警察の人の車が邪魔になってる!みんなイライラしてるね~。

 

5才むすめ
5才むすめ

続きがどうなるのか気になって、面白かった。

 

「ふってくる」のは雨だけじゃない?!

『ふってきました』もとした いづみ/作・石井 聖岳/絵 講談社

なにやら雲行きが怪しくなってきて、今にも「ふってきそう」な空の下、お母さんにあげるお花を摘んでいる、つゆこちゃん。これは絶対、雨が降ってくるなと思って読み進めていたら、思わぬ展開に子どもたちはニヤリ。
この絵本の面白いところは、想定外が起きることです。「そんな、ばかな~!」と言いながらも、降ってくるものたちの表情が何とも言えない感じで笑えます。絵のタッチがゆるい感じなのも物語とピッタリで、たくさん子どもたちの笑顔が見られました。
「ふってきそうな空」を見ながら、「何が降りそうかなあ、」と聞くと、子どもは必ず「雨でしょ。」と答えます。そんな前振りたっぷりで、ぜひ、読み聞かせてあげてください。
 

小3むすこ
小3むすこ

まさかまさか~。笑
最後は意外過ぎた。想像の遥か上を越えてきたな。

 

5才むすめ
5才むすめ

・・・雨は?

 

あまやどりしていたブタ君は、なぜ濡れてしまったのか?

『すてきなあまやどり』バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 なかがわ ちひろ/訳 徳間書店

大きな木の下であまやどりしていたはずの、ぶたくん。やぎさんに、どうして濡れてしまったのかと尋ねられ、その理由を話し始めます。
ぶたくんがあまやどりしていた大きな木の下に、同じくあまやどりをしようとやってきた、たくさんの動物たち・・・。段々とスケールが大きくなる、ぶた君の話を聞いていて思い起こされるのは、ウクライナの民話『てぶくろ』。おじいさんがてぶくろを落としてしまい、動物が次々にやってきて、その手袋の中に入ってしまう、あの、感じによく似ています。
ただし、その流れからオチを想像していると、最後にいい意味で裏切られるので、壮大な前振りに思わず笑ってしまいます。こちらも、動物たちの表情が、物語の面白さに拍車をかけていますよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

これも意外なオチで、笑えたね~。笑
かわいい話。

 

5才むすめ
5才むすめ

迫力があって面白かった!

 

昆虫好きに読んであげたい絵本。

『はっぱのおうち』征矢 清/作・林 明子/絵 福音館書店

『あさえとちいさいいもうと』や『こんとあき』など、林明子さんの絵本は、子どもが優しいタッチでとても愛らしく描かれていて、読んでいて癒されます。
こちらの作品は、小さな虫たちと一緒にあまやどりをする女の子のお話で、ページごとに虫たちの動きに変化が見られます。読んでいると、「かたつむりが進んでる!」、「この虫、前のページにいた!」と子どもは虫たちの動きにいろいろな発見をして楽しんでいました。
小さな秘密基地のような木の葉のおうちや、女の子と虫たちの触れ合いが、外遊びの楽しさを子どもたちに伝えてくれる、じんわりと暖かくなる一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

妹ちゃんに似てない?

 

5才むすめ
5才むすめ

自分でも読みやすかったよ。この絵本、気に入った ♪

 

絵本でファンタジーを楽しもう!

『わんぱくだんのてるてるぼうず』ゆきの ゆみこ 上野与志/作・末崎 茂樹/絵 ひさかたチャイルド

こちらは我が子も大好きな「わんぱくだんシリーズ」です。このブログでも幾度となく、このシリーズをご紹介してきましたが、春夏秋冬どの季節にもピッタリ合うお話があるので、絵本選びに困った時に大助かりなシリーズです。
『わんぱくだんのてるてるぼうず』は、けん、ひろし、くみの三人が作ったてるてるぼうずが「おてんんきのくに」へ案内してくれるお話で、雲の上へ行ける夢のような展開に想像を膨らませ、我が子は嬉しそうに聞き入っていました。
梅雨の時期だからこそ、手作りてるてるぼうずを一緒に作って、じめじめとした空気を吹き飛ばしたいですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

わんぱくだんシリーズだ!!
昔よく借りて読んだな~。てるてるぼうずたちが嬉しそうで可愛いよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

わんぱくだん大好き~!
私も空を飛んでみたい!!いいな~。

 

使いたくない気持ち、わかりますが・・・。

『おじさんのかさ』佐野 洋子/作・絵 講談社

こちらは、何とも言えないおじさんの表情がたまらなく癖になる絵本です。
おじさんは自分の傘をたいそう大事にしていて、大事にしすぎるあまり、雨が降っても開くことがなく、誰かに貸してあげるなんてことは絶対にしませんでした。
ところが、ある日、小さな女の子がやってきて、「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン。」と歌い出して・・・。
まるで、初めて傘を買ってもらった子どものようなおじさんの様子がとてもチャーミングに描かれています。きっと、おじさんと同じ大人よりも、子どもたちの方が、この感情に心当たりがあり、おじさんの気持ちに共感できるのではないでしょうか。
 

小3むすこ
小3むすこ

おじさん、傘の本当の良さがわかってよかったな。
使わないと傘がかわいそうだし。

 

5才むすめ
5才むすめ

おじさんのお気に入りなんだね。
私も雨の音って大好きだよ。

 

想像するって、こんなにも楽しい!

『キムのふしぎなかさのたび』ホーカンイェンソン/作・カーリン・スレーン/絵 徳間書店

ざあざあぶりの雨の日。キムはお店の外でママの買い物が終わるのを待っていました。
やがて、傘をひっくり返して船のようにすると、それにとびのり、大冒険に出発です。ジャングルに行ったり、海に出たりと、子どもがわくわくすること間違いなしのお話ですが、最後まで読めば、子供の頃の自分を思い出して「こんなこと自分も考えてたな」とどこか懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。
子どもの想像力ってすごいですよね!
 

小3むすこ
小3むすこ

これって女の子の想像?
それともニルス(ニルスの不思議な旅)みたいに、本当に小さくなってたのかなあ?
やっぱ、想像かな~。

 

わたし
わたし

どっちともはっきりとは書いてないよね。
どっちであってほしい?

 

小3むすこ
小3むすこ

本当に小さくなって、傘に乗って旅してきたんだったら面白い!

 

5才むすめ
5才むすめ

私も!!

 

こんな傘がほしかった!

『ちいさなきいろいかさ』にしまき かやこ/イラスト・森 比左志/シナリオ 金の星社

なっちゃんがお母さんに買ってもらった小さな黄色い傘は、とても不思議な傘。なにが不思議か具体的に言うことは避けます(表紙の絵を見れば大体わかると思います)が、大きなばくさんも、背高のっぽのきりんさんも、難なく入れてしまう、とっても不思議な傘なのです。
この絵本を読んでいて、子どもが「あのね、あのね、いいことがあったの」と話しかけてきた時に、この物語のお母さんのように「いいことって、どんなこと」と問いかけてあげられる、子どもに寄り添ってあげられるお母さんって素敵だな~と思いました。
どんな内容であれ、「ふんふん、そうなんだね。」と子供の目を見て話を聞いてあげられるお母さんでいたいものです。
 

5才むすめ
5才むすめ

絵がかわいい!

