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【おとな編】まだ間に合う!クリスマスプレゼントに、心温まる絵本を。

大切なあの人に、絵本のプレゼントはいかがですか?

早いもので、街路樹や店頭ではイルミネーションが輝き、町のあちらこちらから、クリスマスキャロルが聞こえてくるシーズンがやってきました。
気づけば、あっという間にクリスマス。
中には、12月に入って、プレゼントは何にしようかと悩んでいるうちに、サンタの鈴の音がすぐそこまで来てしまった・・・そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方には、ぜひ、本屋に立ち寄って見られることをお勧めします。
「大人の絵本コーナー」が設けられている本屋さんがあるほどに、絵本の対象は子どもだけに留まらず、多くの大人たちが絵本には癒す効果があると手に取っていくようです。

絵本なら、書店に行けばすぐ手に入りますし、気軽に購入できる価格で相手に気を遣わせる心配もありません。

まだ間に合いますよ!

相手のことを考えながら、どんなプレゼントにしようかと考えるその時間・・・。
ぜひ、その至福の時をお楽しみください。

【おとな編】クリスマスプレゼントにおすすめしたい、心温まる絵本 10選

大切な人と、この感動を共有しよう。

『世界で一番の贈りもの』マイケル・モーパーゴ/著 評論社

こちらは、クリスマスの奇跡と今も語り継がれる「クリスマス休戦」を基に描かれた大人向け絵本です。

がらくた屋で購入したロールトップデスクの引き出しの中で見つけた、一通の手紙。
そこには、愛する人へ贈る、嘘のような真実の物語が淡々と綴られていました。

1914年12月25日。寒空の下、イギリス軍とドイツ軍が、敵でありながら共にお酒を酌み交わし讃美歌を歌い、故郷の話に花を咲かせて笑いあった、信じられないような日。

「この戦争を終わらせる方法が解ったよ。サッカーの試合で、勝負を決めればいい。サッカーなら、だれも死なずにすむ。親を失う子もない。夫を失う妻もない。」

ドイツ軍の将校がイギリス軍の将校に言ったこの言葉は、この戦争が早く終わって、みんなが無事に故郷に帰れるようにという、切実なる願いの元に出た言葉です。

クリスマスに起こった、この奇跡のような出来事は、両軍の公式記録には一切存在しませんが、この絵本のように、手紙や、無事に帰還した兵士たちを通して、人知れず語り継がれてきたのだそうです。

心温まる時間、かけがえのない一生の宝物といえるほどの時間を過ごしたことを綴った手紙の内容と、この休戦後に平和の願い空しく戦争の犠牲となった多くの兵士たちのことを思うと、心と目頭が熱くなる一冊です。
152mm×152mmという小ぶりな大きさと、封筒の消印や英字で書かれた手紙が表紙になっているオシャレなデザインから、プレゼントにも喜ばれると思いますので、ぜひ、大切な人とこの感動を共有してください。

『世界で一番の贈りもの』は、他の記事でも紹介しています。
平和学習におすすめな本

 

 

自分の気持ちを、言葉でプレゼント。

『Present book 好きなところ100(Presentbookシリーズ)』 いろは出版

こちらは、大切な人へ、面と向かって感謝や好きなところを言いづらい照れ屋さんや、長い付き合いで今さら口に出しづらい人にとって、持って来いなプレゼントなのではないでしょうか。
「プレゼントは何でもいいよ」なんて言われて、何にしようかと頭を悩ませているのであれば、気持ちのこもった言葉のプレゼントが良いかも知れません。
こちらの本に、大切な人の好きなところを、ただひたすらに書き込んでいくことで、渡す相手はもちろんのこと、書いている本人も、改めて、渡す相手の素敵なところにたくさん気づくことができ、幸せな気持ちになります。

クリスマスまでに100個も書きだすのは無理だと自信がなくなりそうな方は安心してください。
本書には、「おてつだいカード」といって、好きなところを思い出すヒントになるワードを集めてくれているカードが存在しているので、困った時はこれを参考に書き込んでいくと良いかも知れません。

また、付属の透明スリーブケースに入れることが出来るので、せっかくの本が折れ曲がる心配もなく、プレゼントにピッタリな一冊になりますよ。

大切な人を想像しながら、世界にひとつだけの本を完成させてくださいね。

 

人と違うことをしても大丈夫。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』レオ・レオニ/著 谷川 俊太郎/訳 好学社

