目次
- 1 大人だって、絵本を読みたい時がある
- 2 中学生から大人までが、しみる絵本10選
- 2.0.1 『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン/著 講談社
- 2.0.2 『たいせつなこと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく フレーベル館
- 2.0.3 『ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川 義史/作 教育画劇
- 2.0.4 『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン/さく あすなろ書房
- 2.0.5 『ヒトニツイテ』五味 太郎/さく 架空社
- 2.0.6 『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/著 創元社
- 2.0.7 『Dr.インクの星空キネマ』西野 亮廣/さく 幻冬舎
- 2.0.8 『つみきのいえ』加藤 久仁生/さく 平田 研也/絵 白泉社
- 2.0.9 『ZOOM』イシュトバン・バンニャイ/さく 復刊ドットコム
- 2.0.10 『アライバル』ショーン・タン/さく 河出書房新社
- 3 まとめ ~絵本のセラピー効果~
大人だって、絵本を読みたい時がある
仕事が思い通りにいかないとき、人間関係に疲れているとき、どうにかしてモチベーションを上げたいとき・・・皆さんはどうやって、その時を乗り越えているのでしょうか。
私はそんな時、決まって絵本を開きます。
書店に行くと、所狭しとひしめき合って置かれている絵本の中に、未就学児や小学生低学年に読んであげるには、少し、ハードルが高い絵本が目に留まることがあります。これらは、子どもに向けてというよりは、作者が意図している”物語の向こう側”をくみ取れる大人や、社会の荒波に揉まれて少し病んでいる大人が読むと、時に絶大な効果(?)を発揮することがあります。
実際にこれらの絵本を子どもに読み聞かせても、ぽかんとして反応はイマイチ。 ところが、中学生に全く同じ絵本を読み聞かせすると、神妙な面持ちで良い反応が返ってきます。
そこで、今回は、そういった未就学児や低学年の児童向けではない、中学生から大人までが”しみる”絵本を10冊集めてみました。
絵本の奥深さを感じて頂き、心に”しみて”もらえたら嬉しいです。
中学生から大人までが、しみる絵本10選
『ぼくを探しに』シェル・シルヴァスタイン/著 講談社
自分と相性の良いカケラに出会えない日々・・・やっと出会えたと思ったら、窮屈すぎてもろく崩れてしまったり、それまで歌えていた歌が上手に歌えなくなってしまったりと、なかなか思うようにはいきません。そして、ある時ふっと、”ぼく”は気づくのです。
この絵本を中学生に読み聞かせをしたことがありますが、皆、表情は真剣そのもの。心の中で、友達だったり恋人だったり、はたまた進路だったり・・・自分の悩みとシンクロさせながら聞いてくれていたように思います。大人が読めば、これまで生きてきた人生とシンクロさせて、ふっと顧みることにも繋がるかも知れません。続編では、カケラの方が主人公になっていて、こちらもおすすめです。
子供向けかと思ったけど、意外に響いた。(生徒さん談)
パックマンみたい。(息子談)
『たいせつなこと』マーガレット・ワイズ・ブラウン/さく フレーベル館
こちらは、内田也哉子さんが翻訳した絵本で、絵本の中には夫である本木雅弘さんが書かれた力強い字も見られます。どんなものや、人にも、存在価値があるのだと静かに語り掛けてくれる絵本です。
これを読むと、自分はありのままでいいと思えた。(生徒さん談)
『ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川 義史/作 教育画劇
この絵本は、小学生高学年ぐらいからであれば、内容が伝わるかも知れません。以前、低学年の子が「読んで!」と持ってきたので読み聞かせをしてあげたところ、「〇〇が△△していたとき、となりの・・・」という同じ文言が続いていく面白さだけに注目してしまって、本来の意味が全く伝わっておらず、爆笑する子どもたちを横目に、苦笑いをした経験がありました。(もちろんその後でいろいろ説明は付け加えましたが)
これは、決して”笑える”絵本ではないのです。
自分のことしか考えていない大人が読むと、はっとさせられる、想像することがどれほど大切なことなのか、気づかせてくれる絵本です。凶悪事件の犯人からよく聞く、「誰でもよかった」という言葉には、自分以外のものへの「無関心」が読み取れます。想像できないが故の「無関心」です。誰かの気持ちを想像する、遠い異国では何が起こっているのか想像する、とても大事なことですよね。
子供向けかと思いきや、途中から雰囲気が変わって、何とも言えない気持ちになった。
ぼくが色々している間にも、世界ではいろんなことが起きているんだな~。(息子談)
『おおきな木』シェル・シルヴァスタイン/さく あすなろ書房
『ヒトニツイテ』五味 太郎/さく 架空社
『翻訳できない世界のことば』エラ・フランシス・サンダース/著 創元社
本のデザインがとっても可愛い!(生徒さん談)
『Dr.インクの星空キネマ』西野 亮廣/さく 幻冬舎
お笑い芸人が書いたと聞いて、めちゃくちゃ驚いた!
話も、絵も、今まで見た絵本の中で一番良かった。(生徒さん談)
『つみきのいえ』加藤 久仁生/さく 平田 研也/絵 白泉社
『ZOOM』イシュトバン・バンニャイ/さく 復刊ドットコム
こういう本をもっと図書館においてください!(生徒さん談)
『アライバル』ショーン・タン/さく 河出書房新社
まとめ ~絵本のセラピー効果~
いかがでしたか?
子どもの頃、絵本を親に読み聞かせてもらったり、わくわくしながら自分で一生懸命読んだりした経験のある方は、大人になって絵本を開くと、そんな温かな懐かしい思い出が一気に蘇ってくるのではないでしょうか。
読み終わった後で、胸の奥をギュッと掴まれてしまったような何とも言えない気持ちが、現実世界とシンクロした時、私たちは紛れもなく、絵本に”癒されている”のです。
絵本は、子どもだけでなく、疲れている大人に対しても、分け隔てなく、”癒し”や”気づき”を与えてくれます。ぜひ、この機会に、”しみる絵本”を手に取ってみてはいかがでしょうか。