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◆小学5、6年生◆高学年に司書がおすすめする、児童書10選

達成感を味わえる作品やミステリーに挑戦してみよう。

 
高学年は、いよいよ中学生になるための準備をしなければいけません。
勉強はもちろんのこと、精神面も、大きな成長が期待される学年です。
最上級生として、今一度、自信をつけさせてあげたいものですが、デリケートな年齢ということもあり、なかなか親の思う通りにいかないのが、もどかしいところですよね。

この記事でご紹介している10冊の児童書の中には、小学生には少し読み切るのが大変なものもあえて含めています。
これらに挑戦してみて、最後まで読めた時の達成感を、ぜひ、味わってほしいという思いを込めて、今回、10冊の中に入れることにしました。高学年ともなれば、謎解き、ミステリー物も挑戦してみると良いかも知れません。
読み切ったことが自信となって、読書をする時間が、もっと特別で、有意義な時間となりますように・・・。
 

高学年に司書がおすすめする、児童書10選

 

 

はやみねワールドへようこそ!

『都会のトム&ソーヤ』はやみねかおる/作 にし けいこ/イラスト 講談社

ある日、同じクラスの創也の秘密を知ってしまった内人。それから彼の単調で退屈だった毎日は、劇的に変わり・・・。
この作品を初めて読んだ時、子どもの頃「スタンド・バイ・ミー」(原作はスティーヴン・キング著)の映画を見て、心の底から、得体の知れない感情がぶわっと溢れてきた時のことを思い出しました。
大人になった今だからこそわかることですが、あれは、本音でぶつかり合える、男の子たちの友情と、退屈な日常とは真逆の冒険に対する「憧れ」の感情だったのだと思います。

口を開けばTVゲームの話ばかり、隙あらばYouTubeを見ようとする、そんな我が子には、もっともっとこういうワクワクできる作品と出会って心動かされてほしいな~と、感じずにはいられません。
中学生コンビが大活躍する、爽快な青春冒険譚に、誰しもがきっと憧れを抱くはず。
 

頭を抱えて、解読せよ!

『暗号クラブ』ペニーワーナー/作 ヒョーゴノスケ/イラストKADOKAWA

クイズや謎解きが好きな子にお勧めなのがこちら。
物語上に出てくる暗号を、読者も一緒になって解くことが出来るので、楽しみながら読み進めていくことが出来ます。

ストーリーは、暗号クラブの仲間たちが事件に遭遇し、そこに残されていた暗号を解読して事件を解決に導いていくといったものですが、この暗号が、結構、難易度高めです。
ミステリー物としてもしっかりしていて、楽しめる作品なので、子どもたちはさくさくとテンポよく読んでしまえるようですよ。
 

若かりし頃も頼もしい存在!

『ヤング・シャーロックホームズ』アンドリュー・レーン/作  田村 義進/翻訳  静山社

こちらは、あのシャーロック・ホームズの少年時代を描いた<コナン・ドイル財団>も公認の作品です。
著者であるアンドリュー・レーンは、自他ともに認めるコナン・ドイルマニアだそうで、そんな事前情報を受けて、少し期待をし過ぎて読んでしまいました・・・。
ここに出てくるのは、あくまでも14歳の頃のホームズであり、頭脳明晰なホームズを思い描く原作ファンには、幾分か物足りないかも知れません。
14歳のホームズは、好奇心旺盛で、考えるより体が先に動いてしまうタイプ。
それ故に、アクションシーンが多く、推理ものというよりは、まるで少年漫画を見ているような、ハラハラドキドキ感が楽しめるストーリー運びとなっているので、小学生にわかりやすく、あっという間に読み終えてしまう一冊です。
 

理不尽な社会に反旗を翻す!

『ぼくらの七日館戦争』宗田 理/作 ポプラ社

こちらは、中学一年生の同じクラスの子どもたちが、大人たちに対して本気でぶつかっていく痛快エンターテイメント作品です。
テレビや警察、市長選挙汚職事件まで絡んできて、話はどんどん大ごとになっていきますが、話の根底にあるのは、「子どもを管理下に置きたがる大人たちVS個々として認めてもらいたい子どもたち」という構図。
現代に置き換えるとスマートフォンの存在が邪魔をして、話に無理が生じてしまいますが、この頃ならではのアナログな作戦が読んでいるとなんともワクワクします。
 

有名になりすぎた名作

『ハリー・ポッターと賢者の石』J・K・ローリング/著 松岡 佑子 /翻訳 静山社

亡き母親の姉夫婦であるダーズリー家に育てられて、11歳の誕生日まで、肩身の狭い思いをしながら生きてきたハリー・ポッター。
11歳の誕生日、ハリーの元に届いた一通の手紙から物語は動き出します。その手紙は、なんと、魔法学校への入学許可書だったのです。本当の自分を見つけるために、魔法学校ホグワーツへ行くことに決めたハリーを待ち受けていたものとは・・・。

映画化のおかげで、本を読まない子にもすっかり有名になったハリー・ポッターシリーズですが、本はまた映画とは違うワクワク感がありますね。
その厚みから、読み始めることに躊躇してしまいがちですが、一度読みだすと、魔法学校の歓迎会や、温かなクリスマスのシーンなど、ファンタジーの魅力がいっぱいで、いっきにその世界に引き込まれていきます。
特に、一巻は、シリーズの中でも、この魔法学校の様子が一番詳しく描かれていて、想像力を掻き立てられます。
 

タイトルから興味がそそられませんか?

『二分間の冒険』岡田 淳/作 太田 大八/イラスト 偕成社

ある日、小学6年生の悟は、しゃべる猫”ダレカ”の<見えないとげ>を抜いたことから、そのお礼として異世界へ飛ばされてしまいます。そこで、時間にすれば「たった2分間」の壮大な冒険をすることになるのですが・・・。

とにかくテーマが深い、こちらの作品。
大人はいろいろ考え始めると止まらなくなってしまいそうなので、小学校高学年くらいの子が読むのが、一番純粋に物語そのものを楽しめるのではないかと思います。
どこか哲学的で、物語を通して何らかのメッセージを読者に投げかけているようにすら感じますが、子どもの目線で読むと、「伝説の剣」だったり、「竜との戦い」だったりが描かれていたりと、これはまぎれもない冒険ファンタジーです。
「たかが2分間」だけれど、「されど2分間」の冒険劇に、今の子どもたちも、ぜひ、酔いしれてもらいたいものです。
 

奪われた時間を取り戻せ!