小さな野ねずみたちが冬に向けてせっせと働く中、フレデリックだけは全く働こうとしません。
「どうして きみは はたらかないの?」
仲間がフレデリックに聞くと、
「ぼくは おひさまの ひかりを あつめてるんだ。」
と、フレデリックは答えます。
その後も全く働こうとしないフレデリックに、仲間たちは何度も聞きます。
「なにをしているんだい、フレデリック?」
「ゆめでも みてるのかい、フレデリック。」
「ちがうよ」
そのたびにフレデリックは、自分が集めているものの話しをしますが、それらはどこか掴みどころのないものばかりで現実味を帯びていません。
ところが、厳しい冬がやって来て、フレデリックが集めていたものの素晴らしさに気づいた時、仲間たちは拍手喝采して・・・。

この物語から何を感じ取るかは、人によってそれぞれ違うのかも知れませんし、そもそも、これは教訓めいた話ではないのかも知れませんが、みんなに同調して生きていく事も重要だけれど、もしも、それより大切なことがあった時には、人と違うことをしてもいいのだと、受け入れられるべきなのだという、メッセージが少なからず含まれているように私は感じました。

例えば、人と違う進路を歩もうとしている、あの人へ、
いつも思いもよらない斬新なアイデアを出して、チームを引っ張ってくれる、あの方へ、
素敵なメッセージを添えて、こちらの絵本をプレゼントすると良いかも知れませんね。
谷川俊太郎さんの訳も、詩的で、とても素敵です。

『フレデリック ちょっとかわったのねずみのはなし』は、他の記事でも紹介しています。
【2020年干支】ねずみが出てくるおすすめの絵本 15選

 

 

旅に出れない今こそ、この絵本。

『旅の絵本』安野 光雅/著 福音館書店

こちらは、どのページも文字が一切ない絵本です。
このシリーズは、毎回どこかの国を優雅気ままに旅しているので、コロナ禍の今見ていると、とても解放された気分になるのは私だけではないはず。
ある巻では馬に乗り、またある巻では舟に揺られて、旅人と共に、世界の風景に出会える贅沢を堪能してください。

また、どの巻も、地上に立って描かれた目線ではなく、少し上空を浮遊しているような、見下ろす感覚で描かれていることもあって街並みや自然が細部にわたり描きこまれているので、眺めているだけで幸せな気分になれますよ。

2018年に出版されたシリーズ最新作は「スイス」です。
好きな国にしぼってプレゼントするもよし、世界旅行に行けない今だからこそ、セット購入でプレゼントするもよし、プレゼントする相手に合わせて、素敵な送り物になるといいですね。

 

可愛いデザインと素敵な言葉の数々。

『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/作・絵 前田 まゆみ/訳 創元社

とにかく可愛らしくてデザインが素敵な、こちらの絵本。
それだけでもう、誰かにプレゼントしたくなりますが、この絵本が面白いのは、もちろんそこだけではありません。
1ページごとに、外国の聴きなれない言葉が、その意味と共に紹介されていて、思わず声に出して読みたくなります。

翻訳できない」とタイトルにもあるように、どの言葉も日本語では、取って代われる言葉が見当たらないものばかりで、言葉がいかに、その国独自の文化や風土によって生まれるものであるのかがよくわかる絵本となっています。
日本語では、「わびさび」などの言葉が紹介されていて、日本語の奥深さも知ることが出来る一冊です。
素敵な言葉の数々を、大切な人への贈り物としていかがですか?

『翻訳できない世界のことば』は、他の記事でも紹介しています。
大人が、ジ~ンとくる、しみる絵本10選

 

 

幸福な気持ちに包まれる絵本。

『幸福な質問』おーなり由子/作・絵 新潮社

こちらは、お互いを大切に思うイヌさんとイヌ君のやりとりを描いた、温もりが感じられる絵本です。

イヌ君の愛情を確かめるように、イヌ君にたくさんの質問を投げかけるイヌさん。
どんないじわるな質問も、愛情深い言葉でイヌさんに返してしまうイヌ君。
ふたり(2ひき?)のやり取りからは、自分にとってどれほど相手が大切で、なくてはならない存在かが伝わってきます。

おーなりさんの絵本は、やわらかな文と絵が特徴で、見ると幸せな気持ちになるものばかり。こちらの絵本もぽかぽかと日向の中にいるような温かい作品となっているので、プレゼントにもピッタリですよ。
絵本でイヌさんがした質問と同じことを聞いたら、あの人はなんて言うかな・・・なんて想像しながら、大切な人を頭の中に思い描いて読んでほしい一冊です。

 

手のひらサイズが可愛すぎる!

