目次
- 1 雨の日にこそ、読みたい絵本。
- 2 雨の日に読み聞かせたい絵本13選
- 2.0.1 『どしゃぶり』おーなり 由子/作・はた こうしろう/絵 講談社
- 2.0.2 『あめふりのおおさわぎ』デイビッド・シャノン/作・絵 小川 仁央/訳 評論社
- 2.0.3 『ふってきました』もとした いづみ/作・石井 聖岳/絵 講談社
- 2.0.4 『すてきなあまやどり』バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 なかがわ ちひろ/訳 徳間書店
- 2.0.5 『はっぱのおうち』征矢 清/作・林 明子/絵 福音館書店
- 2.0.6 『わんぱくだんのてるてるぼうず』ゆきの ゆみこ 上野与志/作・末崎 茂樹/絵 ひさかたチャイルド
- 2.0.7 『おじさんのかさ』佐野 洋子/作・絵 講談社
- 2.0.8 『キムのふしぎなかさのたび』ホーカンイェンソン/作・カーリン・スレーン/絵 徳間書店
- 2.0.9 『ちいさなきいろいかさ』にしまき かやこ/イラスト・森 比左志/シナリオ 金の星社
- 2.0.10 『あめあめふれふれもっとふれ』シャーリー・モーガン/作・エドワード・アーディゾーニ/絵 のら書店
- 2.0.11 『くすのきだんちのあめのひ』武鹿 悦子/作・末崎 茂樹/絵 ひかりのくに
- 2.0.12 『あめふり』さとう わきこ/作・絵 福音館書店
- 2.0.13 『雨がふったら、どこへいく?』ゲルダ・ミューラー/作・いとう なおこ/訳 評論社
- 3 雨の日には雨の日の楽しみ方がある。
雨の日にこそ、読みたい絵本。
雨の日は外で遊ぶこともできず、子どもはストレスがたまり、散らかった部屋を見て親もイライラ。
家の中で遊ぶとなると、どうしても子どもをテレビやネット漬けにしてしまいがちになっていることも・・・。
ですが、そんな時こそ、お子さんの意識を絵本に向けさせる最大のチャンスです。普段、外遊びが大好きなお子さんを絵本に振り向かせるのに、この時期ほど最適なシーズンはおそらくないのではないでしょうか。
今回は、「雨の日」だからこそのワクワクしてしまう絵本をたくさん集めてみましたので、ぜひ、雨の日を狙って、お子さんに読み聞かせをしてあげてください。
じめじめで、うんざりだった「雨の日」が、お子さんにとって、きっと「特別な日」になるのではないでしょうか。
雨の日に読み聞かせたい絵本13選
『どしゃぶり』おーなり 由子/作・はた こうしろう/絵 講談社
こちらは、リズミカルに雨が降る音や、まるでバケツをひっくり返したような、どしゃぶりな雨の様子が、はしゃぐ子供と共に臨場感たっぷりに表現されている絵本です。
大人になった今では、雨が降ると本当にうんざりしてしまいますが、この絵本は、雨が降った時に感じていた、幼い頃の心躍る感覚を思い起こさせてくれます。読んでいると、日常の中で、あれもダメ、これもダメと、つい、子どもに言いがちな自分に気づいて反省・・・。どしゃぶりの雨の中、ずぶぬれになって遊ぶ思い出の一つや二つ、私にもあったなあと、思わず物思いにふけってしまいました。
子どもにとって、雨の日は憂鬱なものではないのだと、むしろ、喜ばしいことですらあるのだと、改めて感じられた一冊です。
すごく気持ちよさそう!ぼくも頭からびしょぬれになりたい~!
雨降ったら、水着を着て遊びたいっ!