『モモ』ミヒャエル・エンデ/作・絵 大島 かおり/翻訳 岩波書店

町はずれの円形劇場には、「モモ」という名前の女の子が住んでいました。
モモと話すと、不思議なことに、なんとも幸福な心持になれるので、町の人たちはモモと過ごす時間が大好きでした。
ところが、<灰色の男たち>の手によって、そんな幸福な<時間>が盗まれてしまうという事態になって・・・。

今の社会は、効率や結果ばかりを追い求め過ぎて、何か大切なことが失われていないか?
そんな、エンデの声が聞こえてきそうな作品です。
大人になって、時間に追われる毎日を送るようになった今、この作品を改めて読むと、一番大切なことを思い出すことが出来ました。

大切なのは、出勤時間に遅れないように子どもを急かすのではなくて、
子どもと一緒にいられる時間を、大切に過ごすこと。

誰が読んでも、この本は、その人にとって、大切なことは何かを思い出させてくれるはずです。
 

子どもだけの無人島生活

『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ/作 波多野 完治/翻訳 新潮社

こちらは、ひょんなことから漂流してしまい、子どもたちだけで無人島生活をすることになってしまった壮絶な物語で、1888年に刊行されてから、長きに渡り、少年少女に読み継がれてきた名作です。
大統領制度を作ったり、役割分担を考えたりと、とても頼もしい子どもたちですが、時に仲間割れが勃発したり、いざこざも起きつつ、互いに励ましあって生き延びていきます。
この話を面白くしているのは、何と言っても、彼らのスペックの高さ
持っている知識を最大限に生かして、生活水準を保つ姿は、大人顔負けです。
登場人物と同じ年くらいの子どもたちに、ぜひ、読んでいただいて、
ピンチから切り抜けるために、いざという時に大切な、思慮深さだったり、勤勉さだったりを、この作品から学んでもらいたいものですね。

とは言っても、私は無人島で生活なんて、2日と持ちませんが・・・。
 

不思議な冒険へ繰り出そう!

『十年屋』廣嶋 玲子/作 佐竹 美保/イラスト 静山社

十年屋では、大切で壊したくなかったり、捨てられなかったりするモノを、10年間だけ、自分の寿命1年と引き換えに預かってくれます。一巻のサブタイトルに、「時の魔法はいかがでしょう?」と、あるように、そこは魔法が存在する世界。どこか謎めいた物語の雰囲気は、同じ作者さんの以前紹介した『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』と似たものを感じます。
十年屋を訪れた6人のお客さんが、れぞれ全く異なるストーリー展開なので、結末を楽しみに読み進められることが出来ますよ。

短編5作品なので、長編を読みなれていない小学生にも読みやすい一冊です。
 

「知りたい!」を原動力にしよう。

『ジュニア空想科学読本シリーズ』柳田 理科雄/著 KADOKAWA/メディアファクトリー 

あのアニメや、漫画の少し気になる部分を、科学的に、くそ真面目に検証したら、とっても笑える結果になるのです。

この本では、空想で考えられて誕生した、アニメや漫画のあれやこれやが、現実は可能なのかを、とことん突き詰めて、頭の中だけで検証しています。
空想世界の話を無理やり現実に持ってくるわけですから、なかなか思うようにはいきません。
けれども、これまで人類は、空想したことを「ああでもない、こうでもない」と検証を重ねてきたことで、二足歩行のロボットを作り出し、携帯一つでの買い物を可能にし、飛行機で空を飛べるようになったのです。
そう考えると、ぷぷっと笑いながら読んでいるだけで、子どもたちの「知ろうとする気持ち」を育てている本作は、子どもたちにとって、科学を身近に感じられるきっかけに大いになると思いませんか?

「科学する心は、空想する心から」。なるほど、奥が深いです。
 

読み応えのある本に出会えた時の喜びを感じて。

 
いかがでしたか?
厚みのある本に尻込みしたり、うちの子に読めるかしらと、消極的になった親御さんも、中にはいらっしゃるかもしれませんね。
では、そんな時は、こう考え方を変えてみてはどうでしょうか。

これらの本を読み終えた時、自分(もしくは自分の子)は、これを読んでいない人の、数倍成長を遂げている。

これは大げさでも何でもなくて、事実なのです。
達成感は、人を強くします。達成感を味わった人は、またその高揚を味わいたくて、高みを目指すようになり、結果として大きく成長していくのです。
読み応えのある本に出会えた時、
「読み切ってやるぜ!」とほくそ笑んだり、「成長できるチャンス!」と喜んだり出来るようになれば、
読書家であると名乗ってもいいかも知れませんね。

兎にも角にも、面白い本であれば、さくさくと読めるので、ページ数は、さほど気にもならなくなりますよ。

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◆小学3、4年生◆ 中学年に司書がおすすめする、児童書10選

物語の世界にどっぷりと浸かれる年齢

 

高学年にもなれば、勉強にいよいよ本腰を入れていかなければなりませんが、(個々の事情にもよりますが)中学年は、クラブ活動や塾の時間を差し引いても、自分の好きなことに使える時間が比較的多い学年です。
学校生活にもすっかり慣れて、宿題を終わらせるのも早くなり、余った時間をテレビやゲームに使うお子さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
この、好きなことに使える時間を、ぜひ、読書に向けてもらいたいと思うのが、司書の性。
面白い本との出会いは、時に、その子の人生を変えることだってあるのです。
親子で同じ本を読んで、感想を共有しあうこともお勧めです。

今回、10冊の児童書をご紹介していますので、これを機会に、ご家庭で読書の時間を設けてみてはいかがでしょうか。

中学年に司書がおすすめする、児童書10選

 

 

不思議な冒険へ繰り出そう!

『マジックツリーハウス』メアリー・ポープ・オズボーン/作・食野 雅子/訳 メディアファクトリー

ジャックは、読書と自然観察が大好きな8歳の男の子。アニーは、空想や冒険が大好きな元気いっぱいの7歳の女の子。
そんな仲良し兄妹が、ある日見つけたツリーハウスは、魔法のツリーハウスでした。二人がツリーハウスの中で本を見ていると、突然ツリーハウスが回りだし、なんと本の中へ行ってしまい・・・。

こちらは不思議な冒険に心躍るシリーズです。一巻では恐竜時代にタイムスリップしますが、以後も色々な本の中へ行くので、このシリーズから、色々な時代で実際に起きたことや、実在する登場人物に興味を持つ子も多くいるようです。絵のないページも多々ありますが、字が大きめなので、3、4年生のお子さんには読みやすいシリーズです。
うちの7歳長男にも、少し早いかな・・・と思いながら読み聞かせてみたところ、真剣に聞いてくれました。
これまで読んできた絵本の中で、冒険ものは多くありましたが、「本の中の時代へ行く」というストーリーが新鮮だったようで、絵がないページも、彼なりに想像を膨らせて楽しんでくれていましたよ。
 

小1むすこ
小1むすこ

マジックツリーハウスから恐竜の時代へ行けるところが、夢みたいで面白かった。
こんな秘密基地があればいいのに・・・。

 

ロングセラーシリーズの中で、特に人気の作品が集まった!