 

小3むすこ
小3むすこ

こんな傘があれば、学校行くときも絶対濡れないじゃん!!

 

雨の日を楽しみたい気持ちが詰まった絵本。

『あめあめふれふれもっとふれ』シャーリー・モーガン/作・エドワード・アーディゾーニ/絵 のら書店

こちらは、何日も続く雨の日を悶々とした気持ちで過ごす男の子と女の子のお話です。
二人は窓から外を眺め、雨の日に自由に外出できる者たちを見ては羨み、彼らになれたらどんなにいいかと想像します。二人の様子を見ていると、雨の中で遊びたくて遊びたくてたまらない、今にも雨の中へ飛び出していきたい子どもたちの気持ちがよく分かり、なんだか微笑ましいです。
雨の日だからこそ、できる遊びってありますよね・・・。
 

小3むすこ
小3むすこ

これは気持ち、もの凄いわかるなあ~。
ずっと雨だと退屈で退屈でたまらなくなるもん。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨の日しか長靴はけないから、雨が降ると外に出たくなるよ。
二人とも出れて良かったね!

 

雨の日の過ごし方は人それぞれ♪

『くすのきだんちのあめのひ』武鹿 悦子/作・末崎 茂樹/絵 ひかりのくに

こちらは、10階建てのくすのき団地に住む動物たちの様子が、読んでいて楽しいシリーズです。
雨の日も、思い思いに過ごす「くすのき団地」の住人たち。動物それぞれの過ごし方があって、どの窓からも小さなドラマを感じられます。
子どもたちは、6階のレストランでの、りすのコックさんとおくさんの会話が面白かったようで顔を見合わせていました。「何がそんなに面白いの?」と聞くと、「だって、グリーンピースって言ってる。」と。
ああ、なるほど。グリーンピースが嫌いな父さんのことを思い出して笑ったのか、と納得。
どの部屋に遊びに行きたいか、なんて言い合いながら、親子楽しく読み聞かせが出来る一冊です。
 

小3むすこ
小3むすこ

木の家なんて、秘密基地みたいで楽しそう。
しかもレストランまであるとか・・・。
ここに住めば、雨が降っても退屈しなさそうだよね。

 

5才むすめ
5才むすめ

かえるさんが羨ましくなっちゃった。
雨が「いいてんき」なのか~。

 

ばばばあちゃんは、雨にも負けない!

『あめふり』さとう わきこ/作・絵 福音館書店

こちらは、パワフルで優しいばばばあちゃんのシリーズです。
雨の日にうんざりなばばばあちゃんは、空に向かって大声で言いました。
なんて いじわるな やつらだい。ようし。そんなに いじわるをするんなら、こっちにも かんがえが あるよ
いらないものを暖炉にくべて、燃やし始めたばばばあちゃんは、仕上げにストーブと暖炉の中にこしょうと唐辛子を入れて、なにやら画策中。ばばばあちゃんの作戦は功を成すか、ぜひ、お子さんと語り合いながら読んでください。
最後のページの絵を見て、うちの子は「すご~い!ほんとはこんなこと出来ないよねえ?」と目を輝かせていました。
ばばばあちゃんのシリーズは、子どもたちに外遊びの楽しさを教えてくれたり、お菓子などの作り方を教えてくれるシリーズも楽しいですが、こういった「ありえないけれど、あったらいいな」が詰まったファンタジーも読んでいてわくわくしますよね。
 

小3むすこ
小3むすこ

ばばばあちゃんに、怖いものなんてないのかも。
ふかふかの雲に寝転がってみたくなった!

 

5才むすめ
5才むすめ

ばばばあちゃん大好き~。
雨って、鬼が降らしているの?!

 

虫好き、動物好き、外遊び好きに読んでほしい!

『雨がふったら、どこへいく?』ゲルダ・ミューラー/作・いとう なおこ/訳 評論社

こちらは、双子のきょうだい、リュックとマリオンが、仲良しのステフと一緒にぬまに出かけるお話です。
道中で様々な動物や虫たちと出会ったり、ぬま到着後も楽しい発見があったりと、生き物たちとの触れ合いは尽きませんが、急に雲行きが怪しくなって、あっという間に大きな雨のしずくが落ちてきました。
この作品の素晴らしいところは、雨が降った時の生き物たちの様子が、絵で丁寧に描かれているところです。チョウやコバエなどの虫から、ガチョウ、ウシ、ブタなど、いろいろな動物が雨の日にどこにいるのか、どうしているのかが、わかりやすくまとめられているので、沢山の気づきを得ることが出来ます。
物語の最後に、雨がふるメカニズムのプチ情報が載っていたり、鳥や花、虫の情報が載っていたりするのも、子どもたちにとっては嬉しいおまけのようですよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

最後にいろんな豆知識が載ってて面白かった。
ぼくも外でいろいろ見つけたくなったよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

雨が降っても、虫さんたちの隠れる場所がちゃんとあるんだね。
今度さがしてみよ~。

 

 

雨の日には雨の日の楽しみ方がある。

いかがでしたか?
傘に雨粒が落ちた時のパラパラという楽しい音、雨が降っただけで日常が別世界になる不思議、そんな、雨の日にしか味わえないワクワクとした感情を絵本を通して知ってもらえたら素敵ですね。

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中学生におすすめ!名作・純文学

純文学のすすめ

皆さんは「純文学」と言うと、どういった印象を持ちますか?
堅苦しい、小難しい、眠くなる・・・以前勤めていた学校の生徒さんは、私の力量不足ということもあって、どうやらそんな感想を抱いていたようです。
そもそも、「純文学とは何ぞや」から説明が必要な人もいるかも知れません。
今回は、中学生が敬遠しがちな純文学作品について、「何ぞや」から出来るだけ嚙み砕いて説明して、皆さんに興味を持ってもらえるように司書として頑張りたいと思います。
また、後半は、そんな純文学の中から中学生の皆さんにおすすめの作品を紹介したり、純文学に限らず、昔から名作と言われている海外の作品からも数冊おすすめを紹介しているので、ぜひ、本選びの参考にしてみてください。

純文学と対象となる文学として、「大衆文学」というものがありますが、実はこの二つの境界線はとても曖昧で主観に委ねられるところも多く、現代のものは特に「これは純文学?それとも大衆文学?」と判断が難しい作品があったりします。
一般的に言われている純文学とは次のようなものです。