『ダヤンのたんじょうび(ダヤンの豆本劇場)』池田 あきこ/著 河出書房新社

プレゼントを贈る相手が、ねこ好きな人、もしくは雑貨好きな人なのであれば、このような絵本はどうでしょうか。

こちらは、ダヤン30周年を記念して作られた素敵な豆本セットです。
手のひらサイズの小さな絵本に、レジン性のフィギアが1体付いていて、外箱は、池田あきこ先生書き下ろしイラストを使用しているので特別感があり、贈り物に最適です。

気になる豆本の内容は、自分の誕生日を知らないダヤンがカシガリ山の魔女三姉妹に誕生日を見つけてもらうためにお願いに行くのですが・・・といった感じで、初めてダヤンシリーズを読む人でも楽しめる内容になっています。
コミカルな魔女三姉妹に笑ったり、赤ちゃんダヤンの登場に癒されたり、絵本としても申し分のない一冊となっているので、ここからダヤンシリーズにハマる人もいるかも知れませんね。

 

珈琲豆を添えてプレゼントするのがおすすめ。

『COFFEE TIME-珈琲とめぐる毎日-』ナカセコ エミコ/作 マリカ・うのまみ/絵 ニジノ絵本屋

こちらは、ほっと一息、コーヒータイムのような、ひと時を味わえる絵本です。
仕事や家事に追われる毎日、心の休憩はやはり大切。本書には、心が穏やかになる言葉がたくさん散りばめられているので、読むと肩の力がすっと抜けます。

なるべく笑う、たくさん笑う、
ちょっと笑えないときこそ、笑ってみよう。

口角を上に動かすと、脳は幸せを感じるのだとか。
笑顔でいることは、気分だけの問題でもなさそう。
笑うとちょといいことがありそうです。

日本語と英語で綴られた、素敵な言葉の数々。挿絵の絵も、愛らしいねこや犬がたくさん描かれていて、癒し効果抜群です。
一生懸命頑張っている誰かに、ぜひ、珈琲豆と一緒にプレゼントしてあげてください。

 

美しいデザインはプレゼントに最適。

『モミの木』クリスチャン・アンデルセン/著 サンナ・アンヌッカ/絵 小宮 由/訳 アノニマ・スタジオ

こちらは、アンデルセン童話の名作『モミの木』に、マリメッコのデザイナーとしても活躍するサンナ・アンヌッカがイラストを担当した、デザイン性の高い絵本です。
布貼りの表紙には、金箔押しがほどこされていて、ページを捲れば、美しい配色で彩られた世界にたちまち心を奪われてしまいます。

美しい森の中で生まれ育ちながらも、お日様や澄んだ空気には見向きもしないで、大きくなることだけをただ願う、モミの木。大きくなると人に伐られてどこに運ばれていくのか、モミの木は、そんなまだ見ぬ未来ばかりが気になって仕方がありません。
日本ではあまり知られた話ではありませんが、『モミの木』は、近くにありすぎて見落としがちな「幸せ」を大事にしようというメッセージの込められた素敵なお話です。戻らない時を嘆いたり、まだ見ぬ未来へ急ぐ前に、目の前の今を楽しむことが大切なのだと、この物語は教えてくれます。
「あの頃はよかった・・・。」そんなつぶやきをしてしまいがちな大人にこそ、読んでほしい一冊です。

 

これぞ、大人が読むべき絵本。

『トムテ』ヴィクトール・リードベリ/著 ハラルド・ウィーベリ/絵 偕成社

トムテは、スウェーデンの農家や仕事場などに住んでいると言われている小人で、その家の人々が幸せになるように見守ってくれる守り神のような存在です。昔から北欧地方の人たちにとって馴染み深い存在なので、『ニルスのふしぎな旅』(セルマ ラーゲルレーヴ /著)など、いろいろな物語にも登場しています。

あとがきによれば、この『トムテ』という詩は、十九世紀にスウェーデンの詩人であるリードベリが1882年に発表してから今日までスウェーデンの人たちに愛され、親しまれてきたのだそうです。

ひとは、どこから くるのだろう。
こどもが おやになり、また その こどもが おやになる。
にぎやかに たのしく くらし、としおいて、
やがて いってしまう。
だが、どこへ いくのだろう。

人間よりはるかに長い年月を生きる、トムテの目を通して、命の源について考える本書は、哲学的であり、不思議な魅力に溢れています。子どもだけに読ませるにはもったいない名作絵本です。

絵本だって、素敵なプレゼントになるのです。

いかがでしたか?
特別感のある美しい挿絵や装丁であったり、大切な人と共有したい物語であったり、あなたが大切な誰かのことを思って贈る時、絵本は本当に素敵なプレゼントになります。

大切な人への気持ちを、素敵な絵本にのせて贈ってみませんか?

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