『クレヨン王国の十二か月 クレヨン王国ベストコレクション(青い鳥文庫)』福永 令三/作・椎名 優/絵 講談社

500万部ロングセラー、「クレヨン王国」シリーズが新装版になり、挿絵も新しくなって戻ってきました。
王妃の悪い癖12個を直してほしいがために、家出をしてしまったクレヨン王国の王様。ユカと王妃は王様を探す旅をすることになりましたが・・・。

こちらは、主人公ユカと一緒に、不思議な旅の入り口に立てられる名作シリーズです。
子どもの頃、クラスで新巻を取り合いになったことを思い出し、大人になってから再読。
そうそう、こんな話だったと懐かしみながら読みましたが、シルバー王妃に親近感が沸くのは、私がしっかりしていない大人になったから?と感じて見たり・・・。子どもの頃はシルバー王妃にヤキモキしていたので、大人になってから読むと、また感じ方が違いますね。
「自分のクレヨンも、こうだったら」なんて、キラキラと膨らむ想像の世界。ファンタジーはいいですね!

 

ここの駄菓子は美味しいだけじゃない。

『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』廣嶋 玲子/作・jyajya/絵 偕成社

銭天堂の駄菓子は、美味しいだけではありません。迂闊な気持ちで手を出すと、とんでもないことになる可能性があります。例え、幸せの鍵を手に入れたとしても、使い方次第で、幸にも不幸にもなりえるのです。
「型ぬき人魚グミ」や「猛獣ビスケット」など、駄菓子の名前が章のタイトルにもなっているこちらの作品は、どこか『笑うセールスマン』や「世にも奇妙な物語」を彷彿とさせる不気味さがありますが、可愛らしい絵のタッチも相まって、そこまで怖くはなく、むしろ、登場人物がどういう結末を迎えるのか、怖いもの見たさで、興味深く読み進められます。
中学年には、これくらいの不気味さがクセになるようですよ。
いろいろな駄菓子が出てくるので、個人的には、どんな味がするのだろうかと気になる作品です。

シリーズは2019年10月に出版された12巻で、第2シーズンに入っていて、中学年でこの作品に出会った読み手が、高学年になっても、引き続き、好んで読んでいるケースが多いように感じます。

 

猫たちの友情に想像力を膨らませて。

『ルドルフとイッパイアッテナ』斉藤 洋/作・杉浦 範茂/絵 講談社

飼い猫だったルドルフは、トラックに乗ってしまったことから飼われていた家に戻れなくなってしまいました。
見知らぬ地でノラネコのイッパイアッテナと知り合い、ノラネコとして生きていく術を学び、小さいながらも一生懸命考えながら生きるルドルフ。そんなルドルフに最初は興味本位で近づいたイッパイアッテナですが、やがて、イッパイアッテナにとってルドルフはかけがえのない存在へと変わっていくのでした・・・。

ルドルフには最初から優しく接してくれていたイッパイアッテナですが、行動を共にするうちに、その関係はますます濃いものになっていき、読んでいると見返りを求めない友情を羨ましく感じてしまいます。小学一年生の我が子に読むには、まだ少し早いですが、いつかこの本を読んだ時、「こんな友達いいな」と感じてもらえると素敵だな~と、親心に思いました。
 

小1むすこ
小1むすこ

ルドルフが「いっぱいあってな。」を、勘違いして「イッパイアッテナ」っていう名前だと思ったところが面白かった~。
まだ自分では読むのが大変だけど、今はこの本を読んでもらうのが一番好き!

 

中学年から高学年まで人気!

『黒魔女さんが通る!!』石崎 洋司/作・藤田 香/絵 講談社

オカルトマニアの黒鳥千代子(チョコ)は、ある日、呪文を唱えてキューピットを呼び出すつもりが、間違えて黒魔女ギュービッドを呼び出してしまいました。そして、ひょんなことから黒魔女修行をすることになってしまい・・・。

黒魔女ギュービッドが出てきて黒魔女修行、なんて、一見、思いっきりファンタジーなのかと思いきや、クラスのいじめや、女子特有のグループの感じなど、小学生のリアルも垣間見ることができる作品です。「学校の怪談」が軸としてあるので、怖い話が苦手な子は尻込みするかも知れませんが、コメディー要素も豊富なので、割と安心して読めますよ。ただ、なめてかかると、意外と怖いと感じるかも知れません。

 

昆虫好きは必見!

『ファーブルの昆虫記』アンリ・ファーブル/作・松岡 達英/絵 中村 浩 , 江口 清/訳 講談社

こちらは、虫たちの世界がとてもわかりやすく説明されている昆虫記です。
頭や首が無くなって、メスに食べられながらも、それでも子孫を残すことをやり遂げようとするオスのカマキリ。生きながらにして、ゴミムシに食いちぎられる毛虫の最後。説明は子供向けながら、内容は、大人でも、はっとさせられます。
虫たちに対する表現がどこか人間的で、時を忘れ、虫たちをじっくりと観察して、ファーブルが、まるで、虫たちの一員にでもなったつもりで、これを書き上げたのではないかと、読んでいて思わずにはいられません。

 

ここで出会って気に入った作品は、原作を読もう!

『10歳までに読みたい世界名作シリーズ』学研プラス

こちらは、読書嫌いが克服できるようにいろいろな工夫が散りばめられた、読書のきっかけに良いシリーズです。
一冊の中に、好まれやすいタッチのイラストが50点以上も盛りこまれているので、活字を読みなれていない子も物語に入り込みやすく、さくさく読むことが出来ます。このシリーズで、沢山の名作と言われている作品を知って、「このお話が好き!」と感じたら、ぜひ、原作に挑戦して、新たな読書の扉を開けてみてほしいと思います。
このシリーズを通して、知らなかった沢山の名作と出会えると良いですね。

 

奇妙な世界にハマる子多数!

『きまぐれロボット』星 新一/作・和田 誠/絵 理論社

お金持ちのN氏は、博士から便利なロボットを買い、このロボットと共に、離れ島で暮らすことにしました。悠々自適な生活が送れるかと思いきや、ロボットは、壊れたり、狂ったりし始めて・・・。(他30の物語を収録。)

これまで、まっすぐなメッセージ性のある児童書しか読んでこなかった子どもたちにとって、このショートショートシリーズは、とても新鮮に感じられるかもしれません。何といってもオチが秀逸。はっきりとしたメッセージ性はなく、必ずしも教訓めいているわけではありませんが、読めば、時にドキリとさせられたり、クスッと笑えたりと、ひねりがきいています。胸がざわつくラストの虜になってしまうかも知れませんね。

 

登場キャラクターたちが魅力的!