【1】純文学とは

人を楽しませたり、感動させたりすることを目的とした大衆文学に対して、純文学は、文章の美しさなどの芸術性に重きを置いています。
例えば、大衆文学と純文学を声に出して読んでみてください。どちらが読んでいて心地良いか、文の調子が良いか、一目瞭然だと思います。芥川龍之介や夏目漱石など、日本の文豪といわれている作家の作品は、音読した時のリズムがとても心地良いものです。これは、ストーリー展開よりも文章の美しさそのものに磨きをかけたが故の結果です。
最近では、自分で読む読書以外にもオーディブルなど、耳で聞く読書アプリもありますから、活字が苦手な人は、こういったアプリで純文学の美しい文章を聞くのも良いかもしれませんね。
大衆文学のようなハラハラドキドキのストーリー展開はありませんが、その分、登場人物の心情や、情景が丁寧に描かれているので、落ち着いて物事を考えたい人に純文学はピッタリです。

そもそも、英語に「純文学」という言葉はありませんから、これは日本だけの独自なジャンルです。よって、「反抗精神を歌っているから、これはロックだ!」というような、誰もが納得できる明確な目印がなく、芸術という主観的でどこか曖昧なジャッチのみで分けられているのが、冒頭でも言った、素人目で見て判断が難しい理由となっているのかも知れませんね。

【2】現代にも純文学はある

普段小説をあまり読まない人の中には、純文学というものは、ひと昔前の作品で、作者はすでに死んでいて・・・なんて思っている人がひょっとしたらいるかも知れません。
ところがそれは大きな間違いです。
おそらくその考え方は、「近代文学」と「純文学」という言葉が、ごちゃ混ぜになってしまったが故の誤りだと思います。近代文学は、近代(日本に限定すれば明治維新以後)に成立して発達してきた文学のことを言うので、ひと昔前という考え方は間違いではありませんが、純文学にこういった時代の括りは一切ありません。
近代であろうと、現代であろうと、芸術性に重きを置いている作品は、全て「純文学」と呼んで良いのです。
近代文学は、現代の小説を読み慣れている人からしてみれば、難しく感じる言い回しがあるかと思いますが、現代の文体で現代の作家が書いているのであれば、それだけで、取っ付きにくさは大分無くなるのではないでしょうか。

現代文学における、純文学作家といえば、まず頭に思い浮かぶのが村上春樹さんです。
ノーベル文学賞の時期になると「今年は授賞なるか?!」と、毎度、騒がれているあの作家さんですよ。
純文学入門としては、とても読みやすい作家さんだと思いますので、ぜひ、挑戦してみてください。
セリフ回しが少しキザに感じたり、文章からその場面がありありと思い描けたり、大衆文学とは一味違う文体に気づけたら、ぜひ、自分を褒めてあげてくださいね。

【3】中学生に純文学を進める理由

私が純文学を中学生の皆さんにおすすめする理由は、大きく分けて二つあります。

➀味わい深い人になれる

最近はどこの学校も、朝の10分間読書なるものがあって、普段本を読む習慣のある生徒さんも、そうでない生徒さんもこぞってその10分間は読書タイムを取ります。子どもたちの読書離れを止める策として、司書としてとても良い習慣だと思ってはいるのですが、普段本を読まないものからしてみれば、この10分は残念ながら苦痛でしかなく、生徒さんは何とかその10分間を乗り切るために、短い時間でどんでん返しが気楽に楽しめる本を血眼になって探しに図書館へやってきます。
そんな生徒さんが決まって言うセリフが、
「短い話でストーリーが分かりやすくて、どんでん返しがあるようなやつ!」
です。
残念なことに10分間という、短い読書タイムにすっかり慣れてしまっているのです。
本来、読書は時間を忘れてのびのびと読むことが醍醐味の一つであったはず。この10分間の読書タイムがきっかけとなって、本来の楽しみ方までたどり着けた生徒さんは良いですが、これを読書の楽しみ方と思って常に「起承転結」、「どんでん返し」だけが読書の面白さであると、はき違えてしまうのは、とても残念でなりません。
純文学は、物語を読む側に衝撃や感動を与えることが目的ではないために、ストーリー展開は至って緩やかです。緩やかな中に、主人公の思考が丁寧に描かれていたり、情景が美しく描かれていたりというような味わい深さがあります。
直ぐに結論が出てしまう本が良くないとは言いませんが、短い時間で結論を求めがちな中学生にこそ、こういった結論を急がない読書に挑戦して小説の味わい深さに触れてほしいと思います。
その経験を重ねることで、物事にある奥行きに気づき、知的で味わい深い人になれるのです。

➁受験や社会に出る上で役立つ

何度も言いますが、純文学は文章の美しさが特徴の一つとしてあります。それ故に、沢山の作品を読んでいくうちに、自ずと自分自身の文章能力も身についていくのが嬉しいおまけかも知れません。
例えば極端な話ですが、巷で人気の携帯小説ばかりを読んでいる生徒さんの文章は、文体がおかしなことになっていて、作文の文章の末尾に平気で「♡(ハート)」を付けるのだと国語科の先生が頭を抱えていたことがありました。
これは少し極端すぎたかもしれませんが、早い話がそういうことなのです。美しくないものを見たり聞いたりして育った人は、それを素晴らしいものだと認識するしかありませんが、長く本物に触れていれば、何が本物か目利き出来るようになり、自ずと自分自身も影響を受けるというわけです。
どのような文章が美しいと言えるのかを知っておくことは、今後、小論文などを書く際にも大いに役に立つことでしょう。
また、受験対策として純文学作品を読むこともおすすめしたいです。受験で初めて純文学に触れて、その分かりづらさに「意味が分からない」と頭を抱えることがないように、普段から「純文学とはこういうもの」と理解して、起承転結が緩やかな純文学の持つ曖昧さに事前に触れておけば、当日になって「なんだこれは」と慌てる心配がありませんね。

中学生におすすめ!名作・純文学

それでは、ここからはいよいよ中学生の皆さんにおすすめしたい名作・純文学について紹介していきたいと思います。
冒頭でも述べた様に、純文学に限らず、昔から名作と言われ、世界中の人たちに読み継がれてきた作品も紹介していますので、ぜひ、この機会に挑戦してみてくださいね。

【純文学のおすすめ】

人の心の内を丁寧に描き切った作品。

『こころ』夏目 漱石/著 新潮社

こちらは、「先生と私」、「両親と私」、「先生と遺書」の三部構成からなる、人の心の内を丁寧に描いた夏目漱石の代表作の一つです。タイトルにもなっている「こころ」が、「いったい誰の心なんだろう?」と読む前から読み手の心をくすぐります。
この物語の核となっているのは、主人公である「私」が「先生」と呼ぶ男の過去であり、「先生」は、過去の出来事に長い間囚われ続け、やがて、「私」に書いた遺書で、全てを告白します。友情ではなく、恋を取って友人を出し抜いたことにより、起こってしまった最悪の結末。それをずっと内に秘めてきた「先生」の寂しさが文章からは垣間見えます。その「先生と遺書」の中で描かれた細かい心理描写がこの小説の旨みの一つであり、タイトルの所以となっているのではないでしょうか。読んでいると、人間の弱さや寂しさが深く心に染み渡ります。
人の心の内を丁寧に描き切っているので、感受性が高い時期に、ぜひ一度読んでほしい作品です。