『あめふりのおおさわぎ』デイビッド・シャノン/作・絵 小川 仁央/訳 評論社
こちらは、雨が降ったことにより始まった町中大パニックの連鎖を面白おかしくコミカルに描いた作品です。
読み手のテンションで面白いか否かが左右される絵本なので、寝る前にしっとり読み聞かせというよりは、物語のドタバタに合わせてテンションをアゲアゲで読んだ方がこの絵本の良さが出るように思います。
タイトル通りの「おおさわぎ」。どんどんエスカレートしていく「おおさわぎ」に引き込まれ、子どもたちは終始クスクスと笑っていましたよ。
警察の人の車が邪魔になってる!みんなイライラしてるね~。
続きがどうなるのか気になって、面白かった。
『ふってきました』もとした いづみ/作・石井 聖岳/絵 講談社
なにやら雲行きが怪しくなってきて、今にも「ふってきそう」な空の下、お母さんにあげるお花を摘んでいる、つゆこちゃん。これは絶対、雨が降ってくるなと思って読み進めていたら、思わぬ展開に子どもたちはニヤリ。
この絵本の面白いところは、想定外が起きることです。「そんな、ばかな~!」と言いながらも、降ってくるものたちの表情が何とも言えない感じで笑えます。絵のタッチがゆるい感じなのも物語とピッタリで、たくさん子どもたちの笑顔が見られました。
「ふってきそうな空」を見ながら、「何が降りそうかなあ、」と聞くと、子どもは必ず「雨でしょ。」と答えます。そんな前振りたっぷりで、ぜひ、読み聞かせてあげてください。
まさかまさか~。笑
最後は意外過ぎた。想像の遥か上を越えてきたな。
・・・雨は?
『すてきなあまやどり』バレリー・ゴルバチョフ/作・絵 なかがわ ちひろ/訳 徳間書店
大きな木の下であまやどりしていたはずの、ぶたくん。やぎさんに、どうして濡れてしまったのかと尋ねられ、その理由を話し始めます。
ぶたくんがあまやどりしていた大きな木の下に、同じくあまやどりをしようとやってきた、たくさんの動物たち・・・。段々とスケールが大きくなる、ぶた君の話を聞いていて思い起こされるのは、ウクライナの民話『てぶくろ』。おじいさんがてぶくろを落としてしまい、動物が次々にやってきて、その手袋の中に入ってしまう、あの、感じによく似ています。
ただし、その流れからオチを想像していると、最後にいい意味で裏切られるので、壮大な前振りに思わず笑ってしまいます。こちらも、動物たちの表情が、物語の面白さに拍車をかけていますよ。
これも意外なオチで、笑えたね~。笑
かわいい話。
迫力があって面白かった!
『はっぱのおうち』征矢 清/作・林 明子/絵 福音館書店
『あさえとちいさいいもうと』や『こんとあき』など、林明子さんの絵本は、子どもが優しいタッチでとても愛らしく描かれていて、読んでいて癒されます。
こちらの作品は、小さな虫たちと一緒にあまやどりをする女の子のお話で、ページごとに虫たちの動きに変化が見られます。読んでいると、「かたつむりが進んでる!」、「この虫、前のページにいた!」と子どもは虫たちの動きにいろいろな発見をして楽しんでいました。
小さな秘密基地のような木の葉のおうちや、女の子と虫たちの触れ合いが、外遊びの楽しさを子どもたちに伝えてくれる、じんわりと暖かくなる一冊です。
妹ちゃんに似てない?
自分でも読みやすかったよ。この絵本、気に入った ♪
『わんぱくだんのてるてるぼうず』ゆきの ゆみこ 上野与志/作・末崎 茂樹/絵 ひさかたチャイルド
こちらは我が子も大好きな「わんぱくだんシリーズ」です。このブログでも幾度となく、このシリーズをご紹介してきましたが、春夏秋冬どの季節にもピッタリ合うお話があるので、絵本選びに困った時に大助かりなシリーズです。
『わんぱくだんのてるてるぼうず』は、けん、ひろし、くみの三人が作ったてるてるぼうずが「おてんんきのくに」へ案内してくれるお話で、雲の上へ行ける夢のような展開に想像を膨らませ、我が子は嬉しそうに聞き入っていました。
梅雨の時期だからこそ、手作りてるてるぼうずを一緒に作って、じめじめとした空気を吹き飛ばしたいですね。
わんぱくだんシリーズだ!!