『黒ねこサンゴロウ』竹下 文子/作・鈴木 まもる/絵 

お父さんに会いに行くために乗車した電車で、黒ねこのサンゴロウと出会ったケンは、ひょんなことから一緒に宝探しの旅へ行くことに。旅のはじまりから、ドキドキが絶えず、楽しみながら読むことが出来るシリーズです。

幼年期に、竹下さん鈴木さんコンビの絵本に慣れ親しんできたお子さんにはぜひとも読んでもらいたいのがこちら。
1巻は、このシリーズの序章であり、物語が本格的に動きだすのは2巻からなので、1巻で読んだ気にならず、2巻もセットで読んでみられることをお勧めします。竹下さんの作品とくれば、鈴木さんの挿絵。今回もピッタリと合っていて、物語を引き立てています。
個人的には、常に落ち着いていて、年齢不詳なサンゴロウがツボですよ。

 

読んで、何を感じるか。

『窓ぎわのトットちゃん』黒柳 徹子/作 講談社

トットちゃんは、好奇心旺盛な女の子。ある日、先生を困らせて、学校を退学になってしまったトットちゃんは、お母さんに連れられて「トモエ学園」という学校にやってきました。ここでは、前の学校のようにトットちゃんを叱りつける大人はおらず、自分の好きな科目から勉強をすることが出来ます。そんな子供主体のトモエ学園での生活は、トットちゃんにとって、とても過ごしやすいものでした。
こちらは、タレント黒柳徹子さんの自叙伝であり、海外でも翻訳されて出版されている、ベストセラー本です。

今は、支援の必要な子には手を差し伸べるなど、学校現場では、その子のペースに合わせたカリキュラムが組まれた教育を行うようになっていますが、トットちゃんの時代は、なかなかそういった子が理解されなかったことが、この作品を読んでいるとよくわかります。
トットちゃんのような子が只々「問題児」として、先生たちから怒鳴りつけられてきたことを思うと胸が締め付けられますが、子どもたちの目に、トットちゃんや、トモエ学園は、どう映るのでしょうか。
ぜひ、この作品から多くのことを感じ取ってもらいたいです。いろいろな友達がいて、みんながそれぞれの方法で一生懸命生きているのだということを知るきっかけにもなるかも知れませんね。

9歳~10歳は沢山の作品に触れる時期

いかがでしたか?一言に「児童文学」と言ってはみても、大人が読む小説同様に、冒険ものからファンタジーや、ミステリーまで、そのジャンルは多岐にわたります。だからこそ、読みやすく感じたり、逆に、読みづらく感じたりと、子どもの好みによって作品から受ける印象は様々であり、普段本を読まない子が1、2冊の本を読んだところで、本好きには到底なれっこありません。

9歳から10歳の年齢のお子さんは、とにかく数を読んで、沢山の作品に触れることが大切です。
あまり本を読まないお子さんには、子どもが好きそうな表紙の本を、そっとリビングに置いておいたり、冒頭を少し読み聞かせてあげたりすることで、お子さんの読書意欲を高めることに繋がるかも知れませんね。

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◆小学1、2年生◆絵本からの橋渡しとなる、おすすめの児童書15選

絵本から児童書への橋渡しとなる、本選び

 

小学生になったら、ぜひ、絵本以外の児童書も手に取って読んでみてほしいです。
最初は絵が多く、ストーリーがわかりやすい、無理なくチャレンジできるものから始めてみることをお勧めします。例えば、最初からストーリーが入り組んでいたり、お子さんが読めない字が出てくるようなものは、いくら内容が素晴らしくとも最適とは言えません。お子さんがこれまでどんな絵本を好んできたのかをヒントに、お子さんと一緒に選んでみてはいかがでしょうか。絵本に比べて少し長い児童書であっても、一度読み聞かせてあげて「面白い」と感じていれば、二回目からは積極的に自分で読む姿が見られることでしょう。
今回、絵本から児童書への橋渡しとなる本を15冊選んでいます。どの本も、1、2年生から無理なく読める児童書ばかりですが、読み聞かせは絵本までと区切りをつけず、お子さんが本を持って来たら、ぜひ、喜んで読み聞かせをしてあげてください。

絵本からの橋渡しとなる児童書15選

 

 

最初に読む児童書として、はずせないシリーズ

『かいけつゾロリシリーズ』原 ゆたか/さく・え ポプラ社

 

小1むすこ
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イシシノシシのおならは、いつもすごい!(息子談)

 

 

ゾロリにハマれば、この本も!

『きゃべたまたんていシリーズ』三田村 信行/さく・宮本 えつよし/え 金の星社

 

小1むすこ
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きゃべたまシリーズの絵が大好きっ!キャベツの葉を取って、悪い奴に投げるところが面白い。(息子談)

 

 

低学年にも、極上ミステリーを読む権利があります!

『ぼくはめいたんていシリーズ』マージョリー・ワインマン・シャーマット/さく・マーク・シーモント/え 大日本図書

 

小1むすこ
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パンケーキがいつも美味しそう!ネートは、小さいのに頭が良くて凄いと思う。(息子談)

 

 

一冊を読み込む楽しさを知れる本

『おしりたんていシリーズ』トロル/さく・え ポプラ社

 

小1むすこ
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口からおならを出すのが、最高に面白い!助手のブラウンが可愛い。(息子談)

 

 

痛快!忍者の卵の物語

『忍たま乱太郎シリーズ』尼子騒兵衛/原作・望月 千賀子/さく ポプラ社

 

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しんべヱが食いしん坊すぎて、面白い。きり丸の目がお金になるところも笑える。(息子談)

 

 

お互いを思い続ける熱い気持ち・・・

『完全版あらしのよるに』きむら ゆういち/さく・あべ 弘士/え 講談社

 

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いつ本当のことがばれるのかと、ドキドキした。(息子談)

 

 

ありえないから、面白い

『はれときどきぶた』矢玉 四郎/さく・え 岩崎書店

 

小1むすこ
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ぶたが降ってきて、本当に面白かった!
最後に十円やすくんが、日記を消しゴムで消し忘れたところだけを読んでみると、「じゃがいもに けが・・・」となっていたところが一番面白かった。(息子談)

 

 

物語の世界観に癒される

『ペンギンたんけんたい』斉藤 洋/さく・高畠 純/え 講談社

 

小1むすこ
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すごく楽しかった。
ライオンがただ、ひまというだけでペンギンたちの後をついてきただけなのに、他の動物たちもぞろぞろついてきたのが面白い。(息子談)

 

 

遊び心が満載!

『かいぞくポケットシリーズ』寺村 輝夫/さく・永井 郁子/え あかね書房

 

小1むすこ
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ケンがいつもすぐ寝てしまうのが笑える!呪文はもう覚えたよ。(息子談)

 

 

児童書の大御所

『エルマーのぼうけん』ルース・スタイルス・ガネット/さく・ルース・クリスマン・ガネットえ 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

載っている地図を見ながら読むと、次に何が起こるかわかって面白い。(息子談)

 

 

いろいろなおばけに興味津々!

『おばけずかんシリーズ』斉藤 洋/さく・宮本 えつよし/え 講談社

 

小1むすこ
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いろんなおばけが出てくるけど、全然怖くない。学校で大人気!(息子談)

 

 

短編集で読みやすい!