 

まるで寓話集のようなわかりやすさ。

『蜘蛛の糸・杜子春』芥川 龍之介/著 新潮社

「年少者向け」とあとがきにもある通り、こちらは芥川龍之介の作品の中でも比較的読みやすい10作品を集めた短編集です。「名前は聞いたことがあるけど、難しそう」。そんな風に思って、これまで遠ざけてきた人にこそ、読んでほしいと思います。
古典、宗教、寓話など、様々な要素が物語の中に感じられ、未就学児にすら読み聞かせ出来そうな「わかりやすさ」や「読みやすさ」があります。文章がとても美しいので、(私の中で)声に出して読みたい小説ナンバー1と言っても過言ではありません。芥川龍之介と言えば、洗練された高雅な文体。美しい言葉で語られる情景に、ぜひ、酔いしれてみてください。

★『蜘蛛の糸・杜子春』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

人間の心理やエゴイズムが描かれた表題作。

『羅生門・鼻』芥川 龍之介/著 新潮社

お次も芥川龍之介の短編集です。表題作である『羅生門』は、文章から醸し出されるおどろおどろしさが何とも不気味で惹きつけられる作品です。『鼻』は、『今昔物語集』の「池尾禅珍内供鼻語」や、『宇治拾遺物語』の「鼻長き僧の事」を題材としていて、コンプレックスによる人間の心理やエゴイズムなどが掘り下げて書かれている芥川龍之介の出世作です。芥川は学生時代、夏目漱石にこの作品を評価されて作家デビューしたらしいですよ。
先にご紹介した『蜘蛛の糸・杜子春』よりは、人間のねたみや非情さが目立つ作品が多く、少し小難しく感じる人もいるかもしれません。後の三好行雄さんの解説までじっくりと読むことで、納得できることも多くあるかと思いますので、『蜘蛛の糸・杜子春』の次に腰を据えて読む芥川作品として、ぜひチャレンジしてもらいたいです。

 

虎となってしまった男の話。

『李陵・山月記』中島 敦/著 新潮社

こちらは、『山月記』、『名人伝』、『弟子』、『李陵』の4作品が収まった短編集です。
『山月記』は教科書にも載っているので知っている人も多いのではないでしょうか。自尊心や羞恥心が心の奥底で膨らんで虎となってしまった男の話ですが、中国の古典を元に書かれているので、難しい言い回しが多かったり、物語の途中に漢詩が出てくることもあり、普段、漢詩に触れることがない私たち日本人は少し身構えてしまうところもある作品かも知れません。ただ、それでも、高校生の頃にこの話を読んだ私は、難解な文章以上に、虎になった男の話が衝撃的過ぎて、最後までどうなるものかと読み進めることが出来たのです。まるで、カフカの『変身』の舞台を中国に置き換えたような変身譚で、ぐいぐいと読者を引き込んでくれる作品です。

★『李陵・山月記』は、株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫からも出版されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

 

雪国の風景が目に浮かぶ。

『雪国』川端 康成/著 新潮社

物語冒頭の、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という一文が有名すぎて、『雪国』を読んだことがなくてもこの一文を知っている人は多いのではないでしょうか。
この一文からもわかるように、この作品は、これぞ純文学と思わずため息をついてしまうほどに自然描写が美しい作品です。内容は大人の恋愛物語なので、学生の皆さんに合うかどうかは正直何とも言えませんが、まるで一つの映画を見ているように情景が鮮明でとにかく素晴らしいので、ぜひ、そんな文章表現の美しさに酔いしれていただきたいです。

 

二人の主人公の物語。

『海辺のカフカ』村上 春樹/著 新潮社

こちらは、村上春樹の小説には珍しく10代の少年が主人公となっている作品なので、春樹作品の中でも中高生の皆さんにとって、特に読みやすい作品なのではないでしょうか。他の純文学作品に比べて、難解な文体というわけでもないので、初めて純文学に挑戦する人も比較的読みやすい作品だと思います。
この作品の面白いところは、家出をした15歳の少年、田村カフカが主人公である話と、知的障害の老人、ナカタサトルが主人公である話、この二つの物語が同時進行で進んでいくところです。読み進めていくうちに、この二つの物語が実は無関係ではないのかも?と感じ始めると、ページをめくる手がもう止まりません。
読み進めながらいろいろな気づきを得ていただきたいので、詳しいあらすじについては触れませんが、沢山の仕掛けが散りばめられている作品です。噛めば噛むほど味が出るといったような、一度ならず何度も読むことで深みを増していく小説なので、ぜひ、結末を焦らずじっくりと読んでほしいと思います。

【海外名作のおすすめ】

年老いても現役を貫く男の生きざま。

『老人と海』ヘミングウェイ/著 新潮社

こちらは、老漁師と大物マカジキとの二日間もの死闘を描いたヘミングウェイの作品です。
静かに、ただ静かに、大海原でひとり格闘する老人サンチャゴを見ていると、老いや自然の力に屈することなく、今の自分が持つ全力でマカジキに挑む姿に心を持っていかれます。死闘後の話を読んでいると心にぽっかりと穴が開いたような虚無感に襲われそうになりますが、何事もなかったかのように淡々とまた漁へ出る老人に精神力の強さを感じて救われたような気持ちになる人も多いのではないでしょか。老人と少年との関係性も素敵で、海の上での孤独な戦いの最中に何度も「あの子がいてくれたら」と思う老人の様子から、きっと少年が思っている以上に少年の存在は老人にとって大きなものであったように思います。
ヘミングウェイはこの作品で、ピューリッツア賞を受賞し、1954年にはノーベル文学賞も受賞しました。ヘミングウェイの代表作の一つなので、ぜひ一度読んでみてください。

『老人と海』は、他の記事でも紹介しています。
司書が選んだ読書感想文におすすめの25冊

 

 

物事の不条理さを描いた名作。

『変身』カフカ/著 新潮社

こちらは、主人公の青年が、ある朝起きたら巨大な害虫になっているという物語で、虫嫌いの私はぞわぞわしながら読み進めていった記憶がありますが、読めば読むほど、この害虫があまりにも哀れで、なんとか最後は人間に戻らせてあげたいと、いつしかこの害虫に感情移入している自分がいました。
青年が害虫となってしまったことで、青年に対する家族の接し方がそれまでと違うものとなってしまった理不尽さが読んでいて胸に突き刺さる作品です。
自分の家族が、もし、これまでの家族とは違うものになってしまったら、自分だったらどう行動するか・・・。ありえない物語を現実世界と照らし合わせながら読んでみるのも面白いかもしれませんね。

 