昔よく借りて読んだな~。てるてるぼうずたちが嬉しそうで可愛いよね。
わんぱくだん大好き~!
私も空を飛んでみたい!!いいな~。
『おじさんのかさ』佐野 洋子/作・絵 講談社
こちらは、何とも言えないおじさんの表情がたまらなく癖になる絵本です。
おじさんは自分の傘をたいそう大事にしていて、大事にしすぎるあまり、雨が降っても開くことがなく、誰かに貸してあげるなんてことは絶対にしませんでした。
ところが、ある日、小さな女の子がやってきて、「あめがふったら ポンポロロン あめがふったら ピッチャンチャン。」と歌い出して・・・。
まるで、初めて傘を買ってもらった子どものようなおじさんの様子がとてもチャーミングに描かれています。きっと、おじさんと同じ大人よりも、子どもたちの方が、この感情に心当たりがあり、おじさんの気持ちに共感できるのではないでしょうか。
おじさん、傘の本当の良さがわかってよかったな。
使わないと傘がかわいそうだし。
おじさんのお気に入りなんだね。
私も雨の音って大好きだよ。
『キムのふしぎなかさのたび』ホーカンイェンソン/作・カーリン・スレーン/絵 徳間書店
ざあざあぶりの雨の日。キムはお店の外でママの買い物が終わるのを待っていました。
やがて、傘をひっくり返して船のようにすると、それにとびのり、大冒険に出発です。ジャングルに行ったり、海に出たりと、子どもがわくわくすること間違いなしのお話ですが、最後まで読めば、子供の頃の自分を思い出して「こんなこと自分も考えてたな」とどこか懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。
子どもの想像力ってすごいですよね!
これって女の子の想像?
それともニルス(ニルスの不思議な旅)みたいに、本当に小さくなってたのかなあ?
やっぱ、想像かな~。
どっちともはっきりとは書いてないよね。
どっちであってほしい?
本当に小さくなって、傘に乗って旅してきたんだったら面白い!
私も!!
『ちいさなきいろいかさ』にしまき かやこ/イラスト・森 比左志/シナリオ 金の星社
なっちゃんがお母さんに買ってもらった小さな黄色い傘は、とても不思議な傘。なにが不思議か具体的に言うことは避けます(表紙の絵を見れば大体わかると思います)が、大きなばくさんも、背高のっぽのきりんさんも、難なく入れてしまう、とっても不思議な傘なのです。
この絵本を読んでいて、子どもが「あのね、あのね、いいことがあったの」と話しかけてきた時に、この物語のお母さんのように「いいことって、どんなこと」と問いかけてあげられる、子どもに寄り添ってあげられるお母さんって素敵だな~と思いました。
どんな内容であれ、「ふんふん、そうなんだね。」と子供の目を見て話を聞いてあげられるお母さんでいたいものです。
絵がかわいい!
こんな傘があれば、学校行くときも絶対濡れないじゃん!!
『あめあめふれふれもっとふれ』シャーリー・モーガン/作・エドワード・アーディゾーニ/絵 のら書店
こちらは、何日も続く雨の日を悶々とした気持ちで過ごす男の子と女の子のお話です。
二人は窓から外を眺め、雨の日に自由に外出できる者たちを見ては羨み、彼らになれたらどんなにいいかと想像します。二人の様子を見ていると、雨の中で遊びたくて遊びたくてたまらない、今にも雨の中へ飛び出していきたい子どもたちの気持ちがよく分かり、なんだか微笑ましいです。
雨の日だからこそ、できる遊びってありますよね・・・。
これは気持ち、もの凄いわかるなあ~。
ずっと雨だと退屈で退屈でたまらなくなるもん。
雨の日しか長靴はけないから、雨が降ると外に出たくなるよ。
二人とも出れて良かったね!