『日本のおばけ話・わらい話シリーズ』小暮 正夫/さく・原 ゆたか/え 岩崎書店

 

小1むすこ
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絵が面白くて、読みやすかった。
おばけの話は好きではないけど、キツネとタヌキは動物なので怖くはなかった。(息子談)

 

 

頭を使って、話のオチを考えよう

『寺村輝夫のとんち話シリーズ』寺村 輝夫/さく・ヒサクニヒコ/え あかね書房

 

小1むすこ
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すこし難しい話もあったけど、説明をしてもらうと、どれも面白かった。(息子談)

 

 

女子だけでなく、食いしん坊男子も食いつく!

『わかったさんシリーズ』寺村 輝夫/さく・永井 郁子/え あかね書房

 

小1むすこ
小1むすこ

かいぞくポケットの人が書いたと聞いて、ビックリした。
いろんな話が書けて、すごいと思う。(息子談)

 

 

ほんわかとした絵が、女子の目を引き付ける

『ルルとララのシリーズ』あんびる やすこ/さく・え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

これを見て、自分でもクッキーが作れそう。(息子談)

 

 

 

児童書の面白さに気づかせてあげられる、読み聞かせ

 

いかがでしたか?ご紹介した児童書以外で、この年齢に適している本を知りたい方は、書店へ行く前に、ぜひ、図書館へ行ってみてください。どれほどの規模であっても、司書が在籍している殆どの図書館では、児童書コーナーがあって、その年齢に適した本が固まって棚ごとに配架してあるので、年齢に合わせた本を選びやすいです。又、日本の図書館の大半は、日本十進分類法に基づいて、分類ごとに振り分けられて棚に収められているので、書店より、目当ての本が探しやすくなっているのも、書店へ行く前に図書館へ行くことをお勧めする理由です。好みの本を自分で探す楽しさを、子どもに一緒に感じてもらえたら、学校の図書室でも自発的に本を見つけられるようになるのではないでしょうか。
7、8歳の子どもは、まだまだ絵本を手に取って、優しい声で読み聞かせをしてもらいたい年齢かと思いますので、絵本は絵本で読んであげて、数冊選んだ絵本の中に1、2冊児童書を忍ばせるくらいで十分です。出来ればその1,2冊の児童書は、お子さんと一緒に選んで決めたものであれば、読書を促す上で理想的かも知れません。そして、冒頭にも言いましたが、ぜひ、最初の一回は読み聞かせてあげて、物語に集中させてあげてほしいと思います。字を目で追って、本をすらすらと読めるようになることと、物語を理解して読書の楽しさを知ることは全くの別物です。
児童書の面白さに気づくことが出来たら、子どもは暇な時に自分で本を手に取り、自発的に読書をするようになります。

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5,6歳児におすすめの絵本20冊

子どもの”好き”を一緒に楽しむ

 

5、6歳ともなれば、表紙の絵を見たり、ペラペラとページを捲ってみたりして、「面白そう!」と自分自身で読みたい本を選ぶようになります。親としては、出来れば内容が濃いものを読ませたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこはぐっと堪えて、子どもがどんな絵本を選ぶのか、子どもの”好き”を一緒に楽しんでみてはどうでしょうか。

今回、20冊の絵本を選んでご紹介していますが、これらは決して「5、6歳の子が読むべき絵本」というわけではありません。あくまでも、「5、6歳の子が喜びそうな絵本」であり、もっと言えば、「それより下の年齢の子には、まだ早いかな?と思われる絵本」です。もちろん、幼い頃からよく絵本を読み聞かせしてもらっている子ならば、3、4歳の子でも十分楽しめることもあるかもしれませんので、年齢は目安と思っていただいて構いません。読み聞かせをしていて、親が子どもと一緒にクスッと笑えたり、楽しめたり出来るようなものを中心に選んでみましたので、字が読めるからと言って、子どもに読ませるのではなく、ぜひ、優しい声で、子どもに読み聞かせをしてあげてください。

 

 

5、6歳児におすすめな絵本 20冊

 

 

好奇心をくすぐる絵本!

『アンドルーのひみつきち』ドリス・バーン/ぶん・え 岩波書店

 

小1むすこ
小1むすこ

ぼくも秘密基地が作りたくなった。こんな友達がいたら、面白そう。(息子談)

 

 

絵と文章がくせになる面白さ!

『あらまっ!』ケイト・ラム/ぶん エイドリアン・ジョンソン/え 小学館

 

小1むすこ
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おばあちゃんが凄くて、声に出して笑った!最後まで面白かった!(息子談)

 

 

安定の面白さ!

『わんぱくだんシリーズ』ゆきの ゆみこ 上野 与志/ぶん 末﨑 茂樹/え ひさかたチャイルド

 

小1むすこ
小1むすこ

このシリーズ大好き!夢か本当かわからないからドキドキする。(息子談)

 

 

魚は切り身で泳いでないよ!

『きりみ』長嶋 祐成/ぶん・え 河出書房新社

 

 

おばけの撃退法に興味津々!

『なんじゃもんじゃはかせのおべんとう』長 新太/ぶん・え 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

とっても笑える話だった!ブタの鼻とか、絵も面白い!(息子談)

 

 

民俗学の研究家が絵本を描くとこうなる!

『ぶたぶたくんのおかいもの』土方 久功/ぶん・え 福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

ぶたぶたくんが遠回りして帰らなくて良かった。パンの顔が気になる。(息子談)

 

 

自分のルーツに思いを馳せられる本!

『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』長谷川 義史/ぶん・え BL出版

 

小1むすこ
小1むすこ

途中からお母さんと一緒に「ひいひいひいひい・・・」と読んだのが、楽しかった。
最後にも笑った!(息子談)

 

 

うちがこんな家だったら、どうする?

『たなかさんちのおひっこし』大島 妙子/ぶん・え あかね書房

 

 

子どものロマンを詰め込んだ作品!

『ふとんやまとんねる』那須 正幹/ぶん 長野 ヒデ子/え 童心社

 

小1むすこ
小1むすこ

たくさんの布団があって、パジャマで遊ぶのが楽しそうだった!(息子談)

 

 

地底探検を楽しめる絵本

『じめんのしたには なにがある』中川 ひろたか/ぶん 山本 孝/え アリス館

 

 

ドキドキハラハラが半端ない!

『おしいれの ぼうけん』ふるた たるひ,たばた せいいち/ぶん 童心社

 

 

読み方次第で、子どもの笑い声が聞ける絵本!

『おおかみのひみつ』きむら ゆういち/ぶん 田島 征三/え 偕成社

 

 

心震えるシリーズ!

『おまえ うまそうだな』宮西 達也/ぶん・え ポプラ社

 

小1むすこ
小1むすこ

ティラノサウルスが、実はやさしい。とてもいい話。(息子談)

 

 

先が気になって仕方がない!