多種多様な人々が紡ぐ、暖かい物語。

『種をまく人』ポール・フライシュマン/著 あすなろ書房

物語は、ごみ溜めのようになってしまった土地に、一人の少女が豆の種を植えるところから始まります。
やがて、年齢や人種も違う、多種多様な人々がそこに種をまくようになり、いつしかごみ溜めは立派な菜園となっていきました。菜園を通して紡がれていく13人それぞれの物語がそこにはあり、最初の少女のひと植えが、幸せの連鎖に繋がっていく過程が読んでいて何ともハートフルで心を動かされる作品です。
とても短く、読みやすい小説なので、何かの合間や就寝前などに、ぜひ、手に取って読んでもらいたいと思います。

 

短編の名手が届ける、極上の短編集。

『最後のひと葉』オー・ヘンリー/著 岩波書店

オー・ヘンリーを知らずとも、どこかしらでオー・ヘンリーの作品に触れている人は少なくないのではないでしょうか。
クリスマスに互いのことを思い、プレゼントを選び合う夫婦の物語『賢者の贈物』、病気の女画家と老画家の心温まる物語『最後のひと葉』などは絵本にもなっている有名な作品です。
14編が収録された短編集ですが、どの話もただオチがあるだけの作品ではない、深い感動やしみじみとした余韻の残る話ばかりであり、英米で短編の名手と呼ばれていたオー・ヘンリーの手腕を感じられます。
朝のわずか10分間の読書に、このような深みある短編集に挑戦してみるのもおすすめですよ。

★株式会社KADOKAWAの児童書レーベル角川つばさ文庫には、「賢者の贈りもの」「最後の一葉」「警官と聖歌」など、よりすぐりの10編が収録されています。こちらは小学生でも読むことが出来ますよ。

 

まとめ ~就寝前の読書に。~

「なかなか読む時間がない」と、日頃から読書に消極的な人は、まずは、就寝前の1時間を読書の時間にしてみてはいかがでしょうか。
布団に入って、本を開く。誰にも邪魔されないその1時間にピッタリなのが、今回紹介した純文学であったり、海外の名作であったりします。想像力掻き立てられるファンタジーや、ハラハラドキドキのストーリー展開の冒険物も良いですが、就寝前に読むには少し目が覚めてしまいそうですよね。就寝前だからこそ、美しい日本語から登場人物の心情や情景を思い浮かべながら、「起承転結」に囚われない読書をぜひ楽しんでみてください。

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花の絵本特集♪

春にぴったり、花の絵本

近所の桜は全て葉桜となりましたが、チューリップ、ラベンダーにクレマチス・・・春はまだまだ沢山の花を咲かせてくれる季節です。
我が家でも黄色のモッコウバラが色鮮やかに咲き乱れて楽しませてくれていますが、花には人の気持ちを朗らかにする不思議な力がありますよね。今回は、この季節に合わせた素敵な花の絵本を集めてみましたので、ぜひ、春の陽気に身を任せ、ご家族で絵本を眺めてみてください。

花の絵本15選

春の読み聞かせには欠かせない!

『さくら』長谷川 摂子/作 矢間 芳子/絵 福音館書店

こちらは桜の木(ソメイヨシノ)の一年を通した様子がよくわかる一冊です。
桜と言えば、満開に咲いている春の様子だけに注目しがちですが、夏、秋、冬の桜も表情が違い、それぞれの良さがあってとても素敵です。四季折々の桜が美しい絵と文章で一つの物語としてまとまっているので、春の読み聞かせにピッタリですね。
 

小3むすこ
小3むすこ

すごい絵がリアル!
見てると花見に行きたくなるんだよね~。

 

じいじとちびすけの関係にジーンとくる!

『じいじのさくら山』松成 真理子/作・絵 白泉社

天気が晴れた日、じいじに誘われて、よく、さくら山を登ったちびすけ。それは、じいじが嬉しいことがあるたびに、こっそりと植えてきたじいじの大事なさくらの木々からなる山でした。
「ちょうしのわるいところはないかいな」
「ぐあいのわるい木はおらんかな」
じいじは、ひとつひとつの木に触って木の具合を確かめます。ちびすけも真似をして触ってみますが木は何も答えてはくれません。やがて、じいじは病気になり、ちびすけは一人で山に行き、じいじの回復を願います。

よく、子どもは親の背中を見て育つと言いますが、この物語は
じいじとちびすけの関係がとても素敵で、ちびすけは、きっと、じいじの生き方を見て、じいじとの思い出を胸にこの先成長していくのだろうなあ…と読んでいて暖かい気持ちに包まれました。じいじの「なんも なんも」という口癖に、すべてのことを受け入れてくれるような安心感を覚えるのは私だけではないはずです…。
 

小3むすこ
小3むすこ

このじいじ、うちのじいじによく似てるよね。

 

わたし
わたし

確かに。

 

5才むすめ
5才むすめ

じいじだ、じいじだぁ~♡(ハート)

 

知らなかった!菜の花の秘密がわかる絵本。

『なのはなみつけた』ごんもり なつこ/作・絵 福音館書店

我が家の庭に植えた葉牡丹から、するすると茎が伸び、ちょうどこの本の裏表紙の絵のような、見事な菜の花が咲きました。菜の花って、白菜やキャベツ、小松菜などの葉野菜からも咲くんですね。恥ずかしながら、この絵本を読むまで全く知りませんでした。
菜の花に最大限のスポットを当てて、菜の花についてのあれこれを丁寧な言葉で紹介してくれているので、未就学児でも興味深く楽しめる絵本です。我が家では新小学3年生も「へ~。知らんかった~。」と新しい発見があったようで、興味深げに絵本を眺めていましたよ。
 

小3むすこ
小3むすこ

え!菜の花って、野菜からも咲くん?
知らんかった~!

 

たんぽぽに詳しくなれる、どこかお洒落な一冊。

『たんぽぽ』荒井 真紀/文・絵 金の星社

たんぽぽを主役とした作品は他にも数冊思い浮かびますが、私はこの上から見たような構図で描かれているたんぽぽや、色遣いが好きで、荒井真紀さんの絵本をチョイスしがちです。
荒井真紀さんの作品は、どれも丁寧にそのものを捉えていて、それでいてお洒落。『まどのむこうの くだもの なあに?』(2019年月刊絵本「こどものとも年中向き」7月号)では、その魅力が爆発していますので、ぜひ、そちらも合わせてみていただきたいのですが、どの作品も、書店や図書館で他の沢山の本と一緒に並んでいても、荒井さんの絵本は
表紙からグッと引き寄せられる魅力があります。
こちらは、たんぽぽの観察に役立つ情報がこの一冊に沢山詰まっているので、科学絵本としても申し分ありません。
 

小3むすこ
小3むすこ

絵がすごくきれいだと思う。
どうやったらこんなに本物そっくりに描けるんだ!