『くすのきだんちのあめのひ』武鹿 悦子/作・末崎 茂樹/絵 ひかりのくに
こちらは、10階建てのくすのき団地に住む動物たちの様子が、読んでいて楽しいシリーズです。
雨の日も、思い思いに過ごす「くすのき団地」の住人たち。動物それぞれの過ごし方があって、どの窓からも小さなドラマを感じられます。
子どもたちは、6階のレストランでの、りすのコックさんとおくさんの会話が面白かったようで顔を見合わせていました。「何がそんなに面白いの?」と聞くと、「だって、グリーンピースって言ってる。」と。
ああ、なるほど。グリーンピースが嫌いな父さんのことを思い出して笑ったのか、と納得。
どの部屋に遊びに行きたいか、なんて言い合いながら、親子楽しく読み聞かせが出来る一冊です。
木の家なんて、秘密基地みたいで楽しそう。
しかもレストランまであるとか・・・。
ここに住めば、雨が降っても退屈しなさそうだよね。
かえるさんが羨ましくなっちゃった。
雨が「いいてんき」なのか~。
『あめふり』さとう わきこ/作・絵 福音館書店
こちらは、パワフルで優しいばばばあちゃんのシリーズです。
雨の日にうんざりなばばばあちゃんは、空に向かって大声で言いました。
「なんて いじわるな やつらだい。ようし。そんなに いじわるをするんなら、こっちにも かんがえが あるよ」
いらないものを暖炉にくべて、燃やし始めたばばばあちゃんは、仕上げにストーブと暖炉の中にこしょうと唐辛子を入れて、なにやら画策中。ばばばあちゃんの作戦は功を成すか、ぜひ、お子さんと語り合いながら読んでください。
最後のページの絵を見て、うちの子は「すご~い!ほんとはこんなこと出来ないよねえ?」と目を輝かせていました。
ばばばあちゃんのシリーズは、子どもたちに外遊びの楽しさを教えてくれたり、お菓子などの作り方を教えてくれるシリーズも楽しいですが、こういった「ありえないけれど、あったらいいな」が詰まったファンタジーも読んでいてわくわくしますよね。
ばばばあちゃんに、怖いものなんてないのかも。
ふかふかの雲に寝転がってみたくなった!
ばばばあちゃん大好き~。
雨って、鬼が降らしているの?!
『雨がふったら、どこへいく?』ゲルダ・ミューラー/作・いとう なおこ/訳 評論社
こちらは、双子のきょうだい、リュックとマリオンが、仲良しのステフと一緒にぬまに出かけるお話です。
道中で様々な動物や虫たちと出会ったり、ぬま到着後も楽しい発見があったりと、生き物たちとの触れ合いは尽きませんが、急に雲行きが怪しくなって、あっという間に大きな雨のしずくが落ちてきました。
この作品の素晴らしいところは、雨が降った時の生き物たちの様子が、絵で丁寧に描かれているところです。チョウやコバエなどの虫から、ガチョウ、ウシ、ブタなど、いろいろな動物が雨の日にどこにいるのか、どうしているのかが、わかりやすくまとめられているので、沢山の気づきを得ることが出来ます。
物語の最後に、雨がふるメカニズムのプチ情報が載っていたり、鳥や花、虫の情報が載っていたりするのも、子どもたちにとっては嬉しいおまけのようですよ。
最後にいろんな豆知識が載ってて面白かった。
ぼくも外でいろいろ見つけたくなったよ。
雨が降っても、虫さんたちの隠れる場所がちゃんとあるんだね。
今度さがしてみよ~。
雨の日には雨の日の楽しみ方がある。
いかがでしたか?
傘に雨粒が落ちた時のパラパラという楽しい音、雨が降っただけで日常が別世界になる不思議、そんな、雨の日にしか味わえないワクワクとした感情を絵本を通して知ってもらえたら素敵ですね。