『おしゃべりな たまごやき』寺村輝夫/ぶん 長新太/え 福音館書店

 

 

まな板の食欲凄すぎっ!

『まないたに りょうりをあげないこと』シゲタ サヤカ/ぶん・え 講談社

 

 

段階を踏んで、少しずつ進む物語

『さんびきのくま』レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ/ぶん ユーリー・ワスネツォフ/え
福音館書店

 

 

能天気なのか、したたかなのか・・・動物たちとオオカミのやり取りが面白い絵本

『オオカミと石のスープ』レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ/ぶん ユーリー・ワスネツォフ/え
福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

オオカミも動物たちも、なにを考えているのかわからなくて、面白かった。(息子談)

 

 

宮沢賢治の世界への入門絵本

『注文の多い料理店』レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ/ぶん ユーリー・ワスネツォフ/え
福音館書店

 

小1むすこ
小1むすこ

途中から、すごく怖くなった。(息子談)

 

 

ホログラム絵本

『ゆうれい恐竜のなぞ』A.J. ウッド/著 ウエイン アンダースン/絵 金の星社

 

 

子どもは「楽しそう!」、大人は「懐かしい!」

『ぼくのかえりみち』ひがし ちから/著・絵 BL出版

 

 

いかがでしたか?
5、6歳は、想像力を働かせたり、自分の日常に照らし合わせたり、物語の楽しみ方がわかってくる年齢です。少し長いお話でも、内容が魅力あるものであれば、子どもは関係なく物語に入り込みます。けれども、無理はせず、その子に合ったものを一緒に選んであげることが何よりも大切です。子どもの方から「これがいい!これ読んで!」と持ってきてくれた絵本は、大人がどんなに、いまいちと思っても、どんな名作よりも心を込めて丁寧に読んであげたいですね。

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0歳児におすすめの絵本

絵本を読む理由って何ですか?

「絵本は、何歳から読み聞かせをすればいいのでしょうか?」

公共図書館で働いていた頃、こんな質問を受けたことがあります。例えば、児童文学や小説などを読むことは、色々な価値観に触れることで客観的に物事が考えられるようになったり、語彙力が身についたり、疑似的な経験が得られたりと他にも多くのメリットが一般的に挙げられていますが、まだ言葉も話せない乳児にこれらを求めて読み聞かせをするのは筋違いですよね。

では、乳児に絵本の読み聞かせをする理由とは何でしょうか。

言葉が早く出るようにと願って、読み聞かせをする方も中にはいるかも知れません。読み聞かせをすることで赤ちゃんが早く話すようになる効果があるのかは分かりませんが、どのような真意であってもわが子に絵本を読み聞かせているお父さんお母さんは、きっと穏やかな気持ちで子どもと向き合って読み聞かせをしているはずです。赤ちゃんにも、その穏やかな気持ちは表情や声を通して届いているはずであり、乳児に絵本を読み聞かせをする良いところは、まさにそこにあるのではないかと私は思います。読み聞かせを通して赤ちゃんに与えられるものは、安心感です。

表情が豊かな月齢になってくると、読み聞かせの中で笑いかければ赤ちゃんも笑います。これは立派なスキンシップです。言葉で訴えることの出来ない赤ちゃんにとって、こういった安心感を得ることは、とても重要なのではないでしょうか。もちろん、読み聞かせている側にとっても、心穏やかにいられるこのひと時は、日々の慌ただしさから離れられる、かけがえのない時間となるのです。

冒頭の質問に戻りますが、私が出した答えは「いつからでも」でした。

極端な話、読み手が穏やかな気持ちでいられるのであれば、産まれたてでも良いのです。ですが、出産してしばらくは寝られない毎日が続きますし、体力的にも精神的にも絵本を図書館や書店へ選びに行く余裕など無いでしょう。そうであれば、表情が豊かになってくる月齢を待ってからでも遅くはありません。自治体によっては、健診時などに愛育委員や市の図書館が、絵本をプレゼントしてくれる所があるようです。こうした絵本から手始めに読み聞かせて、わが子の反応を楽しんでみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんへのスキンシップの手段の一つとして、絵本を沢山読んであげてください。

 

0歳児におすすめの絵本

わが子と私の読み聞かせストーリーは次のような感じです。まず、自治体から頂いた絵本のプレゼントをわが子に読み聞かせしまくった私は、次に図書館から数冊借りてきて子どもの反応を確かめました。そして、食いつきが良かったものを書店で購入し、何度も何度も読み聞かせをしました。毎回同じところで声を出して笑うようになったわが子は愛おしく、気づけば子どものお気に入り絵本は1冊から複数冊に増え、小学一年生となった今でもその冊数は更新し続けています。

これから、そんな0歳児であったわが子がハマった絵本を5冊ご紹介します。(これはあくまで私の見解ですが、赤ちゃんに読み聞かせをする場合、手あたり次第読み聞かせるよりも、1~5冊を何回も読み聞かせしてあげる方が赤ちゃんに受け入れられやすい様に思います。)今回紹介する絵本は、わが子に喜ばれた絵本であって、必ずしも他のお子さんには当てはまらないかも知れません。ご参考程度にご覧ください。

赤ちゃんに対して、どのように絵本を読んであげたら喜ぶのかを踏まえつつ、ご紹介が出来ればと思います。

 

リズムに載って読み聞かせできる絵本は、赤ちゃんも嬉しそう!

『だるまさんが シリーズ』かがくいひろし/さく・え ブロンズ新社

このシリーズはどれもだるまさんが可愛らしくて面白いのですが、0歳児には『だるまさんが』をお勧めします。
こちらは「だ・る・ま・さ・ん・が、」で始まり、次のページでだるまさんが伸びたり縮んだり・・・読み聞かせをする時のコツは、だるまさんの動きに合わせて絵本を持つ腕も伸ばしたり縮ませたりして絵本全体で楽しむことです。また、この絵本はリズミカルでもあるので、「だ・る・ま・さ・ん・が、」では自分の体も左右に揺らして読むと赤ちゃんも喜びますよ。実はこの絵本は読み聞かせをスタートしてから、わが子が初めて笑顔を見せてくれた絵本でした。お母さん(お父さん)が楽しんでいると赤ちゃんにも伝わるのかも知れませんね。
 

小1むすこ
小1むすこ

これ、ぼくが赤ちゃんの時に破いて、いまはボロボロだよ。
だるまさんの動きが、今見ても面白いね~。(息子談)

 

最後に沢山スキンシップができる絵本!