 

身近な果物、バナナの全てがわかる絵本。

『バナナのはなし』井沢 尚子/作 おいかわ けんじ/絵 福音館書店

こちらは、この一冊でバナナのことがまるっと全てわかってしまう絵本です。
バナナはスーパーなどで簡単に手に入る果物ですが、この絵本を読むと案外バナナのことを知らなかった自分にきっと気づくはずです。
バナナを冷蔵庫に入れるとどうして黒くなるの?
バナナはどうやってなっているの?
そんな疑問に丁寧に答えてくれているのがこの絵本です。
今回、花の絵本を特集するにあたって、なぜかこの絵本が頭をよぎりました。なぜだろう?と、久しぶりにページを開いてみると、そこにはこんな一文が。

「これが、はな?」
つぼみのようにみえるけれど、はなではない。(中略)しろい はなびらが みえた!これが はなだ。

どう見てもバナナの花のように思われるものは、花ではなくて、本当の花はその花のようなものの内側にびっしりと並んでいるのだという驚き。これが、ずっと私の中に残っていて、花の絵本を思い浮かべた時に頭の中にこの絵本がよぎったのでしょう。
普段食べているバナナへのリスペクトが感じられる絵本なので、バナナ好きにも嫌いなお子さんにも読んでほしい一冊です。
 

5才むすめ
5才むすめ

バナナって私だいすき!

 

小3むすこ
小3むすこ

バナナの生り方がよくわかって面白いよね。
知ってるようで何も知らなかったんだな~。

 

表紙の秘密を裏表紙でこっそり種明かし!

『さいた さいた』とりごえ まり/作・絵 金の星社

こちらは「わくわく」や「ひゅーひゅるる~」など、絵に添えられた短い文章が楽しい作品なので、0歳さんから楽しめる絵本です。絵は全て朱色に近い、鮮やかなオレンジ色で縁どられているので赤ちゃんも目を引くかもしれません。
絵本のカバーで作者のとりごえまりさんがこの作品が出来たエピソードを語っておられますが、日常の中でふと見た光景からこんな楽しい絵本を作ってしまう絵本作家さんってやっぱり素敵だなぁと思わずにはいられませんでした。
また、ここでの小ネタが表紙と裏表紙の仕掛けに気づかせてくれるきっかけとなり、物語が一層深いものとなったようで子どもたちは嬉しそうでした。
 

小3むすこ
小3むすこ

子供向けかと思ったけど、意外に楽しめた。

 

わたし
わたし

あんたも子供や。

 

5才むすめ
5才むすめ

待って待って!これって、もしかして、ぞうさんがいた場所って・・・。

 

わたし
わたし

おおっ!娘ちゃんも気づいたか~。

 

とにかく全てが美しい絵本!

『花のうた』シャンナ・オーテルダール/作 エルサ・ベスコフ/絵 文化出版局

エルサ・ベスコフさんの絵本が個人的に大好きなので、花の本を特集するにあたって一番に飛びついたのがこちらの絵本。やはり、エルサ・ベスコフさんの絵は、美しくて心に優しいですね。
この絵本は、詩人であり作家でもある、シャンナ・オーデルダールの詩にエルサさんが絵を付けたものです。当時は新しさがあることで受け入れられたようですが、現在は古典的で、そこがまた趣があって美しい詩であると親しまれています。
読み聞かせには少し難易度高めな作品ですが、それでも子どもの横で、そっと声に出して読みたい絵本です。
布団に入った子どもに寄り添って、こんな美しい詩を読んであげられる母親になるのが理想です。

エルサ・ベスコフさんの描いた絵本は、他の記事でも紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選
 
芸術の秋‼ 絵が美しい絵本10冊

 

5才むすめ
5才むすめ

絵はかわいいけど、よくわかんない・・・。

 

小3むすこ
小3むすこ

タイトルどおり、花の歌が絵本になってるんだよ。
ね。そうだよね?

 

わたし
わたし

そうそう。そんな感じ。
素敵な絵本だけど、ちょっと読み聞かせ向きではないかもねえ。

 
 

母を思う、けろの願い。

『はなのしずく』椿 宗介/作 高畠 純/絵 フレーベル館

けろのお母さんが病気になって、けろは、お母さんの病気に効く薬を探す旅に出ることを決心します。
ところが誰に聞いてもなかなか有力な情報は得られないまま。ようやく、ふくろうおじいさんから「夜の間につゆ草のしずくを集めて飲む」という方法を教えてもらいますが、いくら探してもつゆ草の花は見つかりません。そんな時、野原の向こうに真ん丸な月が登ってきて・・・。

高畠純さんの絵が大好きで、知らず知らずのうちに手に取っている自分がいます。こちらは『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)とはまた一味違ったタッチのゆるさで、見ていて和みますね。
作者のあとがきを読んで、「青い月の光」は、真っ暗な夜を照らしてくれる唯一の希望であるような気がしてなりませんでした。

『うし』(内田麟太郎/作・高畠純/絵)は、他の記事で紹介しています。
【2021年干支】ウシが出てくるおすすめの絵本15選

 

小3むすこ
小3むすこ

この絵本、話的にも面白いけど、なんてったって、かえるの表情が面白いよ。

 

5才むすめ
5才むすめ

つゆ草の青いしずくって、ほんとうにあるん?

 

わたし
わたし

娘ちゃん見つけたら、お母さんの花粉症を治してね。

 

あったらいいなが形となった物語。

『サナのゆめのにわ』なりた まさこ/作・絵 ポプラ社

タイトルに「ゆめのにわ」とある通り、こちらは、現実には到底あり得ない、けれどもこんなことがあったらいいなを形にした、子どもたちのワクワクが詰まったファンタジーな作品です。
もしも、自分だけの庭があって、好きなお花を植えられて、そこで自由に遊ぶことが出来たら?
大きく伸びたお花の茎のトンネルをくぐったり、お花の妖精と知り合って一緒に遊んだり、きっと子どもたちの想像する世界はこの絵本のような楽しいことばかりのはずです。
ぜひ、想像を膨らませて、お子さんと一緒に「ゆめのにわ」で、沢山遊んでください。
 

5才むすめ
5才むすめ

楽しそう~!!こんな庭があったら、ぜったいぜったい水やりする~!!

 

正直な心が一番。

『皇帝にもらった花のたね』デミ/作 武本 佳奈絵/絵 徳間書店

皇帝がおよつぎを選ぶことになって、くにの子どもたちに少し変わったおふれを出しました。
それは、皇帝が渡す花の種を大切に育てて、一年後、再び皇帝に見せに来るようにというものでした。花を育てるのが大好きなピンもこのおふれ通り、皇帝からいただいた花の種を大切に育てるのですが、いっこうに目が出てきません。そうこうしているうちに、とうとう約束の一年後がやってきてしまいました。困ってしまったピンは・・・。

目先の利益に囚われ、嘘をつくことを選んだ大多数の子どもたちの目に、誠実でいることを選んだピンの勇気はどう映ったのでしょうか。嘘を平気でつく子にはなってほしくないな~と思い、子どもに読み聞かせた絵本ですが、何度も読んでいるところを見ると、子どもの心にちゃんと響いたようです。
 

小3むすこ
小3むすこ

最初は「どうして?」って、意味が分からなかったけど、そういうことだったのか~!
この話、おもしろーい!!

 

5才むすめ
5才むすめ

また読んで、読んで~!
お父さんにも読んであげようよ。

 

「春の種」という発想が素敵。

『はるねこ』かんの ゆうこ/作 松成 真理子/絵 講談社

〈春の種〉がつまった、きんちゃくぶくろを落としてしまった〈はるねこ〉の話を聞いて、あやのは折り紙で春を作ろうと提案します。花や、ちょうちょや小鳥・・・折り紙で作った沢山の〈春〉は、やがて本物の春のように心を温かくしてくれます。
折り紙大好きな娘なら絶対よろこぶに違いない。そんなよこしま(?)な考えから読み聞かせした絵本ですが、案の定、この絵本は、娘の好奇心をくすぐりまくったようでした。折り紙で〈春の種〉を作っては、私にプレゼントしてくれ、自分なりに絵本の世界を楽しんでいました。このお話には他にも、『なつねこ』、『あきねこ』、『ふゆねこ』もあるようなので、季節を通して読んでみるのもいいですね。
 

5才むすめ
5才むすめ

お母さん、これ。

 

わたし
わたし

ん?なあに、この折り紙のグシャッとなったやつ?

 

5才むすめ
5才むすめ

はるの、た、ね♪

 

わたし
わたし

いただきます。
もう10年分ぐらいは、春の種に困らないです。

 

ふんわりとした雰囲気の不思議なお話。

『なかないで なかないで』あまんきみこ/作 黒井 健/絵 ひさかたチャイルド

えっちゃんと猫のミュウは、よもぎのはらでちょうちょを追いかけました。
二匹のちょうちょが上になったり下になったりしている様子が笑っているように見えたので、えっちゃんとミュウは、ついちょうちょに夢中になってしまい、どっちから来たのかわからなくなってしまいました。
堪え切れなくなったえっちゃんが涙を流した、その時、
「なかないで なかないで」
やさしい声が聞こえてきて・・・。

こちらの作品は決して花が主役な訳ではありませんが、たんぽぽの花や、白い花が咲き誇っているよもぎのはらが印象的だったり、紫色の花が咲いた木々が風に揺れる様子で、迷子になった不安な気持ちを表現していたりと、殆どのページに花が描かれています。ふんわりとした絵は温かみがありますが、えっちゃんが迷子になった時には、これが不思議と、霧に包まれたような、ぼんやりとした印象に変わり、不安な気持ちを掻き立てられます。
自分が小さい頃、迷子になった時もこんな感じだったよなあ…と遠い昔に思いを馳せることができた一冊でした。
 

5才むすめ
5才むすめ

ねえ。えっちゃん、ほんとうに私に似てるかなあ?

 

わたし
わたし

似てる似てる。クリソツ。

 

5才むすめ
5才むすめ

え~、ほんとに?

 

小3むすこ
小3むすこ

似てる似てる。モデルになってんじゃない?

 

その辺を散策したくなる!

『野の花えほん 春と夏の花』前田 まゆみ/作・絵 あすなろ書房

こちらは春と夏の野原に咲いている花を紹介した絵本ですが、まず、持った正直な感想は、「あの雑草、食べられるのか!」、「あの雑草、役に立つのか~!」という驚きでした。特に、庭の手入れを怠るとすぐに生えてくる忌々しい雑草の名前がわかり、実は銅などのさび掃除に役立つと知った時は目からうろこでした。
一ページごとに一つの花の詳しい情報が載っているのですが、どの花も道端に咲いているものばかりの上、描かれている絵が可愛らして、それぞれの豆知識も楽しくて、終始興味をそそられた、収穫の多い一冊でした。
食べられるものは料理方法まで載っているので、子どもと一緒に野草取りに出かけたくなります。
 

小3むすこ
小3むすこ

見たことある花がたくさん載ってた!
庭にもいっぱい咲いてるよね~。

 

わたし
わたし

抜いても抜いても生えてくるからねえ。
決して好きで植えてる訳ではないよ。

アサガオの全てが丸裸に!

『アサガオ たねからたねまで』佐藤 有恒/写真 中山 周平/文 あかね書房

こちらはアサガオの写真絵本です。種をまいてから花が咲き、しぼんで再び種が取れるまでの様子を普通の観察では見えない土の中まで写真で丁寧に紹介してくれているので、大人でも沢山の気づきを得ることが出来ます。
肉眼では動かないように見える花も、実は土の中でぐんぐん根を伸ばして一生懸命生きているその様を目の当たりにすると、どこか別の生き物の成長過程を見ているようで、アサガオに愛着すら芽生えます。
種をまいた日付けや、花が咲いて枯れ、種になった日付も刻まれているので、大体の時期を知ることが出来るのもいいですね。本の最後にはアサガオの植え方も載っているので、自由研究や、お子さんと一緒に観察するのにも楽しめる絵本です。
 

小3むすこ
小3むすこ

アサガオ、学校で植えたことあるから(読んでて)面白かった!
また育ててみたくなった~。

 

5才むすめ
5才むすめ

いいなあ~。私も植えてみたい・・・。

 

花の色って奥深い!

『花の色のふしぎ』佐藤 有恒/写真 あかね書房

こちらは、花自体が持つ役目や仕組みの話から始まり、花の色に関するいろいろな知識を得ることが出来る写真絵本
です。
特に、花の色と関わる虫たちの話が面白くて、思わず誰かに話したくなります。紫外線を感じ取る目を持ち、花にやってくる虫たちの見ている花の色に合わせて体の色を変えるクモがいたり、紫外線が見える虫と見えない人間とでは花の色が全く違って見えたりと、その内容は大人が読んでも楽しめますよ。
未就学児のお子さんにはまだ少し難しいかもしれませんが、昆虫写真家である著者が撮った、美しいカラー写真がたくさん載っているので見ているだけで良い刺激になるかも知れません。
 

小3むすこ
小3むすこ

虫と人間、花の色が違って見えるなんて知らなかった。
人間には見えないものが虫には見えているんだね。

 

花の絵本から新たな発見

いかがでしたか?
一冊の絵本で一つの花の様々な知識が身に付くものから、物語の中で花を美しく描いたものまで、花の絵本は本当にいろいろな作品がありますね。
絵本を子どもに読み聞かせていると様々な気づきがありますが、特に、作者が実際に一つの花をよく観察して描かれているのではないかと思われる、繊細なタッチで花の細部まで描き上げているような絵本を読んでいると、そこには沢山の情報が詰まっており、子どもだけでなく、大人ですら、(大人だからこそ?)普段見慣れている花に新たな気付きを得ることが出来ます。
たんぽぽって、さくらって、近くで見るとこんな感じだったっけ、
そんな新たな発見を楽しみながら、読み聞かせをするのもいいですね。

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【番外編】胸キュン必至!少女漫画のおすすめはコレだっ!

胸キュンするなら、小説より漫画?!