『ちゅっちゅっ』MAYA MAXX/さく・え 福音館書店

こちらはタイトルの通り、キスをする絵本です。パンダの親子や、うさぎの親子など、動物の親子がページごとに出てきて「ちゅっちゅ」とします。そして、最後は人間の親子が出てきて「ちゅっちゅ」とするのですが、ここをわが子の名前に変えて「ちゅちゅちゅちゅちゅちゅ~っ」と赤ちゃんの体に顔をうずめて愛情表現できるのがこの絵本の醍醐味だと私は勝手に思っています。大丈夫。赤ちゃんもちゃんと喜んでくれます。(万が一泣いたら、直ちに止めてあげてください。)
また、この絵本は、赤ちゃんが最初にわかる色といわれている赤一色で描かれているので、じっと真剣な眼差しで絵本を見つめる赤ちゃんも見られて癒されますよ。
 

4才むすめ
4才むすめ

この絵本大好き!いろんな動物が出てくるよ~。(娘談)

 

「ぴょーん」で絵本も高くジャンプ!

『ぴょーん』まつおか たつひで/さく・え ポプラ社

こちらは、いろいろな生き物が「ぴょーん」とジャンプをしていく絵本です。ジャンプに成功するかどうかは次のページで明らかになるのですが、飛びそうな生き物から、カタツムリや魚など、一見飛ばないと思われる生き物までが登場します。赤ちゃんに読み聞かせをする時は、『だるまさんが』の時と同様に絵本を高く上げながら「ぴょーん」と言うと笑顔が見られたりします。1、2歳児に読み聞かせをする場合には、「ぴょーん」のところで子どもに高い高いをしてあげると最高の笑顔が見られますよ。

絵本と同じ表情をしながら読むと・・・

『あかちゃん』tupera tupera/さく・え ブロンズ新社

こちらの絵本は、絵本そのものが色々なものに変わっていきます。まずは表紙で赤ちゃんの顔からスタートし、この顔がページをめくっていくたびに段々と泣き顔になり、そんな赤ちゃんをあやす為に絵本は太鼓に変わったり、ボールに変わったり、挙句の果てにはオッパイになったり・・・丸い絵本の形はいろいろなものに変身します。読み聞かせをする時は、太鼓の時には軽く太鼓を叩いて音を鳴らし、ボールの時はボールをポンポンとつくマネをして、一緒に楽しんでください。一歳ぐらいになるとそれを自分でマネし始めて、可愛らしい様子が見られると思います。1歳に近づいてくると、絵本の赤ちゃんのマネをして同じ表情で読み聞かせると、笑ってくれました。

色々な”音”が楽しめる絵本!

『じゃあじゃあびりびり』まつい のりこ/さく・え 偕成社

こちらの絵本は色々な”音”が出てきます。不思議なもので、大人が読んでも何てことないのですが、赤ちゃんはこの絵本に出てくるたくさんの”音”に釘付けです。赤ちゃんによってはスーパーの袋のガサガサという音でご機嫌になったり、掃除機の音で安心して寝てしまう赤ちゃんもいるので、ひょっとしたら赤ちゃんにも好きな音、安心する音がそれぞれあるのかも知れませんね。
 

小1むすこ
小1むすこ

今はどこが面白かったのか、よくわかんないや~。(息子談)

 


いかがでしたか?ここに紹介した5冊は、最初に述べた通り、全て自分の子どもに読み聞かせをして反応の良かった絵本です。
実際に私が肌で感じた結果を紹介させて頂いています。気になった方は、ぜひ一度、図書館や書店で実物に触れてみてください。

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3,4歳児におすすめの絵本20冊

物語がきける年齢

2歳までと違って、3、4歳にもなれば、少しずつ物語を楽しむことが出来るようになります。程よい長さのものであれば、何度も同じ絵本を読むうちにストーリーを覚えて、さも字が読める子のように暗唱する子も出てきます。3歳と言えば、「なんで?」「どうして?」のオンパレードであったり、身の回りのことが少しずつ出来るようになったりと、自我が芽生えてくる年齢ですよね。だからこそ、周りの人たちの気持ちを想像できる力をこの時期にたくさん養ってほしいと思います。この時期には、ぜひ、ストーリー的に面白いものをたくさん読み聞かせて、想像力を鍛えてあげてください。

0歳~2歳児までの「安心感を与える」読み聞かせと共に、3歳からは、ぜひ、物語を楽しんで「想像力を養う」絵本にも挑戦させてあげてみてはいかがでしょうか。きっと、前よりもっと絵本が好きになってくれるはずです。

 

 

3,4歳児におすすめの絵本20冊

 

ぐんだんの企みから、とんでもないことに!

『ノラネコぐんだん シリーズ』工藤 ノリコ/さく・え 白泉社

 

小1むすこ
小1むすこ

最後には、いつもひどいことになるけど、そこが面白い!(息子談)

 

どんな時でも、なかよし11ぴきで切り抜ける。

『11ぴきのねこ シリーズ』馬場 のぼる/さく・え こぐま社

 

小1むすこ
小1むすこ

大好きだった本!大きな鳥が出てきた時の、ねこたちの顔が面白かった。(息子談)

 

後ろにひたすらうしが・・・最後はどうなるの?

『うし』内田 麟太郎/さく・高畠 純/え アリス館

 

小1むすこ
小1むすこ

絵が面白い。最後の文が好き。あ!この絵、バナナ事件を書いた人だったんだ!(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

ずっとウシが並んでて、面白い。(娘談)

 

物々交換?わらしべ長者?最後には何になるのかな?!

『どうぞのいす』香山 美子/さく・柿本 幸造/え ひさかたチャイルド

 

にらめっこをするようになったら、こちらも!

『こわめっこしましょ』tupera tupera/さく・え 絵本館

 

空から降ってくるのは、雨だけではないのです。

『ふってきました』もとした いづみ/さく・石井 聖岳/え 講談社

 

小1むすこ
小1むすこ

初めて読んだ時、これは笑ったよ!だって、こんなのありえないからね~。(息子談)

 

豆を食べて、足が伸びたら・・・。

『あしにょきにょき』深見 春夫/さく・え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

これ大好き!とちゅう、迷路みたいなページがあって、そこを見るのが好きだった!(息子談)

 

身近にあるものだからこそ、面白い!

『ぼくのトイレ シリーズ』鈴木 のりたけ/さく・え ブロンズ新社

 

4才むすめ
4才むすめ

お花がたくさんあるトイレがいいな~。(トイレを盗んだ)ゴリラを探すのが楽しい!(娘談)

 

歌を忘れず歌えるかな?

『めっきらもっきらどおんどん』長谷川 摂子/さく・降矢 奈々/え 福音館書店

 

小さくても頼りになります!

『おたすけこびと シリーズ』中川 千尋/さく・ヨコセ ジュンジ/え 徳間書店

 

ジョークが分かる子には、大ウケの絵本

『うんちっち』ステファニー・ブレイク/さく・伏見 操/やく あすなろ書房

 

4才むすめ
4才むすめ

なんでこれしかしゃべれないの~。最後が面白くて、大好き!(娘談)

 

乗り物好きには、たまらないシリーズ!