いつもは小説や絵本の紹介をしているこのサイトですが、今回はバレンタイン(過ぎましたが)ということで、番外編として少女漫画の紹介記事を書いています。
小説でも恋愛小説と言った括りはありますが、私は「ときめき」だけを求めるのであれば、どちらかというと恋愛小説より少女漫画の方が向いているような気がします。思わず、「ふふふ・・・」と微笑んでしまうような漫画を集めてみましたので、勉強の息抜きに、良ければときめいてください。

胸キュン必至!おすすめ少女漫画 10選

 

とにかく甘すぎる恋物語!

『なのに、千輝くんが甘すぎる』亜南くじら/著 講談社

こちらは、ずっと片思いをしていた相手にフラれた上にバカにされた女の子が、「好きにならないこと」を条件に、学校一のイケメンとひょんなことから「片思いごっこ」をすることになってしまうお話です。
巻が進むごとに、イケメンの心情がなんとなく透けて見えてくるので、思わず「はやく告白しろよ~^^*」とニヤニヤしますよ。

 

「好き」が駄々洩れている!

『お嬢と番犬くん』はつはる/著 講談社

こちらは、こわ~い裏稼業を生業とする家のお嬢(高校生)と、その家の若頭(26歳イケメン)のお話です。
お嬢の高校生活が心配でならない若頭は、年齢を偽ってお嬢と同じ高校に入学して学園ライフを送りますが、美人でほっとけないタイプのほんわかしたお嬢だけに、近づいてくる男子はたくさんいます。普段は冷静で落ち着いた物腰柔らかめの若頭ですが、そんな男子たちには容赦ありません。
お嬢への気持ちを我慢している若頭(ダダ洩れだけれど)や、若頭への気持ちが恋だと気づいたお嬢・・・これもまた、両想いのくせに互いの気持ちを口に出せないもどかしさがたまらない作品です。
 

爽やかでこれぞ青春!

『恋のはじまり』蒼井まもる/著 講談社

「あいつは好きなのか、どうなのか~?」というキラキラした期間、恋の始まりを丁寧に描いている作品です。
読んでいると学生時代に戻りたくなりますね・・・。
こういう恋愛は学校ならではで、うらやましいです。
主人公の性格が愛嬌があって、表情もどこか小動物を思わせるので、見ていて「ふふ・・・」と笑えて癒されますよ。
 

作品の空気感がとにかく良い!

『マイ・ボーイフレンド』蒼井まもる/著 講談社

上の作品と同じく、友達から恋に変わっていく様子がきゅんきゅんに描かれています。
いいですね~。癒されます。笑
私は蒼井まもるさんの作品がどうやら好きなようです。蒼井さんの作品は、どれも雰囲気が優しくて、どの作品もほんわかとしています。登場人物のふとした表情がとても良いです。こういう漫画を読んでいると、こういうところが恋愛小説には無い少女漫画の良さだよな~と思わずにはいられません。(もちろん、恋愛小説には恋愛小説の良さがあるとは思いますが。)
 

健気な主人公が応援したくなる!

『さくらと先生』蒼井まもる/著 講談社

またまた蒼井さんの作品ですが、こちらは生徒と先生ものです。
ぎりぎりまで先生の気持ちがよくわかりませんが、最後の方できゅんならぬ、ズドンと雷が落ちる感じ、「おおっ!」と思わず心の中で叫んでしまいます。健気なさくらを応援したくなる作品です。
 

男子の切ない片思いがグッとくる!

『シンデレラ クロゼット』柳井わかな/著 集英社

男勝りな女子、春香が、女装趣味の男子と知り合い、友達になり、どんどんきれいになっていくお話ですが、真っ直ぐな主人公を次第に好きになっていく女装趣味男子の気持ちがなんとも切ないです。
この作品は女装男子が可愛らしいのですが、時折見せるカッコイイ男性バージョンにきゅんと来ない人はいないのではないでしょうか。なかなか実らない男性の片思いが読んでいて「胸キュン」です。
 

懐っこ男子と奥手女子の恋愛模様!

『1センチよりも近く』石沢うみ/著 講談社

こちらは、お互いのことを知っていくうちに、自分の中で相手の存在が特別なものになっているということに気づいていく過程が丁寧に描かれている作品です。ついつい距離が近くなってしまう男子と、それに戸惑う女子は、見ているこっちがくすぐったくなります。
恋に一生懸命な女子と、屈託のない笑顔が素敵な男子のきゅんきゅんなラブストーリーです。
 

先生を好きになった女の子の奮闘が良い!

『I Love Her』いくえみ陵/著 集英社

こちらは、人当たりのいい愛されキャラな女の子・花が、アパートの隣に住む学校の先生「しんちゃん」を好きになってしまうお話です。
誰とでも仲良くなってしまう花のことを、先生としてリスペクトするしんちゃんですが、花は、先生への好きが隠し通せなくなくなってしまいます。
この話は、女の子の性格がさっぱりしていてドロドロうだうだしていないところがよく、先生も大人としての分別をわきまえているのが現実的でいいです。
しんちゃんは自分の気持ちを見せることなく、ずっと「先生」を貫きますが、最後の巻では、「なんだよ~。やっぱり、そうだったのかよ~。」と思わずニヤニヤが止まりません。
先生の告白の仕方に、読んでいてきゅんと来ない人はいないでしょう。
 

鈍感アラサー女子と、素直になれない高校生男子の年の差ラブコメ!

『プロミス・シンデレラ』橘 オレコ/著 小学館

最初は退屈しのぎで、面白半分に早梅にちょっかいを出していた壱成ですが、早梅の真っ直ぐな言葉や態度に知らず知らずのうちに魅かれている自分に気づいてからは、素直になれない性格が災いしてなかなか思うようにいきません。恋愛に鈍感な早梅と、素直になれない壱成の恋愛模様は、時に笑え、時にこっぱずかしく、くっつきそうで、くっつかない二人は読んでいてドキドキします。
思うより先に行動してしまう壱成に、度々、「胸キュン」させられてしまう作品です。
 

王子の色気が!

『うるわしの宵の月』やまもり 三香/著 講談社

こちらは、2021年2月17日現在、まだ一巻までしか出ていないので、これからどんどん話が膨らんでいくと予想される作品ですが、一巻ですでに市村先輩の色気(?)が駄々洩れとなっていて、今後の展開が期待されます。
市村先輩に女子として扱われた宵の表情もとても可愛らしくて、女子ながら「胸キュン」しました。
おそらく、話数が進むごとに、市村先輩の宵が「気になる」気持ちが「好き」に変化していき、これからもっともっと宵と読者をときめかせてくれるのかな~と踏んで、今回おすすめ作品に加えさせていただきました。
 

 

中高生から大人まで楽しめる、少女漫画

小説にさまざまなジャンルがあるように、少女漫画にも、部活もの、ファンタジーもの、年の差ものなど、いろいろなパターンがあり、好みや気分によって楽しむことが出来ますよね。現実とのギャップは多少(結構?)ありますが、このような少女漫画が高校生活への期待であったり、活力になることだってあることを思えば、漫画だって、捨てたものではありません。
何歳になっても、少女漫画から、ときめきを、癒しをもらいたいものです☆彡