『せんろはつづく シリーズ』竹下 文子/さく・鈴木 まもる/え 金の星社

 

積み木あそびをする子に!

『つみきでとんとん』竹下 文子/さく・鈴木まもる/え 金の星社

 

4才むすめ
4才むすめ

子どもなのに、すごいな~。積み木で同じの、作れるかな。(娘談)

 

ボロボロのうさぎを熱演してください。

『バナナじけん』高畠 那生/さく・え BL出版

 

小1むすこ
小1むすこ

どったん、ばったん、でっどん、ばとん、どっどんと、こけるシーンが面白いので、
ぼくはこの絵本が好き!(息子談)

 

言わずと知れた名作!手袋はぎゅうぎゅう。

『てぶくろ』エヴゲーニ.ミハイロヴィチ.ラチョフ/さく・内田 莉莎子/やく 福音館書店

 

4才むすめ
4才むすめ

保育園の劇でやったよ!いろんな動物がでてきて面白い話だよね~。(娘談)

 

段々とスケールが大きくなって・・・。

『おふろだいすき』松岡 享子/さく・林 明子/え ブロンズ新社

 

ただの電車ではありません!

『がたごとがたごと』内田 麟太郎/さく・西村 繁男/え 童心社

 

どうすれば穴から出られるのかな?

『どうするどうするあなのなか』木村 裕一/さく・高畠 純/え 福音館書店

 

よくこぼす子には、ぜひ読んであげてください。

『よしおくんがぎゅうにゅうをこぼしてしまったおはなし』おいかわ けんじ/さく・たけうち まゆこ/え 岩崎書店

 

小1むすこ
小1むすこ

牛乳が海みたいになっていくのがドキドキする話!(息子談)

 

とにかく絵が美しすぎる!

『スイミー』レオ・レオニ/さく・谷川 俊太郎/やく 好学社


いかがでしたか?

3、4歳ともなれば、物語も十分楽しめることが出来る年齢です。気になる絵本がありましたら、ぜひ、お近くの図書館や書店で実際に絵本を触ってみてください。

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1,2歳児におすすめの絵本15冊

お気に入りの絵本が出来る年齢

1、2歳の子どもは、見よう見まねで親のやっていることをマネしてみたり、2歳も3歳に近ければ読み聞かせの真似事のようなことも始めます。日常では、好奇心旺盛に色々なものを口へ運ぼうとしたり、家じゅうの引き出しを開けようとしたり、目が離せません。外の様々な刺激に触れることで、乳児の時より表情はずっと豊かになり、ぽつりぽつり言葉も喋るようになる子も出てくるので、お気に入りの絵本や「読んでほしい絵本」が分かりやすいのもこの年齢です。自分で絵本を持ってきて、読んでアピールをすることもあるので、どの絵本を読むかリクエストに応えて読み聞かせをしてあげると喜んでくれますが、読み終わってもまたすぐ同じ本を読んでとせがむことも、しばしば・・・そこからはエンドレスに同じ絵本を読み続ける・・・そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

お気に入りの絵本が出来たことは大変喜ばしいことですが、やはり、子どもに色々な絵本と出会ってほしいと思うのが親の気持ちです。しかし、お気に入りの絵本に夢中になっている子どもに、いくら「こっちも読んでみない?」とふったところで何の反応もなく、むしろ、好きな絵本を読んでもらえないことに癇癪を起して収拾がつかなくなることもあったりします。それでは、こうした時、どうすれば良いのでしょうか。

率直に言いますと、私は子どもが持ってくる絵本、お気に入りの絵本を時間の許す限り、まず読んであげるべきではないかと思います。ただし、こちらが読み聞かせたい絵本があるのであれば、「お気に入り絵本→お気に入り絵本2回目→こちらが用意した絵本→お気に入り3回目→お気に入り4回目」といった具合に、間にこちらが用意した絵本を挟んで読み聞かせてあげれば良いと思います。読み聞かせにそんなに時間をかけられないと思われるかも知れませんが、1、2歳児に読み聞かせをする絵本など1冊2分とかからず読み終わるものが殆どです。5回読んでもたったの10分くらいのものです。

絵本でスキンシップできる年齢はあっという間に終わってしまいます。今この時しか出来ないと思って、沢山読み聞かせてあげてください。

 

1、2歳児におすすめの絵本

 

色鉛筆のタッチが美しい絵本!

『くだもの』平山 和子/さく・え 福音館

 

初めてのしかけ絵本に!

『はらぺこあおむし』エリック・カール/さく・え 偕成社

 

食べるマネで笑顔に!

『ノンタン もぐもぐもぐ(赤ちゃん版)』キヨノサチコ/さく・え 偕成社

 

どこからおばけが出てくるかな?

『おばけがぞろぞろ』平山 和子/さく・え 福音館

 

小1むすこ
小1むすこ

たしか、保育園で借りてきたんだよね!面白くて何回も読んだよ。
変わったおばけがたくさん出てくるんだ。(息子談)

 

4才むすめ
4才むすめ

名前が面白くて、読みたくなるよ。(娘談)

 

独特な世界観!

『ねないこ だれだ』せな けいこ/さく・え 福音館

 

短い中にオチがある絵本!

『そらはだかんぼ!』五味 太郎/さく・え 偕成社

 

絵本の面白さを体感!

『きんぎょがにげた』五味 太郎/さく・え 福音館

 

笑顔が見たいなら、この絵本!

『いないいないばああそび』木村 裕一/さく・え 偕成社

 

動物たちと一緒にわが子をぎゅっと!

『ぎゅっ』ジェズ・オールバラ/さく・え 徳間書店

 

「絵本は楽しい!」と出会える絵本

『どうぶついろいろかくれんぼ』いしかわ こうじ/さく・え ポプラ社

 

4才むすめ
4才むすめ

なんの形か答えるのが楽しかったよ~。(娘談)

 

これで食いつかない子はいない!

『だーれだだれだ!』木村 裕一/さく・せべ まさゆき/え 小学館

 

「開けること」が大好きな1、2歳児に!

『なかからぽん!』かろくこうぼう/さく フレーベル館

 

4才むすめ
4才むすめ

この本、好き!最後の、おうちがパカッと空くところが面白いよ。(娘談)

 

子どもを膝に乗せて電車ごっこ!

『まっくらトンネル』岡井 美穂/さく・え フレーベル館

 

美しいファンタジー絵本!

『わたしのワンピース』西巻 茅子/さく・え こぐま社

 

トイレトレーニングの前に!

『いっしょにうんち』福田 岩緒/さく・え フレーベル館

 


 

いかがでしたか?
ぜひ、書店や図書館で実際の絵本を手に取って、ページを捲ってみてください。
この年齢で、「絵本=楽しいもの」だと感じられるようになれば、その先の読み聞かせライフは親子共々とても充実したものになるのではないでしょうか。